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歌集「春雪花」

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 君恋し

  現の夢と

   なりにしも

 心欲する

     春のそよ風



 どこまでも彼を恋しく想う。現実だろうと夢だろうと、彼の心を欲しくて仕方ない…。
 優しい春の風は吹き抜け、そんな私の心を慰めてくれているような気がした。



 君の居ぬ

  この地の何ぞ

    あるものか

 この身は春の

     生を思わじ



 君の居ないこの場所に、一体どれだけの価値があると言うのだろうか?私にとっては、全く価値がないのに…。
 そんな場所で迎えた春は、生気がない虚しいだけの季節に見えてしまう…。

 
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