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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第6章 無限時計編
  行方と・・・悲しみ・・・

翌日、大神殿にて・・・


「バイロ様。」

1人のゼントピアの兵がバイロのとこに来る。

「何か用ですか?」

「評議院の方が来ております・・・いかがいたします?」

「・・・通せ。」

「はっ!」

ゼントピアの兵はその評議院の者を連れてきた。

「どうも。」

「・・・。」

やって来た評議院は、ラハールとドランバルトであった。
この2人も、今回の無限時計のかかわりがあった。
最初は、六魔将軍(オラシオンセイス)が脱獄し、
新生六魔将軍(オラシオンセイス)として現れ、監獄を調べ、
ゼントピアとは1度話をしていたが、うまくいかず・・・
その後、ウィル・ネビルの弟子の末裔の1人で、星霊魔導士である少女を守るため、
新生六魔将軍(オラシオンセイス)のレーサーと戦うが、失敗に終わり、
無限城が出た時には、2人は無限時計の影響から人々を守る活動をし、
そして、今回の騒動を起こした新生六魔将軍(オラシオンセイス)を逮捕を行っていた。

「新生六魔将軍(オラシオンセイス)を連行しに来ました。」

「何・・・?」

ラハールの言葉にバイロは疑問の思い、そう言う。

「兵がすでに送ったはずですが・・・。」

「確かに、新生六魔将軍(オラシオンセイス)のメンバーの
 エンジェル、ミッドナイトは確かに連れてこさせてくれました。
 レーサーとエリゴールも、すでに。」

ラハールはそう言う。
グリムリーパーと名乗っていたエリゴールはウェンディ達と別れた後、自首をし、
レーサーは、ミラ説得により涙して戦意喪失し、評議院に連行された。

「だが、残りの3名、コブラ、ジャックポット、名前不明の1名がいません。」

「成程。それについてですが・・・」

「あ、あのぉ・・・2名は私が知っております。」

ラハールとバイロの話に入ってきたのはココであった。

「ココ、詳しく教えてください。」

「はい・・・実は・・・」

ココは詳しい話をした。
ジャックポットは、クロドアという名前で、どこかへ逃げて行ったと言う。
名前不明のイミテイシアは、ミッシェルという名で、
ブレイン二世ことミッドナイトによって作られた人物であることを説明した。

「そうですか・・・。」

「もう1人に関しては・・・すみません、わかりません・・・。」

「いえ、報告してくれて、感謝します。我々はこれからその2人の捜索をします。
 では。」

「ああ。」

ラハールが言い終わると、ドランバルトを見て、ドランバルトは頷き、瞬間移動をした。

「・・・・・・。」

「本当は、探しに行きたかったんですね、ココ。」

「!」

「本来はかられに協力をしなければならないのですが・・・・・・
 教会の修復と式典の準備を急がねばなりません。」

「それは・・・わかっていますが・・・」

「大司教様が、終わったら、すぐに捜索をしろと命じられた。」

「!!!!」

「早く終わらせましょう。」

「はい!!!!」

































一方、ナツ達の方は・・・


「くっそぉぉぉっ!!!見つかんねえ!!!!」

大声でナツはそう言うのだった。

「ナツ、匂いは?」

「できねえから見つかんねんだよぉ!!!」

ハッピーの言葉にナツはそう言う。

「コージだけじゃなくって、キナナも探さないとね。」

「ああ。」

ハッピーの言葉にナツは返事をする。
先ほど、ギルドから連絡があり、まだキナナが見つかっていないのであった。
ナツ達はコージとキナナの捜索をしているのであった。
























「はぁ・・・はぁ・・・!!!!」

ナツ達から少し離れているところで、ウェンディは走り続けていた。

「ちょっとウェンディ!」

「待ってよぉ~!」

シャルルとミントはウェンディを追いかけていた。

「お兄ちゃん・・・!!!!」

「ウェンディ!!!!」

ウェンディの名を大声で叫ぶシャルル。

「心配なのはわかるけど、手がかりもなく探しても意味はないわよ!!!」

「そんなの・・・そんなの、わかっているよ!!!!」

シャルルの言葉にウェンディは怒鳴る。

「でも・・・・・・でもぉ・・・!!!」

そして少し泣きそうな顔になるウェンディ。

「お兄ちゃん・・・・・・どこにいるのぉ・・・。」

ウェンディはそう言うのだった。














































一方・・・


「大丈夫か?」

「え、ええ・・・・・・でも私よりエリック、貴方は大丈夫なの・・・?」

コブラとキナナは出会った場所から離れ、歩いていた。
歩いていた場所は少し凸凹していたので、コブラはキナナが転ばないかと、声をかける。
しかしキナナはコブラの体の方が心配であった。

