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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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漆黒の血濡人VS哀しみの英雄

 
前書き
今回は三人称サイド入ります。実況なしで。
と言うかダークが未来ライトに次いでチート加速した……。
本当にごめんなさい!! 

 
ダークサイド

「……ユキが対戦相手か」
俺は背に暗黒の片刃とZERO・WORLDが在ることを確認し、アルンへと出る。
目の前には既にユキが立っていた。
「フフッ。ようやくですね、ダークさん?」
「悪いが、手は抜かない。殺られる覚悟で来い」
片手に暗黒の片刃、もう片手にZERO・WORLDを持つ、ユキが構える。
「魂共鳴……っ!」
すると、ユキの姿が変わり、目が金色に染まる。
「来い、暗黒の闇の滅殺者!」
全ての意識を同化させ、俺の目は漆黒に染まり、銀色だった髪も一部が黒々と染まる。
そして、カウント。
3
2
1
ファイト!!
「パイロキネシス!」
ユキが先手。俺の体が燃えるが、俺はケロッと言う。
「まぁ、修羅場を幾つも潜ってる俺には効かんぜぃ?」
言って、地面を蹴るとユキをダイレクトにぶん殴る。
「ぐっ……!」
脚を付いて砂埃を立てると、勝ち誇った目をする。
「コレで決まりですね。このSPIRTSは全身から封印エネルギーが出てるんです。八分は使えませんよ!」
「……アホか。解ってるから殴ったんだろうが」
俺は真剣な目で言うと、ユキがようやく気付く。
「……腕に付いてるの、何ですか?」
「漆黒だ」
漆黒ライトには確かに及ばないかも知れないし、あんまり登場回数が少ないから分からないだろうが……本来モードシャドウは俺の能力を制御しやすくするための枷に過ぎない。当然、暗黒の闇の滅殺者状態の俺ならば、もうモードシャドウに頼らずとも、漆黒ライトのスキルとは対等にやりあえる。
その一言でユキは真剣な目をし、虚無からライジングドラゴンロッドを造りだし、消える。
「……粒子(タキオン)か」
確かに、粒子ならば俺にダイレクトに当てられるだろうが……
「その速度、甘いな」
闇を放てば捕まえられる。今、この時に障壁を出そうが、暗黒の片刃で今の俺はそれすらも無効に出来る。
「うわっ!」
案の定捕まった。
「ならっ!ライジングペガサスボウガン!」
ユキはまたも虚空からライジングペガサスボウガンを取り出すと、撃ちまくる。
「予想より不味いか?」
軽快なステップで避けると、影の槍でユキを狙う。
「封印っ!」
途端、影の槍が動きを止め、影になる。
「……ま、それぐらいはハンデをくれてやるよ」
「随分と余裕ですね!」
超強化ファイズブラスターを取り出すと、ブレイドモードにする。……心なしか黒くないか、フォトン。
「使いたくないんですけどね本来は!」
言いながら振り下ろすと、凶刃が俺に襲い掛かる。……アルン崩壊してるぞ。
「受け止めきれるかっなーっと!」
暗黒の片刃とZERO・WORLDで受け止めると、俺の脚が埋まる。
「ぐっ……!」
「イャアアアアアアアッ!!」
力の限り押し下げるユキを見て、俺は舌打ちをした。
「悪く思うなよ!」
フォトンブラッドを終末捕喰で喰らい尽くすと、すぐにアルンを最生成。
そして、案の定神力切れを起こした。
「チャンスです!」
ユキは赤い爆炎を球状にして溜める。
「……ピンチがチャンスって知らねぇのかよ!神力はねぇが魔力はたらふく有るんだよ!!」
それを叫ぶと某翡翠に睨まれた気がするが置いといてリキッドを発動。
暗黒の片刃を手に持っている時だけは完全に無効になるため、そのまま腕に絡まり、地面に伏させる。
「ぐっ!」
「あめぇよ!」
が、すぐにユキがファイズブラスターを取り出して撃ってくる。
「うおっ!」
「両手を塞ぐべきでしたね!いきます!」
起き上がるとそのまま蹴りを放ち、俺を民家に吹き飛ばす。
「魂・ライダーキック……!」
「痛ぇ……」
ガラガラと音をたてて俺は立ち上がる。
「こっからは本気で行く」
ユキの雰囲気が変わり、ノーモーションで回し蹴りを放つ。
「ッ!!」
腕で防ぐと、そのまま隣に数家吹き飛ばされた。
「でたらめだなぁ……」
「誉め言葉です」
ギロチンカッター宜しく首を狙ってきたユキを避けーーーー剣を失ったことに気が付く。
「最初からそれが狙いかよ!」
「じゃなきゃ、貴方となんてやりあえませんから」
さもありなんと言うユキに対し、結局使わないと誓ったあの能力を使うことに決めた。と言うか使うことを躊躇してるとマジで殺される。
「つーてもあれ使うの久しぶりだし……」
「ハアッ!」
ブツブツ呟いていると、ユキの一方的連撃が思考を停止させる。
「余所見ですか?」
「洒落になんねぇよ……!お洒落なのは熊野だけで充分だっつうの!」
叫び返すと、ようやく髪が銀色に戻る。タイミングがいいと言うか……ああ、もう、出来れば使わずに終わらしたいのだが……。
「アアアアアアアアアッ!!」
……無理だな。
俺は観念すると、ユキの連撃を食らって吹き飛ぶ。
「……もう終わりですか?」
「ああ、終わりだよ」
瓦礫に埋もれて言う。
「ならば……「但しお前の終わりでな」え……?」
途端、俺の髪が長くなり、目を銀色にする。
「権限接続、ネットワーク回線良好、ラグ無し、リンクフルオープン」
瓦礫から立ち上がると、首を捻る。
「痛い。ものすごく痛いが……ま、駄賃だと思えよ?」
すると、ユキがにらむ。
「……ダークさん、それは何だ?神能力ではないだろう?」
「勿。コイツは俺の能力『エンサイクロペティア』。元々ミヤビの能力をベースに……と思ったが特殊過ぎてな……、そんで色々あって手に入れたのがコレさ。ま、正直使うのには抵抗と条件が在るから使わないんだけどな……」
俺は説明すると、一気に接近して殴りかかった。

