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ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
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謎の契り

 
前書き
三十二層の攻略ではアスナさんは参加していない設定です。
そして、姫騎士ユキの登場!+ゲツガの二つ名も!! 

 
 次の日、ボス攻略のパーティーが編成された。普通はキリトとコンビを組んで参加だが今回はキリトがいない。だから、今回の攻略には参加できないと思っていたが、ボス部屋を発見したのが自分なので特別に参加が許されている。

「よう、ゲツガ。今回はお前がココ、見つけたんだっけ?早いじゃねえか」

 話しかけてきたのは、ギルド《風林火山》のリーダー、クラインだ。

「クラインか、まあそうだな。正直、一番早く見つけてもいいことなかったぞ。ボスが気持ち悪いし」

「そ、そうなのか」

 他愛の無い会話をしていると一人の女性が話しかけてきた。

「ねえ、君がゲツガ君?」

 話しかけてきたのは、血盟騎士団、姫騎士のユキだった。

 姫騎士とは、騎士の防具に片手剣と盾のオードソックスな装備だが、普通の人たちと動きが違う。盾と剣を攻略組の中では二番目にうまく使い、(一番はヒースクリフ)その強さは、攻略組の中でもトップクラス。

 そして容姿もいい。黒髪で腰の後ろまであるロングヘアー、雪の様に白い肌でアスナと違った美しさを醸し出す女性だ。年は同じか、下ぐらいだろう。

「そうだけど、何かよう?姫騎士さん」

「ちょっとね、ホワイトバレッドさんを近くで見たかったのと、団長からの伝言」

 ホワイトバレッドとは、ゲツガの二つ名で着ている白のコートで壁をけって弾丸のようにいくことから、ついたのだ。ついでに姫騎士と話すのはこれが初めてのはずなんだがどこかであったこのがあるような気がするが思い出せない。

「団長が今回は参加しないからゲツガ君に指揮権を任すって、それとボスの説明も頼むって」

「そうか、わかった」

「それじゃ、お願いね」

 そう言ってユキは去っていった。するとクラインが胸倉を掴んできた。

「おおおおい、ゲツガ!あのユキさんと話すなんてどういうことだ!」

「さっき、聞いただろ。ヒースクリフからの伝言だよ。しかも、さっきのは話したに入らないだろ」

「それでもー!俺はうらやましーんだよ!数少ない女性プレイヤーに話しかけられて、グフッ!!」

 話の途中でクラインの鳩尾に蹴りをかます。

「痛くないだろ、って言うか五月蝿い。説明があるから行くからな」

 そう言ってからクラインから離れた。そのときクラインは、俺もトップに立ってモテてやるとか言っていたがまあ頑張れとだけ思う。そしてレイドパーティー全員の前に出る。

「えっと、今回の作戦指揮官に任された、ゲツガだ。まあ知っての通り、今回は部屋を見つけたということで特別に個人で参加させてもらっている」

 血盟騎士団の数人と聖竜連合のメンバーはいやな顔をするが、ボスは説明だけで具体的に知ってるのは自分だけなので何も言えないだろう。

「今回のボスモンスターは《ザ・ビッグモス・キングJr》で、攻撃は転がり突進と棘のような毛を伸ばした後、糸を吐く攻撃。そして予測だが、今回のボス攻略はもう一体ボスが出てくるか、ビッグモス……めんどくさいから毛虫で言いや。毛虫が繭になり、羽化するかのどっちかだと思う。この層に出てくる《ビッグモス》と同じようにリンプンの広範囲攻撃と他に幾つかの攻撃が追加されてると思うから気をつけて戦うこと。まあ、羽化または別のモンスターが出てきたときは、一度後退する方針で行く。ここまでで何か質問はあるか?」

 自分では中々完璧な説明ができたな、と自分を褒める。誰も反論や質問なのがなかったので、士気を挙げるために叫ぶ。

「今回も誰一人欠けず、上の層に行こうぜ!」

「「「「「おー!」」」」」」

 士気も上がったことで扉に手を置き、ゆっくりと押す。ボスが見えたとこで戦闘を開始した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 戦闘開始から二十分、毛虫のHPが半分を切る。すると毛虫は口から出した糸を自分に巻き始めた。予想どうり、毛虫は繭になる。しかも、HPがすごい速さで回復していくというおまけつきだった。

