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大統領の日常

作者:騎士猫
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本編
  第二十四話 驚き

 
前書き
感想お願いします。ご指摘でも”読んだよー”でもいいので、一言コメントお願いします 

 
西暦2115年 10月 23日
榛名


提督が椅子に座って何やら考え事をしています。
何を考えているんでしょう。

提督の秘書さんであるティレーナさんが入ってきました。手には書類を抱えています。いつもよりは全然少ないですね。いつもは書類のタワーが3つぐらいできていますが、今日は珍しく書類がほとんどありません。
ティレーナさんは書類を置くとすぐに部屋を出ていきました。提督は書類を読み始めています。

5分ほど読むと横にあるコンピューターを操作し始めました。こちらからは画面が見えないので何をやっているかはわかりません。でも時々ため息をついたり考えたり笑顔になったりしています。よくわかりませんね。
それが終わると提督は電話を持ってどこかに掛けています。二、三言会話すると電話を切ってまた別のところに掛けました。また二、三言話すと切りました。すると提督は今度はこちらを見て”ちょっといいか”といいました。私はみんなに静かにするように言うと静かになりました。
「これからちょっと軍港の方に行ってくる。もしかしたら時間がかかるかもしれないが夕食までには帰ってくるからそれまでは金剛と榛名の言うことをよく聞いて過ごしていてくれ。もし何かあったらティレーナさんが隣の部屋にいるから聞くように。何か質問は?」
どうやら提督はお出かけのようです。でもひとつ気になったので質問してみました。
「向こうで何かするんでしょうか?」
提督はすこし顎に手を当てて考えると答えました。
「ちょっとあってみたい人物がいるんだ。そいつと会って、ちょっと話をしたら帰ってくる」
「わかりました」
提督は私たちを見回しながら”他にはないか?”と聞いて”なさそうだな”というと荷物をまとめて扉に向かいました。一度扉の前で立ち止まると私たちのほうを向きました。
「じゃあいってくる」
私たちも続けて言いました。
「「「いってらっしゃーーい」」」

提督が出かけてから10分ぐらいたちました。皆オセロや人生ゲームをやったり外で走っていたり歌ったりと思い思いに過ごしています。ちなみに私はまだ提督室にいます。
そういえば提督っていつもどんなことしているんでしょう、気になります。
提督の机にさっきティレーナさんが置いて行った書類が置いてありました。見たらまずいかなと思いましたが、気になるものは気になるので見てみることにしました。

見るとほとんどが報告書でした。陸軍の物もあれば海軍、空軍の物もあります。あと企業からの手紙もありますね。提督っていつもこんなものばかり何時間もやっているんですね。私だったら30分で疲れちゃいそうです。

気になる報告書を見つけました。らぶれんちやという方面の報告書ですね。その紙には戦闘中に見つけた謎の女の子について書かれていました。提督から前に聞いたのですが、私たちと敵対関係にあるがるめちあす帝国という国では女性の兵隊はいないんだそうです。むさくるしそうですね。
ということはこの女の子は民間の人なんでしょうか。最後のページに写真がありますね。
って・・え・・・?

写真に写っている子って・・・・どこかで見た記憶のある・・・鎮守府で海外から派遣されたっていうドイツ艦・・・確か名前は・・・・


プリンツ・・・・プリンツ・・オイゲン・・・・

なんで・・・なんでここに・・・彼女は・・彼女は深海清鑑との戦闘中に行方不明になったはず・・・

私はお姉様に声をかけられるまでずっと固まっていた。


西暦2115年 10月 23日
ペルシャール・ミースト


鎮守府から30分ほど車に乗ると第一軍港に着いた。車酔いで吐きそうになったが何とか耐えられたぜ・・・

さてと、着いたはいいけど沈黙はどこにいるんだ?てか艦隊が軍港にいるからっていると決まったわけではなくね。少し考えればわかるはずだろ!おれってばかなの?死ぬの?
まぁいいやとりあえず聞いてみよう。ちょうど近くにいた兵士に聞いた。
「ちょっといいかな。第一艦隊第二分艦隊司令官のエルンスト・フォン・アイゼナッハ少将はいるかな」
「え・・あ・・えっと、今確認します!」
そういうと兵士は走って行った。
めっちゃぎこちなかったな。まぁあたりまえか。いきなり声をかけられたと思ったら大統領だったんだからな。俺だって同じ反応をするだろう。

5分ほどするとさっきとは違う兵士が来た。階級は中佐か。まぁ大統領の相手をするのに一兵士が行くのは失礼だと思ったのだろう。
「お待たせして申し訳ありません。アイゼナッハ少将の副官を務めているベーゼ中佐であります。閣下は現在打ち合わせのため203会議室においでであります。私がご案内いたします」
「いや、こちらも連絡なしでいきなり来たのだ。お詫びする」
「い、いえ、そのようなことはありません。お気になさらないでください」
「感謝する。では案内を頼む」
「はっ、こちらへどうぞ」
こいつもぎこちないな。まぁ大統領に謝罪されたんだからしょうがないか。でもよかった。ここまで来ていませんでしたじゃ落ち込むからな。よかったよかった。

そういえばアイゼナッハにあったらどう接すればいいんだ?”銀英伝のアイゼナッハさんですよね?”っていうか?論外だな。普通に”ちょっと会ってみたかったから”でいいか。そういえば俺の言葉にちゃんと答えてくれるかな。わけわからんジャスシャーしたりしないよな。でも家庭内ではちゃんと話してるとか原作で書いてあったし、大丈夫だろう。そういえば、あいつってこの世界でも沈黙提督とか言われてるのかな。いろいろと気になることが多すぎる。まぁ直接本人に聞けばいいか。

「こちらの部屋です」
着いたか。
「案内ありがとう。入っていいかな?」
「私が先に入って確認してまいりますので、少々お待ちいただけますか?」
「わかった」
「では」
そういうとベーゼ中佐が部屋に入って行った。
30秒ぐらいたつと扉があいてベーゼ中佐が”どうぞ”といった。シェーンコップのみを連れて部屋に入る。

「・・・(ピシっ」
敬礼してきたのでこちらも敬礼で返す。
完全にアイゼナッハだ。髪型もそのまんまである。さっきの副官はアイゼナッハの左斜め後ろに立っている。そしてアイゼナッハの方をじっと見ている。

「・・・今回はどのようなご用件で」
・・・シャベッタァァアアアアッ!!??

