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チート戦艦の非常識な鎮守府生活

作者:諷詩
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6.高雄型かろ追加されました。対潜?もう間に合ってます

ーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、君達はトラック泊地第三鎮守府に所属する第七艦隊で合っているかな?」
「はい」
「さっき大本営に問い合わせてみたんだけれど、君達は既に全滅したとの報告が上がっていたんだ」
そういう提督は何時もの優しく、ポワポワとした雰囲気では無く、手を固く握り締め、肩を震わせていた。あっ.......提督、キレてらっしゃる......
「........本当、何ですか?」
既に悟っていたのだろう、けれど、その現実を受け入れまいとしているのだろう。仕方無い。
所詮弾除け、使い捨てとして使われたんだ。嫌だっただろう。
「うん。第三鎮守府はそのように報告しているんだ。君達はもう存在しないことになっている」
「そん、な.......」
その第三鎮守府って言うのは結果主義か.......あとでそのツケが巡ってきて大惨事になるパターンだと思うが、俺としても許せない。
「そこで、君達を迎えることにした。適当に建造でごまかすから大丈夫」
「でも、私達は既に60〜80のレベルですよ?」
「いいの良いの。けれどね、君達の提督は許せない。大本営にも告発してるけど、期待してない。
あんな権力と血筋の古い魔窟に頼ってられない」
「.......」
「アメストリア」
「何だ?」
ん?出撃かをトラック泊地自体を''なかった事''にするのか?主砲とICBMか?
「今出れるかな?」
「いや、現在は船内で資材の生産を開始している。暫くは無理だ。しかし弾薬はいくらかある。鎮守府の一つや二つは他愛も無い」
「なら、出撃だ。消してこい」
提督はキレると言葉が乱暴になるとは聞いていたが、ここまで変わると違和感があるな......
「いや、断る。私とて簡単にその存在を明らかにしたくない。限定した情報のみ流出させる。
しかも落ち着いてくれ。怒る気持ちは分かるが後が大変になる」
「そう、だよね...そうだね......ごめん。少し頭に血が昇っていたようだよ。
で、ここに来るのかな?」
「当たり前よ。そこのアメストリアには恩があるしそこまで艦娘を大切に考えてくれているのだから大丈夫でしょう」
「...?そうか。なら、ようこそ我が鎮守府へ」

「提督、報告書だ」
あの後全員重巡寮に案内して、すぐに戻り、今回の救出作戦の報告書をまとめていく。消費弾薬が少し手痛いが、生産で誤魔化す。
「ん。仕事が早いね」
だって''彼女''の書く速度が早く、自然と文書が浮かんできて、達筆な文字を連ねていくことが出来た。''彼女''のスペックが凄いだけだ。
しかしこれでパラオ鎮守府は全十三隻体制。動けるのは十二隻。そしてこのパラオ島に大量に設置された46cm三連砲(アメストリア製)、これでもかと引いてある魚雷敷設装置に機雷。潜水艦も入れない。

「なぁ、アメストリアはん」
提督棟から出てきて、大鳳の様子を見ようと行くと途中で龍驤と出くわし、共に歩いている。
何か聞きたそうだったし。
「何だ?」
「その......ほんまにありがとな。うち、もうだめやと思ってたねん。けど、あんたが来てくれたおかげで助かったんや」
「なに。味方を助けるのが我々の役目だ。軍隊なら当たり前だ。どうも勘違いをしている奴らが多いようだが、私達は人類に運営されているのでは無い。あくまで協力しているだけだ。あと、他の鎮守府について教えてくれないか?私は目覚めた時から深海棲艦の攻撃を受け大破してここに座礁したからよくわからないんだ」
「そうなんや...あんたが大破なんて考えられへんけどな......」
まぁ、幾つか駄弁ったあと、教えてくれたが、これが酷かった。艦娘は感情をもち、意志を持つ。そこら辺の旧兵器では無いのだ。しかも人間が作ったわけではなく、建造も妖精さん任せだし、運営も実際のところ工廠長や他の妖精さんが統率されているからこそ動いているのに、人間がまるで自分達の努力でいまの海軍を作ったかのように跋扈している。これは深海棲艦を応援したくなる。調子に乗りすぎだ。カネと権力に染め上げられたただの豚だろう?殺したほうがよかったか?

