ハイスクールD×D大和の不死鳥
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9ライザー・フェニックス
次の日の放課後。
オカルト研究部と向かう、イッセーとアーシアと祐斗とヤマト、レイナーレはお使いを頼んである。
「部長の悩み?」
「うん。最近部長の様子がおかしいのはイッセーくんも気づいていただろう」
確かにため息をついているのも多かったし、どうしたんだろうか?
「ヤマトは何か知らないか?」
「・・・昨日、リアス様が俺の所へ押しかけて、俺を強引に押し倒した。」
・・・・・・・・・・・へっ?イマ、ナントイイマシタカ?
「は、ははは・・・お前が冗談言うなんて、」
「冗談ではない。」
「・・・・うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!てんめぇーヤマト!!!!部長の身体を堪能したのか!!!?」
両肩を掴んでガクガクと揺らすが、ヤマトは冷静に答える
「落ち付け。イッセーが想像している展開は無い。」
「えっ?あっ?そ、そうなのか・・・。」
ホッとしてイッセーは胸をなでおろす
部室の前に立って、目を細めて顔を強張らせる木場。
気にせずに開けると、室内にはリアス様、朱乃さん、小猫ちゃん、銀髪のメイドさんがいた。
明らかに不機嫌そうなリアス様。
いつも通りニコニコしているがどことなく冷たい感じの朱乃さん。
小猫ちゃんは部室の隅っこで椅子に静かに座っている。
メイドさんはなんかクールな感じだ。
(な、なんか張りつめた空気なんですけど・・・)
後ろで、木場が小さく「まいったね」とつぶやいた。
アーシアもちょっと、戸惑っている
そんな中をメイドさんが俺の前に歩いてきた。
「はじめまして。私は、グレモリー家に仕える者です。グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを。」
「ど、どうも。リアス様の下僕で兵士(ポーン)の兵藤一誠です」
メイドさんのグレイフィアさんはピクリと片方の眉を動かす。
「リアス様、彼が?」
「ええ、そうよグレイフィア。彼が『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の使い手よ」
「・・・・『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』。龍の帝王に憑かれた者ですか」
異質なものを見る目で俺を見るグレイフィアさん。
な、なにかやらかしたのかな・・・?
ここで、グレイフィアさんはヤマトの姿を確認しお辞儀をした。
「これはヤマト様、昨日ぶりですね。」
「・・・ああ、昨日ぶりだね」
えっ?昨日ぶり?ヤマトの奴、グレイフィアさんとも知り合いかよ?
「挨拶は済ませたわね。それで、部活に入る前に話があるわ。実は・・・」
話をしようとしたその時、魔法陣が浮かび上がる。
そして、赤い炎が巻き起こり、そこから人が現れた。
「ふぅ、人間界は久しぶりだ。」
見た目は二十代前半と言ったところだろうか。
整った顔立ちだが、どこか悪ガキっぽい印象がある。ぶっちゃけホストにしか見えない。
男は部屋を見渡して、リアス様を捉えると口元をにやけさせた。
「愛しいリアス。会いに来たぜ」
愛しいリアス? こいつ部長とどういう関係?
部長の方は、一切歓迎しているとは思えない。
しかし、男は部長の様子など気にせず、近づいていく。
「さて、リアス。早速だが、式の会場に行こう。日取りも決まって…………」
ドコン!
