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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三十二話 テスト勉強その七

「とにかく寝ることもなのね」
「おろそかにしてはいけないでござるな」
「そういうことだ、いい成績を取りたければだ」
 そのテストでだ。
「まずは寝ることだ」
「勉強よりも」
「まずは寝ることでござるか」
「しっかりと寝てから勉強することだ」
 その方がいいというのだ。
「勿論勉強もしないと駄目だが」
「寝ることが第一なのね」
「そういうことだ、私もそのことは大家殿と同じだ」
 その僕と、というのだ。
「そこは」
「そう、じゃあね」 
 ラブポーンさんは井上さんの言葉に頷いてだ、そうしてからマルヤムさんにまた顔を向けてそして言った。
「寝てそしてね」
「勉強するでござる」
「そうしようね」
 こうしたことを話してだった、ラブポーンさん達は朝御飯をしっかりと食べた。それは皆も同じでその朝御飯の後で。
 僕達は登校した、テスト前なので部活は朝もなかった。
 それで登校してすぐにクラスに行くとだ、すぐにだった。
 クラスメイトの皆がだ、こう言っていたのを聞いた。
「今回まずいな」
「本当にね」
「俺英語のグラマーまずい」
「私は古文が」
 こうした話だった、そしてだった。
 その古文について、クラスの女の子の一人野上さんが言っていた。アーモンド型の目に黒髪を伸ばした人だ。胸が大きいことが話題になることが多い。
「源氏物語ってね」
「ああ、あれな」
「古文の中でもな」
「文章難しいよな」
「妙に」
「そうでしょ」 
 こう他のクラスメイト達に言っていた。
「紫式部の文章って」
「紫式部日記も難しいよな、そういえば」
「それで源氏物語も」
「文章難しくて」
「勉強しにくいな」
「あの人の作品ってね」
「現国でもな」
 男子生徒の西田君も言う。四角い顔がトレードマークだ。
「人によってもな」
「ああ、芥川や太宰は文章わかりやすいけれど」
「志賀直哉もね」
「けれど二葉亭四迷になると」
 西田君はこの人の名前を出した。
「あれ現国か?」
「古典?」
「そっちじゃないの?」
「はっきり言ってね」
「あまり現国の文章じゃないよね」
「あと樋口一葉も」 
 この人の名前も出た、お札にもなっている人だ。
「あの人の文章古典じゃ」
「何処が現国?」
「明治の前半の人の文章って難しいよな」
「古典みたいで」
「あっ、そうだよね」
 ここで僕も皆の話に入って言った。
「森鴎外でもね」
「ああ、鴎外さんなんてな」
「それこそ時代によって文章違うよね」
「高瀬舟は普通の文章だけれど」
「舞姫になると」
 どちらも鴎外の代表作だがそれでもだ。 
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