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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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雷との出会い

 
前書き
この話は小さい頃、私がよく迷子になっていた、という話を親から聞いて思い付きました。
今回も頑張っていきたいと思うのでよろしくお願いします  

 
クロッカスにて・・・

「グレイさん!!これなんてどうですかね?」
「いや、ウェンディにはこっちの色の方があるんじゃねぇか?」

今俺たちは魔法コンテストのあった首都クロッカスで買い物をしている。俺はウェンディが最近髪を結っていいるところを見かけるのでヘアゴム的なものを買ってみようと思いグレイさんとセシリーと一緒にお店を見ている。

「この赤いのなんていいんじゃないですか?」
「いいかもな。ウェンディの髪色と反対色だしな」
「きっと似合うと思うよ~!!」

グレイさんもセシリーも賛成してくれる。よし!ならこれに決定だな!


















レストランにて・・・

「いやぁ、ウェンディにお土産買えてよかったです」
「大会も優勝できたしな」
「二人の演技本当にきれいだったよ~!最後のあれもなかなかだったし~」

さ・・・最後のあれか・・・ウェンディとかギルドの人には見せられないな・・・

「で、これからどうするよ?そのままギルドに戻るか?もうちょっとなんかしてくか?」

グレイさんがかき氷を食べながら聞いてくる。グレイさんは冷たいものが好きなんだよな。ナツさんは熱いものが好きらしいし・・・

「もう少し遊んでいこうよ~」
「せっかく王都まで来ましたしね」
「だな」

俺たちはギルドに戻るのはもう少しあとにしてしばらくクロッカスを探索することにしました。



















「ここが華灯宮メルクリアスか」
「大きいですね~」
「王様ってどんな人なのかな~?」

俺たちはクロッカスのいろいろなところを探索している真っ最中。しかし首都ってだけあって本当に色んなものがあるなぁ。人もいっぱいいるし・・・魔法コンテストをやった会場も大きかったし。

その後も俺たちは観光を続けていたのだが、突然目の前に人だかりを見つける。なんだあれ?

「なんかあんのか?」
「行ってみます?」
「行こう行こう!!」

俺たちはそう言って人混みの中に飛び込んだ。しかし・・・

「うぅ・・・前に進めない・・・」

人が多すぎて全然前に進めない。体が小さいから隙間を通っていけるかと思ったんだけど・・・隙間を通る小ささよりも人を掻き分ける力の方が必要だったな・・・

「しょうがない・・・俺だけでも外に出て待ってよう」

俺は前に行くことを諦めて人混みの外に出る。グレイさんとセシリーはうまく前まで行けてたみたいだし、あとで二人から何があったのか聞けばいいや。

俺はそう思い人混みから離れたところで二人が戻ってくるのを待つ。しばらくすると人が少しずつその場をあとにしていく。なんだったのかな?グレイさんたち早く戻って来ないかな?
しばらくするとそこにはさっきまでいた人たちが全員いなくなる・・・いなくなったのだが・・・

「あ・・・あれ?」

俺は辺りを見回す。しかしグレイさんとセシリーらしき人影が見当たらない・・・あれ?これってもしかして・・・

「はぐれちゃった!?」

―――――――グレイたちは・・・第3者side

「なんだよ・・・ただの酔っ払いが騒いでただけかよ」
「なんかがっかりだったね~」

グレイとセシリーは人混みを掻き分け先頭にまでいったのに、その集まっていたのはなんてことのないことだった。昼間から酒を飲んで酔っぱらったおっさんが電柱にぶつかってしまい、その電柱を人だと思い込み電柱に文句を言って一人で電柱と格闘していたのだった。
なんともアホな話である。

「なんか疲れちまったな」
「そうだね~。シリル~。そろそろ帰ろ・・・」

ここでようやく二人もあることに気づく。そう・・・シリルがいなくなっていることに。

「あれ!?あいつどこいった!?」
「そういえばあの人混みに入ったときから見てないような~・・・」

二人は顔を見合わせる。そして二人はため息をつく。

「しょうがねぇ・・・探すか」
「だね~」

二人はシリルを探すために歩き始める。

――――――シリルはというと・・・シリルside

「二人ともどこいったのかな?」

俺は辺りをキョロキョロと見回しながら歩くけど・・・二人の姿は見当たらない。まったくもう・・・

「二人とも迷子になるなんて!!」

いや、多分迷子になったのは俺なんだろうけど・・・なんかそれは認めたくない!
それにしても・・・二人ともどこにいったのかな?
フィオーレ王国の首都だけあって、人が溢れかえっているクロッカス。おかげで周りに人しかいなくてよく見えない。

