| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生特典をもらっても全て得になるとは限らない

作者:フリーK
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第3話

 
前書き
(注意)修行の成果でレベルは上がってはいませんが、パラメータは上がっています。
 あと、設定に間違いなどがありましたらお知らせください。 

 
 転生してから半年が過ぎた。ハロから課せられた修行はキツいなんて言葉では言い表せない、まさに地獄と言っていいものだった。朝早くから昼までは生身での戦闘訓練、昼から夜遅くまではロボット(特にMS)の操縦訓練。休みは食事と睡眠時間のみとハードスケジュールだった。
 一応、技術指導は入るものの戦闘に関して完全に素人のオレに対してプロ級の実力を持つアンドロイドを容赦なくけしかけてきて、最初の頃はすぐにやられ骨折したり内臓を傷めたりしまくって合計資金150000Pも医療設備に使うはめになったり、食べたものを吐いてしまうこともあった。しかも何回かどこかの川を進んでいる小船の船頭のじいさんに「まだこっちには来るなよ。」と言われる幻覚を見た程だ。……あれは誰が何と言おうと幻覚だ。うん。
 シミュレーターでの操縦訓練の方は初っ端から何十機もの敵と戦わされるというものだった。しかも全機、熟練のパイロット並の強さらしく、そしてGが掛かった状態でやらされた。…あのハロ、Gは訓練に慣れてきてからって言ってなかったっけ?とにかく初心者がいきなりそんな状況では勝つどころか逃げきることもできる訳もなく、最初は呆気なく撃墜された。そんな無理ゲーなシミュレーションをやらされただけでなく、ただでさえGのせいで毎回激しく酔うというのに、あの何十機もの敵を全部倒せるようになるまで毎回撃墜される度に電気ショックを浴びせられるというペナルティーが課せられた。絶対ドSだよ、あいつ………。訓練内容がさらにキツくなりそうなので言わないでおくが。
 最初は訓練についていくどころか重傷を負ったり、何回も気絶して変な幻覚を見るわで考える暇がなかったが、1ヶ月程経ち明らかにただの一般人でしかなかったオレがこんな特訓に死ぬどころかついていけているのはおかしいと気づいた。もしかしてオレの体コーディネイターになってるんじゃないかと思ってハロに聞いてみた。コズミック・イラの世界に転生させてくれと言ったから有り得る話だと思ったし、でないと普通こんな訓練100%死んでしまうだろう。
 しかし、どうやらオレの体はコズミック・イラでいうナチュラルのようだ。どう考えてもコーディネイター位身体能力が高くないと無理だと思うが、話を聞くにはナチュラルではあるが基礎の身体能力はコーディネイターに負けない位あるらしい。特典につけていないのにこんな体にしてくれたのは感謝したいが、だったらここまで修行をキツくする必要ないんじゃないかと言ったら


「神様から「あやつは前世では運動は得意ではなかったから、たとえ基礎の能力を高くしていても体の使い方がまるでなっとらんので宝の持ち腐れになる。なので体のスペックを十分引き出せるようコーディネイターでも下手すると死んでしまうような修行を与えないと短期間であやつのような男がスーパーロボット大戦の世界で生き抜くことができる程強くなるのは無理じゃ。」と言われましたので。」


と返された。………やっぱりろくでもないじいさんだったわ。というかオレに恨みでもあるのか。



 とまあ、自分でもよく耐え切れたと思う位の日々だった。こんなことなら転生特典に「ロボットを乗りこなせる位強い肉体」とかを入れておけばよかった。でもあの訓練内容を耐え抜いたとはいえ、よくこの半年間だけで「少なくとも戦場に出ても油断さえなければザフトの兵士相手でも生き残れる。」と言われる程に強くなれたな。というかコーディネイターでも危ない訓練を耐えれるってこの体一体どうなってるんだ?







 オレは今、秘密基地以外の世界にいる。………ここまで来るのに苦労したわホント。なお、場所はスーパーロボット大戦Zの男主人公ルートの序盤にでてくる「荒廃した世界」だ。時間はだいたい原作開始の9年位前。なお、基地との時間差はこっちで1年過ごしてもあちらでは4ヶ月程しか経たないらしい。
というかとてつもなくデカいクレーターが見えるんだがあれか? 確か6年前に宇宙革命軍が落としたコロニーでできたヤツか?あんなもん落として地球がどういうことになるか考えなかったのか? 
 ………いや、多分知ったことじゃないって感じか。でなきゃこんなこと普通できるわけないな…。自分で来といて何だがとんでもない世界だなぁ、ここ。


