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我輩は逃亡者である

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第一章 ただいま逃亡中ぼっち。
  04.知らない天井だ、諦めるにはまだ早い

そして俺はIS学園に保護されたのちにIS適正SSランク、よくわからないけど第五世代なるものに乗り学生の身にしてモンドグロッソ優勝をしたのであったーフハハハー!






…………知らない天井だ。何か変に恥ずかしい夢を見た気がするが思い出せない、夢って中々思い出せないんだよな。しかし今回はしっかり樹海のなかでお迎えが来たのは覚えている、しかし今思い返せばメカチックな天使だったが--ここは所謂天国だろうか?それにしてはやけに薬品臭いが…

こ、これは…ISに捕まったんじゃん!メカチックな天使とかないわ。ということは薬品臭いここは実験施設か!?よくわからない点滴もされてるし!ああクソ、外したら痛い。やっぱ夢でも天国でもないね!

「やっぱりこれは逃げの一手あるのみだよね、幸い今は誰もいないし。--それにしてもさっきから爆発音みたいなのが聞こえるが、寧ろ都合がイイネ!いいぞ、もっとやれ!」
窓を開けばそこはもう自由の世界…!






--そうして彼が窓から飛び出した保健室には[栄養剤]と書かれた点滴が1つポツンと残されたのであった。







▽▽▽▽



我輩は脱走者である、名前はもうある。
生まれたところは覚えている。ただ薬臭い割りと清潔なところで目が覚めたことは記憶に新しい。
我輩はそこで始めて恐怖を感じた。点滴をされていたのだ。
しかしあれがいったい何の点滴だったかはとんと見当もつかぬ。





--ああ、シャバの空気が上手い。無事抜け出せてよかった…それにしてもあそこは一体なんの施設だったんだろうか?今思えば研究所にしては派手だったし。それにモノレールを使わないと出れなかったんだけど無人なのに動いてた。滅茶苦茶金がかかってそうだったなぁ。まあ今時タクシーだって自動で開いて乗れるし驚かんけどね。

「ま、過ぎたことはいいさ。よく寝たお陰か体調がいいなぁ…しかし空腹はなんともし難い」
あの施設からはある程度離れたし飯でも食べ…に行く前にペイントボールで汚れたリュックを買い換えますかね。
持ったまま店に入ると目立つし取り敢えずリュックは適当なロッカーに預けて…ショッピングモール『レゾナンス』へと向かった。シャツと下着の変えもほしいし調度良さげだったのだ、だったのだが






「ちょっとそこの貴方!これを片付けておきなさい!」
めんどくさいのに絡まれたのである、この手の女の人は正直酔ったおっさんよりある意味危ないのだが…

「へへっ、了解です!貴女みたいな風靡方にはもっと相応しいバックがありますもんね!」
「ふんっ、わかってるじゃない」
変に口答えしない限り酔ったおっさんよりはかわしやすい、無茶な命令でもないし適当におだててつつ従っておけばいいのさ!何より警備員なんて呼ばれたら捕まってしまう!
プライド?ハハッ、犬にでも食べさせておきなさい。
--ささ、また絡まれる前に買い物すましてトンズラこきますかね。





▽▽▽▽



結局あれから2人の妖怪厚化粧…ではなく奥様方に絡まれた。あれか?奴隷臭みたいなものでも漂ってるのだろうか…せめて美人なお姉さんに命令されるなら俺も報われるというものの…!まったく上手くいかない世の中だよ

「さて、空腹もいい加減限界を迎えているのでレゾナンスへ向かう途中見かけた食堂『五反田食堂』へとやってきました!」
「おめぇなに言ってんだ…?」
「いえいえ、親父さん野菜炒め定食1つ!」
「おう」
チラッと店内を視てみたが貼り紙はないようだ、まさかラーメン屋だけに貼ってるとかないよね?まあこれで落ち着いて食べられるしよかったよかった。
ただ久々のご飯なのでさっきから腹の虫がもううるさくてしかたない…炒めものをつくるジュウジュウなってる音がさらに空腹をさそ「…ところで坊主」

「…なんですか?」
あれこれデシャヴュ…冷や汗がとまらない、外食するたびに通報されるっていうのか!--これは不味い気がするけど腹へって動けないよ、上代翔の冒険の書はここで終わると言うのか…!既に一回捕まったし一度コンティニューしたようなもんだけどされ

「いや、やっぱなんでもねぇよ。ほら野菜炒め定食だ。」
「お、おお!いただきます!」
よかった!この親父さん凄くいい人だよ、野菜炒めも美味しいし!


