転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0920話
「あー……まぁ、予想通りと言えば予想通りなんだが。それにしても逃げ足が早いな」
サラマンダーの映像モニタに映し出されているのは、アルヌスの丘の基地を攻略しようとして出撃してきた帝国にベッタリの従属国が逃げ出していく光景……ではなく、遠征軍――高畑が聞き出した正確な名前は連合諸王国軍――そのものが逃げ去っていく光景だった。
話の流れとしては非常に簡単だ。まずこちらに攻めて来た遠征軍の部隊をPT、MS、KMF、VF、そしてメギロート、イルメヤの一斉発射――最低威力の武器限定だが――で蹂躙した。
3000人以上はいた軍勢をあっという間に半分以上削られて逃げ出したのだが……そこで俺達と繋がっている竜騎兵部隊から本陣の近くを攻撃出来ないかと言われ、疑問に思いながらも、サラマンダーのミサイルを3発程遠征軍の本陣近くへと着弾させた。
当然派手な爆発が起こり、その爆発に帝国から監視目的で派遣された監視役の貴族達は驚き、怯え、逃げ出した訳だ。
で、当然今回の遠征軍の指揮を執っている帝国の貴族が逃げ出したんだから遠征軍そのものもこれ以上ここに留まっている訳にもいかずにさっさと逃げ出す。
その逃げっぷりは、こちらと内応している従属国の手回しがあっても、驚く程の素早さだった。
何しろ1万人近い軍勢が我先にと撤収していったのだから。
ただ、こっちと内応している従属国の軍隊はきちんと規律正しく撤退していったが、それ以外の従属国の部隊は逃げ出せる奴から我先にと逃げ出していった感じだ。
……規律も何もあったものじゃないな。
ちなみに話は全く変わるが、実はミサイルというのはシャドウミラーだとかなりレアな装備だったりする。
MSはそれ程珍しくないし、VFは主要装備の1つだ。KMFにしても、機種によっては装備している機体もある。
ビームや実弾程に一般的ではなくても、火力を重視した補助武装としては十分過ぎる威力を持つミサイル。
何故そのミサイルがシャドウミラーだとレアに近い希少性を持っているかと言えば、純粋にシャドウミラーの技術力に問題がある。
具体的に言えばジャマーだ。
このジャマーを装備している機体に対しては、ミサイルは基本的に無意味となる。
SEED世界のNジャマーであれば精密な誘導を防ぐだけなので、面制圧射撃としてのミサイルはある程度有効に機能するのだが、OGs世界のジャマーは装備している機体に対してミサイルをほぼ確実に無効化する性能を持っている。
もっとも、OGs世界でもジャマー自体はそれなりにコストが高いという事や技術的な問題もあって、結構レアな装備だった。
実際、装備している機体はそれ程多くないし。
だが、シャドウミラーは違う。……と言うか、キブツは違うと言った方がいいか?
ともあれ、キブツのおかげでコスト的な問題はシャドウミラーにとって殆ど無意味となっている。
その辺はシャドウ1機が、ゲシュペンスト・タイプRVのようなエースパイロット用のカスタム機と殆ど変わらないコストだというのを考えれば分かるだろう。
それに最近ではマブラヴ世界から大量のBETAの死骸が送られてきており、それのおかげで更に余裕が出来ているしな。
その結果、ニーズヘッグのようなフラッグシップ機、あるいは俺の足代わりで今乗っているサラマンダー、シロガネやニヴルヘイム、それ以外に幹部達の乗っている機体の全てにジャマーが装備される事になった。
本来であればジャマーの装備されていないシャドウだが、スレイ、スティング、アウルの3人が乗っているカスタム機にはジャマーが装備されているし。
ともあれ、そんな事情もあってシャドウミラーの中でミサイルの類というのは基本的にはマイナーな武器というか、レトロな武器というか、そんな感じの武器な訳だ。
スプリットミサイルのように使い勝手のいいものを装備している機体も何機かはいるが、それらの機体にしても基本的にはビームがメインとなっているのは間違いない。
それでもこの門世界のように文明的に遅れている世界相手では、爆発とかの視覚、聴覚を刺激するこけおどし的な意味も含めて、かなりの効果を発揮するが。
『アクセル、取りあえず何かの役に立つかどうかは分からないけど、向こうの野営地を接収しないか? 何か役に立つ物が残されているかもしれないし』
ムウからの通信で、映像モニタで遠征軍の野営を映し出す。