部長の前になにもない場所でぶつかる男。
「これに気づかないとはフェニックス家も落ちたもんだな」
部長の前に隣にいたヤマトが現れる
「貴様!なにをした!」
「なにリアス様にとりつこうとするゴミから守っただけだ」
イッセーがよして顔してるな
「兵藤一誠様。この方はライザー・フェニックス様。純血悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であります。」
「つまり、リアスと同じ爵位クラスの悪魔という事か・・・。」
「そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあります。つまりリアスお嬢様とご婚約されてるのです。」
「・・・ええええええええええええっ!!?」
一誠の驚いた声が響き渡る。
ライザーがここに来た理由はリアスを冥界へ連れ戻す事と純潔悪魔の子孫を残す為に親同士が決めた婚姻だという。
いつか、話していたが純潔悪魔の数が減ってしまったと言う大戦争。
けど・・・いくら、繁栄の為に本人が好きではない人と結婚しても長くは続かないし、其処には愛は無い。
つまり、この結婚は【政略結婚】という事か。それなら、リアスが昨日とった行動が理解できる。
「この結婚には悪魔、いや、冥界の未来がかかっているんだ。嫌ならお前のを眷属を焼き尽してでも連れて帰るぞ。」
「脅しを使うのは紳士(ジェントルマン)のやる事ではないな。それに貴方は、本当にリアス様を理解しているのか?」
「何が言いたい・・・?」
「だったら、その鳥頭に解り易く説明してやる。
お前はリアス様の事をグレモリー家の次期当主としてしか見ていない。
リアス様自身を見ていない君には、結婚する資格は無い。」
「なんだとっ!?貴様!?」
ライザーは怒りに燃えて、背中から炎の翼を広げる。
なるほど、フェニックス家というから炎を自在に操る能力に長けている訳か。
「そうだぜ、この焼き鳥野郎!!お前なんかに、部長は渡さないぞ!!」
「や、焼き鳥!?上級悪魔に対して態度がなってねぇぜ!リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」
怒り狂うライザー。
「イッセー、彼を焼き鳥というのは失礼だと思うよ。」
そう言うと、フ○ミマ名物のフ○ミチキが大量に入っている袋を取り出す。
「こういうチキンがお似合いだぜ」
「アッハハハハハハハッ!!お、お前がそんな冗談を・・・ブハハハハッ!!」
「こ、ヤマト、意外と面白い事を言うわね・・・くくくっ」
大爆笑する一誠、笑いを堪えているリアス、朱乃も祐斗も笑いを堪えていた。
ヤマトは小猫にフ○ミチキの袋を渡し、黙々と食べている。
アーシアは意味が解らず、戸惑っていた。
そして、ライザーはワナワナと肩を震わせていた。
「き、貴様ぁぁぁっ!!今すぐ焼き殺してやろうかぁ!?」
「だったら、君を捻じ伏せるけど・・・チキン野郎。」
怒りが頂点に達したライザーの炎の翼が一層、激しく燃え上がる
対してヤマトは凍りつくような視線でライザーを見る
グレイフィアが両者の間に入る。
「両者、其処までです。これ以上の話し合いが無駄なら・・・≪レーティングゲーム≫で決着をつけてください。」
レーティングゲーム。
確か悪魔の眷属と王が行うゲームだったな
「なるほど、それでもいいが・・・これじゃ話にならないんじゃないか?
リアスの"女王"である"雷の巫女"ぐらいしか俺のかわいい下僕に対抗出来そうにないな。」
ライザーが指を鳴らすと魔方陣が光り出し、その魔方陣からライザーの下僕が続々と出現していく
レーティングゲームに参加出来る駒の数は最大で15。
一方のリアス様眷属は7人しかいない、確かに圧倒的にこちらが不利だ。
それにしても・・・全てが女性とは偏り過ぎるのも程がある。一誠は大泣きしているレベルだ。
「お、おい、リアス・・・。この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが・・・」
ライザーはドン引きの表情で一誠を見て言った。リアスもそれを見て、困り顔で額に手を当てる
「その子の夢がハーレムなの。きっと、ライザーの下僕悪魔達を見て感動したんだと思うわ」
ライザーの下僕悪魔は一誠を心底気持ち悪そうにした
「そう言うな、俺のかわいいお前達。上流階級の者を羨望の眼差しで見てくるのは下賤な輩の常さ」
良く言うよ、種まきチキン。
ライザーはクククッと笑う。
「よし、あいつらに見せつけてやるか。ユーベルーナ」
「はい。」
ユーベルーナと呼ばれた女性がライザーの側へ行き、2人は濃厚なキスをし始めた
その光景にリアスは呆れ、一誠は羨ましそうにしていた
ヤマトは木場に頼んで小猫とアーシアの眼を塞いだ。
「木場さん、み、見えないです。」
「・・・何も見えません」
「君たちに見せるのはダメ。教育上、ヨロシクないから我慢しなさい」
(あらあら、お父さんみたいね。)
うふふっ、と笑う朱乃。
「この野郎!!ぶっ飛ばしてやる!!」
イッセーが左手の"赤龍帝の篭手"を具現化されて駆け出すが、ライザーはため息をついて
「・・・ミラ、相手をしてやれ。」
「はい、ライザーさま。」
ミラと呼ばれた棍を持った女性がイッセーの前へと立ちはだかり振りかざしたが、そこでライザーの眷属全員が膝から崩れ落ちた。
「貴様なにをした!」
「なに邪魔者を排除しただけだ」
殴ろうとするライザーをグレイフィアが止める
「これ以上やるのであれば私もだってはいません。レーティングゲームで決着をつけてください」
「わかった、それで、今直ぐに始めるか?」
「待て待て、十日後にレーティングゲームを行おうじゃないか。その間に修行すればいいさ。最も付け焼刃かも知れんがな。」
「言ってろ」
こうしてグレモリー家とフェニックス家のレーティングゲームが決まった。
残された期間は10日、修行が始まる
続く
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