「(ウェンディみたいに治癒魔法があったら、いいのに・・・。)」

「・・・・・・。」

コブラはキナナの心を聞いた。

「大丈夫だ。これでも色んな奴らと戦ってきたんだ。
 このぐらい、へでもない。」

「そう・・・?」

「それよりも、キュベリオス・・・・・・いや、キナナだったな。

コブラはうっかり、キュベリオスと言ってしまい、キナナにと言い直す。 

「聞きてぇ事があるんだ。」

「何?」

「キュベリオス・・・まぁ、蛇だったころ、覚えてんのか?」

「ううん・・・・・・覚えてないの・・・。
 実は私、魔法で蛇に変えられちゃって、偶然、マスターが助けてくれたの。
 でも1つだけ覚えていた事はあったの。
 必ず、私を迎えに来てくれるって・・・流れ星に乗って迎えに来てくれるって。
 そして今日・・・流れ星が見えて、落ち場所に来て・・・貴方と出会った。
 やっと・・・会えたの・・・!」

「そうか・・・。」

コブラはキナナの話を聞いた。

「(キュベリオスの頃は覚えてねえんなら・・・
 お前は・・・本当は俺といない方がいいかもしれないが・・・
 お前の気持ち・・・・・・大事にしてぇからな・・・!)」

コブラは心の中でそう思った。

「ところで・・・これから、どこへ行くの?」

「そうだな・・・・・・。」

キナナの言葉に、コブラは空を見上げる。


















一方、コージは・・・


「うぅ・・・ん?」

「気が付いた。」

「・・・ウェンディ・・・・・・?」

「え?」

一瞬、ウェンディに見えたが、違う人だった。
黒髪でショートヘア、顔がウェンディに似ている女の人だった。

「あ・・・・・・すみません、人違いでした・・・・・・。
 顔が妹に似ていたので・・・・・・。」

「はぁ、そうですか。(あの人も、そんなことを言ってたわね・・・。)」

コージの言葉に女性は心の中でそう思った。

「ここは・・・・・・?」

俺は周りを見ると、地面から浮き上がるかのようにできている長い机と多くの椅子、
そして、ステンドグラスを見た。

「教会よ。」

「やはりですか・・・ん?」

俺はステンドグラスにあったあるマークを見た。
ゼントピアのマークだった。

「(ここもゼントピア関係か・・・。)」

「私はカーチャ。星霊魔導士だったわ。」

「だった・・・?」

「うん・・・魔力がなくなっちゃったの・・・。」

「そう・・・ですか・・・俺はコージです。
 助けてくださって、ありがとうございます・・・・・・。」

俺は立ち上がる。

「あの・・・。」

「?」

「さっき、私の顔が妹に似ているって・・・」

「え・・・ああ、はい・・・似ているんです・・・。」

「前にも、私の顔を見て知り合いに似てたって言ってた事があったの。」

「そう、ですか・・・出口はこっちですか?」

「え?ええ・・・・・・・・・あの、失礼なことを聞くかもしれないけど・・・
 何かあったのですか?」

「・・・・・・。」

「?」


























「俺は・・・・・・生きてよかったのか・・・。」

俺は小さい声でそう言った。

「すみません・・・・・・何もお礼ができなくって・・・。」

「い、いえ・・・」

「では・・・。」

俺は一礼をして、外に出た。

「・・・・・・・・・・・・・・・。」

俺は無言のまま、歩き出す。

「・・・・・・大丈夫、かな・・・?」

カーチャは歩くコージを見て、そう言う。



シュン!!


