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歌集「春雪花」

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 時 数え

  愛しき君と

   会えぬ間を

 思いて今日も

    花ぞ散りゆき



 時を数えては、彼を思って溜め息をつく。そして…会えない日々を思い、自分の虚しさにまた、深い溜め息をつく…。
 初夏の陽気になり、自分はこんなに虚しく生きているのに、桜は散って夏の支度を始めている…。

 時間とは…酷いものだと痛感する…。



 崩れ去れ

  想いし君と

   在れぬ世よ

 虚しわが身と

    朽ちて果てなむ



 彼と一緒になれない世界ならば、いっそのこと全て崩れ去ってしまえばいいのだ…。
 彼を愛してしまった愚かな私と共に、朽ち果てようじゃないか…。

 小説ならば…筆一つで変えられる未来があると言うのに…私にはない。
 彼に…愛されたい…それだけなのに。たった一つの願いも叶わない…世界とは残酷なものだ…。



 
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