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最強の防御魔法使い〜水の換装滅竜魔導士〜

作者:デイジー
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海辺の団欒 ~後編~

 
前書き
すっごく遅れましたほんとすいません。
バイト先決め、大学への準備やら沢山ありました。
後今回ちょっと長いです。理由は区切るところが見つかりませんでした。
 

 
第七話

俺とライラはだいたい2時間置きで交代することになった。



「・・・・・・・・」

にしても気になる・・・あの森でのこと・・・。
違和感が・・・。

「ま、今考えても仕方が無いか。情報が少な過ぎる。
・・・・眠い・・・」

流石に眠くなり、目を閉じた。




〜10分後〜

「目標の部屋の前、見張り一人、こちらに気づいてない模様。・・・わかった。接近する。」

一人の男が廊下の角からユーキに近づく。

「眠ってるみたいだな。まぁ一応保険かけておくか。」

男はどこからかハンカチを取り出し、ユーキの口、鼻を覆った。

「・・・よし・・・。」

そして男がクラウスとフィールのいる部屋のドアに手をかけた瞬間・・・




「?!何?!」

男は驚きのあまりつい声を出してしまった。
そりゃそうだ。
確実に眠っていたであろう目の前の見張り番に突然腕を掴まれたのだから。

「き、貴様、眠ったはずじゃ?!」

「うーん・・・惜しい。立ち寝している俺に対して保険で眠らせる液体を染み込ませたハンカチを被せたのは良かった。だかちゃんと寝たかどうかの確認を怠ったのは痛いな。」

「くっ!・・・」

男は引き剥がそうと抵抗するが、まるでビクともしない。

「な、なぜわかった・・・。」

「ん?なにを?」

「俺はお前の周りの魔力の流れを調べた。だが特に異変はなかった。そして俺は魔力を抑え、物音立てず接近した。なのになぜここまでの対応が出来る?」

どうやらこの男は戦闘部隊とかそっち系ではなく調査部とかそういった類の人間だろうな。なかなか用意周到だ。

「んぁ、そっか気付かなかったのか。確かに俺の周りには何もないだろうな。そこもミスったな。俺はここを中心に半径10m程に結界っぽいのを張ったからだ。」

「なっ?!」

結界とはいったものの、実際は魔法陣をそこらじゅうに貼ったからだ。それで色々感知したわけだ。
まぁ間違ってはないだろう。

「く、くそ・・・。」

「まぁ・・・眠れ。」

「なに?・・・うっ?!・・・」

何かされると面倒なので腹を思いっきり殴って気絶させた。本当は評議員にでも突き出してやりたいんだが、ドアノブに手をかけただけの"未遂"だ。なんとでも言い訳はできる。

「とりあえずこいつ運ぶか・・・ロノウェさん。」

「はい、なんでございましょう。」

「こいつ外に運ぶんで、それまで見張りお願い出来ますか?」

「お任せください。」

いつの間にか出没するロノウェさんに少しの間見張りを交代してもらうことになった。
本当どういう原理なんだ?認識する頃にはすぐ近くにいるとか・・・。

「それじゃぁ行ってきます。」

「お気をつけていってらっしゃいませ。」

そういうと、近くの窓から飛んだ。

ここでいつも忘れてる説明をしよう。
俺は基本「パンドラの鎧」は戦闘時のみ換装する。それ以外はラフな格好でいる。飛ぶ時は胸部と背中(金属製の翼付き)を覆っている鎧にしている。
スピードは普通程度だな。ハッピー程だ。

