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転生した死神

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第7話

  俺が姫島神社を出てからすでに、10日が過ぎていた。

最初は、父さんと母さんをなくしたショックから立ち直れなかったが、神様の

 「自由に生きるんじゃぞ」

という言葉を思い出し、自由に生きることを決意し、まずは生活費を稼ぐためにはぐれ悪魔を狩ろうとしたが、どいつがはぐれ悪魔か、どこに売ればいいか、どこが討伐証明になるかなど一切分からなかったが、全てドライグが教えてくれた。

いつ目覚めたか、なぜそんな事を知ってるかを聞いたら

 『貴様がコカビエルと闘っている時に意識が覚醒した』

 『はぐれ狩りをして稼いでいた奴がいたからだ』

だそうです。ドライグさん超便利。ドライグさんって能力チートじゃなく知識チートなんじゃないか?

 「なあ、ドライグ」
 『何だ、相棒』
 「もっと強いはぐれはいないのか?」

そう、ここ最近は俺の相手になるはぐれ悪魔が居ないのだ。最初ははぐれ悪魔の見た目に恐怖したが、ずっと続けているといい加減なれてくるものだ。

 『今の奴はB級のはぐれ悪魔だが、相棒の霧時雨で背後から近づき首を切る攻撃を防げるのは防御特化のB級以上か、S級以上の力を持つはぐれ悪魔のみだからな』

 「あぁー、どこかにS級がいねぇかなあ」

 『相棒、S級のはぐれ悪魔なんてそんなにいるものじゃないし、普通そのランクに遭遇すると逃げるものだぞ』
 「だかなぁドライグ、これじゃあ特訓じゃあなく作業とおんなじだぞ」
 『・・・・・・・・』
 「聞いてんのか、ドライグ」
 『相棒、強くなりたいなら精神世界に来て俺と戦うか?』
 「そんなこと出来んのか?」
 
何で、そんなことが出来るのなら最初に言わなかったんだ。

 『出来るが、オススメは出来ないぞ』
 「何でだ?」
 『精神世界だから死の概念はないが痛みは感じるようになってる。俺は過去二天龍と呼ばれていたからな、俺の攻撃を受けると死にはしないが想像を絶する痛みを相棒が受けることになる。それでもやる覚悟が相棒にあるか?』

ふっ、何を当たり前のことを

 「当然だ!!もとより何の代償もなしに強くなれるなんて考えてねえ!!その代償が痛みだってんならその痛みを俺は越えてやる」
 『ふっ、いい覚悟だ。いいだろうそこまで言うなら今日から開始だ。そこまで言ったからには泣き言なんぞ許さんぞ!!』
 「おう!!」

俺は強くなるんだ、大切なものができたときに全て守れるように。

 「それで、どうやったら精神世界にいけるんだ?」
 『相棒、その前にそのはぐれ悪魔を換金してきたらどうだ』

あっ、すっかり忘れてた。

 『まさか、忘れていたんではないだろうなあ』
 「は、はははそんなことあああるわけないじゃないかドライグくん」
 『(ジトーーーーー)』
 「今すぐ、行ってきまーーす!!」

そして俺は、はぐれ悪魔を換金すると

 「さあ、ドライグ今度こそ精神世界への行き方を教えてもらうぜ!」
 『ああ、いいだろう、と言っても相棒が何かをするわけじゃないがな』
 「なら、俺は何をすれば」
 『俺が相棒の意識をこちらに引っ張るだけだ』

それって、どういう

 『いくぞ!!』
 「えっ、ちょっ、まっ」
 『問答無用!』

その瞬間、俺の意識は暗転する。





 『目が覚めたか、相棒』
 
目を開けると、目の前に巨大な赤いドラゴンがいた。
 
 「お前がドライグってことでいいんだよなあ?」
 『いかにも、我こそ二天龍と称されしドラゴンが一柱赤龍帝ドライグだ!!』

俺は現状確認を終えると、周囲を見渡す。

そこは見渡す限り全てが荒野であった。

しかし、そこでひときわ異彩を放つものがある、そう目の前に4つの扉があるのだ

 『やめておけ相棒その扉からは一つ一つが俺以上の力を感じる』

ドライグはそう言うが、俺はこの扉が何なのか予想がつく。

多分だが、この扉の奥にはそれぞれの斬魄刀がいるんだろう。

だが、それならなぜ扉が4つある俺が頼んだ斬魄刀は3本なら、扉は3つじゃないのか?扉にはそれぞれ火・氷・霧・■と書かれている。

これは、火は流刃若火、氷は氷輪丸、霧は霧時雨のことだろう。なら、この■の扉は何なんだ・・・・・開けてみるか?