え??普通にしゃべるん?いつものジェスチャーはどうした!お前は沈黙提督じゃなかったの!?俺の人違い!?きっとそうだよね。きっともう一人エルンスト・フォン・アイゼナッハってやつがいるんだよね。

あ・・あはは・・・あはははははは・・・

「・・?閣下、汗が凄いですが、大丈夫で、しょうか?」
「・・あ、ああ大丈夫だ」
落ち着こう・・いったん落ち着こう・・・
ん?よく見ると後ろにいるベーゼ中佐がめっちゃ驚いてるぞ?え?もしかしていつもは沈黙だったの?顔が「チェックメイト」を聞いたビッテンみたいになってるぞ。あれか。初めて会った、それも大統領に沈黙は失礼だと思ったのか。きっと中佐もじっと沈黙を見てたのはいつもみたいにジェスチャーすると思ってたからだな。
「ベーゼ中佐、君もこの世のものではない何かを見たような顔になっているが、大丈夫か?」
「・・・あ、だ、大丈夫です・・」
完璧にあたりっぽいな。
「ところで少将。私が今日来たのは勿論理由があってね」
「・・その理由とは」

「・・・・新設される第十二艦隊の一代目司令官になってもらいたい」

「「「!!!!」」」

そう、俺がここに来たのは沈黙に会いたかっただけじゃない。新設される第十二艦隊の司令官を押し付けるためなのだー(嘘です、いま思いつきましたすいません)
艦隊は2か月前にできていたが、何せ司令部が参謀長と各参謀(後方参謀など)とそれぞれの下にいる合計60名しかいないのだ。これでは戦場に出せるはずもなく、早急に司令官を決める必要があった。そこでだ。そこで俺は考えた、”沈着冷静で地味な補給任務なども確実にこなしてくれる沈黙なら適任じゃね?”と。(これを考えた時間わずか1秒)

「・・閣下さすがにそれは唐突すぎではありませんか?少将の能力なども判断せずに司令官への就任を進めるというのは」
再起動を果たしたシェーンコップが苦笑いをしながら言ってきた。
「私は秘書官をただ一度会っただけで決めた。そして実際に仕事をしてみると彼女は秘書官になるために生まれてきたような優秀な女性だった。シェーンコップ准将、私には人を見る目があるのだよ」
結構適当なことを言ってるような気がするが、表情だけは真剣なのでシェーンコップも黙った。
「・・・私に正視艦隊司令官が務まるとお思いですか?」
「少将にできなければ一人を除いて何者にもできないと私は考えているよ」
「一人を除いて?できれば名前を教えていただけますか」
「・・フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト少将」
「・・では彼に任せればよろしいでしょう。幸い先日の戦いで十分な武勲を立てております」
やっぱり、銀英伝でのことは何も知らないみたいだな。
「彼は君の後釜となる。そして適当な時期に司令官に就任してもらう。少しは突撃以外の事も教える必要があるからな」
沈黙も驚いているがシェーンコップとベーゼ中佐も驚いている。さっきから驚いてばっかりだな。
「・・第十三艦隊・・ですか」
沈黙が言った。
「そうだ。ガルメチアス帝国を併合したら今の戦力だけでは足りなくなるだろう。私は先を見越して言っているのだよ」
「勝てる、と?」
「そうだ、まぁ時間がかかるかもしれないがな」
「・・・わかりました。第十二艦隊の司令官職、謹んでお受けいたします」
「そうか。では明日、卿を中将に昇進させる。昇進理由は今までの後方任務の報酬と思ってくれ」
沈黙は沢山任務をこなしてきた割にはあまり昇進していないみたいだからな。まぁ後方任務ばっかりだからしょうがないかもしれんが。
「中将昇進の発表の際、正式に第十二艦隊司令官へ就任を発表する」
「御意」
なんでそこは帝国式なんや・・・
「ではまた明日就任式で会おう。”沈黙提督”」
俺がそう言うと沈黙は固まった。完全な奇襲である。
俺は構わず部屋を出た。シェーンコップは完全復活を果たして、今では”いやはや、閣下にはいつも驚かされますなぁ”と不敵な笑みを浮かべていってくる。おれが”明日までは誰にも言うなよ”というと”夜中にふと言ってしまうかもしれませんが、まぁ気を付けましょう”といった。お前、今日も”夜戦”するのかよ・・・。まぁ別に俺が知ったことではないが・・・

 
 

 
後書き
なんか唐突だったけど沈黙の第十二艦隊司令官就任が決定しましたー(棒)
それと同時にビッテンの第十三艦隊司令官就任も仮決定しました^^
ビッテンが”第十三艦隊・・うっ、頭が・・・”とかなんなければいいですね。
第十三艦隊、通称「シュワルツ・ランツェンレイター」となるでしょう。確実に。”ビッテン艦隊””脳筋艦隊”とかでもいいかもしれませんね。 
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