チート戦艦の非常識な鎮守府生活
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10.何故に?
ーーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最近久々に海を走れて''彼女''共々スッキリしているアメストリアだ。
いやーあれはスッキリした。
ABC兵器とか対宇宙艦ミサイルとか使わなかったが、あの豚の真っ赤な顔は面白かった。テラワロスだわwwwぷっ!思い出したら笑えてくるwww愉悦っ!
しかし艦娘達に演習弾とはいえ撃つのは少し戸惑った。''彼女''もだ。味方に撃つなどもってのほかだ。あの怯えたような表情と助けを乞う目線は忘れられない。近々救出作戦でも立てるか。
で、あの後だが、私を仮想敵(どうかと思う。不憫だ。)とし、順調に合同演習は進んだ。
他の提督には全員に挨拶しておいた。真面目そうで何よりだ。
中でも近江大佐は凄い。貫禄があり、歴戦の強者だ。是非にと関係を持っておいた。
あの人の話は為になる。素晴らしい人だったよ。
で、だ。私は華々しくデビューした訳だが、この超巨大戦艦の出現の報は瞬く間に拡散し、軍令部がてんやわんやだ。大本営から本当なのか?と確認の通信が来た。私は提督の後ろでずっと立っていたが、叱られず、大本営にすぐに出頭せよと。提督はあの豚について告発したが、揉み消された。実家に。消してやるっ!
提督はブチ切れていた。私に八つ当たりはしてこなかったが、現に足が震えている。''彼女''もかなり怖がっている。私というと口から魂が抜けそうです...
あの豚は権力に物を言わせ私達に責任を全てなすりつけ、あまつさえ私を深海棲艦のスパイだとまで喚きだした。黙れクズが。
「て、提督...」
「何だ?」
ブチ切れてらっしゃる。空気が重く、殺気が恐ろしい程漏れている。口調も乱暴な口調に変わり、別人のようだ。大変ドスの効いた声で私は拷問されているような感覚に陥る。
現に私は涙を必死に堪えているし、身体の震えを止められず、さっきから冷や汗が止まらない。
「だ、大本営に殴り込みを行う事を推奨する」
「よし。出頭は明日だ。アメストリア」
「ヒィ!」
「リバンデヒ、カイクルにも通達しろ。明日、日の出と共に出撃する!」
「はぃ!」
何時もの説教が可愛く見える程の殺気を当てられ身体が竦む。立っているのもやっとだ。コェェェ...物凄く怖いんです...全速で走って離脱する。これ以上は私が発狂するっ!
ーーーーーーーーーーーーーリバンデヒsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はいはーーーいっ!!!みんなのエンジェル、リバンデヒだよ〜〜〜!
今私はすっごく困惑しています!
凄く怯えた表情で何時もは私から抱きつこうとしたら容赦無くアイアンクローとか回し蹴りとかしてくるのに自ら抱き着いてきたの!やったぁ!ついにお姉ちゃんデレ期!?
じゃなくてどうしたの!?
さっきから顔を青くして怖いしか言わないし、私、凄く困惑してるんだ。
でも、これは只事じゃ無いよね。だから、キャラ捨てるね?
「お姉ちゃん!?」
「こわかった....すごく...こわかった.....」
お姉ちゃんは小刻みに震えていて、すごく怖がっている。朝まではいつも通りだったけど、どうしたのだろうか?
「あ、カイクルッ!すぐに来なさい!緊急事態よ!」
「どうしたっ!?おい、姉さんに何があった!?」
「よく分からないの。提督に呼び出されてからずっとこの調子よ」
「そうか...リバンデヒ、キャラやめたのか?」
「えぇ。流石に4900年も続けるとは思わなかったけれども。まぁ、楽しかったし」
そう、これが本当の私。今までウザキャラで通していたけど飽きちゃったし、お姉ちゃんが初めて怯えたからね。ここまで明確に恐怖し、怯え続けているのは私も初めてなの。
「カイクル、まずお姉ちゃんを船室に運ぶわよ」
「了解した。姉さん、すまないっ!」
カイクルが怯えているお姉ちゃんに近付き、腹パン。手刀も食らわしているけど。
そしてカイクルがお姉ちゃんを背負う。
「む?...改修のせいか?」
今体重を気にしている場合じゃ無いでしょう...確かに10000t近くは増えたけども...
「お姉ちゃん!?」
「凄く、怖かったの...」
「何が!?」
「て......と、く...」
と抱き着かれたときに言われたから、原因は確実に提督ね。
でも泣き出すとは思わなかったわ。あの提督、侮れないわ...
