八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第三十一話 テスト前その十
「ベッドよりもずっとね」
「寝にくいんだ」
「寝相が悪いと落ちるし」
下にだ、船の鉄の床に。考えただけでも痛い。
「腰にも悪いし下は布一枚だから」
「寒そうだね」
「ベッドよりもね」
「そうなんだね」
「やっぱりベッドの方がいいんだよ」
寝るにはというのだ。
「よく休めるよ」
「伊藤君詳しいね」
「昔ハンモックで寝たことがあって」
「それで知ってるんだ」
「風情はあるけれど結構ね」
「そうしたところが問題なんだね」
「そうなんだ、ハンモックはね」
僕にこうシビアな口調で話してくれた。
「だからお布団かベッドの方がいいんだ」
「成程ね」
「それで海軍に話を戻すと」
「インキン?」
「今もかなり減ったけれど」
それでもというのだ。
「あるにはあるよ」
「そうなんだね」
「そうしたお薬も売れるんだ」
自衛隊特に海上自衛隊においてだ、インキンや水虫の治療薬は。
「痒くて仕方ないから」
「怖いね」
「この季節は気をつけないとね」
「自衛官でなくても」
「油断してたらなるよ」
例え普通の学生生活を送っていてもだ、不潔な生活をしているとそうした病気になってしまうというのだ。
それでだ、僕は心から思った。
「僕も気をつけないとね」
「八条荘どうなの?」
「清潔にしてるの?」
「うん、いつもね」
僕は女の子達に答えた。
「執事さんやメイドさん達がやってくれてるよ」
「だからなのね」
「清潔なのね」
「八条荘は」
「そうなのね」
「そう、清潔なんだ」
八条荘はというのだ。
「だからそうした病気にもならないよ」
「それはいいわね」
「じゃあ食べものもカビが生えない」
「腐らない様に注意している」
「そうなのね」
「うん、シェフも人もしっかりしてるからね」
小野さん、あの人はそうしたこともわかってくれている。シェフとしてそうしたことも完璧に仕事をしてくれうr人だ。
「だからね」
「食中毒も起こさない」
「うん、それもないよ」
小野さんならだ。
「安心して毎日食べることも楽しんでるよ」
「本当にいいアパートね」
「そうよね」
「八条荘って」
「何かと」
「執事さんもいて」
まずは畑中さんのことが話された。
「シェフの人がいてメイドさん達もいて」
「何か貴族のお屋敷みたい」
「そうよね」
「大家君が旦那様でね」
「貴族のね」
「いや、僕は貴族じゃないよ」
そのことは否定した、それもすぐに。
「日本に貴族いないじゃない」
「いや、けれどね」
「それでもじゃない」
「八条家って元華族でしょ」
「それも公卿出身の」
だからだというのだ。
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