第三者サイド(タツ)

「うっわ、何だ?アイツ何か髪が長くなったぞ!?」
ライトが言うと、俺は言う。
「アレはダークさんのエンサイクロペティアですね。意味は確か……百科辞典だった気がします」
「百科辞典……?ダークがか?」
リンが解せぬ様な顔をすると、俺は言う。
「図書館とか、面倒だからじゃないですか?実際、アレを見るのは久方ぶりですけどね」
言うと、未来ライトが言う。
「……どういう能力だ?神であるお前なら何かしら在るだろう?」
「求められては仕方ないですね」
すると、リンとライト、その他SAOプレイヤー達が集う。
「んんっ。ダークさんの能力、エンサイクロペティアは原典から本物をそのまま自分に付与する能力です。基本的に物語の英雄などが基本ですが、ダークさんの場合、宝具等、本来なら解放できない筈の物を、そのまま出せる事が出来るんです。つまり、本物をコピーするのではなく、そのままそっくりに写しにするんです」
すると、ミヤビさんが分かってたかの様に頷く。
「……と、言うわけです。実際、アレと戦って勝った覚えは在りませんよ」
「タツでもか」
レイトが質問してくる。
「リペレイト・ゼウスとのコンボでね……。それでも勝率は五分だから勝てるときは勝てるんですが」
俺は言うと、口を開けているメンバーを他所に、ダークさんの戦いを見ていた。

