レインボークラウン
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第二百十一話
第二百十一話 艦橋に戻り
食事を終えて艦橋に戻るとだ、博士はすぐに小田切君に言った。
「ではな」
「はい、今からですね」
「あの国に向かう」
いつも攻撃を仕掛けているその国というのだ。
「既に旗は掲げておるぞ」
「旭日旗ですか?」
「ははは、あれは海軍の旗じゃ」
帝国海軍である。
「だからあれはない」
「ですよね、丁渡眼下が旭日旗嫌いな国ですけれど」
何故か急に嫌いだした、長い間意にも留めていなかったがとあるサッカー選手の発言から戦犯旗扱いになった。
「何か迎撃に戦闘機も来てますし」
「ふむ。レールガンとミサイル用意じゃ」
対空用兵器である。
「それで対応じゃ」
「あっ、逃げていきました」
そのレールガン砲を向けるとだった。
「勝てないと思ったみたいです」
「ふむ。賢明じゃな」
「来たらやっぱり」
「叩き落とすだけじゃ」
博士らしい言葉である。
「カトンボなぞな」
「勝手に領空侵犯してますから当然ですよ」
戦闘機が来ることはだ。
「堂々と侵犯してますし」
「そんなこと気にするなじゃがな」
「博士が気にしなくても」
「向こうはじゃな」
「当然気にしますよ」
「心が狭いのう」
平然と言う博士だった。
「日本政府もいつも文句を言ってくるが」
「博士は人類史上最悪のマッドサイエンティストですから」
もっと言えば宇宙最悪のだ、二百億歳であるからビッグバンの時から生きているのだ。地球よりも長生きである。
「それも仕方ないですよ」
「そうなのかのう」
「そうですよ。とにかくその国の上空に来たら」
「無差別攻撃じゃ」
博士の大好きなそれである。
「爆撃もするぞ」
「それで街も何もかもですが」
「破壊してやるわ」
「やることは同じですね」
怪獣だの他の大量破壊兵器を使う時とだ。
「それじゃあ」
「そうかのう、まあよい」
「破壊自体が博士の趣味ですからね」
「だからそれでもよい」
こう言ってそのまま他国の領空を堂々と侵犯しながら目的の国に入った。博士が乗る空飛ぶ戦艦はその威容を見せていた。
第二百十一話 完
2015・2・13
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