「どうしよう・・・」

―――――第3者side

一人の男がクロッカスを歩いているとその目に懐かしいギルドマークを肩に入れた少女が目に入る。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)か・・・」

男はその少女を見て少し懐かしい気持ちになる。しかし、その男にはその少女の顔が全く記憶にない。

「新入りか?」

男はそう考える。するとその少女は困ったような顔で辺りを見回している。
多分仲間とはぐれたのだろう。じじぃがこんな小さな子を一人でこんな遠くの街に行かせるはずないからな、と男は考える。

「しゃあねぇな・・・」

自分がさんざん迷惑をかけてしまったギルド、そこに新しく入った少女なら、助けてやるぐらいはしてやらないとな、男はそう思い、その少女に近づいていく。

―――――シリルside

「う~ん・・・」

俺は背伸びしたりジャンプしたりしてグレイさんたちを探している。しかし、一向に見つかる気配はない。

「ヤバイなぁ・・・どうしよう・・・」

二人の名前でも叫ぶか?でもいかにも「僕迷子なんですよ~」って言ってるみたいで恥ずかしいな・・・でも何か行動しないと二人を見つけられないしなぁ・・・

「はぁ・・・」

思わずため息が出る。13歳にもなって迷子になるなんてなぁ・・・恥ずかしいけど、叫ぶしかないのかな?

「あ!」

そこまで考えて思い出す。今探している人たちの特徴を思い出す。一人はイケメンの露出魔・・・もう一人は空飛ぶ猫・・・常識的に考えたら二人ともありえない特徴だ。多分二人を見た人は覚えているに違いない!そうと決まれば誰かに聞いてみよう!
そう思って俺は話しかけられそうな人を探す。すると突然

ガシッ

後ろから肩を捕まれる。もしかしてグレイさん?

「グレイさん!!」

俺は振り返るとそこにいたのは・・・金髪を刈り上げた大柄の男の人だった。

「迷子か?」
「え?」

いきなり金髪の人に聞かれる。まさか心配して声をかけてくれたのかな?見た目によらずいい人だ。

「はい。そんなところです」
「誰を探してるんだ?」

一緒に探してくれるのか?優しいなぁ。でもあんな特徴言って信じてもらえるかな?

「ほら。早く言え」
「えっと・・・一人が上半身裸の男の人で、もう一人・・・というか一匹が羽を出して空を飛ぶ茶色の猫です」
「なんだ。グレイか。猫の方はよくわからんが」
「え?グレイさんのこと知ってるんですか?」

俺がそう言うと男は言わなきゃよかったと言う顔をする。なんかあったのかな?聞かないでおくか。

「それで、グレイさんを見たりしてませんかね?」
「いや、見てねぇな」
「そうですか・・・」

どうやらこの人もグレイさんとセシリーは見てないようだ。振り出しだな。

「一緒に探してやるよ」
「え?いいんですか?」
「ああ。いろいろ聞いてみてぇこともあるし」
「ありがとうございます!!えっと・・・」
「ラクサスだ。ラクサス・ドレアー」
「よろしくお願いします、ラクサスさん。俺はシリル・アデナウアーといいます」
「俺?」

ラクサスさんが驚いた顔をする。もしかして・・・

「俺・・・男なんで・・・」
「男!?」

ラクサスさん声を上げる。そんなに驚かなくてもいいのに・・・

「すまねぇ・・・てっきり女だと思ってたぜ・・・そういえばその服・・・男物だったな・・・全然気づかなかった・・・」
「いえ、よく間違えられるので大丈夫です。それより早くグレイさんを探しましょう!」
「そうだな・・・」

俺はラクサスさんと一緒にグレイさんを探すために歩き始める。ラクサスさんは身長も大きいし、きっと見つけるのも楽なんだろうなぁ~。俺もこのくらい大きくなれればなぁ・・・

