ワンピースの世界に
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3話
俺がフーシャ村に来てから1年が経過した。
この間にガープを始めダダン、エース、サボに出会い共に過ごした。
ガープは原作の通りの人だった、俺を始めルフィ、エース、サボの4人は数え切れないくらいボコボコにされた。
特に俺は3人を鍛えて海賊にする元凶だとして、顔を合わせる度に追い掛け回された。
本気でやれば勝てると思うが、今後のことを考えてド突き回される事にした。
4人で義兄弟の盃を交わし『たとえ違う船に乗ることになってもこの絆は永遠だ』と誓いもした。
ただ阻止しようとした天竜人のサボ砲撃も何故か起こらないまま今に至った、天竜人が来る情報すら入ってこない。
ああそれと、ルフィ達と一緒に居る間に俺の年齢と誕生日が決まったことも嬉しかったな。
転生者とは言えないから、小さい時に元海軍のおっさんに拾われて育ててもらったと話し。その人が病気で死んだ為に一人で旅をしてフーシャ村に来たと3人に説明した。
拾われる以前の記憶がないから、年齢も誕生日もわからないと答えたら、3人が相談して決めてくれて『年齢は13・誕生日は6月5日』と決まった。
そんな時、ニュース・クーが運んできた新聞の記事に『海峡のジンベエ・王下七武海入り』の文字が入っていた。
アーロンの事が近いと判断して、ここから出ることを決めルフィ達に説明した。
案の定3人には反対されたが、なんとか説得して納得してもらう事ができ、ルフィが海に出る9年後に必ず戻ってくることを約束してフーシャ村を後にした。
数日後・・・ココヤシ村付近にて
(近くまで来たのはいいが・・・停泊してるのはアーロンの船か・・・原作より早い気がするんだけど、俺が転生した影響なのかな?・・・クソッもしかして間に合わなかったのか?・・・いや、争う声が聞こえる・・・急がないと)
その場を離れ、見聞色の覇気で見た一番強い奴がいるところを目指す。
林を抜け、家が見えてくるとそこには何人もの魚人達とアーロンだと思う人物がいて女性に向けて銃を構えていた。その近くに血塗れの村人と子供が二人泣いていた。
「お前が最初の見せしめだ・・・くだらねぇ愛に死ね」
「ノジコ、ナミ大好き」
「「ベルメールさん!!」」
そう言ってアーロンが引き金を引いた。
ドオンッ!!
銃声が鳴り響き、誰もがベルメールという女性が死んだと思った。しかし目を開けるとアーロンの持っていた銃は、突如現れた少年によって弾かれ、弾丸は上空に放たれていた。
「間に合って良かった、ギリギリだったけど」
ベルメールをはじめノジコとナミ、血塗れで倒れている人達は呆然とした表情をしており、アーロン達魚人は突然現れたカイトを睨んでいた。
「・・・誰だ?てめぇ、村の人間か?」
「いや、この村に用があって来ただけだよ」
「そりゃあ、運がなかったな」
「なんで?」
「ここで死ぬからだ」
「お前・・・バカか、相手の強さも分かんねぇのか?」
「シャーハッハッハ、てめぇみたいなガキが「獣厳」・・・ガハッ」
10m程アーロンは吹っ飛んでいった。
「結構効くだろう?」
ほかの魚人はアーロンが吹っ飛んだことに驚いてる。
「「「アーロンさん」」」
かなりのダメージを受けた、アーロンがフラつきながら起き上がった。
「てめぇ、ただの下等生物が魚人の俺に何をした!!!」
「下等生物も結構やるだろう・・・」
「オイてめぇら、こいつを殺せ」
「無理だって」
そう言うとアーロンの周りにいた魚人達がバタバタと倒れて行った、カイトの覇王色の覇気によってアーロン以外が気絶させられたのだ。
「な、何をしやがった、下等生物が!!」
そう言って殴りかかってきたアーロンの拳を避けると
「指銃」
アーロンの胸が貫かれて血を吐きながら地面に倒れ、意識を失った。
(ベルメールと村の人が怪我をしたけど、死人はいないみたいだな。ちょっと遅れたけど、とりあえずは良かった)
ベルメール達に近づいていくと、感謝の言葉を言ってくれた。
「ありがとう、アンタのおかげで助かったよ」
「いや、もう少し速く着いてれば怪我もしなくてすんだかもしれなかったけど」