「!」

「よお。」

「あなた達は・・・!」

カーチャの目の前に現れたのは、ドランバルトとラハールであった。

「無限時計が止めたことを一応報告しに来たんだ。」

「そうですか・・・。」

「ああ・・・ん?」

ドランバルトはカーチャが自分たちの後ろの方を何か見ているようであったのに気づき、
振り返ってみた。

「なぁ・・・!!?」

見て驚いた。コージの姿を見て。

「(生きて・・・生きていたのか!!!それじゃあ、他も!!!!)」

ドランバルトは心の中でそう思った。
ドランバルトはあの天狼島で起きた事で、
コージ達に何も出来なかったことを悔やみ続けてしまい、
7年間、自堕落な生活を送っていた。
評議院に戻るつもりは無かったが、ラハールの頼みで動くことになった。
それは、無限時計に関することであった。その時に、カーチャと出会った。
さらに、無限時計の影響から人々を守る活動をしていた。
それによって、評議院に戻ることになるのだった。

「どうかしました?」

「い、いや・・・」

ドランバルトは迷っていた。
コージを見て、ウェンディにも謝罪をするかという・・・。

「・・・?」

だが、コージの姿を見て、何やら様子がおかしかった。
覇気がないようであった。

「あの子は・・・?」

「コージ君?昨日、倒れていたのを助けたの。」

「そうか・・・。」

「ドランバルト。」

ラハールがドランバルトに声をかける。

「実は、今回のこの事件、妖精の尻尾(フェアリーテイル)が納めてくれたらしいが、
 ゼントピアの兵の会話を偶然聞いたが、1人が行方不明だったと・・・。」

「!!」

「・・・行くか?」

ラハールの言葉に、ドランバルトは頷く。

「じゃあな。俺達はまだやることがあるから。」

「はい。」



































「・・・・・・・・・。」

俺は誰もいない草原に立っていた。

「・・・・・・っ!!!!!」

































「うおおおああああああああああああああっ!!!!!!」

そして、大声で泣いた。

「俺は・・・俺は何てことをしたんだ!!!!
 忘れていたなんて、もっての外だぁぁぁ!!!!!」

俺は・・・・・・あの14年前の・・・俺がやってしまったことを思い出した・・・
いや、思い出してしまったのだった・・・。

「父さん・・・・・・母さん・・・・・・!!!!」

もう・・・2人には・・・・・・・・・会えないのだ・・・・・・・。

















































14年前、6月30日・・・


「つ・・・疲れたぁ・・・。」

俺は、そう言い、その場に倒れる。

「コージ、そこで寝るな。」

「でも、疲れたから・・・・・・少しだけ待ってくれ・・・・・・。」

「・・・まったく。」

その場に倒れている俺に話しかけるのは、俺の父さん、闇竜 インフェルーノ。
全身黒色の体で赤色の目をして、全長が20~30メートルぐらいはある。
少し無口ではある。

「あらコージ、またつかれちゃったの?」

「母さん・・・今日も今日だよ・・・・・・。」

俺に声をかけてきたのは、俺の母さん、光竜 フェルナール。
全身白色の体で、青い目と、頭には金色の長い髪があるのが特徴。
普段は穏やかではあるけど・・・・・・・・・怒るとすごく恐い・・・・・・・・・。

「何か変なこと言ったかしら?」

「な、何を言ってるの!!?」

なぜか黒いオーラを出している母さんを見て、俺は驚き、恐怖した。

「おいコージ、何をしたんだ・・・。」

「父さんまで!!!俺は何も言ってないのに!!!!」

「フッ。」

俺の言葉に父さんは笑う。こんなのが、俺と父さんと母さんの日常のようなものだった。
俺に滅竜魔法を覚えさせたり、会話をしたり・・・・・・とても平和だった・・・・・・






































































今日・・・・・・・・・アイツが出てくるまでは・・・・・・・・・・・・・・・





























 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。コージの過去、だいたいはわかってきましたでしょうか?
ウェンディ達と違って、7月7日ではなく、7月1日にしたのは、次回でわかります。
お楽しみに。 
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