―――――――その頃グレイたちはというと・・・第3者side

「グレイく~ん!」
「セシリー!いたか?」

セシリーはグレイの前に降りて首を振る。

「そうか・・・」
「どうしよう・・・もう一回探してこようか?」
「いや・・・いい」

セシリーがグレイに言うが、グレイはそれをやめさせる。

「別れて探すと今度は俺たちもはぐれちまいそうだ」

グレイは辺りを見回しながら言う。グレイの言う通り、人が多すぎて別々に行動してたら二人もはぐれてしまうかもしれない。

「そうだね~・・・じゃあ歩いて探そうか」
「そうだな。ん?」
「どうしたの~?」

グレイは突然顎に手を当て考える。そしてシリルの特徴を思い出す。

「そういえばあいつ・・・男物の服を来てたよな?」
「シリルはあれでも男だからね~」

シリルは黒のタンクトップにジーンズという格好をしている。服装だけ見れば男っぽいのだが、シリルの外見はどう見ても女の子のそれだ。
しかも中性的っていうよりも、その辺にいる女の子や下手をしたらモデルとかをやってる女の子よりも可愛いかもしれない・・・そんな美少女みたいな奴が男物の服を着ていたら、見た人たちは絶対に忘れるはずがない。グレイはそう考えた。

「セシリー!!いろんな奴に聞き込みするぞ!」
「うん!!」

セシリーはグレイの頭に乗っかる。歩くのがめんどくさくなったようだ。

「それじゃ、とっとと見つけるぞ!」
「お~!!」

二人は近くの人たちに声をかけ、シリルを探し始めた。


















しばらくして・・・シリルside

「見つからねぇな・・・」
「そうですね・・・」

俺とラクサスさんはなかなかグレイさんとセシリーを見つけられなくて困っている。ちなみに道行く人に「上半身裸の男の人と羽の生えた猫見ませんでしたか?」と聞くと、「え?そんな変態と新種の生き物いるわけないじゃん!」みたいなことを言われてしまう。
まさかとは思うけど・・・グレイさん、こんな時に限って脱ぎ癖を発動してないのか?早く服を脱いでグレイさん!!

「ところでよぉ、お前、いつ妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入ったんだ?」

ラクサスさんに質問される。えーと確か・・・

「二週間ぐらいですかね?」
「やっぱり最近なのか」

やっぱり?どういうことかな?

「やっぱりって?」
「いや・・・実はな・・・俺は前まで妖精の尻尾(フェアリーテイル)にいたんだ」

ラクサスさんはそう言う。前まで?やめちゃったのかな?でも・・・そういう話は聞かないのが礼儀ってもんだよな・・・もしかしたら嫌な思い出とか出てくるかもしれないし。

「そうなんですか・・・」
「どうだ?じじいは元気か?」
「マスターのことですか?そりゃあもう元気ですよ!」
「そっか・・・ならよかった・・・」

ラクサスさんはどこか安心したような顔をする。マスターの心配をしてるのか。本当に優しい人なんだな。

「そういえばラクサスさんってどんな魔法を使うんですか?」
「俺か?俺は雷の魔法を使うんだ」

雷かぁ・・・俺は水だから相性悪いな・・・敵として会わなくてよかった~。

「お前はどんな魔法を使うんだ?」
「俺は水の魔法です。実はこう見えて水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なんですよ。俺」
「水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)!?」

ラクサスさんが心底驚いた顔をする。珍しいからかな?でも妖精の尻尾(フェアリーテイル)にはナツさんもガジルさんもいるからそんなに驚く必要はないような気がするけど・・・

「なるほど・・・こいつがカミューニの探していた・・・」ボソッ
「ん?何か言いました?」
「いや・・・なんでもねぇ」
「そうですか?」

ラクサスさんは慌てたように否定する。

「ちなみに・・・お前はドラゴンから滅竜魔法を教わったのか?」
「そうですよ!」
「ほう・・・そのドラゴンの居場所とかはわかるのか?」
「いえ・・・全然・・・」

そう言えばヴァッサボーネもグランディーネも全然情報が得られないなぁ・・・どうしてるのかな?

「そうか・・・」

ラクサスさんは申し訳なさそうに言う。別に気にしなくていいですよ!

