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願いを叶える者(旧リリカルなのは 願いを叶えし者)

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子供ほど大人の意見に従わない

奴隷になりなさい。
キンジに指を突きつけて言い放った神埼は、静まり返ったリビングで一人ポーズを決めていた。

「断る」

「拒否権はないわ。そうね…あたしと一緒にフロントが良いわね」

まるで話を聞かない神埼に、キンジはイライラを隠せないでいるようだ。

「そもそも何で俺なんだよ。他にも上がいるはずだぞ」

「太陽は何故昇る?月は何故輝く?
キンジは質問ばかりで子供みたい」

「現時点で子供にしか見えないやつに言われたくないよな」

「……なんですって?」

俺の横やりに神埼が反応。睨み付ける形で俺を見てくる。

「そもそも何でここに小学生が来てんの?」

「あ、あんたねぇ……」

話を聞かない上に短気っと…これでよく武偵が務まるな。

「おい神埼。お前の意見を受けることは出来ない。
もしもお前が俺を選んだ理由が朝の一件なら、あれは偶然と事故の重なった結果なんだ」

「嘘よ!あの時のあんたは物凄く強かった!
あの時の実力をもう一度見せなさい!」

「む、無理だ。あれは俺も余り…」

神埼はキンジに詰めより、言葉で凄みを聞かせる。
当然キンジは拒否を示す。あのモードになることを嫌うキンジなら尚更だと思う。

「無理、疲れた、めんどくさい。
この言葉は人の可能性を無くす良くない言葉だわ。これからは二度と使わないこと!」

「奴隷、下僕、駒。
これらの言葉は人の尊厳を踏みにじる言葉だ。
もう使うなよチビッ子」

「っ!何なのよさっきから!」

「いきなり押し掛けて奴隷になれって宣言して、意見が通らなければすぐ怒る。
これを子供と言わずなんと言うんだ?」

だいたいさっきから思ってはいたがどこかで聞いたことがあるような声だよな……。
こいつの声キンキン響いてうるさいし。

「あんたみたいなEランク武偵はお呼びじゃないのよ!出ていきなさい!」

「なに言っちゃってんの?
逆ギレでその上出てけ?子供……だったな」

「むきぃぃ!!風穴よ風穴ぁ!」

とうとうスカートの下から拳銃を取り出した神埼。
真っ直ぐ俺に向け、引き金を引いた。

”ズガァンッ”

「……………」

「…ふんっ!あたしを侮辱した罰よ!」

「お前…お前なにやってんだ!今すぐ謝れ!」

銃弾は俺の右肩へ。
何も言わない俺に気づいたキンジが神埼に謝罪をさせようとするがもう遅い。

…神埼・H・アリア。
東京武偵高校2年A組所属。身長142センチメートル。
専門科目は強襲科でランクはS。
二つ名は「双剣双銃(カドラ)のアリア」を持っている。
戦姉妹は間宮あかり。誕生日は9月23日。好物はももまん。苦手なものは雷と水泳(カナヅチ)
父親がイギリス人とのハーフでクォーター。
祖母はデイムの称号を持ち、英国の名探偵シャーロック・ホームズの曾孫にあたる。
考えなしに事件に首を突っ込む気があり、他人の意見はほぼ無視して我を通そうとすることから友人はおらず、クラスでは自分と似た立場にあるレキと友達として一緒にいることが多い。
秘密結社「イ・ウー」に被せられた母親の冤罪を晴らすため、組織の人間を逮捕して裁判で証言させる事を目的に行動している。14歳からロンドン武偵局の武偵としてヨーロッパ各地で活躍し、狙った相手を99回連続、かつ武偵法の範囲内で全員捕まえ、その間1度も犯罪者を逃がしたことがない。
そのため武偵の間では有名人で、憧れる者も多い。
携帯武器は2本の小太刀とコルト・ガバメント・クローン2丁。
バーリィトゥードが得意」

「……は?」

「お前の詳細だよ糞貴族。
お高い所に止まっているお前らには分からんだろうが、こんな言葉を知ってるか?
『撃って良いのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ』ってな」

「な、何が言いたいのよ!」

俺の言っていることが理解できていないのか、またまた起こり出す神埼。
反省なんて全くしてないよな…プロフ通りだな。

「俺と決闘でもしようか、Sランク」

俺はゆっくりと立ち上がり、神埼の前に立って見下ろす。

「ユウジ…」

「上等じゃない!Eランクがお呼びじゃないってことを教えてあげるわ!」

「くくく………上等。
なら明日にでも仕様かねぇ。しっかり準備してこいよ?
じゃねぇと、即行で終わるからな」

「ふん!Eランクに何が出来るのよ!」

こうして夜は更けていった。
翌日に自分が負けるとも知らない神埼は居たたまれなくなって帰っていき、
キンジにはやり過ぎないように念を押され、
最終的に寝たのは22時頃だった。 
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