「急げ!今のうちに上位のソードスキルを当てろ!!」

 素早く指示を飛ばし、全員がソードスキルで攻撃を食らわせるがダメージで減っていくよりも回復する量が少し多いためちょっとずつ回復している。

 十分間攻撃を続けたところで繭が羽化した。繭から出てきたのは、日本にいる絶滅危惧種オオミノガを人間の大きさにしてそれを五倍したぐらいの大きさだ。さすがに大きいだけあって気持ち悪い。名前もJrが抜けて、《ザ・ビッグモス・キング》となっている。意味は、巨大な蛾の王だと思う。蛾の王は繭から抜け出すとそのまま高く飛んだ。高く飛んだのは、ビックモスと同じようにリンプンをばら撒く攻撃の予備動作。

「リンプンの広範囲攻撃がくるぞ!!みんな、部屋の端っこに逃げろ!!」

 素早く指示を飛した。ゲツガの指示で皆が後ろに下がる。そして皆が下がり終えると同時に目の前のところまでの場所にリンプンの霧ができていた。その霧がようやく消える、それと同時に、蛾の王が地上に降りてくる。その瞬間、端によっていたプレイヤーたちが一斉に攻撃を開始する。しかし、空から降りてこないため攻撃はクリティカルヒットなどはせず、減っていく体力も微弱なもの。攻撃も滑空突進、風圧、糸を吐くの三つしかないが降りてこないため攻略しにくい。

 だが、自分にとってはそんなの関係ない。壁があるなら跳ねられるのだから。ゲツガは一度、壁まで下がると壁を蹴り、蛾の王の背中に飛び乗る。蛾の王は振り落とそうとするが、背中を掴んで落とされないようにする。そのまま、素手で殴りまくる。一人の攻撃だからそんなに減らないが少しずつだが高度が落ちてきた。そして、他のメンバーの攻撃が当たる範囲まで高度が落ちたので、降りて自分も地上での攻撃に加わる。それを何度も繰り返しをしたお陰で、ようやく最後のゲージのHPを半分以下に減らすことができた。

「このまま、何もなければいいが……」

 そう思った瞬間、蛾の王の咆哮が部屋全体に木霊する。

「ぎゃぃやぁあああああああああああ!!」

 耳障りな咆哮とともに蛾の王の体の色が徐々に茶色のような色から赤色に変色していく。これはたまにボスモンスターが特定条件にいたると起こる暴走状態だ。ゲツガは素早く、指示を飛ばす。

「暴走状態だ!攻撃力、範囲が変わるぞ!一度距離を取って様子見をしろ!」

 そう叫び、いったん蛾の王と距離を取るが一部隊だけ下がっていなかった。ギルド、聖竜連合だ。

「そんな指示しなくても、もうすぐで倒せるんだ!俺らがLAをもらうぜ!」

 そう言って蛾の王に突っ込んでいく。聖竜連合が近づいてきたのが見えたのか蛾の王は空高く舞い上がる。

 ヤバイ

 これはリンプンの広範囲攻撃の合図だ!、心の中でそう思い、早く撤退させるように叫ぼうとするがそれよりも早く、蛾の王のリンプンの広範囲攻撃が始まった。聖竜連合のメンバー全員、リンプンの霧の中に飲まれた。リンプンはバッドステータスばかりを与える、ブレスともまた違った厄介な攻撃だ。最低でも一つ、悪くて二つのバッドステータスにかかる。リンプンの霧が晴れてようやく視界がよくなった。すぐに聖竜連合のメンバーの無事を確認するが、ほとんどが麻痺、毒のバッドステータスを受けていた。聖竜連合のメンバーは素早く解毒ポーションを取り出そうとするが、蛾の王の腹の先から何かが飛ばされる。それに当たった聖竜連合のメンバーは、少しのダメージを受ける。その後、驚きの光景が広がる。

 聖竜連合のメンバーたちが当たったのは、蛾の王の産んだ卵らしい。当たった瞬間、卵が孵化し、蛾の王の子のミニバージョンが出てきて、聖竜連合のメンバーの腕や足を食い始めた。

「何だよこいつ!?だ、誰か!!助けてくれー!!」

 腕が食われた瞬間、部位破損のバッドステータスが付き、回復ポーションも使えないまま、毒のダメージと幼虫の攻撃でHPを減らしていく。

「言わんこっちゃない!」

 そう叫んで、端から飛び出す。聖竜連合のメンバーたちのところに付くとミニ毛虫を蹴り飛ばして引き剥がすと素早く回復結晶、解毒結晶を使い、回復させる。かかった時間およそ5秒。そして早く逃げるように命令する。