「あれ?お前“は”?」

俺はさっきのラクサスさんの質問に一つおかしな点を見つける。お前は、ってどういうことだ?ナツさんもガジルさんもドラゴンから魔法を授かったんだから、お前“も”が正解のはずだ。

「気づいちまったか」
「どういうことですか?」
「実は・・・俺も滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なんだ。第二世代のな」
「第二世代?なんですか?それ」

世代ってことは・・・第一世代もあるんだよな?まさかラクサスさんの他にも滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がいるのか!?

「第一世代の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は、ドラゴンから滅竜魔法を教わった奴ら。お前とかナツだな。んで、第二世代の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は体内に滅竜魔法を使えるようにできる魔水晶(ラクリマ)を埋め込んだ奴ら。俺と六魔将軍(オラシオンセイス)のコブラと、あとあいつだな」
「あいつ?」
「いや、気にすんな」

気になるわ!!じゃなくて、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)でもそんな風に分類されているのか・・・なかなか奥が深い。

「まぁ、ダチから聞いた話だと第三世代の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)ってのもいるらしいけどな。第三世代はドラゴンに魔法を教わって、なおかつ体内に滅竜魔法を使えるようにする魔水晶(ラクリマ)を埋め込むそうだ。そうすることによってより大きな力を得られるらしい」
「へぇ!!すごいですね!!」

第三世代かぁ!なんかかっこいいな!!というか第一世代の俺たちなら第三世代になれる可能性があるんじゃね?いや・・・別にヴァッサボーネに教わった魔法だけで十分なんだけどさ。

「ナツは元気か?また街とか壊してねぇだろうな」
「ナツさんはですね。――――」

その後も俺たちは妖精の尻尾(フェアリーテイル)の話で盛り上がった。ラクサスさんはすごい懐かしそうな顔をしているのが印象的だった。

―――――グレイたちは・・・グレイside

「すまねぇ。聞きてぇことがあるんだが」
「なんですか?」

俺とセシリーはシリルを探すために道行く人たちに話を聞いている。いや、聞いてるのは俺だけだな。セシリーは招き猫みたいな格好して俺の頭の上に乗ってやがる。
おかげで話しかけるたびに頭の上を心配そうに見られちまうじゃねえか!!なんか恥ずかしいだろ!!

「あの・・・」
「あぁ・・・すまねぇ。この辺りで男物の服を着た小さな女の子見なかったか?俺の連れなんだがはぐれちまって」
「それなら確か・・・」
「あっちで金髪の大きな男の人に連れられてるのを見ましたよ?」
「本当か!?わかった!!ありがとう」
「ありがとね~」

俺は二人組の女が指を指した方に向かって走り出す。金髪の男?誰だ?シリルの知り合いか何かか?

「金髪の男の人って誰だろ~?」
「セシリーも知らないのか?」
「うん。金髪の人なんて昨日のリオンくんのいとこくらいしかわかんないよ」

セシリーも知らないようだ。シリルから声をかけたのか?だったら心配はいらねぇが・・・まさか誘拐しようとかじゃねぇだろうな・・・もしそうだったらミラちゃんとかナツに何言われるかわかんねぇぞ!!急がねぇと!!




















女の子たちの言ってたところに来たが・・・それらしき人影はねぇなぁ。また聞くか。

「おい。ちょっといいか?」
「ん?なんだ・・・あ!」
「どうした?・・・あ!」
「なんだよ・・・あ!」

話しかけた三人組の男が俺を見て何かに気づく。なんだ?

「さっきの嬢ちゃん言ってた奴ってこいつか~」
「まさかこんな人混みで半裸になってる奴なんかいねぇと思ったら・・・」
「いたな・・・」

男たちは口々に言う。半裸?
俺は自分の格好を確認したら上半身に服を着てねぇ!!またやっちまった!!

「水色の髪の女の子だろ?それならあっちに行ったよ」
「あの子のお兄ちゃんか?早く迎えいってやれよ」
「頭の猫も探してたぞ。ペットか?」
「僕はペットじゃないよ~」
「「「猫がしゃべったーー!!!?」」」

セシリーが人間の言葉を発したら男たちはびっくりする。そりゃそうだろ。俺だって事情も知らずにいきなり話されたら驚くからな。
と、それより今は

「あっちだな!ありがとう!」
「またね~」

男たちの指さす方へと俺たちは再び向かう。今度こそ捕まえるぞ!!






















