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フリージング 新訳

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第22話 Machination 1

 
前書き
魔弾の王とファン感謝祭、行ってきました‼︎戸松さん美人‼︎茅野さん綺麗‼︎井口さん楽しい‼︎上坂さん可愛い‼︎原田さんエロい‼︎鈴木さん歌上手い‼︎
木村さん面白い‼︎
石川さんはカズトの声優だからやっぱりかっこいい‼︎
さいっこうの二時間でした‼︎ 

 
第22話 Machination 1

夢を見ていた気がする。幸せだった頃の夢。カズハがいて、庭の樹の下で俺に本を読んでくれていた。
本のタイトルなんて覚えていない。ただ、それでも、その世界は何よりも、優しい世界だった…………


「からの、知らない天井だ。」

いや、正確に言うと全く知らない天井というわけでもない。ただ、まじまじと見るのが初めてというだけだ。
というかなんで俺はこんなところにいるのだろう?

「……あ、そうだ。また戦ったんだ…」

なんとか記憶を辿っていき、状況を確認する。知らない三人組に絡まれて、ヒイラギさんが止めに入って、それでブチ切れて、そのあとは……駄目だ思い出せない。ていうか早く起きなきゃ。サテライザー先輩を待たせて………………………

「ってか今何時だ⁉︎」

カバっと起き上がり、近場の時計を確認する。五時半……あれ、時間が巻き戻って、じゃねえよ‼︎外が明るいから朝だ‼︎


「完璧約束すっぽかして……あれ。」

毛布を剥ごうとしたが、何か重いものに抑えられ、それを阻まれる。恐る恐る其方に目を向けていくと、そこには天使がいた。あ、嘘。間違えた。サテライザー先輩がいた。毛布の上に突っ伏し、スヤスヤと優しい寝息を立てている。

このまま寝かせてあげたいと思わなくもないが、それは流石にできない。写真の一つでも撮りたいがそれも失礼だ。
人として。

「あの、先輩…朝ですよぉ〜。」

なるべく優しくゆすり、先輩を夢の国から起こそうとする。

「う〜ん……あと3分……」

可愛いなぁ〜。本当に可愛いなぁ〜。天使って言ったとしても語弊はないだろ。

「ダメですよ先輩。もう朝……」
「あと気分……」
「起きないつもりですか⁉︎」
「あと半分……」
「いったいなんの半分⁉︎」

おかしいぞ……先輩ってもっと、こう、クールなかっこいい先輩っていうイメージが…いや、これはこれで可愛いんだけどさ……

「ううん……」

少し考えていると、先輩が目を覚ます。
その姿はいつもの凛々しい姿とはいえ、そのギャップも相まってや可愛い。もう一度言うが可愛い。
大事なことだから二回言いました。

「あ……カズト…!」
「おはようございます、先輩。」

にっこりと少し意地の悪い笑みを浮かべると、先輩は一呼吸おいてから、ボンッと音がしそうなくらいに顔が赤くなる。

「あの、えっと、これは、その…!」
「落ち着いてください。大丈夫ですから。」

なんだか、最近俺のキャラがぶれてきた気がする。いや、そんなことよりもまずは先輩に謝らなければ。

「あの、サテライザー先輩。昨日はその…初部屋入り台無しにしてしまって、すいませんでした…」

サテライザー先輩に謝るのは何度目だろう。その度に俺は、この人に迷惑をかけてる。
すると、サテライザー先輩はスクッと立ち上がり、出口へと向かっていく。
さすがに愛想を尽かされてしまったのだろうか。そう思っていると……

「す、素敵な初部屋入りだったわ。」

その言葉で俺は俯いてた顔を上げる。その声は優しく、俺に染み渡る。

「一晩中一緒に入られたんだもの。」

頬を赤らめ、俺にそう言う彼女はやはり、とても美しかった。
ガラッと医務室の扉を開け、サテライザー先輩は去っていった。
ああ、ダメだ。本当にあの人はずるい。
これでは、これ以上謝れないではないか。

「ん?なんだこれ……」

ふと、ベット脇のタンスを見ると、花瓶に挿された花の隣にリンゴが一つ置かれていた。まるでイングリット先輩の髪の色のように、赤く熟したリンゴだ。
そして、そのリンゴの下には一枚の書き置きがあった。丁寧な字で、なんと日本語で書かれていた。日本人など、この学園で数えるほどしか見ていない。

『アオイ・カズト様。
またしても重症を負ったと聞いたので、見舞いと先日の謝罪をしに足を運んだのですが、意識がお戻りになっていないようだったので、一筆書かせていただきました。』

……ここまで読むと、なんだか日本語を少し違う感じで理解しているようだ。文体が固すぎるよ……
とりあえず続きを読む。

『起こしてからお話をしようかとも思ったのですが、一体なにを話せば良いのかと思い、今回は見送らせていただきました。またの機会をお祈りさせていただきます。』

なんの面接結果だよ‼︎やめてくれ、なんだかリアルだから‼︎
落ち着け……続き続き。

『そこで、ここに見舞いの品だけを置かせていただきます。またお会いできる機会があったら幸いです。
イングリット・バーンシュタインより』

……イングリット先輩かよ‼︎

まったく……礼儀正しいのかそうじゃないのか……だが、ご厚意はありがたく受け取っておこう。
俺は、この身に自分でつけた傷を癒すため、一つ置かれたリンゴを呑気に頬張った。
これから起こる騒動のタネが、自分であることなど、全く思わずに……


****************


その後のサテライザーは、珍しく朝から授業に初めから出ていた。
きっと、部屋にいたら昨夜のことが思い出されてしまうからだろう。
一晩中一緒にいた。男と同じ場所にいるだけでも嫌なのに、一晩中、彼のそばにいたのだ。

「はぁ…………………」

短くため息をつき、雑念を振り払う。
いや、そんなことで振り払えるのだったら、こんなに苦労はしていないのだが……

「ええ〜、それでは、今日は転校生を紹介します。」

不意に響いた担任の声に、意識を現実へと引き戻す。
ゼネティックスに転校生など、珍しいことなのだが、すぐにサテライザーは窓の外へと目を向けた。
自分には関係のない話だ。

だが、そんな考えはすぐに変わった。

「ラナ・リンチェンと申します。皆様、これからよろしくお願いするであります!」

間違いない。あの女だ。カズトを自分の運命の相手と言ったおかしな女。今日は民族衣装ではなく、ゼネティックスの制服を着ている。

「えっと、それじゃあ席は……」
「ああ、私はあそこがいいであります。」

ラナがそう言って指を指したのは、サテライザーの隣にある、“わざと開けられた席”だった。

教師もどう説明するのか考えていると、ラナはにっこりと笑って

「私は気にしないでありますよ。」

そう言った。そして、淀みない足取りでサテライザーの隣に座る。

「よろしくお願いするであります。サテライザー・エル・ブリジットさん。」 
 

 
後書き
祝‼︎お気に入り件数100件突破‼︎それを記念して、フリージング 新訳は、ファン感謝祭を行います‼︎

出演者の方々は、こちら!

アオイ・カズト
サテライザー・エル・ブリジット
ラナ・リンチェン
シフォン・フェアチャイルド
イングリット・バーンシュタイン

の5名です‼︎作者も出ます‼︎いつやるかは未定です‼︎それでは、また次回‼︎
感想、アンケート、リクエスト、まってます‼︎ 
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