| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

歪みすぎた聖杯戦争

作者:無人 幻獣
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
< 前ページ 目次
 

1話 運命の否定 運命への覚悟

平行世界 又は パラレルワールド というのを一度は聞いたことはないだろうか?

パラレルワールド(平行世界 又は平行性)というのは
ある世界(時空)と並行して存在する別の世界(時空)を指します。
然し、別次元では無く、我々の宇宙と同一の次元を持つ世界というのが普通である。
私達の知っている歴史とはどこかが異なる「もう1つの歴史」を扱う世界。精神世界で論じられているには、現在の自分とはすこし異なる自分や世界があり、その世界は私達の知っている世界とは似ているが決定的な何かが違う。そういった世界が無限に存在する。

例をあげてみましょう

自分に近いページの人生は違いの区別はそこまでなく
(着ている服が違ってたり、髪型が違っていたり、自分が知らない人と、友達になっていたり)
遠いページになる程今の自分からかけ離れた生活をしています。
(犯罪者になっていたり、同性愛者になってたり、女性と付き合っていたり)

とまあこのように、時間は一緒に流れていても、
鏡合わせのように違う次元が無数に存在するのがパラレルワールドです。


それとラプラスの悪魔という理論もご存知ないだろうか?

卵を持っている人が 卵を落とすと、割れますよね?

事象としては手を離す→卵が落ちる→加速する→空気抵抗を受ける
→地面に衝突する→地面からの衝撃を受ける→割れる。

ですが、人は手を離した時点で割れる結論を知ってますよね?これが
ラプラスの説いた理論です。

つまり、何事にも始まりがある限り また終わりもまた必ずあるということです。

それこそが、運命

避けようのないこと

しかし彼は「ラプラスの悪魔」に対抗しようとした

卵から手を離してしまったら卵は割れるしかないが
手を話す前に タイムスリップ出来るなら、新たな違う次元を作れるのかもしれない。
そう、運命を変えれるかもしれない。

────新たな世界

────我ら、先人類を蘇らせる

──そのために

─彼は運命を変えようとしていた ソロモンの鍵を使って────

ソロモンの鍵とは
先人類を現実世界へと誘う
扉を開ける鍵。つまり、先人類を転生させるためにソロモンの鍵の役目がある。現実世界と冥界を繋げることで
それを同一化させ
「ラプラスの悪魔」の定理そのものをなにもなかったことにしようとした。

だが、失敗してしまった。

ソロモンの鍵が刃向かってきたのだ
しかしそれは大した問題ではない。刃向かってくるのであれば、消せばいい。
そして又、新たな「ソロモンの鍵」が出て来るのを待てばいいだけのこと

だが、ソロモンの鍵による様々な奇策や計略、身内の先人類の裏切りによって彼の目的は妨害されてしまい、そうしてソロモンの鍵の道連れによって冥界に引きづり込まれてしまった───








──ふざ──ふざけるなっ‼︎───

───この腐った肉どもがァ‼︎────


だがっ!このままでは 冥界に────引きづりこまれる!

── くそっ‼︎──冥界に落ちるのは、貴様ら腐れ人類の方だ‼︎──

クソッ 何とか如何にか──抜け出せれないのか!!────












ンッ⁈ 縛りの力が弱くなっている? 何故か分からんが

今のうちに!













────────
──────



異空間の中に逃げ込んで抜け出すことが出来たが


だいぶ力が弱まってしまったようだ

今まで通りの力を発揮することは出来そうにない ...............


しかし何故だ? 何故あの時、冥界の縛りが弱まったんだ⁈

いや、弱まったと言うには何かしらの空間の歪みの余波だったように見える

空間に干渉することは誰かが故意に行なわなければ出来ない

では一体誰が?何のために………


ンゥ? ……あの男か⁉︎

────────────しかしあの男は殺されているな────





あのまま魂も消えてしまうがどうしようか









○○○○○○

ある男は天国を目指そうとしていた。天国と言っても人それぞれの見方がある。

ある人は、天国とは娯楽の全てがあると言う。又他には、聖人のみ行ける場所と言い。こうした様々な人の天国というものがある。

そして彼にとっての天国とは誰しもが覚悟を持って生きれる世界

人は人生の中で必ず絶望や苦境が迫ってくる、それに、ただ逃げるのではなく

ただ怯えるのではなく、立ち向かう。全ての人間が立ち向かえるように。

それが彼の使命だった。

天国を作るには全ての人間の時間を一巡しなければならない

そうして全ての人間がもう一度自分の人生に辿り着いた時

自分の此れから起きる運命を本能的に記憶している。

そして、此れから起きる運命にどんなことがあったとしても、

覚悟を持って生きる。

それが、彼のエンリコ・プッチにとっての『天国』だった





───────────


───────────








「……………ここは…」

「どこなんだ?………ここは…」

気がついた時に彼はもうここにいた
見覚えのない風景というよりも、見たことのない風景が広がっていた
彼さっきまでいた刑務所とはかけ離れており
周りには、一面花畑で 夕方だからだろうか淡い光が何処からか照らしていて
一層この場所を不気味にしていた。