シリルside

かなり時間もたち、日も暮れてきた。青かった空は夕日で紅く染まりつつある。

「いねぇな」
「そうですね」

俺とラクサスさんはいまだにグレイさんとセシリーを発見できない。困ったな・・・

『お!いたぞ!!シリルだ!』
『本当だ!!お~い!!』

すると遠くから二人の声が聞こえてくる。そちらを振り向くとそこには確かにグレイさんとセシリーがいた。

「あ!!グレイさん!!セシリー!!」
「お?見つけたのか」

ラクサスさんは俺の頭に手をのせてくる。

「手伝ってもらってありがとうございました」
「いや、いいってことよ。それじゃ、俺はこれで」

そう言ってラクサスさんはその場を後にしようとする。あれ?

「グレイさんに会って行かないんですか?」
「あぁ。俺はあいつらと顔を合わせていい身分じゃねぇからな。あ、そうだ」

ラクサスさんは一度俺に背を向けていたが、こちらに向き直る。

「じじいによろしく伝えといてくれ。あと、俺からお前に一つだけ伝えといてやる」
「?なんですか?」
「赤髪の男に気を付けろ。それだけしか言えねぇ。じゃあな」
「え!?あ、はい!!ありがとうございました!!」

ラクサスさんがその場から立ち去るので俺はラクサスさんにお辞儀する。するとほどなくしてグレイさんとセシリーがこちらにやって来る。

「シリル!!よかった!!」
「はぐれた時はどうしようかと思ったよ~」
「すみませんグレイさん。ごめんねセシリー」

俺は二人に頭を下げる。

「まぁ、いいさ。もう遅いし、今日もここに泊まってくか」
「そうだね~!明日朝一で帰ろう!!」
「はい!!」

俺たちは今日もクロッカスに泊まることに決めて、宿を探しに向かった。























その夜、クロッカスのはずれにて・・・第3者side

ラクサスはクロッカスから離れ、今は森の中を一人で歩いていた。すると目の前に一人の男が姿を現す。

「カミューニ・・・」
「よぉ、ラクサス。久しぶりだなぁ」

カミューニと呼ばれた赤髪の男はラクサスに手を上げて挨拶する。その上げられた手には闇ギルド、悪魔の心臓(グリモアハート)のギルドマークが入っている。

「お前・・・まだ悪魔の心臓(グリモアハート)なんかにいるのか?」
「目的を達成するためなら、俺ぁ手段を選んでらんねぇんだよ」

カミューニはラクサスの隣に立つ。

「水竜になんで俺に気を付けろ、なんて言ったんだ?」
「言葉通りの意味さ。お前はあいつの魔法を取り出すつもりなんだろ?」

二人は少し睨み合う形になる。カミューニはそれを聞いて少し笑ってしまう。

「もちろん。必要とあらば奪うつもりだ。それでハデスを殺せるならな」
「第三世代の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なら、悪魔の心臓(グリモアハート)のマスターを倒せるのか?」

カミューニは一瞬困った顔をする。カミューニ自信も、それについてはわかっていないからだ。

「さぁ、どうだろうな。まぁ、今の俺よりかは・・・幾分かマシにはなるんじゃナァイ?」
「元聖十大魔導のお前でも倒せないとはな・・・ま、俺には今のところは関係ねぇ。だが・・・」

ラクサスはカミューニを睨む。

「もし、妖精の尻尾(フェアリーテイル)に手を出すような・・・俺はお前を許さねぇぞ。例えそれがダチであるお前だとしても」
「そうかよ。別に、お前の好きなようにしろ。だが、これだけは言っておくぜ。俺はあのガキと必ず戦う。それだけは決まっている」

カミューニもラクサスを睨み返す。そして二人は互いに背を向け歩き出す。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)がお前らになんかに負けるかよ」
「それははっきり言ってどうでもいい・・・むしろうちをやってくれるならやってくれた方がいい。だが・・・ハデスを殺すのは俺だ」

二人はそう言い、その場をあとにした。






 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか。最後に出てきたカミューニもオリジナルキャラクターとなっております。もうお分かりだと思いますが、天狼島でカミューニは再び登場します。
次回はようやくウェンディが頑張ってくれます。次回もよろしくお願いします。
 
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