「ん〜何処に置こうかなぁ〜」

置物を置くようなノリで空から探していると、公園を見つけた。

「お?公園じゃん。ベンチにでも寝っ転がせとこ。」







「ただいま戻りましたーっと」

出て行った窓から入り、その後、ロノウェさんに経緯を話した。

「なるほど、しかし相手もなかなか用意周到ですなぁ。」

「そうですね。恐らく計画的犯行でしょうね。本当は評議員送りにしたかったんですが、如何せん"ドアに手をかけただけ"ですから。公園のベンチに寝かせてきました。」

「ベンチですか、ふふふ。」

「俺はまだここで見張りするので、ロノウェさんは部屋に戻っていていいですよ。」

「そうですか?ならお言葉に甘えさせてもらいます。」

その後、ライラと交代したが、特になにも起こらずに朝を迎えた。









「起きろライラ、朝だ。」

「えぇ〜?あさぁ〜?・・・・・」

「そうだ。いくら一流ホテルのベッドの寝心地がいいからって今は仕事中だぞ。」

実は見張りの時にもライラが「眠い〜」とかなんとかでなかなか起きてくれなかった。
だから今すっごく眠い。

「早くしないと置いてくぞ。」

「わ、分かったから置いてかないで〜」



急いで支度を済ませ、ライラさんの部屋に挨拶に行った。

コンコン

「どーぞー」

と少し癒されるような柔らかい声が部屋から聞こえ、入室した。

「おはようございます。」

「お、おはようございます。」

「おはよう二人とも。」

「おはようなのです♩夜の見張りお疲れ様でした♪。」

「いえ、仕事なので。」

「それで、何か変わったことはあったか?」

「そうですね、深夜に不審者がいたので確信を得る為にドアノブに触れさせるところまで許しました。まぁ実際明らかに狙っていたので気絶させて近くの公園に寝かせました。」

「そうか・・・」

「何か心当たりは・・・といっても、関係のあるところから無いところまであるでしょうから特定は無理でしょうね。」

「あぁ・・・。」

「あなた。ユーキさんとライラさんに任せておけば大丈夫ですよ。」

と、フィールさんが言葉をなげかける。

「そう・・・だな。あと今日1日よろしく頼む。」

「はい、任せてください。」

特に何も聞かれたかったから言わなかったが、一応公園であの男が何処の人間なのか調べた。念入りな計画をしていたっぽいから後ろに誰か…もしくは組織があるはずなのだ。だが何もわからなかった。あるとしたら通信用のラクリマが2個。おそらく使い切りなのだろう。

「そろそろ真面目に捜査するかぁ?・・・」

「ん?何か言った?ユーキ?」

「んぁ、いや、ライラの髪の毛が爆発してるなぁって。」

「えぇ?!」

慌てて頭を触るライラ。もちろん嘘である。

「それでは着替えて来ます。」

「わかった。では30分後エントランスで。」

「わかりました。」









「んじゃ俺は片付けするから脱衣所で着替えてこいよ。」

「はーい。」

まぁこれといって片付けるものも無いんだけどね。

「ふぅ・・・」

ため息を尽きながらベットに横になった。

「・・・・・・」

あ、やばい。これは寝ちゃうパターンのやつだ。わ、わかってるんだ。寝ちゃダメなんだ。でも…。

「・・・zZZ」

寝てしまった。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





「・・・キ。ユ・・・キ、ねぇユーキってば!」

「?!」

ゴチン!

「あぅ?!」
「痛?!」

お互いの額を思いっきりぶつけてしまった。

「うぉぉぉぉ・・・」

「もぉ、痛いじゃない!」

「す、すまん・・・怪我は無いか?」

「私は大丈夫だけど、ユーキこそ大丈夫?魘されてたよ?うぅ・・・いたたたた・・・」

とライラに言われたが正直全く覚えてない。

「魘されてた?・・・うーん・・・駄目だ思い出せん。」

「あらら。」

ちょっと気になるがまぁ大丈夫だろう。
そんなことより早く行かなければ。

「まぁいだろ、ほら、行くぞ。」

「う、うん。」






その後、やっぱり特に何もなく海を満喫した御一行はお昼過ぎ頃から帰りの支度を始めた。
全員が着替え終わり、荷物も積んだところでビーチを後にした。


「ほんとに何も起きないな…。警戒してるのか、それとも・・・・。」

このまま何も起こらなければいいのにと思いながら森に入った。行きで襲われたところに向かっている。
他に道はなかったのかと思い地図を開いたらやっぱり森を通るしかないらしい。
奴らが現地で襲わなかった事、夜中も1回しか来なかった事。いろいろ考えてると、この森が一番やりやすいのは明白なのだが、はたして来るか否か…。




「・・・・・・・・うん。やっぱりきたね。」

実際囲まれた。
そしてライラと傭兵の二人が出てきた。

「クラウスさん達をお願いします!」

傭兵にそう伝えたライラは勢い良く出てきた。

「速攻で終わらせるぞライラ。」

「わかってる!」

何故か今回は人数が少なかった。普通ならより人員を加えるはずだ。

「水竜の翼刃!」

「星竜の咆哮!」

容赦なく攻撃し、なぎ倒すが、前回のような勢いが見られない。

何かおかしい。
そんなこと考えていると・・・・・


「 きゃぁ?!」

と、女性の悲鳴が聞こえた。

「なに?!」

「フィールさん?!」

「フィール!」

ライラが言ったとうり、フィールさんの声だった。
振り返った先には馬車の隣でフィールさんの首にナイフを当てている男がいた。その近くにクラウスさん。

「あ、あなたは…馬車の御者さん?!」

ライラがそう言った。
確かにあの顔、服装、馬車の御者だ。どういうとこだ?

「へへ、ずっとこの時を待ってたんですよ。貴方達2人が私の部下を倒しているこのときを。」

「・・・・・・・・・」

俺とライラが呆然としているが、男はしゃべり続ける。

「いやぁびっくりしましたよ昨日は。あんな大人数を2人で倒しちゃうもんですから計画を変更するハメにあいましたよ。」

「・・・昨晩、深夜のホテルでの件もお前の部下か?」

「えぇ、そうですよ。いやはや、貴方の対応力を試したのですが、素晴らしいですね。運が良かったらそのまま忍べたのですが、そうは問屋が下ろさなかったみたいですね。」

「そりゃどーも。」

とりあえず状況を整理するとこうだ。
昨日の森の襲撃、ホテルの件、そして今の襲撃もこいつが指示したというわけか。

「警戒心が強い貴方もまさか最初からいた御者が犯人とは思いもよらなかったでしょう?」

「あぁ、迂闊だったよ。」

さてどうしよう、結構まずい・・・

「とりあえず全員武器を、貴方も鎧を解除してもらいましょうか。それと旦那さんもあっちに。」

御者の男がそう言うとそれに従い俺と傭兵の2人は武器をおろし、クラウスさんがこっちに来た。
正直高速であいつの目の前に行けばいいんだが、なにせフィールさんにナイフが当てられてるからちょっと躊躇う。