ダークサイド

「ラアッ!!」
殴りかかると、障壁が展開する。
「無駄です」
腕にゴリバゴーンを付けたユキの攻撃に俺は合わせるようにエンサイクロペティアを起動させる。
「トレース!」
キーコードを言うと、額に瞳のような物が現れる。
「何をしようと!」
ゴリバゴーンごと俺に殴り掛かるが、受け止めて下に受け流す。
「なっ!」
「オメガゲイン……在るんだろ?けど、其処らのもんと一緒にすんなよ三下ぁ!」
五視万能スペクテッド。
洞視、遠視、透視、未来視、幻視の「五視」の能力を持つ。そこにーーーー。
「答えを出す者とオメガインフォース、赤緋眼等を併用すればどうすればいいか解る完全無欠の未来視を見ることが出来る」
当たり前の様に言うと、バリズンソードにスイッチ全てを籠める。
「……ったく。トレース!」
キーコードを言うと、ユキがバリズンソードを振るう。
それを。
「あいよっ!」
陰陽剣・西海道虎鉄+雲散霧消でそれごと消した。
「んなっ!?」
「焦りは禁物だぜ?」
それに続くように神羊の金剛、牛頭王の琥珀、龍蛇の水銀を召喚。
「くっ!」
全域に障壁を出すユキ。しかし、次元喰いに効くわけが無い。
龍蛇の水銀はそのまま喰い破り、そこに神羊の金剛と牛頭王の琥珀が攻撃を仕掛ける。
「クッ!」
オメガゲインで避けるユキ。が、答えを出す者で読んでいた!
「トレース!」
途端、右手にチャージスピア、左手にブーストハンマーを持つ。
「ガイアプレッシャー!+クリムゾングライド!!」
土柱を放って眼を見えなくすると、赤い光と共にユキに突撃する。
「まだぁっ!!」
ユキはチャージスピアを掴むと、そのまま俺をぶん投げる。
「戦闘持久だけは認める!」
「やあっ!!」
そこに、ストレインドゥームが追撃で放たれる。
「トレース!」
何度目か解らないエンサイクロペティアを使うと、鞘が現れる。
「全て遠き理想郷!」
すると、数百のパーツに分離し、展開、ストレインドゥームから俺の身を守る。
「くっ……!」
「トレース!」
もう一度使うと、今度は剣が現れる。
「約束された勝利の剣!」
魔力を光に変換、収束・加速することで運動量を増大させ、光の断層による究極の斬撃を放つ。
「っ……!!」
障壁では守りきれないと見るや、すぐに避けるユキ。が、爪が甘いな!
「トレース!!」
大剣サンダルフォンを展開すると、そのまま細分化された玉座を一体化させ、それを構える。
「サンダルフォン……最後の剣!!」
振るい、叫ぶと黒い衝撃刃が放たれ、全てを壊しながら進む。
「クソッ!」
ユキはまたも避けると、突撃してくる。
「トレース!!!」
叫ぶと、スターダスト・ドラゴンとなり、攻撃を防ぐ。
『ユキ、そろそろ終わらせるぜ!!トレース!!!!』
再び叫ぶと、姿がなのはに変わり、レイジングハート・エクセリオンを展開する。
「まぁ……ご丁寧にだな!!」
エクセリオンモードに展開すると、エネルギーを収束する。
「させるかっ!」
ユキが蹴りを放とうとすると、トレースによって呼び出されていたスターダスト・ドラゴンの翼が盾となって防ぐ。
「なっ……!」
「自動防御デバイス……って所だ!」
収束し終わったエネルギーを向けて、叫ぶ。
「全力全壊!そして全力全開!!スターライトブレイカーex!!」
レイジングハート・エクセリオンから収束エネルギーが放たれ、ユキを襲う。
「トレース!!!!!」
すぐにキーコードを言うと、青騎士のマニューバースーツに、左右の大型肩部装甲、胴体を守る正面装甲、背中を守る背面装甲、両足を守る脚部装甲の六つに分かれたガーブオブロード、そして両手にはシグナルティンとサグラティンが現れる。
「止めだっ!!」
シグナルティンを振るうと、魔法の刃が放たれ、それをユキが防ぐと、そのままガーブオブロードのビーム砲がユキの肩を抉る。
「ぐあっ!」
「りゃあああああっ!!」
そのままキリトのスターバースト・ストリームを放つと、ユキのHPはゼロになった。
「め、面倒臭いけど勝った……?」
と、前から刺された感覚が在り、見ると、ユキが超強化ファイズブラスターとアマノアズサでアルファゲインを放っていた。
「……コレで、引き分け……いや、僕の勝ちですかね……?」
ユキのHPをよく見ると、本当に1ドット、残っていた。
「……やっぱり持久率は高ぇよお前……」
苦笑いしながら言うと、HPが切れて、闘技場待合室に飛ばされていた。
「……ったく、流石としか言い様ねぇよ全くよぉ……」
暗黒の闇の滅殺者を本当の意味で解除すると、闇が喋る。
『……マケタワリニハクヤシソウデハナイナ?』
「ったりめぇだろ?……楽しい奴は成長してからも楽しいんだからよ」
『……セントウキョウノザレゴトニツキアッタワレガマチガイデアッタナ……』
「そりゃねぇだろ!?」
闇に叫ぶと、俺は落胆するように待合室から出た。 
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