 『駄目だ!!相棒そこからは強い負の力を感じる、それこそこの神器に宿る過去の所有者の怨念よりも。だから、相棒その扉だけは開いてはいけない』
 「分かったよ、ドライグ。なら、修行を始めようか」
 『いいだろう、好きなだけかかってこい』

その言葉を聞いた瞬間俺は赤龍帝の籠手と斬魄刀を出しながらドライグに正面から突っ込む。

 「ウォォォォォオ」
 『フンッ』

しかし、ドライグは気にした様子もなく、軽く翼を振るだけで俺を吹き飛ばす。

 『相棒の力はその程度か!!』

ふっ、コイツは俺がこの程度の挑発に乗るわけねぇだろう・・・・・・ブチッ

 「なめてんじゃねぇーぞ!!翼の生えたトカゲのくせに見下してんじゃねぇーぞ!!!!」
   
     《隠せ 霧時雨》

俺は斬魄刀を解放する。

その時、俺の斬魄刀により俺とドライグだけでなく、荒野一帯を霧が包み込む。

 『なんだとっ!そうか、相棒の怒りによって力が上がったのか、だが、あの程度の挑発に乗るとは』
 「ウォォォォォーー」

ドライグの正面から一誠の声が聞こえる

 『馬鹿が、声を出せばせっかく姿を隠してる意味がないだろう。これでもくらって頭を冷やせ!!』

ドライグの口から特大の炎の玉が声の聞こえた方向へ発射される。

ヒューーードォォォォォォォォン

炎の玉は地面にぶつかるととんでもない爆発音とともに、周り一帯を破壊する。

その姿はまさしく赤き力の化身そのものだった。

 『一度死んだか、さあ目覚めるまでまつか』

カキンッ

荒野に刀と刀がぶつかる音が響く。

否、それは霧時雨の刀とドライグの鱗のぶつかり合う音だった。

 『なっ、なぜ相棒がそこにいる確かに吹き飛ばしたハズだ』
 「霧影。分身を作り出すだけの技だ」

一誠はこう言っているが、霧影はそんな弱い技ではない、霧影は霧時雨の欠点である攻撃力の低さを補う為の力である。

曲がりなりにも世界すら統括する神が一誠の為に作った斬魄刀である、それが気配を消すのみな訳がない。(実は、流刃若火と氷輪丸も強化しているが、それはまた別の話)

 「クソッ、テメェの鱗硬すぎるだろう、今クリーンヒットしただろ!!」
 『その程度の攻撃なら何万回受けても俺の鱗には傷一つ付けられないぞ』

何万回ねぇ、なら今の攻撃の何億倍の攻撃を一度に受けたらどうだろうなぁ?

今の一誠の霧はドライグの挑発により普段よりも何十倍も広い、霧時雨の分身の数は霧の広さに比例する。

なら、今本気で分身を出すとどうなるだろうか?



ドライグは混乱していた。なぜなら、禁手に至っていない筈の一誠が10秒のタイムラグなしに赤龍帝の籠手を使っていることに

だが、それだけなら今さっき至ったと言えるだろう、問題は倍加を知らせる音声がドライグの周り全てから聞こえるということだ。

 『相棒、お前何をした』

ドライグは冷や汗をかきながら尋ねる。それに対する一誠の返答はアッサリしたものだった。 

 「別に何も、ただ増やしただけだ」

『Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost』

そして、一誠は時間にして30秒程経過すると全ての分身を消す、一誠の分身は消える時その分身がしたことは本人に蓄積されるつまり、何千もの分身が30秒ためつづけた倍加が一気に一誠に流れ込む。

 (な、なんだこれ、イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ イタイ)

当然である、サイヤ人とはいえ一度にこれだけの倍加をすれば体が壊れてしまう。

 (これ以上は体がもたねぇ。なら、次の一撃に俺の全てをかける!!)

もし、霧時雨が発動していなければ一誠の纏っている力を見た瞬間ドライグは回避に全ての力をつかうだろう。

しかし、霧時雨が発動している今ドライグに一誠の力を確認する術はない。

一誠は静かにしかし確かな足取りでドライグに近づき刀を構える。
 
その瞬間、ドライグの長年の戦いにより鍛えられた勘が告げる今すぐ全力で防御しろと。

『Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost Boost』

一誠の刀とドライグの鱗が激突する。

ズドォォォォォォォォォォォン
その瞬間、二人の下の地面は吹き飛び圧倒的力の激突により衝撃波が発生する。

 「ウォォォォォォォォォォォォォ」
 『グギャァァァァァァァァァァァ』

しばしの間力の拮抗が続くと一誠の精神世界から音が消える。

二人の勝負を制したのは

 『やれやれ、軽く遊んでやるつもりこの俺がここまでやられるとは』

勝負を制したのはドライグであったがその姿は見るも無惨な姿だった。

あらゆる攻撃を跳ね返したきた鱗は無事な鱗を探すのが困難な程であり、幾万の敵を吹き飛ばしてきた翼は所々に穴が空いている、敵対することごとくを斬り殺してきた爪はすでに割れている。



二人の勝負はドライグの辛勝で幕を閉じる






これが、後に【無敵の赤龍帝】と呼ばれる二人の始まりである。 
 

 
後書き
斬魄刀説明No1
霧時雨:主人公である一誠オリジナルの斬魄刀。

始解:解号 《隠せ 霧時雨》

  能力1:目の前すら見えなくなる霧を発生させる。感情により霧の量は変化する。

  能力2:自分と自分が指定するもののあらゆる気配を消す。その気配はどれだけ気配探知に優れていようと見つけることは出来ない。

  能力3:霧の中にある者の大まかな力が数値としてわかる(スカウターみたいなもの)

  能力4:霧の中でのみ自分と同じ力、同じ装備の分身を作り出すことが出来る。分身の数は霧の展開している範囲に比例する。分身が経験したことは全て自分の力に出来る(影分身みたいな感じ) 
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