「…そうだ!わ、私は、あのエンポリオに負けたのだッ!!」

記憶の最後にあるのはあの少年との戦いだった

三週目の特異点に入る直前 DIOとの約束を成就する直前で、あの少年に敗北したのだ

(だが…だとすればここはどこだ?私はあの時、ウェザーの能力によって殺されたはずだ…)

自分は確かにあの時死んだはずなのだが、しかしそうだとすればここは
景色を見る限り''天国''かもしれない だが

(なんとも不気味な場所だ…… )

天国にしては余りに寂しい場所だ。
周りの花には精気が感じられず、花が泣いているように感じる。
とてもここが天国とは思えない
そう考えながらプッチ神父は周りを見渡していた
が、その瞬間

「ほぅ ……驚いたな」

不意な出来事だった
突然何処からともなく声がしたのだ。
驚いているプッチ神父には目もくれず、声はただ響いていった

「ここまで拾って来た自分が言うのもなんだが 正直ダメかと思っていたが、見る限りでは大丈夫そうだな。….現世によほどの未練があるとみえる」

男はそう言いながら、プッチの目の前に表れた。全身白の服の格好をした男だ、どこか人間離れをした雰囲気にプッチは自然と身を構えていた。

「誰だ……」

「そんな警戒心を持つなって、本来ならば消えてなくなってしまう君をわざわざ助けてあげたんだよ」

「…助けた? ということは私はまだ生きているのか⁉︎」

「いや君はもう死んでいるよ 今の君はただ霊体と言った方が正しいかな……」

「………霊体? 」

立て続けに質問するプッチに答えていく男。しかしその答えにプッチは更に疑問が増えるばかりだ。

「そっ霊体 要するに魂だけのことかな」

プッチは自分の身体を触るが 別段おかしい所もない
死んだという実感がわかない

「……とにかく…わ、私は死んだとしても霊体としてここにいるッ!それならば私のすることはただ一つだ、もう一度時間を……はっ⁉︎」

プッチがスタンドを発現させるが…反応がない

「な…なぜだッ!?ま、まさか……わ、私はすでに死んでいるからなのかッ!?」

(まずい…こ、このままでは時間を加速させられないッ!DIOの骨から手に入れた…「重力」を…いや、「時間」を操る能力のきっかけを、スタンドを失ってしまったのだッ!)

(……くそ…どうすればいいのだ……?)

困っているプッチに白服の男は含みのある笑みをつきながら話かてきた。

「お困りのようだけど 手を貸そうか?」

「………」

プッチにはこの男が何者なのかわからなかった
第一どうやったら死んだ人間を 魂だけを残して助けるなんて芸当ができる。いや、そもそも人間に出来ることなのか?

「お前は何者だ そしてここは何処だ? どうして私を助けたんだ‼︎」

白服の男はやれやれと困ったと言わんばかり髪をかきながら ため息をついていた

「………君は一気に質問してくるね〜 まぁいきなりこんな所に連れてかれて驚かない方が無理か……」

「…ッ!おい 聞いているのか?さっさと質問に答えろ!」

「分かった… 君の質問に答えよう その前に君の名を教えてもらえないか?
こちらの質問に答えるのは、まず君が名前を言ってからだ。」

「エンリコ・プッチだ…神父をやっていた」

そう言うと白服の男は頷いていた

「プッチか……分かった!じゃあ今度は自分の番だね」

白服の男はそう切り出すと右手の人差し指を出しながらこう言った

「一つ、僕の名前はセカイっていうんだよろしくね」

セカイと名乗った男は右手の中指も上げて

「二つ、ここはあの世とこの世の中間地点 いわば異空間といっても正しいと思う」

異空間⁉︎ やはりここは天国ではなかったようだ…

「そして最後の三つ目、プッチを助けた理由は………」
そう言うと彼が左手を軽く横にあげるするとシャボン玉のような塊がフワフワと浮き上がってきたセカイはそのシャボン玉を軽くつつくと山や森や街といった映像が流れている

「……こ…これは?」

「プッチがいた世界とはまた違う世界 言うなれば平行世界といった所か」

「何故いきなりにそんな話を?」

そう言うと思いつめたようにセカイの表情が鋭くなった

「プッチ 君にはこの世界に行ってやって欲しいことがある」

「やって…欲しい?」

「そう君に聖杯戦争に参加してもらいたい」

男は訳もわからなさすぎるプッチに唐突に言い出してきた。


────そうセカイと名乗る男は言った''聖杯戦争''と

これが、運命を覚悟するものと、運命を否定するもの同士の奇妙な邂逅であった
 
< 前ページ 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