ONE PIECE 〜音姫航海日誌
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第1話
タッタッタッタッタッ…。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
ここはローグタウン。
海賊王の処刑された街。
大海賊、ゴール・D・ロジャー。彼が残した大秘宝、ONE PIECEを巡り、東、西、南、北の各海の腕に覚えのある猛者達が、一斉に海に乗り出した。
《大海賊時代》
そんな最中、ここ東の海、イーストブルー最後の島、ローグタウンはそれ以降、幾多の海賊達が横行し海軍はそれを抑え切ることは出来なかった。グランドラインに戦力を裂き過ぎて、とてもじゃないが最弱の海、イーストブルーに名のある海兵を配置することは出来ず、結局は腐敗軍人が居座ることとなった。それが今のこれだ。ローグタウンは海賊の島となり、今では海軍は海賊から賄賂を渡され、市民が立ち上がってもまともな対応は帰ってこない。
薄暗い路地にある一軒の廃酒場、そこが私達の住処。
「アテナっ!大丈夫だった?」
「当たり前だぜっ!あたしの盗みを止められるやつはこの世にいねぇよっ!」
「あたしは言った…心配…しすぎ…」
アテナと呼ばれた子の腕の中には…沢山の食べ物があった。
「こんなにいっぱい!どうやってとってきたの!?」
「知らね〜…置いてあったから持ってきた」
((絶対海賊よね)…)
「なぁ…あたしら今はこんな生活してるけどさ…」
「どうしたの?」
「何…?」
「いつか仲間集めて海賊やろうぜっ!」
「「ぇ?」…」
「今はこんな姿でっ!弱えけどよっ!海賊王にも興味はねぇ…それに海賊は嫌いだ…けどよ…かと言って海軍に入る気なんて毛頭ねぇよ…だから…だから…」
なろう…海賊を殺す…海賊を狩る海賊に。
「なろうぜ!海賊を狩る海賊に!」
海賊を利用し、海賊を裏切り、正義を歌う腐敗軍人を狩り、己の身のみを案じる海賊を潰す。そんな海賊に…。
「それ!いいねっ!海賊を狩る海賊!うん♪楽しそう!」
「…うちも…賛成…」
「よしっ!そうとなれば修行だっ!」
「あたし達…修行と言っても何するの?」
「うちは…剣の腕なら…自信…ある…」
「海賊…この街なら腐るほどいるだろ?そいつらを狩るんだよ。明日から」
あたし達の年齢は今は8歳程…物心ついた頃には親も死んでたし、それで流れてきたこの廃墟に住んでたら、同じような境遇にある2人に会った。最初は失敗続きだった窃盗も成功率を増し、殺しもして、今では100%の確率で飯を調達することができる。
「じゃあ今日は飯食ってねるかぁ…。明日からは死ぬ程かんばらなきゃだしね」
あたしと、柔らかい口調のセイラは…ある日とってきた食料の中に紛れ込んでた悪魔の実を食べた。
結果、あたしは超人系ナミナミの実の波動人間。
セイラも超人系カミカミの実の紙人間。
ヘイラは元々あたし達とは比べ物にならない実力の剣の腕を持ってて一族の宝、大業物 撫咲羅を愛刀としてんだ。
刃は黒刀 乱刃大逆丁字。
像が踏んでも曲がりもしない…その闇をも斬るような綺麗な刃の模様は、全てを断ち切る斬れ味を持つんだが…。
が…それ故の重さも…。
腕力も完成していないヘイラは受け流し、撫でるように断ち切る…柔の技をもってる。
あたし達は既に基礎能力が高い。
だが経験が足りねぇ…。
横からは気持ちよさそうな寝息が聞こえる。
それを子守唄にあたしの意識は闇に包まれた。
……んぁ…。
「あ!起きた?やっと起きたよ〜…もう日は上ってるよ〜?」
「ご飯…出来てる…」
「そうか…ありがとよ…」
