| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レインボークラウン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百十七話

                   第二百十七話  採点
 ライブも掃除も後片付けも終わって一段落したクラウンの七人だった。しかしその次の日の朝のホームルーム前に梨花のクラスに集まってだ、梨花はメンバーに言った。
「昨日のライブだけれど」
「どうやったかっていうんやな」
「そうなの、どうだったかしら」
 こう言うのだった、亜美にも。
「亜美ちゃんはどう思うかしら」
「ええんちゃう?」
 これが亜美の返事だった。
「あれで」
「そう、よかったのね」
「そう思うけどな」
「百点満点でどれ位だったかしら」
「そうやな、七十五点か」
「二十五点減点の理由は」
 梨花は亜美にこうも問うた。
「どうしてかしら」
「百点満点やなくて」
「どうして七十五点なの?」
「何か演奏がな」
 それが、というのだ。
「うちのことやで」
「亜美ちゃんがなの」
「何か結構外したから」
 それで、というのである。
「そのこと考えてな」
「その分なの」
「うちは全然あかんかったから」
「だから二十五点減点なの」
「いや、こう言うたらあれやけど」
 さらに言う亜美だった。
「皆も結構外してたから」
「それでなのね」
「そんなとこちゃうか?」
 百点満点で七十五点だというのだ。
「そう思うわ」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「私も」
 ここで梨花も言った、それも考えるコアで。
「それ位ね。私もよく外してたし」
「あたしは七十点か?」
 華奈子は首を傾げさせつつ言った。
「歌で音程外しまくったしな」
「私もそれ位ね」
 美奈子も言う、ヴォーカル二人は亜美や梨花よりも採点が低くその理由はヴォーカルの出来にあった。そうして。
 他の面々も採点を出してだ、梨花は平均点を出すと。
「七十五点ね」
「そんなとこやねんな」
 亜美は梨花のその言葉に応えた、昨日のライブの出来はおおよそそんな辺りだとの評価であった。七人のそれは。


第二百十七話   完


                           2015・3・9 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