「ぷっはー、ご馳走さまでした!お代ここおいときます!」
「おう毎度!」
食った食った、これでまた元気に逃げられる。今度からはちょっとした非常食くらい買っておこうか…いやいやそんなにいつも遭難してたまるか。しかし念には念をというし…






その頃上代翔が出ていった五反田食堂では親父さん…もといこの店の店主である五反田厳は
「あいつどう見ても学生だったがこんな時間から…いや若いうちには色々あるわな」
と言っていたとか言ってなかったとか。



▼▼▼▼

その数時間前クラス代表対抗戦が行われていたIS学園では…


何だアイツは!一夏と鈴音が対抗戦を行っていた最中に所属不明のISが乱入してきた上にアリーナがハッキングされた。

『織斑先生!』
「山田君か!現在クラス代表対抗戦中に所属不明のISが乱入してきた。アリーナの生徒の避難を進めているがアリーナ自体にハッキングをされているせいで避難がまともにできない状況だ!それと上代翔はどうした?」
山田君から通信が入った…上代翔を見つけて連れ帰ったようだが姿が見えない。

『上代君は意識がなかったので保健室に寝かせてきました!栄養失調に近い状態だったので念のため栄養剤の点滴をしてもらってます。アリーナがハッキングされていて避難がままならないなら私は外側からアリーナを開けれないか試してみます!』
「そうか、頼んだぞ」
…まあ樹海のなかで数日過ごして衰弱していたのなら半日は動けまい。今はこちらの対処、生徒の安全の確保に徹するとしよう。




と思っていたのだが見込みが甘かった、一夏が所属不明のISを無茶をし倒した後に意識を失い保健室に連れていくと--見事にもぬけの殻であった。窓が全開になっており虚しくカーテンが風に揺られていた。
こんなにすぐ動けるとはアイツはいったい何で出来ているのだ…?そもそもなぜ逃げ出すのだろうか。

「ああ!上代君がいません!?」
「窓から逃げ出したようだな。まあ樹海を数日間さ迷った人間がすぐに起きて逃げ出すなど誰も予想できん、それにあの時はアリーナにいる生徒の安全確保が重要だったのだ。そう気を落とすな、取り敢えず織斑を寝かせよ」
「うう…あんな状態で逃げ出すなんて、彼見つけたときには草を食べてたんですよ?」
「……」
ほんとうに何をやってるんだ上代翔は?





▽▽▽▽



「う…?ここは、保健室か」
「よーやく起きたのね。全くビームに突っ込んで切りかかるなんて無茶するんだから」
「おお、鈴いたのか…いやつい反射的に身体が動いてな」
「つい、じゃないわよ。皆心配したんだからね?」
「ぐ…すまんと思ってる」
随分心配かけてしまったみたいだ、また千冬姉…皆にも謝らないといけないな
--っとそういえば前に泣かせてしまったことを謝らないとな。

「…なあ、鈴」
「な、何よ?」
「この前はすまなかった!勢いとはいえお前との約束をそんなことって言っちまって…本当にすまん!」
鈴は少し面食らったような顔をしていたが小さくため息をつき

「いいわよ、まああんたもこんな同姓のいない環境で辛いってのもあるだろうし…それにあの言い方じゃ通じないってわかったしね!」
それじゃあ先生読んでくるわ、と言い鈴は保健室を出ていった…あの反応は許してもらえたのだろうか?それとあの言い方じゃ通じないってどういう意味だろうか?
と頭を捻らせていたら千冬姉がきた。

「起きたか、身体に異常はないか一夏?」
「ああ、問題ないよ千冬姉。あと心配かけてごめん」
「まったくだ、もうあんな無茶はしてくれるなよ」
「気を付けるよ…そういや山田先生が探しにいった上代翔はどこにいるんだ?そろそろ来ててもいいと思うんだけど」
そう問うと少し千冬姉はいい淀んだがすぐに予想外の答えを口にした

「あ、あー実はそのベッドなお前が横になる直前まで上代が使っていたベッドなんだが…」
「おお!?もう来てたのかよ!それしても樹海に数日いたってのにもう動けるようになるなんてタフだな」
「まったくのタフさだ、再びそこの窓から逃げ出すなんてな」
「……え?」
「だから再び逃げ出したんだ、そこの窓からな」


--そう、本当に予想外の答えを口にしたであった。

いつになったら会えるんだよ!? 
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