遠征軍が一目散に逃げた以上、確かに色々と物資の類は残っているだろう。
食料なんかはこの門世界独自の物があるかどうかで多少興味深いし、もし普通の小麦やら何やらだったらマブラヴ世界辺りに流せばいいしな。
他にもマジックアイテムや宝石の類があったりすれば丸儲けだ。
まぁ、今回の撤退に関してはこっちと繋がっている従属国にしてみれば半ば予定通りだったんだから、それ程に期待は出来ないが。
「そうだな、頼む。ただ、一応念の為に接収作業に関してはネギま世界の魔法使いに頼んでくれ。まずないとは思うが、何らかの罠が仕掛けられているかもしれない」
『了解。じゃあ、高畑に頼んでくるよ』
ムウが軽い調子で言葉を返して通信が切れる。
どうしても人型機動兵器のパイロットとしての訓練もある以上、シャドウミラーでも上位の戦闘力を持っている者達でなければ生身の戦いではネギま世界の住人には敵わない。
それでも普通の人間相手なら余程の事がない限りは勝てるくらいの実力を備えてはいるんだが、やっぱり餅は餅屋といったところだろう。
……それにしても、今の通信の様子だと高畑の名前を気軽に出してたけど、いつの間にムウと高畑はそこまで仲良くなったんだ?
年齢的に近い男同士って事もあるし、ムウはナタルと、高畑は源と付き合っているというところがあるからか? 特にムウとナタルは同棲……事実婚にも近い状態だし。
『で、アクセル。これからのこちらの行動は、以前の会議通りに暫く待ちってことでいいのかね?』
次に通信を送ってきたのはバルトフェルド。今回の件には色々とバルトフェルドの意見も採り入れられているので、多少気になっているのだろう。
「そうだな。帝国内で連合諸王国軍を形成していた従属国には色々と独立の動きを見せて貰う必要があるからな」
『まぁ、確かにこのまま一気呵成に……とはいかないかなぁ。ただ、連合諸王国軍側にしても、どこの国かが主導権を取る必要はあるだろう? 完全に全ての国が同一の権利を持っていたりすれば、纏まる話も纏まらなくなる』
「その辺に関しては一応考えているよ。エルベ藩王国を盟主的な立場にしようと思っている」
『エルベ藩王国? それは確か……』
恐らく捕虜から得た情報で作られたデータベースに書かれていた内容を思い出しているのだろう。数秒程の沈黙の後に思い出したのか、口を開く。
『資源が豊富な国として有名だった場所かな?』
「そうだ。この世界でも資源大国ってのは当て嵌まるからな。それに俺達としても取引をするのなら資源の類が多くある場所の方が旨味があるし」
まぁ、資源は資源でも魔法金属とかそういうのじゃなくて、鉄とか銅とかの一般的な鉱物資源が主らしいが。
正直な話、そのくらいの鉱物ならキブツを使えばあっさりと作れる。だが、それでも無いよりはマシだろう。
『えー。じゃあやっぱり暫くはやる事がないのかよ』
不満を口にしたのは、例の如くアウル。
今回行われた戦いとも呼べない戦いを思えば、その気持ちは分からないでも無い。
別にバトルジャンキーって訳じゃないが、それにしても色々と酷かったからな。
だが……
「確かにこの門世界に関してはやる事はないが、マブラヴ世界の方ではまだハイヴとかが大量に残っているぞ。それに技術班は技術班で、G元素の解析とかそっち関係で忙しいし」
特にアンバールハイヴ攻略直後に門世界からの侵略があったからな。そのおかげでG元素の研究については殆ど進んでいない。
今回の件で帝国が色々と混乱に陥って身動きが出来なくなるのなら、技術班にとっては嬉しい出来事だろう。
俺としてもG元素に関しては色々と期待しているし。
また魔法球の中が暫く賑やかな事になりそうだ。
『うーん、じゃあ俺達は暫くハイヴ攻略に専念するって感じでいいのか?』
「こっちとしてはそのつもりだけどな。もっとも、それに関してはマブラヴ世界側の事情もあるだろうけど」
こちらの予定としては、元々アンバールハイヴを攻略したらリヨンハイヴを攻略する筈だった。
ただ、このリヨンハイヴに関しては未だに国土を守っているイギリスやフランスを中心としたEUの戦力がメインで行うという風に、前々からオーストラリアを通して打診されている。
そうである以上、こちらから出す戦力はアンバールハイヴの時とは違って大分減るだろう。
少なくても、アンバールハイヴを攻略した時のように他の世界に対して援軍を頼む必要は無いし、シャドウミラー全体としての戦力に関しても数万機は必要はないと思われる。
……いや、それでもBETAの数を考えれば1万機程度は必要か?
