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ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~

作者:C.D./hack
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アシムレイトロイド編 愛、覚えていますか 番外
  哀しみと闇 共闘の月剣士と猫剣士

 
前書き
今回は参戦決定した、村雲さんからダークさんを出さしていただきます。
注  これはあくまでチームになる過程のものだけです。
ルーク編はこれで終了。ミヤビさんは本編で仲間にする予定です。
次回はクロエ編です。
時間軸はGGO編後。本編を悟られぬよう、書きます。 

 
 神界 すべての世界が交わる場所

「待ってろよ、ライト」

とある神は、全ての世界が交わる場所にいた。

闇に呑まれた親友を救うべく。

闇神ダーク、神名《ダークネスウィング》は次元の穴を開き、その場所へ歩み寄った。

不意に。気配がして。自身に劣らぬ殺気。

ダークは後ろを振り返った。

そこに立っていたのは。

「やぁ、ダークさん」

仮面の男が立っていた。

「お前、何者だ?」

初めて見た男に質問をぶつけてみるが、男は何も答えなかった。

「お前、人間じゃないな?ここは神でもゼウスの許可がないと入れない場所だ!どうやって入った!?」

男は少し湿った笑い声を出すと、口を開く、

「やだなぁ、ダークさん。忘れちゃったんですか?ま、覚えてなくてもいいんですけど」

男は大型のリボルバーをダークに向ける。

すでに敵意を感じ取っていたダークは、先に動いた。

ココには入れるということは、もう人間ではない。

そう思って、到底追いつけぬ速度で動いた。が、しかし――――――

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「異次元の勇者斬獲。翡翠の黒の剣士、荒廃した神の光招来」

二発の轟音が響いた。

その速度は通常の弾丸よりも圧倒的な物だったが、ダークを追うには足りない。

しかし。男がその言葉をつぶやいた瞬間、弾丸がダークの速度を上回った。

「なんっ・・・・・・!!」

弾丸を闇で消し飛ばそうとしたダークは、その手を止めた。

いや、止めなければいけなかった。

なぜなら。

その弾丸は変化し、翡翠の黒の剣士、ミヤビの恋人のキリトになったから。

そしてもう一つは黒い剣を携えた、黒い狩人ライトとなった。

「バカなっ・・・・・・!!」

偽物なら闇を放って問題はない。しかし、その二人には生命を感じたのだ。

キリトのワイヤーが展開され、ライトが手をかざす。

するとダークの身を切り裂くごとに、キリトのワイヤーが爆発する。

それらを受け続ける中、男の方を見た。

仮面を外し、笑いながらこちらを見ている。だが、その顔は。

「ユキっ・・・・・・!?」

(いや、漆黒ライトが言ってた、sorrowって奴か!?)

考えたのが、ダークの間違えだった。

「っ、ぐああああああっ!!!」

身が切り裂かれ、爆発が肉を抉り、爆炎がその傷を焼く。

ワイヤーで限界まで縛られ、ライトの方へと投げられる。

剣が抜刀され、切り裂かれる。それは、ダークでも追えぬ速度。

sorrowの使用する、別世界の神となったライトである。

あまりにも大きいダメージを受けたダークの前には、sorrowが立っている。

「お前、どうやってあいつ等を・・・・・・」

「それを答えるわけにはいきませんよ、ダークさん」

sorrowはダークの心臓に手を伸ばした。

「何する気だ・・・・・・!?」

貫かれていない。障壁は薄い肉の障壁一枚のみ。

「こうするんですよ」

男の手から青白い光が放たれる。

「《同質化(アシムレイト)》」

力の根が無理やり引き抜かれる。

まるで全身の神経を一気に抜かれるようだとダークは思った。

激痛。叫び声も上げることは許されない。

ただ、頭はクリアだった。薄れゆく意識の中、ダークが最後に見たのは。

笑っているのに泣いている、sorrowの姿だった。



 異世界 月の剣士の世界

「どうなっている!?」

ここは、ジンたちの住む月の剣士の世界。

ここでは魔化魍がなだれ込んできていた。

千里眼を使って弱点を見抜き、切り裂いていく。

ワールドたちは別のエリアでこいつらを一掃している。

だがジンは。この怪人をどこかで見たことがある気がするのだ。

(なんで・・・・・・なんだ、この妙な既視感は!?)

ジンの視界が突然、白い空間に切り替わる。

「よっ、少年!」

青年とは程遠い、最早おじさんという見た目の男が突然現れる。

「!?あんた、一体」

「俺は響鬼。ま、この世界に存在するなら、仮面ライダー響鬼って言うんだ」

ここでようやく、ジンは既視感の正体に気づいた。

俺はこの男を知っている。そう、子供のころに見た、皆が憧れたヒーロー。

「そうか、道理で見たことがあるはずだ。で?戦闘中に響鬼さんが何の用だ?」

「それは謝るしかないなぁ。でも、ちょいとうちらの世界でやばいことが起きてんだ。下手したら、仮面ライダーが存在する世界とソード・・・まぁ、おじさん、機械が苦手だから省くけど、それが関わってる世界が全部消えちまう可能性がある」

突然のとんでもない宣告に驚くジンだが、すぐに我に返る。

「そんな事が、あり得るのか!?」

「ありえちまう。今、俺たちの力を継いだ奴がいろんな世界に連絡とってんだが、まだ二人しか集まっていない。だから少年に力を貸して欲しい」

ジンはまず、仲間の事を考える。シーナやフィリア、消えてしまった友、シュウ。

そしてワールドやヤマトたち。

仲間たちが、反抗することもなく殺される。

(そんな未来、あってたまるか)

