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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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事後報告と新展開

さて、作者の身勝手な都合により、面倒なことは文章に纏められる。
まずは武偵殺しの件だが。
峰は金次と神埼を上手く誘導し、対決の場へと持ち込んだ。
圧倒するがごとく峰は二人を倒し、勝利を手にした。
その後、峰は神埼の元へ赴き、自首することを示した。
当然ながら神埼は罠の疑いを浮上させるが、話していく内に渋々納得し、峰は警察へと送られることになった。

これはそんな出来事があった数日後のお話。








「ぐひぁ!?」

ドカッと言う音ともに、金髪の優男が部屋の壁に叩きつけられる。

「よう?久しぶりに会ったのは良いとして、俺はあの頃に誓ったんだよ…」

俺は殴り飛ばした金髪の優男に近づいていく。

「ま、まて!今回の事には俺も反省をしててだな!」

「そうかそうか。
だが、お前がやったことは確りと償わないとな?」

「ホントすまなかった!」

「…………で?
何で来た?何か用があるのか?まだ卒業してねぇし」

何だかんだ言ってても律儀なんだよな…こいつ。
何て考えている金髪の優男、と言うよりもゼウスだった。

「ああ。実はな……」

「ああ」

「この世界の時間軸…元の世界の約1/3だったことに気づいたんだよ…」

………は?
それは詰まり…ここで過ごしてきた1年が向こうでは3年経ってるってことか?

「…それだけか?」

「あ、ああ。え?お前、気にならないのか?」

「別にたかが3年で何か起きる訳じゃあるまいし、あっちにはあいつらもいる。
それに今更だしな。別の世界で過ごすのだって」

「…」

まあゼウスが危惧するのはわかる。
今までは俺に属騎手何て居なかったしずっと一人で旅をして来たんだ。
ゼウスは蒼也や才人を気にかけてくれている。

「そんなに気にしなくていい。
蒼也はしっかりしてるし、才人はよく知らんが問題のあるところはなかった」

「そうじゃないんだ。
ただ、お前が蒼也達の触れ合いに空きを作ってしまったら…」

「あいつらは俺を忘れない。
たった3年なんだ。どれくらい強くなったかの方が気になるってもんだな」

「お前ってやつは…」

「それだけか?」

「ああ。後は明日のお楽しみだな」

「はあ?明日って…おいまて!」

言い終わったが早いか、ゼウスは一瞬で消えてしまった。

「アイツ…何がしたかったんだ…?」

俺は訳のわからない徒労感に襲われ、その場に立ち尽くすのだった。






「今日は転校生を紹介しまぁーす!」

翌日、担任教師が徐にそういった。
こんな時期に転校生などとは珍しいとおもうのだが、武偵である以上珍しくもない。

そんなこんなで手招きされ、入ってきたのは――――

「葵 蒼也です」「平賀 才人です」

俺のよく知る二人組だった。









「んで?何でここにいる?やっぱりゼウスの差し金か?」

放課後、男子寮の俺の部屋で蒼也と才人の3人で向かい合って話をしている。

「いやまあ、そうなんだけどさ」

「何か神様が行けって言ってきてさぁ」

「はぁ…」

想像通りでため息が出てしまう。
ゼウスの言うことも最もだが、俺個人としてはこの二人の人生を優先してやりたいんだがな。

「いやぁ、ユウジがいない間は大変だったよ」

「だよなぁ…大人のユウジが来たりとか」

は?大人の俺?

「なんの話だ?」

「ああ、こればっかりは言えないことになってるんだよ」

「何か時間軸がどうのって話だったぞ?」

「…まぁいいか。
それで、これからどうするんだ?」

「どうするって………どうしよう?」

「いや、俺に聞かれても…」

暫く沈黙が流れる。
この先の事…最終的には卒業しか無いわけだが、これは俺の問題だしなぁ…。

「そう言えばさ、最近起きた事件って何かある?」

「ん?………ハイジャック?」

確か理子がそんなことしでかした筈だったが…。

「ああ、まだそこだったんだね。
となるとアドシアードがもうじきってところかな?」

「…原作知識か。
確かにアドシアードがもうすぐ始まるし、その後に色々とイベントがあるのも確かだ。
何かしたいことでもあったりするのか?」

「いや、特にしたいことも無いんだけどさ…」

「なぁなぁ、俺強襲科に入ったんだけどどうすれば良いんだ?」

「ん?特にやることは無いな。
せいぜいランクにあったクエストを受けるか、訓練するかしかない」

「へ~。じゃあ訓練でいいや。
久しぶりに俺の実力見てくれよ」

「あ、僕も頼むよ。
新技だって編み出したし、点数くれるとありがたいな」

「はいはい。また明日な」

そんなもん見れば直ぐにわかるっての…。
この二人も大幅に強くなったみたいだな。立ちずまいとか感覚が良いレベルだ。

「ただいま…はぁ」

そこで玄関から金次の声が聞こえてきた。
声からして帰り際に何かあったのだろう。

「お帰り。何かあったのか?」

俺は部屋から出て金次を労った。

「ああ………アリアがな……」

「まぁたあのチビか」

「何々?神埼さんが何かあったの?」

「お邪魔してまーす」

「おぁ……確か転校生の…」

「葵 蒼也だよ」「平賀 才人だ」

俺の後ろから続くように出てきた二人が金次の話に加わってくる。

「俺は遠山 金次。気軽に金次って読んでくれ。
それで……そうそう。アリアが白雪の護衛やるとかで俺を巻き込んで来やがったんだよ」

「やれやれ…」

「大変だね…」

「白雪って誰だ?彼女か?」

「違う。只の幼なじみだ」

やっぱりこいつは鈍感なのではないだろうか?
あの子もだいぶ頑張っているはずなんだけどなぁ…最近だとちょっと頑張る方向性を間違えてきてる気がするのが否めないが。

「なぁユウジ…」

「別に良いぞ。手伝ってやる」

「マジか!サンキューユウジ!ホントに助かるぜ!」

「この二人も追加されるけどな」

「よろしく頼むよ」

「こっちこそ頼む!俺一人だとアイツらが打ち合い初めて止められないんだよ」

「本当に大変なんだな…」

確かに最近の金次は不幸に取り付かれたように気苦労が絶えないよな。

「「「…………」」」

「ど、どうしたんだよ?」

急に黙った俺達に金次が不安そうな顔をして訪ねる。

「気配は二人」

「うち一人はあのチビッ子だ」

「となると必然的にもう一人が白雪って子なのか?」

「そうなる…はぁ」

「お前ら凄いな。俺には全然わからねぇ…」

”ピンポーン”

室内に鳴り響くチャイムの音。
金次は渋々ながら玄関まで歩いていった。

「これから騒がしくなりそうだな…」

「まぁ、それが神埼・H・アリアだからね」

「いやー、楽しみだな!」

俺達はこれから起こる展開に頭を悩ませるのだった。
才人は違うみたいだが。 
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