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魔法少女リリカルなのは 桜色の星光と黒き月光と紅い炎

作者:駆瑠
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第一話

 
前書き
初めましての方は初めまして。久しぶりの方はお久しぶりです。今回長らく投稿を諦めていた作品を書き始めた駆瑠です。
あらすじでも書きましたがこの小説には以下の注意がございます。

・クロスオーバー

・オリジナルストーリー、オリジナルキャラ多数

主にこれぐらいだと思いますがまだあるかも……。
とりあえず以上を見て嫌な予感がする人は回れ右をおすすめします。
とりあえず読んでやろうという方はよろしくお願いします。 

 
燃えていた。草も木も、辺りにあるものには一つ残らず燃えていた。


「何故だ!?」


そんな炎の世界で二人は対峙していた。一人は右手に”燃える”刀を手にした、黒い着物━━━━死覇装の上から白い隊首羽織を肩に掛けた白い髭を生やした老人。もう一人は老人と同じ死覇装を着た、小柄な身体に黒い長髪を頭の後ろで纏めた少女。


「答えろ……!」


少女の手もまた手に刀を握っているものの、その刀身には罅が入り、刃はところどころが欠け、膝をついた少女の杖代わりにしかなっていなかった。


「何で……あいつらが……あいつらだけが……死ななければならなかったんだ……!」


身体中に刀傷や火傷を負い、呼吸も荒く……それでも少女の”右目だけ”は老人を睨み付けていた。


「何で……私も……行かせてくれなかった……」


辺りを囲う炎が近づいて来る中、叫んでいた声も徐々に小さくなっていく。


「お主は━━━━」


老人が口を開いて……少女が既に事切れていることに気付き口を閉ざした。
そして少女が力尽きるのを待っていたように、辺りを取り囲んでいた炎がその身体を呑みこみ━━━━。









「ハッ……!?」


そこで水無月 桔梗(みなづき ききょう)の意識が目覚めた。


「はぁ……はぁ……ふぅ……」


しばらくは呼吸を整えるのに集中していた桔梗だったが、ようやく落ち着いたのか、小さく息を吐くと布団から上半身を起こした。


(久しぶりに見たな……まったく……幸先の良くない……)


せっかく転校初日だというのに……と、内心で愚痴りながら部屋の隅に立て掛けてある一振りの打刀に目をやり、続けて姿見を見た。そこに映っていたもので一番気を引くのが縦に深く刻まれた刀傷を負った閉じた左眼と━━━━。


「はぁ……」


例えようもなく爆発し跳ね回る自分の黒髪だった。


(間に合うか……?)


時計を見れば時間もギリギリ。果たしてこの跳ね回る髪は残された時間で元に戻るだろうか?
そう考えたところで桔梗はもう一度溜め息を吐いた。






「おはようございます」


「はい、おはよう」


「おはよう」


(義姉さんがいない?)


無数の強敵(寝癖)達をねじ伏せた桔梗が居間に顔を出し二人の老夫婦と挨拶を交わす。


「随分と遅かったな?」


「すいません……」


「まぁまぁ……女の子なんだから時間も掛かりますよ」


水無月 醍醐(だいご)の詰問に頭を下げながら佐由梨(さゆり)の差し出した座布団に座る。


「……そういえば義姉さんは?」


白飯を盛った茶碗を受け取ったところで先程から気になっていた事を聞く。


「あの子なら論文がどうとか言って飛び出してったよ。朝くらいゆっくり食べていきと言うてんのに……」


「はは……」


小さく笑ってから桔梗もゆっくりと朝食を食べだす。時間にはまだ余裕はある。せめて今生は楽しめることを楽しもうと、自分に言い聞かせながら。










「それじゃ、いってきます」


「はい、いってらっしゃい」


義祖母に見送られて桔梗は家を出た。


「…………」


庭を抜けて路地に出た時、不意に桔梗は空を見上げた。



━━━━そこには何の変哲も無い青い空と白い雲。何年……何十年経っても変わらない春の空。その日も海鳴市の空は晴れていた。


 
 

 
後書き
果たしてこの二次創作小説を覚えている人は居るだろうか?
小説家になろうの二次創作小説サイトが閉鎖してから様々な不幸に見舞われ、今日まで書く気力が吹っ飛んでました……。
が、過去の因縁にケリつけなきゃこの呪い(?)からは解放されねぇ! と、どっかの吸血鬼の中尉みたいなことを言いつつ一話目を書きました。
様々な不幸というか、何が痛かったかというと当時この小説書くのに使っていた資料と格章のプロットやらの全喪失が一番痛い。致命傷でした。後はなぜかハーメルンにログイン出来ないとか……。
と、いうわけで以前投稿していた話と内容が違う! とか、めちゃくちゃあると思います。あと資料集めに時間が掛かる可能性が高いので次話投稿も遅くなるかと思われます。他には勢いで書いたのであらすじも直します。とりあえず小説家になろうからの再投稿になるとあらすじに書いておかないと危ないらしいので。あれで大丈夫だろうかちょっと不安ですけど……。
そんな勢いで再開した小説ですがそれでもよろしければお付き合いのほど、お願い致します。 
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