「命があったでけでも、十分さ」
「「ベルメールさん」」
ノジコとナミがベルメールに抱きつき、号泣し始めた。
(今は3人にしておいたほうが良いだろう、怪我人の手当てと海軍に連絡しておかないとな)
その後怪我人の手当を村の人と協力して治療したあと、海軍の知り合いに電伝虫で連絡することにした。
「・・・なんじゃい?」
「あ、ガープのじいさんか・・・俺だよ、カイトだ」
「わかっておるわい」
「あのさあ、お願いがあるんだけどさあ」
「お願い?」
「ああ、アーロンて知ってるよな?」
「ジンベエの七武海加入で解き放たれた魚人じゃな」
「そいつがさあ、東の海のココヤシ村を襲ってたから、倒したんだよだから捕まえに来て」
「アーロンをお前がか?」
「うん、出来たらじいさんが来て欲しいんだけど」
「海軍ならその管轄の海軍がおるじゃろう」
「この辺の海軍っていい噂がないから、信用できないんだよ」
「わかったわい」
「なら待ってるからよろしくね」
電伝虫を切ると、包帯をグルグル巻きにした男が近づいてきた。
「ここにいたのか」
「あんたは?」
「私はこの村の駐在、ゲンゾウと言う者だ」
「ゲンさんか、俺はカイトだ」
「今日はカイトのおかげで村の人たちが助かったよ、ありがとう」
「偶然この村に来ただけだから、気にしないでくれ」
「そうか・・・だが、村を守ってくれた事には礼を言わせてくれ」
「ああ」
ゲンゾウと話しているとノジコとナミがやってきた。
「お兄さん、ありがとう」
「お兄ちゃん、ベルメールさんを助けてくれて、ありがとう」
「うん、二人とも無事でよかった・・・ベルメールさんは?」
「お医者さんの所で眠ってるよ」
「そうか、結構怪我もしてたからな」
「ゆっくり寝てれば治るって先生も言ってたから」
そう言ってノジコは笑っていた。
「ねえ、私はナミ。お兄ちゃんの名前は?」
「私はノジコ、よろしくね」
「ああ、俺はカイトって言うんだ」
「カイトお兄ちゃんは、どうしてココヤシ村に来たの?」
(理由か・・・知ってたとは言えないしな・・・)
「・・・この村のみかんが美味しいって聞いたから、食べに来たんだ」
「ベルメールさんのみかんを食べに来たの?」
「まぁ、そんな感じかな」
「なら今から食べに来てよ。良いよね、ノジコ?」
「うん、いいと思うよ」
そう言って二人に手を引かれて、家の方に歩き始めた。
「お、おい・・・お前達、今日はもう遅いし・・・明日にしたらどうだ?今日は色々あって大変だったんだから」
ゲンゾウが慌てて二人を止めるが・・・
「大丈夫よ私達は怪我もしてないし・・・ね」
「うん、ベルメールさんも食べてもいいよって言うよ」
「ゲンさんこそ、怪我してるんだから休んでて」
「「行こ、カイト『お兄さんお兄ちゃん』」」
そう言ってゲンさんを置いて、手を引かれて行くカイトであった。
村の中心部から少し離れたみかん畑の中にある一軒家、最初にベルメールを助けた場所にナミとノジコの暮らす家がある。
家についてから3人でベルメールが作っていた料理を食べ、俺の目的?であるみかんをご馳走になっていた。
「どう?ベルメールさんのミカンは美味しい?」
ナミが目をキラキラさせながら聞いてきた。
「うん美味しいよ。凄く甘い」
「でしょ、私達が毎日お世話して育ててるんだから」
「ナミはあんまり手伝わないでしょ」
「え~手伝ってるでしょ!」
ノジコとナミのやり取りを見ながら、今後のことをカイトは考えていた。
(ナミって原作とはちょっと変わって来てるのか?俺みたいなイレギュラーが存在してるしな。まぁ、トラウマを残さなかったと思えばいいか・・・あとは原作通りに進んでいくなら、ルフィに言った9年後までは好き勝手にやってみるのもいいな・・・じいさんが来たらシャボンディ諸島まで送ってもらって、レイリーにも会って見たいし・・・今後のことはじいさんが来てからでもいいだろ)
飯を食って腹一杯になったせいか、眠気が襲ってきたので逆らわずに瞼を落とした・・・
(これ以上は危険なこともないだろうし、このまま寝てもいいだろ・・・)
自己完結して、意識を手放した。
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