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俺の名はシャルル・フェニックス

作者:南の星
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歓迎会と不死鳥

唐突だが、我が家には多数の決まりごとがある。

例えば決めごとは多数決でとか、掃除当番だとかそういった感じのことだ。

そしてこの多数決がかなり厄介なのだ。

黒歌、理子、束は面白いことには必ず手を挙げる。

白音、千冬はまともなものに手を挙げる。

恋は俺が手を挙げたものに、白雪は基本俺が手を挙げたものに手を挙げるがあまりにも酷いものには別に手を挙げるといった感じだ。

例えば昔に一日だけ水着で生活するといった議題が挙がった。

千冬は「水着は海やプールで着るものだから」と反対。

白雪と白音は「恥ずかしいから」という理由で反対。

残りは「面白いから」という理由で賛成した。

俺は男として賛成した。

そりゃあプールや海で見る水着は最高だ。

けれど、普段過ごしてる場所で、普段着とはかけ離れた服装で恥じらう姿が見たかったのだ!

チラリズムだっていいさ!

でもたまには嗜好を変えてもいいじゃないか!

綺麗所が揃ってるんだから!相手も(半数は)ノリノリなんだから!

まぁ、動く度に揺れる霊峰やら、未成熟な若々しく瑞々しい体躯が見れてすっげぇ満足でした!ご馳走さま!

って半分キャラ崩壊をしてしまうほど素晴らしいって俺は思った。

まぁ、女体に溺れ過ぎると見限られるから程々にだ。

そしてそんなことが起きる多数決で1つの決まりが可決された。

祝い事は盛大に。

皆の誕生日は勿論のことクリスマス、お正月、その他もろもろ。

そして今日は誠菜が眷属に成った日。

つまりは仲間、家族が増える目出度い日。

だから祝い事をする日となる。

さて、何故これのどこが問題なのか。

盛大にという部分だ。


内にはやり過ぎる奴等が3人もいる。

その3人、特に技術力が桁違いな天災が、盛大にやらかすのだ。

それはもう盛大に。

常識なんて吹っ飛ぶくらいに。

まぁ、その代わり、天災さんには年に1回、誕生日に千冬とガチバトの後に俺とのバトルと言うこってりボコボココースが待ってるのだが。

他にもロリ巨乳さんは俺とのリアル鬼ごっこ。

黒猫さんは俺とリアルかくれんぼだ。

毎回恐怖を味会わせてやってるぜ。

日頃の恨みとかじゃない。

訓練、そう訓練なんだ。

くっくっく。

「あ、あの、せせ先輩?」

あと数ヶ月に迫った3人の誕生日を楽しみにしていると、微妙に怖がりながら、誠菜が恐る恐る尋ねてきた。

そういやぁ、さっき怖がらせるようなこと言っちゃったな。

だから怖じ気づいているようだ。

「すまん。さっきのはノリで言った。
死にはしないがかなり愉快なことが起こる。
まぁ、家の名物みたいなモンだと思ってくれ」

愉快な、の前に、見てる方は、という言葉が隠れているが。

「わか……わかりました……
お……おおじゃま……しま……す……」

「ただいま、な?
ここは誠菜の家にもなるんだからさ」

「ひぅ……たたただい、い、いまま!帰りましたでございまひゅる!」

噛みすぎて言語がおかしくなってやがる。

それを指摘すると誠菜がもっと恥ずかしい思いをしてしまうため、スルーするが。

「ただいま」

警戒しながらも靴を脱ぐ。

勿論、誠菜も靴を脱いだ。

家の中は閑散としてて、誰一人居ないように見える。

が、気配でいることは分かる。

けれど、かなり気配を消しているらしく、気配が3つ。

たぶん、千冬、白雪、恋の3人だと思う。

本気で気配隠されて察知できるのは気配を消すのを苦手としてる3人だけだから。

他は気配を消してるか、本当は居ないのか。

とりあえず、気配が集まってるリビングへ向かおう。

「着いてきて」

「は、はい」

誠菜は俺の後ろを歩かせて普段通りの歩調で、けれど警戒心だけは上げて歩く。

何故我が家なのに、警戒しなければならないんだ。

我が家って心身を休める場所だろ!?

今夜辺りでも祝い事は盛大にやるが、人の一般常識の範囲内でって多数決で決めてやる。

いや、この際、家長権限で強引にやってもいいかもしれん。

たまにはガツンと言ってやろう。

そう心に決めてリビングへ続く扉を開けると、3人が揃いも揃って"戦闘衣装"に身を包んでいた。

「おいおい、3対2でバトルなんて洒落にならねぇぞ」

態々戦闘衣装を着るくらいのレベルならこの家処か、周囲も焼け野原になるだろう。

問題はそのくらいで、誠菜という護衛対象がいても負ける気はないが。

「何馬鹿な事を言ってる。
魔王サーゼクスから連絡があった。
鴉狩りの時間だ」

おっと、どうやら、歓迎会をする暇もないようだ。



 
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