「目的はなんだ?ニルヴァレン家の財産か?」

「ええ、まぁ大きな目的はそれですね。」

俺が聞くと御者の男はそう答えた。

「わ、わかった、財産が欲しければやる!だからフィールを離してくれ!」

「ほぉ、金より嫁をとりますかぁ。かっこいいですねぇ。しかしダメです。この人は私の所有物としてこれから奉公してもらいますよ。」

「なんだと・・・」

なんだアイツぶん殴りたい。
でもまずこの状況をなんとかしないといけない。
ふと周りを見渡すと1人見当たらないことに気づいた。

「ロノウェさんがいない?」

と小声でいう。どこ行ったあの人?
男の方を再び見ると近くにロノウェさんが。そして駆け足で男に接近し……。

「な?!貴様、いつの間にか?!ぐはぁ!」

蹴っ飛ばされた。
男にロノウェさんが見えなかったのか?

「フィール様、お怪我はありませんか?」

「ろ、ロノウェ、ありがとうなのです・・・」

「ふざけるなぁ!」

蹴飛ばされた男がナイフを持ってロノウェに襲いかかってきた。
ロノウェはすぐさまフィールをかばう形になる

「させるか!具現魔法陣!」

ロノウェと男の間に魔法陣を展開し、攻撃を防ぐ。それどころか、男は魔法陣に思い切りぶつかり、よろめくと、今度はユーキめがけて突進してきた。

「貴様ぁぁぁぁ!!!」

「水竜の鉄拳!!」

俺は一気に男に詰め寄り、腹に鉄拳を浴びせると男は吹っ飛んだ。流石に満身創痍になったから縛り付けた。

「大丈夫ですかロノウェさん?」

「大丈夫です。助けてくれてありがとうございます。」

「ロノウェは無茶し過ぎなのです!もし何かあったらどうするつもりなのです!」

「ご心配をおかけしました。」

おそらく俺がいたから素早く行動出来たのだろう。具現魔法陣の展開速度は結構早いから追いつくとわかってたんだろうな。
例えそうでなくてもロノウェさんならそのまま庇っていたな。

「フィール・・・」

「あなた・・・」

2人は抱き合った。

「お前を危険な目に合わせてしまったな…」

「私は大丈夫なのです。」

「残党もふん縛ったし、早く帰らないと日が暮れますよ。」

「私が操縦します。」

ロノウェさんが馬の手綱を持った。


結局主犯はただの盗賊。思ってたよりも単純だった。でもひとつだけ気になる。


そのままなんとかニルヴァレン邸に到着し、会合する部屋に招かれた。

「まずは今回、護衛してくれてありがとう。特にユーキ君。君のおかげで誰も怪我をせずに済んだ。」

「いえ、あの時ロノウェさんがうまく行動してくれたからなんとかなったんです。」

とりあえずお礼を一通り終えたクラウスさんは次に依頼料を出してくれた。そして俺たちは解散となった。

「あ、ロノウェさん、少しいいですか?」

「はい、なんでしょうユーキ様。」

「ロノウェさんが使った魔法ってもしかして・・・」

「ありゃりゃ、バレましたか。そうです。私の魔法はベウストロース。対象の無意識下に入ることができる魔法です。」

「やっぱりそうでしたか。いやーずっと考えてたんですよねー。山賊の件で確信できましたね。」

俺以外にもあの時、ライラやクラウスさん達も恐らく山賊に近づいたロノウェさんを目視できた。だがあのリーダー格みたいな奴は明らかに目視できていなかった。

「なかなか便利な魔法なんですけど効果対象人数が少ないんですよね。」

だかほかの人にはかからなかったのか。

「ま、答合わせも終わりましたので俺達は帰りますわ。」

「わかりました。ほんとにありがとうございました。」

「いえいえ。おーい、ライラー。帰るぞー。」

「はーい。」

ーーーーーーその頃、傭兵二人の帰り道ーーーーーー

「くっそ、結局俺らなんもできなかったじゃんか。うまく俺たちが介入出来ればもっと金くれたかもしれねぇのによぉ。」

「今回は相手が悪かったな。次頑張ろう。」

「そうだな…」

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後書き
海辺と言いつつ後半森でしたね。なんか予定とちょっと違いました。
次から原作に沿っていきます。
尚、予定としてはバトル・オブ・フェアリーテイルのあとに小話、エドラス編と天狼島編のあいだに1つ物語をつっこみます。
両方今後の展開に必要な話になってくるので。気合、入れて、書きます!

追記:文章が途中で消えていたことに気づきました。すいませんでした。 
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