「力を貸そう。だが、まずは俺の近くにいる奴らを斃させてくれ」

響鬼は了解、と言って、ジンをそこから退出させた。

「っ!!」

千里眼を再び発動。

魔化魍を切り裂いていくが、一体の魔化魍が切った瞬間分裂した。

「何!?」

もう一度、今度は細切れになるまで切り裂いていく。

だが、細切れにした分まで魔化魍は増えた。

その魔化魍の名は、ドロタボウ。

響鬼に登場する夏の魔化魍と呼ばれる種であり、毎年大量に湧くという。

そしてドロタボウは、響鬼操る音撃鼓でしか斃すことができない。

今ので魔化魍は大量に湧いてしまい、周りはドロタボウだらけだ。

ドロタボウは怪力もさながら、一番の特徴は全身から人間を溶かすほどの猛毒を出す。

絶体絶命のこの状況。それでもジンは生きることをあきらめない。

一体のドロタボウが、ジンに襲い掛かる。

だが運命は、彼に味方する。

「待ていっ!!」

爆裂音と炸裂音。

襲い掛かってきたドロタボウが、一瞬で飛び散ったのだ。

それに怒ったのか、ドロタボウたちが声のした方を向いた。

声が聞こえたのは崖の上から。丁度ここを見下ろすことができる場所だ。

ジンも思わず崖を見つめた。太陽の逆光を浴び、何かが腕を組んで立っている。

「優勢と劣勢には翼があり、常に戦う者の間を飛び交っている・・・・・・」

「例え、絶望の淵へ追われても、勝負は一瞬で状況を変える・・・・・・」

「人それを、回天という!」

その姿にジンは思わず、誰だ・・・・・・!?呟いた。

「いつもなら名乗らんが・・・・・・ここは名乗らせてもらおう」

「秘密動物部隊アニマ、元隊長ルーク!」

「闇の支配からこの世を守れという命により、ここに正義の鉄槌を下す・・・・・・!!」

動物・・・?と首を傾げたジンの元へ、それは降り立った。

「闇ある所、光あり・・・・・・悪ある所、正義あり!」

「天空からの使者、ルーク!見参!!」

猫でした。

「ジン少年、響鬼から話は聞いているな!?」

「ああ、でもこいつらどうやって倒せばいい!?」

そう言ってる間にも、ドロタボウはこちらへと来る。

「なら、これを使え!」

ルークから渡されたのは、一本の刀。

刀身はすらりと長く、刃紋は重花丁子。刃の部分は鉛白色、それ以外は消炭色。

柄はシンプルな黒。そして黄金の線が入っている。

見るからに業物とわかる刀だ。

「これ・・・・・・!」

「少年、君が使え!」

ルークは言いながら、金のマグナム『ゴールド』と木のショットガン『ハリウッド』を一頻り撃つと、五行から火を司る『火燐』を抜刀してドロタボウを燃やし尽くしていく。

「その刀には(まじな)いがある!ありきたりだが、魔を滅する(まじな)いだ」

ジンは《蒼天》を一旦アイテムボックスに収納し、その刀を構えた。

「想像しろ!お前の周りを飛ぶ、月へと向かう燕を・・・・・・!!」

ジンは目を瞑り、イメージする。燕。全ての障害を切り伏せんとする燕。

「―――――――――セイッ!!」

ジンはたった一回だけ、その刀を振るった。

その瞬間、約十五枚の燕の形をした刃が飛翔した。

誰も燕の飛行を妨げることはできない。月へと舞う、燕の行軍を。

「《燕》がここまではっきり出せるとはな!!」

地雷を抜き、二刀流の構えに入る。

地雷を口で支え、ゴールドをドロタボウに向け発砲する。

火燐で切り上げ、ゴールドを傍に放り捨てる。

地雷で切り裂く。火燐を突き刺す。

「火燐、弐の型!」

その声と共に、二回爆炎がドロタボウに流れ込む。

「燃やし尽くせ!!」

三回目で炎の旋風が起こる。ドロタボウはそれに巻き込まれ、半分が消滅した。

一方のジンは、ルーク以上にドロタボウを切り裂いている。

残り僅かになったところで、ルークが駆け出す。

「合わせる!」

「ああ、一気に片づけよう!」

《燕》が舞う。ゴールド、ハリウッドが弾丸をまき散らす。

霜麟が敵を凍てつかせ、燕が切り崩していく。

ルークは火燐と地雷を装備し、ジンは燕たちを回転させる。

「「飛翔せよ、燕!迸れ、雷!焼き尽くせ炎!」」

雷と爆炎、燕を巻き込んだ旋風が、全てのドロタボウを飲み込む。

「「巻き起これ、嵐ッ!!!」」

その掛け声と同時に嵐の旋風が散り、その場には何も残っていない。

二人は拳を打ち合うが、そこにワールドが現れる。

ワールドはルークを見て一瞬驚いた顔をしたが、直ぐにジンに向き合う。

「ジン!奴らやりやがった!!」

「どうした!?」

重い言葉を吐き出すように、ワールドが言った。

「シーナがさらわれた!どうやら別の次元に!」

一瞬言葉を失ったジンが、すぐにワールドに問い詰めた。

「誰だ、誰が連れ去っていった!?」









「アシムレイトロイドNo.5・・・・・・LOVEだって・・・・・・」

物語は加速し、回り始める。様々な世界を巻き込んで。 
 

 
後書き
いかがでしたでしょうか?今回は解説を多めにしてみました。
ルークがジン君にあげた刀は、月華美刃。相変わらずのネーミングセンスのなさですね。
marinさんにはデータ送ります。
次はクロエ編。
ユキ「別のお話になりはじめてません?」
まぁ、いいさ。てなわけで。・のルビのやり方を言われたとおりにやってもできない機械音痴でした。

感想・コメント・誤字・脱字・アドバイス・質問ください。それでは。 
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