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歌集「春雪花」

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 愛おしき

  想いの消えぬ

   わが刻は

 君に会えねば

    空のままなり



 彼への愛を消せずに苦しむ時間…ただ想い続け、日々を霧散するだけ…。

 何をしても虚しくなるばかりで、きっと…彼に会えなければ、いつまでも無駄に時を過ごすことになるのだろう…。

 ずっと…私の心は空っぽのまま…虚ろに過ごすのだ…。



 白む夜の

  想いし君の

   縁なく

 鳥の鳴く音の

    虚したりける



 夜明けが近い…うっすらと光が夜を消し始めている…。
 部屋で一人でいても、彼の事ばかり考えてしまう…。

 しかし…私にはきっと、彼との縁はないのだ…。

 恋しくても…愛しくても…私には届かぬ星なのだ…。

 外では鳥が朝を告げんと囀ずっているが…それさえ虚しく聞こえる…。




 
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