シャドウミラーの幹部達が出張れば、ぶっちゃけそれでハイヴを攻略出来そうな気もするが。
『なーんだ。結局向こう次第かぁ。つまんねーの』
『アウル、お前なぁ……少しは緊張感ってものを』
アウルの言葉に、呆れたように呟くムウ。
だが、アウル本人は全く聞き入れる様子も見せずに言葉を返す。
『だってさぁ……正直、この世界の帝国にしても、マブラヴ世界のBETAにしても、俺達にしてみれば敵が弱すぎるだろ? せめてバジュラくらいに強い敵だったら、もう少しやる気が出るんだけど……』
確かにアウルは強気で向こう見ずな所が多い。それはある意味では戦闘における長所だ。だが……そう、だがしかし。今の場合は決定的なまでの失言と言えた。
『ほう? なるほど。それ程に強敵を望むか』
いつもとは違う低い声。
その声の主は、ホワイトスターの2本柱の1つである実働班を率いているコーネリアだ。
いつも俺といる時には出さないような、レモンと並ぶホワイトスターのNo.2の1人としての声。
底冷えのするようなその声は、映像モニタに映し出されているアウルの顔を盛大に引き攣らせているのを見ればどれ程の迫力があるのかを予想するのは難しくない。
だが、既に口に出してしまった言葉を取り消す事は出来ない。
あるいはこの時点で謝っていれば、話は別だったかもしれないが……
実際、アウルとしても何か口を開こうとしたのだが、時は既に遅かった。
『いいだろう、ではこの後で思う存分私がお前を鍛えてやる。模擬戦がいいか? 強敵を相手にするというのなら、ペイント弾ではなくて実弾訓練がいいだろう。まさかシミュレータでやりたいなどとは言うまいな』
その通信を聞いていた者達は、全員がやっちまった、という表情を浮かべている。
オーブ軍の指揮官としてやってきたバルトフェルドですらそうなのだから、後は推して知るべしだろう。
何と言うか……確かに色々な意味でご愁傷様だな。
ただ、アウルの事を考えれば、それ程悪い選択ではない。
ここ最近……より正確にはアウルがシャドウミラーの実働班に所属してから戦ってきた相手は戦術機、BETA、そして門世界の帝国軍や連合諸王国軍だ。言うまでもないが、そのどれもが強敵とは言えない存在だった。
唯一苦戦したのはA-01連隊やオーストラリア軍との模擬戦だが、それにしたってシャドウの性能を大幅に制限しての状態だ。
するとどうなるのか。……甘く見るようになるのだ。戦闘というものを。
少し前にイザークからその辺を相談されてはいたが、コーネリアは今が丁度その時だと思ったのだろう。
実際、現在シャドウミラーに参加している者達の中で、戦闘で生きるか死ぬかの経験をした事がないのはスティングとアウルだけだ。
それでもスティングはまだ冷静さと言うか、一歩後ろに立って自分を客観的に見直すといった事が出来ているが、アウルは性格的にそれが出来ない。
だからこそ、コーネリアに生きるか死ぬかの戦いをやって貰う必要があるのだが。
『え? お、おい。ちょっと待ってくれよ。イザーク!』
『自らの不甲斐なさを後悔してこい』
義理ではあっても、弟の悲鳴に近い呼びかけにイザークは冷徹に告げる。
別に心配していないという訳ではないだろう。イザークにしても、アウルに対して親愛の情を抱いているのは間違いないのだから。
だが、だからこそ……このままではいざという時、それこそOGs世界で遭遇したようなダークブレインやネオ・グランゾンといった規格外の化け物とやり合うようになった時、真っ先に死んでしまうと判断しているのだろう。
それを避けたいからこその判断。
……まぁ、俺が勝手にそう思っているだけだが、それ程間違っている予想だとは思わない。
ともあれ、門世界の帝国に対する俺達の次の一手は様子見。それをしながら、着々と次の準備へと移っていく事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:170
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1143
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