体をほぐし、樽に貯めてある水で顔を洗う。
修繕し相当綺麗になったカウンターに三人で座る。
「そう言えば、海賊を狙うって言ってたけど誰を狙うの?」
懐に仕舞ってある手配書を1枚出し、カウンターの上に乗せる。
そこに書いてあるのは。
《大槌のステイガル》
懸賞金 970万ベリー。
DEAD OR ALIVE
MARIME
そこの写真には巨大な槌を肩にかけ、口をへの字に曲げた明らかに巨男と分かる男の写真が写っていた。
「これが…今日の相手…」
「うち…期待…する…」
「こうやって稼いだ金で、海賊船を作ろう」
「いいねっ!それ!」
「賛成…」
「じゃあ!行くぞっ!」
あたしは10本の両刃短剣を足のホルスターに仕舞い、セイラは二丁の銃を腰に仕舞う。
ヘイラは自身の獲物を手に取り三人で肩を並べて、酒場を出る。
通りは、海賊、海賊、海賊…。
一般市民は海賊達が少なくなる夜にかけて少しだけ顔を出す程度だ。
海賊の視線があたしら三人にまるで降り注ぐように突き刺さる。
「全く…鬱陶しい視線だぜ」
「気持ち悪いね…」
「斬っても…いいの?」
ザザザザ。。。
「嬢ちゃん達…お兄さんと楽しいことしようぜぇ?」
「手荷物は預かってやるからよぉ〜」
「ちーっと股開いてくれりゃ〜いいことしてやるぜぇ?」
十数人の海賊達が一斉に取り囲んでくる。
腕に彫られている刺青のドクロマーク…。
口を大きく開け苦しげな表情を醸し出すドクロに牙…犬の耳…。
「狂犬…噛みつきジャッカルか…」
懐の手配書を、数枚めくるとすぐに出てきた。
狂犬 噛みつきジャッカル。
懸賞金1100万ベリー。
口を大きくあけ、でかい犬歯をこれ見よがしに血塗れに染めて笑う小男。
「1100万…結構な額だね」
「斬る…?」
「少しだけ寄り道しようぜ…どうせ近場に船長も…」
「俺がぁなんだってぇ〜?俺になんかぁ〜ようかぁ〜?ヒック…」
案の定…いた…。結構…キモい顔してら…。
「…あ〜…すまねぇが…狩らせてくれね?」
「…今なのね…」
「やっと…斬れる…」
「あ〜舐めてくれちゃって…今この島にいる雑魚どもよりも俺は懸賞金が高いんだぜぇ〜?」
高い…確かにイーストブルーの懸賞金の平均は500万を下回る程…。つまり二倍…。
「十分っ!行くぞ!セイラ!ヘイラ!」
「ほいさ〜!」
「ん!」
ホルスターのナイフを二本、逆手に持ち飛び込む。
ジャッカルの部下が剣を振り下ろしてくるが右の短刀で刀を滑らせ、首元に左の短剣を深く突き刺す。
「ゴァァァァッッ!!!アガッ…グギョ…ヨョョョョ…」
ナイフを抜き、相手の体に足をかけ後ろに跳躍する…とその直後あたしのいたところに剣が振り下ろされる。
あぶねーっ!!殺されるところだった。数秒遅れてたら首チョンパだぜ。首飛んでチーンとかまぢ勘弁だから。
ナイフをホルスターに仕舞い、指を鳴らす準備をする。
これがあたしの能力…ナミナミの実の波動。
「音波」
パチンッと指が鳴る。
音が鳴る…そしてそれが人間に聞こえると言うことは、空気が振動し、それが耳の中にある鼓膜を振動させ初めて人間に音と言うのが伝わる。
あたしはその波の振動を自由自在に操り、波の強さも操ることができる。
つまり、音が鳴る過程で既に巨大な振動、波の爆弾と化した振動は周囲を伝い、破壊力を倍増させていく。
パーーーーーンッッッ!!!
目の前にいた数人のジャッカルの部下が吹き飛んでいく。
人間の体の50〜75%は水分だ。そして振動というのは、殴られると中に響くように痛む事と同じ、体内の水分を掻き分け、体の中にダメージが通る。それが莫大な衝撃だとするとどうなるか…それは。
「アガッアガガガガガッ!!!!」
グチャーーーンッッ!!!