「ほな、ありがとな。うちは少しここにいるわ」
「ああ。私も確認だけだ。失礼する」
案の定まだ目覚めていませんでした。まる。
まぁ、期待してないから良し。
ホルスターからガバメントを抜き、射撃場として使っている森に入り、構える。そして間髪いれずにトリガーを引く。反動らしい反動を感じずに入れるのは艦娘としての体のスペックだろう。
銃弾は金属で出来た的に吸い込まれカンッという甲高い音を立てて命中。引き続きトリガーを引いて行きマガジン内の銃弾を撃ち尽くし素早く新しいマガジンに交換し、コッキング。そして裏のM9を取り出し交互にトリガーを引いて行く。
「くそっ......」
ここで本当に良かったと思う。艦娘を一人の人間として扱ってもらっているし、提督は優しいし。
一部は身体目的でいる奴もいるくらいだが、ここの提督は今の所手を出されていない。
うーん...何が悪いのだろうか...


さて、話題が一気に変わり、大破組の二人が目覚めたとのこと。
しかし大鳳は目覚めていない。おかしいな...工廠にて船体は修理されているし、もうそろそろ目覚めても可笑しくないはずだが...
とりあえず二人(摩耶、鳥海)を提督実際のに連れて行き、大鳳の病室に行く。
そして暫く時が経ち、そろそろ日が沈む頃かと思う頃、
「.......ぅ....................」
遂に意識を取り戻した。起き上がろうとするが、俺の姿を視認し、見るからに警戒し始めた。
「貴女は誰?艦娘?」
「あぁ。私はアメストリア型戦艦一番艦アメストリアだ。貴官らを救助した。そして此処はパラオ鎮守府だ。」
「そう...他のみんなは?」
「既に意識を回復させ、各寮に戻っている。」
「何故、ここの寮に?」
「貴官らが所属したからだ。聞くところによると酷い扱いをされていたらしいじゃないか」
「別に...同情はいらない」
「していない。で、入るか?」
「ええ。恩はある。だからここに入る」
「了解した」
こうして完全に動けるのが十二隻。最終兵器こと俺が一隻。

さて、資材は...

...

......

..........

はいぃ?一時間しか経ってないよね?ね?だよね?ね?
だって一時間の生産量が、
鋼材11000
燃料9000
弾薬12000
ボーキサイト7000
と、色々とつっこみたい所だが、これ、遠征いる?演習したほうがいいんじゃ...
アメストリアは滅多に出撃しないから、これをつけっぱなしにすれば、資材がポンポンとできる。
すぐに妖精さんにここの資材置き場に搬入してもらう。今日はつけっぱなしにしよう。
「アメストリア!どういう事じゃ!?」
なんか工廠長が凄い速度で帰ってきた。うわっ......
「まさか盗んでおらんだろうな!」
肩を持って揺さぶられる。
「ち、ちがっ..........」
「何がじゃ!」
「だから、違う!アメストリアの船内で生産を開始しただけだ。」
「なんじゃ...そういうことじゃったか...すまんの」
と言ってすぐに帰っていった。きっと船体の修理に戻ったのだろう。
何がしたかったんだ...まぁ、資材に余裕があることに越したことはない。

閑話休題

一つ俺には疑問がある。俺に姉妹はいるのか?という事だ。
俺がアメストリア型戦艦一番艦とあるように、二番艦、三番艦があるのでは無いか?と。
しかも何故大和や武蔵のような第二次大戦の艦艇ではなく、アメストリアという超巨大な戦艦に俺の意識が与えられたのだろうか?これは神のみぞ知るっていう奴だろうし、それなりに楽しんでいるため、いいのだが、まさか艦これの世界に来るとはなぁ...?

 
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