「危ない!!」

 後ろからユキの声が聞こえる。降り向く前に視界が暗くなってることに気付く。上を向き状況を確認する。上から、ものすごいスピードで蛾の王が突っ込んできていた。

「クソッ!!」

 筋力値にほとんど振っているため、足で逃げ出せない。跳ぶにしても横に跳んだところで追撃にやられる。それなら正面から受けるしかない。両手剣を構え、攻撃範囲に入った瞬間思いっきり振る。しかし、筋力が及ばず、両手剣は弾かれ、ゲツガはそのまま突進を食らった。

「ガハッ!!」

 HPがかなりの勢いで減っていく。赤のところで止まるが、頭を激しく打っているため、意識が朦朧して頭が回らない。そしてゲツガの上に蛾の王が食うように陣取った。クソッ、こんなとこで死んでたまるか。そう思った瞬間、時間が止まったように蛾の王や周りのものが動かなくなる。そして頭の中で声が聞こえた。

『力を貸してやろうか?』

 無邪気な子供のような声。しかし何処となくおぞましい感じがする。

『死にたくないんだろ?だったら生きるための力、貸してやろうか?』

 もう一度確認するかのように言った。そしてゲツガは叫ぶように思う。

「貸してくれるなら、今すぐに貸せ!」

 そう思うとうれしそうな声で言った。

『了解。今回は初めてだから限定サービスだ。対価無しで使わせてやるよ。ただし、一回だけお前の意識を無くして俺が使う。そん時に対価は無断でもらうからな。で、俺が意識のっとっているときに起こったことはお前の責任ってことで』

 対価?意識を無くして使う?謎の言葉が飛ぶが今は関係ない。生きれるなら使ってやる。

『それじゃ、契約成立!契約印は背中にあるから。じゃあ、力を使わせてやるよ。それと、軽い力と他の二人の力をタダで使わせてやるよ。俺って優しー。まあ、せいぜいまた死なないように足掻きな』

 そう言われた瞬間、止まっていた時間が動き始める。大きなストローのような口が自分を突き刺すように伸ばして来る瞬間、持っている両手剣をその口にに向かって振る。今までと違った感じ、あの時の感覚に似ている。ノイズによって復活したときの感じだ。ものすごい速さで振られた剣は、蛾の王の口のストローをたやすく断ち切った。

「ぎいぇえやあああああああ!!」

 口が斬られた瞬間、ガの王は咆哮をあげて暴れる。その時にゲツガを踏み潰そうとするがゲツガは素早く身体を身体を起こして足を全て斬り落とした。蛾の王は足が全てなくなったことで地面にたつことが出来なくなり落とされた。

「倒れたぞ!!一斉に攻撃しろ!!」

 ゲツガは離れると同時に指示をとばす。その合図とともに全部隊が一斉に攻撃する。ソードスキルの色とりどりの光が蛾の王にあたり確実にHPを減らしていった。羽で羽ばたく前にゲージが空になり、最後に咆哮を上げながらポリゴン片に変わっていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 蛾の王を倒した後、ゲツガは素早くポーションを口に含んだ。回復結晶を使わないわけは、聖竜連合のメンバーに全部つかったからだ。後で請求してやる、と思いながらアイテムの確認をする。

「大丈夫かよゲツガ。HP真っ赤にしてよ。さすがにあれは死んだと思ったぞ」

 クラインが話しかけてきた。

「ああ、あれは俺もさすがに死ぬと思った。でも死ねないって思って剣を振ったらたまたま部位破壊ができたんだよ」

 声が聞こえた、なんて言ったら、お前、電波なんじゃないか?と思われると思い、言わなかった。

「そうか、まあ三十二層も突破できたことだし、この後三十三層でパーティーしないか?」

「いや今日は疲れたからいいや」

「そうか……じゃあ、またな。それとおめぇが聖竜連合助けたとき、すげぇーカッコよかったぜ」

「ありがとよ」

 そう言って、ゲツガはクラインと別れた。 
 

 
後書き
誤字、指摘お願いします。
ちょっと加筆をしました。謎の声のところです。 
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