体内を駆け巡る衝撃がデカすぎて…肉体が炸裂した。
「あ〜あ〜…血塗れ…血塗れじゃねぇか…クセェしキタねぇし…ウェ…これ指じゃねぇか」
間抜けな、だが少女とは思えない発言をしながら…戦う仲間に目を移す彼女の目は、初めて楽しむことを知った…おもちゃを与えられた子供の目そのものだった。
パンパンパンパン。
「…銃の衝撃を抑えきれないわ…腕が痛いじゃないの…」
数人に当てるも全て軽症で終わる場所に当たってる。彼女は簡単に、銃を押さえ込み狙い撃つ筋力がない。故に反動による体力の浪費と、正確に相手を狙い撃つこともできない故に数も減っていない。
だが…彼女は悪魔の実の能力者…。そう…カミカミの実の紙人間。
一見弱そうに見える能力だが……真の能力は、その紙の色が宿す力である。
「散紙…」
彼女の体が紙となりペラペラと剥がれ落ちていく。
「な!?なんだ!?化け物っ!」
「化け物なんて…失礼ね…あたしは立派なレディーよ?」
彼女から散り広がる紙の色は…赤…。
「砲火…赤紙っ!」
赤い紙が何十と飛んでいき目の前を覆う。
その紙は敵に張り付き、徐々に赤く染まっていく敵。
剥がそうと破り捨てるもその上から次から次へと押し寄せる紙に徐々に紙がない部位を探すのが難しくなっていく…と…言うより…もう無い。
「あたしの紙はね〜白、赤、黄、緑、茶、青、黒、って色々あるんだけど…赤い紙はね……《発火》が主な能力なの♪」
目の前でうねうねウゴウゴ言っている紙の塊に、手を向ける。
「えへっ!♪火砕紙」
ボムボムボムボムボムボムッッッッッッ!!!!
赤い紙が全て同時に発火する。勿論身体中で爆発した紙は血肉残さず爆砕した。
「あはっ!やり過ぎちゃった♡」
その顔は、後悔をしている顔では無く、むしろ嬉々として楽しんでいる顔を、アテナに向ける。
キュキィィィンッ!キャキキキキイイィ〜…。
剣と刀が押し合っているのではなく、刀が剣を滑らせ、なめらかな流舞を見せる。
ヘイラ、彼女は唯一の非能力者だが剣の腕は一人前、朝早く起き、鍛錬をし、齢8歳にして、斬鉄をもこなす。その滑るような剣撃には、一切の無駄がない。
だが刀は剛の剣ではないが為に多対1は向かない。
がそれもただの斬り合いでは…の話だ。
「数は…9…斬れる…」
刀を仕舞い…壁を蹴り空中へと飛び出す。
だが多対1では空中は愚策、しかしそれは…実力で覆せる…。
「居合抜刀柔術…桜花弁」
桜…細かく、風の動きをコピーし捉えるのが困難な動きをするその桜の花びらは、時に牙を剥く。
空中から地面に飛んでいく細やかな斬撃波は、桜色をし、ただ切り刻むのみの血塗れ桜となる。
好機とばかりに真下に立ち構えていた敵は、全員の肌を裂く桜によって、死に濡れた骸と化した。
スゥーーー…キン…
綺麗な音を立てて仕舞われるそれは…全員が倒れるのと同時だった。
んな!?馬鹿な!?俺の部下たちが!!こんな小娘三人にやられるなんぞ…あるわけがない…あっていいわけがない!!俺はあんな力を見たこともないし!飛ぶ斬撃なんてのも見たことがねぇ!だが…それを差し引いても…40人近くいた部下達全てが全て…やられるなんてこたぁ…。
「あとはあんただけだぜ?狂犬?」
「おとなしくしていただけると助かりますわ♪」
「死ぬか…死なないか…それだけ…」
そう告げた…奴らの顔は…俺にとって悪魔にも見えた…。
後書き
第一話グッ!(๑•̀ㅂ•́)و✧
無事に書き終わりました♪
無駄に駄文で長々とすいませんでした…。
感想、意見などグッ!(๑•̀ㅂ•́)و✧寄せてもらえる感想は全て受け入れますゆえ♪お願いいたしますね♡
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