『で、どうする洸。』
「それじゃ、まずは街に行きますか。」


 ちなみにハロもついてきている。このハロの名前だが、保留にしてある。あまりオレにはネーミングセンスがないため、色々と候補を言ってみたが、全て却下された。なので見た目そのままに名前がちゃんと決まるまでハロと呼ぶことにした。オレに対しての口調が変わっているのは名前を決めようとした時に普通に接してくれと言ったところ最初は渋っていたのだが、最終的にあちらが折れてこういう口調になった。
 ………渋ってたとは言ったが、実のところすぐに口調改めたんだよなコイツ。
 この世界に来たのには2つ理由がある。一つ目が実戦経験を積むためだ。いくらシミュレーションでいい結果を出せようとも、実戦経験が不足していれば本番で生き残れないからだ。まあシミュレーターの最初のレベルはクリアしたぐらいなのでいい結果と出せたと言えるかはわからないが。
 2つ目の理由はMSの調達だ。基地には各世界の兵器や技術の詳細な情報が入ったデータベースがあったのだが、実物と同じものを作れたのはコズミック・イラ世界のものだけだった。どうやら他の世界の兵器やらは実物を解析に掛けなければ全く同じなものは作れないようだ。不良品な気がしてならんな、あのデータベース……。できればガンダムタイプを手に入れたいところだ。やっぱり作るなら量産型よりガンダムみたいな特機がいいからな。
 そして今現在、MSに乗って荒野を移動中である。乗っているMSはザフトの量産型MS、ZGMF-1017ジンだ。本当はこの世界にあるMSがいいのだろうが、このジンはヤキン・ドゥーエ戦役、つまりはガンダムSEEDに介入する時に乗るつもりだからできるだけ慣れておきたい。
 それにこの世界のMSにもモノアイ式メインカメラを搭載したものはあるし、だいいち異世界から来たなどという話を少なくとも今の時期に信じる奴はいないだろう。他にも理由はある。「機動新世紀ガンダムX」の1話で主人公のガロード・ランが生身で街を襲っていたMS乗りの機体を奪っていたが、あれはガロード自身がA.W.という時代を生き抜くために身につけた術である為、この世界に来たばかりのオレにあんな芸当できるとは思わないからだ。
 そうして荒野を移動しているうちに、街が見えてきた。さて、MSをどこに隠すかだな。さすがにこのまま街までいくわけには行かないし………




ドゴッォ!!!




 そのとき、オレの目の前で爆発が起こった。幸いセンサーに反応があったためすぐさまジンを急停止させたから、巻き込まれることはなかったが、これは事故じゃないよなぁ。すぐさま辺りを確認すると崖の上に3機のMSが見えた。RMS-006ジェニスだ。
 ふぅ、危なかった……、もう少しで当たるところだった。あいつらいきなり攻撃してきやがった。ありゃバルチャーかフリーのMS乗りか。狙いはオレか……。多分見たことのないMSを持っているオレを捕まえるか殺してMSだけ掻っ払おうって魂胆かな。話はいきなり攻撃してきた時点で通じなさそうだし、戦うしかないか……。
 しかし、まさかこんなに早く実戦に突入することになるとは。スーパーロボット大戦の世界に転生させてくれと自分で言ったものの、まだオレは人を殺す覚悟なんてのはできていない。今まで人殺しなんて無縁の世界で生きてきたからな…。果たしてオレは人殺しをすることを許容できるんだろうか……


『覚悟を決めるしかないぞ。死にたくはないだろう?』


 ……確かにな、オレはまだ死にたくはない。覚悟なんてまだできてないが敵は待ってはくれないしな。
 そう考えていると、3機のジェニスの内1機がバズーカを放ってきた。すぐさま避け、牽制のために装備していた重突撃機銃で弾丸をばらまく。3機共避けられたが、予想通り散り散りになってくれた。まずは近いヤツを狙う!
 バーニアを噴かせ、一番近いジェニスに突っ込む。敵はマシンガンで迎撃してくるがそれを最小限の動きで横に避け、重斬刀で敵を一刀両断にする。


「おりゃあぁ!!」


 胸部から真っ二つになり、小爆発を起こし倒れる敵。敵が倒れきらない内にすぐさま残りの2機にもう一度重突撃機銃をばらまく。片方の敵の左肩部に当たり敵が残った腕でマシンガンを放つが、楽々と避けれるレベルだ。左に避け………


ビー!! ビー!!


『後ろからロックされている。』

「ちぃ!!!」


 あの機体に集中しすぎた! 後ろを向くともう一体がバズーカを構え、撃つ寸前だった。このままでは避けきれずに当たる、ならば…


「直感!」


 精神コマンドを発動させ、上空に退避。直後にさっきまでいた場所にバズーカの弾丸が着弾し、爆発を起こす。敵はもう一度こちらに照準を合わせてくる。だが、そう何度も撃たせると思うな!
 重突撃機銃をセミオートで放ち、バズーカを破壊。そして敵目掛て重斬刀を投げつける。重斬刀は見事に敵の頭に命中し、爆発を起こし敵はその勢いで後ろに倒れ込んだ。すぐに最後の一機がいるであろう後ろヘ振り向くが、そこには何もいなかった。一体どこに消えた?


『センサーには何の反応もない。どうやら仲間を捨てて逃げたようだ

な。』

「………どうにか切り抜けたか。」


 撃墜した敵機を見てみるとコクピットから出てきたパイロットが機体を捨てて逃げ出していた。どうやら生きていたみたいだな。


 これがオレが転生して初めて経験した実戦の結末だった。 
 

 
後書き
名前:天原 洸

  Lv:1
 
  PP:20

  格闘:135

  射撃:130

  技量:120

  防御:130

  回避:152

  命中:137

  SP:103

  エースボーナス:不明

  空:A

  陸:A

  海:C

  宇:A

精神:直感(SP:15)

???

???

???

???

 スキル:???

精神耐性

???

???

???

???

  撃墜数:2
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