船室に寝かせ、カイクルと対峙する。
「カイクル」
「何だ?」
「私達の武器庫を解放。戦闘準備。機関は今日起動させ続けるわ。いつでも出撃出来るように」
「了解。リバンデヒは?」
「私はベガルM115-AXにデザートイーグルで良いわ」
「わかった。取ってこよう。」
そう言ってカイクルは転移。私は提督に指示を聞きに行こうかしら...でもあのお姉ちゃんがここまで怯えているのに私如きが耐えれるわけがない。
「お姉ちゃん...」
今も私の巫女服の裾をしっかりと握っている。嬉しいけど、いまはそれどころじゃないわ...お姉ちゃんの頭を膝に乗せ、ゆっくりと撫でてゆく。髪は凄くサラサラしていて、いいなぁ....
「持って来たぞ」
「ありがと。マガジンはボックスね。流石。」
お姉ちゃんをベットに戻してから立ち上がりベガルM115-AXを受け取り、ボックスマガジンを付けて弾帯に巻かれた12.7mmAX弾を給弾口に入れコッキングレバーを引く。そして肩にかけデザートイーグルを受け取りフルオートにレバーを上げ、拡張マガジンを装填し、コッキング。
カイクルは打撃銃と言われたベガルM154を持ち、肩からベクターを下げ、M92Fを吊るしている。
「提督、少し良いかしら?」
「......リバンデヒ?どうした?」
「少し話があって」
「分かった。入れ」
ドアノブを持とうとするが、戸惑ってしまう。
このドア越しでも分かる濃密な殺気。これは少し危ないわ...お姉ちゃんが発狂したのも無理は無いわね。
「失礼する」
カイクルが先に入ってしまったわすぐに入ったけどカイクルが寄りかかってきたからすぐに受け止めたわ。
「すまない...クラっとした」
凄い重圧に押しつぶされそうになる。これは...予想以上よ...
「どうした?リバンデヒにカイクル?」
口調も変わってるわ。ブチ切れてるのかしら?
「えぇ。明日、どうすればいいのかをね」
「明日、僕は大本営に出頭するがタダではいかない。君達三隻全て投入する。そして許可を取り付け豚を処分する。一族野党諸共だ」
「トラック泊地には憲兵隊がいた筈だが?」
「腐った」
あ.....もう無理だわ...これはもう止められないわね。
「提督、何時もの調子に戻りなさい」
「こっちかな?」
「はぁ...」
凄い疲れたわ...いくら何でも強すぎよ...
「ごめんね。少し嫌なことがあったから。気分、悪くないかい?」
「私達は大丈夫だけれど、お姉ちゃんは完全にダメになったわ」
「やっぱりかぁ...あの時は特にキレてたからね...恐らく伝えてないだろうから伝えるね。明日出撃する。目的地は横須賀鎮守府、大本営。弾薬は満載に」
「「ハッ!」」
「あとリバンデヒキャラ変わった?」
「えぇ。流石に4900年もするとは思わなかったけれどね」
「4900...?」
「えぇ。私達が建造されたのはアメストリア年号0年。建国の日よ。その後現代...4900年かん使われ続けていたわ」
「へぇ...凄い御老艦...」
「まぁな。その割には最新技術が率先して使われたがな」
「じゃあ...辛いこと聞くけどどうして君達三隻は轟沈したのかな?」
「私達はアメストリア國アメストリア海軍第一艦隊に所属していたわ。因みにお姉ちゃんが旗艦よ。他にも大和改や赤城、重装空母加賀や武蔵改たくさんの戦闘艦で構成されていたわ。
その中で私達が一番長く艦をやってたから自我を持っていたの。そして何度も出撃したわ。この艦隊の目的は星ごと消し去る事。文化、文明、人民関係なく全てを無に還すことが目的よ。
そしてたった一度だけアメストリア史に残る大事件が起きたの。ある一両の戦車が暴走。
四つの星と私達第一艦隊、特殊部隊隊員一名、市民7000人強の犠牲でようやく止まったわ」
「7000人...?」
「えぇ。その戦車はアメストリア國が窮地に立たされ、全ての支援を受けれない中永久に戦闘活動が出来る最終防衛兵器だったの。攻める為の兵器である私達が守る為の兵器に勝てる筈もなくどんどん轟沈していったわ。でも私達三隻は大破ながらも生き残った。
しかし私はすでに炎上。カイクルは主砲が三基大破。お姉ちゃんも主砲全ロストにレーダーが潰されたわ。そして砲撃を喰らい私は庇って真っ二つになって沈んだわ。」
「そして私は姉さんを逃がすために盾となり反撃したが轟沈した。姉さんだが、艦長が自決し、共に自沈したそうだ。」
「な、何だか物凄くスケールが大きいね...」
「えぇ。すごいのよ私達のお姉ちゃんは」
「後で謝らなきゃなぁ...」
「では私達は既に出撃準備はしてある。海上にて待機させて頂く。」
「うん。明日だけど良いの?」
「あぁ慣れてるからな」
「あとお姉ちゃんは簡単に許してくれないわよ。だから押し倒しちゃいなさい。お姉ちゃん初心だから良いわよ?」
「え?それってどうい----
素早く私の第一艦橋に戻る。ふふふ...♪今日の夜は楽しみね☆
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