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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第二十四話 ウチナンチューその九

「沖縄の音楽を聴きつつ」
「沖縄料理を食べると」
「最高です」
 こう僕に話してくれた。
「それでどうでしょうか」
「これからですね」
「はい、沖縄の音楽を」
「それ最高なんですよ」
 日菜子さんもこう小野さんに言う。
「それこそ」
「そうですね、それでは」
「皆もそれでいい?」
 日菜子さんは僕達にも尋ねて来た。
「沖縄の音楽をかけて」
「琉球の音楽ですね」
 最初にだ、千百合先輩が日菜子さんに尋ねた。
「あの音楽は確かに」
「あれっ、貴女確か」
「はい、一杉千百合といいます」
「そうよね、ピアノで有名な」
「私のことをご存知なのですか」
「聞いてるわよ、私はピアノはしないけれどね」
 それでもというのだ。
「友達がピアノしていてね」
「それで、ですか」
「神戸に凄いピアニストがいるって聞いてたけれど」
 そしてその人がだったのだ。
「ここで一緒になれるなんてね」
「奇遇ですね」
「あんたピアノが専門じゃない」
「音楽は全般好きなので」
 それで、とだ。千百合先輩は日菜子さんに答えた。
「それでなのです」
「琉球の音楽もなのね」
「好きです」
「だから聴きたいのね」
「お願いします、ただ」
 日菜子さんとのやり取りを終えてからだった、千百合先輩は日菜子さんからだった。
 小野さんに顔を向けてだ、いささか恨めしそうにこう言った。
「沖縄の音楽のCDを持っておられるのなら」
「お話をですか」
「して欲しかったです」
 こう小野さんに言うのだった。
「小野さんも意地が悪いです」
「いえ、意地悪ではなく」
「私が琉球、沖縄の音楽を好きだということをですね」
「知りませんでした」
 それで、というのだ。
「若し知っていれば」
「貸して頂けましたか」
「今どうでしょうか」
「それでは」
 ここからは話はとんとん拍子だった、千百合先輩は小野さんの返事に微笑みそのうえでこうしたことを言った。
「楽しみにしていますので」
「食後に」
「はい、お願いします」
 貸し借りの話を整えてだった、そうしてから。
 僕達は色々と沖縄のことを話しながらその料理を食べた、僕はまずはのびてはいけないと思ってそーきそばを食べた。
 そのそーきそばを食べてだ、僕は日菜子さんに言った。
「僕そーきそば好きなんです」
「美味しいでしょ」
「はい、何か面白い味ですよね」
「これがそーきそばなのよ、ただね」
「ただ?」
「いや、このそーきそば尋常な味じゃないわ」
 その味のレベルがというのだ。
「かなり美味しいわ」
「小野さんの腕は別格ヨ」
「もう職人芸の域あるよ」
 ジューンさんと水蓮さんがその味に驚く日菜子さんに言う。
「だからネ」
「これが普通あるよ、ここでは」
「そうなのね、いや沖縄でもね」
 その本場でもというのだ。 
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