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ボスとジョルノの幻想訪問記

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恐怖!紅魔館の悪魔たち その②

 
前書き
※注意※
この小説は東方projectとジョジョの奇妙な冒険とのクロスオーバー作品です。両者には多大なる敬意を払い作成しておりますが、クロスオーバーゆえの自己解釈が発生します。これまでも多々あったのですが、今回はかなりの原作改変(デザイン的な面です)を含んでおりますのでご了承ください。ちなみにレミ×フラは最高です。 

 
ボスとジョルノの幻想訪問記9

あらすじ

 橙から明かされた八雲紫の真の目的を知った永琳とてゐ!
 八雲紫と八意永琳の暗躍!
 宴で盛り上がる永遠亭に忍び寄る影!

*   *   *

 ボスとジョルノの幻想訪問記 第九話

 恐怖!紅魔魔の悪魔たち②

 八雲紫のはなった刺客は闇に染まる竹林に降り立った。
 彼女たちは吸血鬼。すなわち夜の女王たちだ。闇で視界が悪くなることなど当然の如く、無い。目をギラリと紅く光らせレミリア・スカーレットとフランドール・スカーレットは永遠亭に向かう。
「お姉さま」
 フランはレミリアに声をかける。
「どうしたのフラン」
 先ほどの様子とはうって変わって、フランは通常の状態で話しかける。
 ちなみに、吸血鬼という種族は人間を好まない。だが吸血鬼は最も人間寄りの思考を持っている、という。そしてその特異性、希少価値ゆえに個体数が少ないためいわゆる『同族性愛』が成立しやすい。
 それは、彼女たち血を分けた姉妹でも例外なく――――。
 だから、彼女たちは気分が高まるとお互いを激しく求め合う傾向にある。その状態になると体を絡み付かせ、混ざり合うような会話を進めるのだが、普段は至って普通の姉妹だ。
 フランドールがやんちゃな妹、レミリアが気丈な姉。
 その方程式はまだ保たれていた。
「さっきババアから貰った『スタンド』ってさー。いまいち使い方が分かんないんだけど」
 フランの口の悪さには常日頃から辟易しているレミリアは「そんなことを言ったらスキマ送りにされちゃうわよ」と言って。
「そうね」
 と、つぶやいた。
 フランの言うことも当然だ。自分たちは紫から頼まれてここにいるわけだが、ついでのような感じ――――いうなれば成り行きで受け取った『スタンド』の使い方は一切教えて貰っていない。
 不親切極まり無い・・・・・・が、あの『八雲紫』が何も考えなしにコレを与えただけとは考えづらい。おまけに『使用方法』も教えない、とは何か絶対にあるのだろう。あの胡散臭さで構成された笑顔の裏に。
「・・・・・・『運命』でも見ましょうか」
 と、レミリアはフランの目を見た。
「お姉さま命名の『ディステニー・レンズ』だっけ? ダサいと思うよ」
 レミリアは最近気が付いたのだが、他人の目の奥をじっと見ればその人物の運命がぼんやりと分かる・・・・・・らしい。そんな曖昧な能力より彼女のネーミングセンスはもはや能力の領域だろう。すごい(小並感)。
「ふっ、あなたには私の超カリスマ的ネーミングセンスはまだ早いわ。紅茶を砂糖なしで飲めるようになってから出直しなさい」
 と、砂糖なしで紅茶が飲めるようになった(ミルクは入れる)レミリアはフランの瞳の奥を凝視する。
「・・・・・・お姉さま」
「どうしたのフラン・・・・・・今集中してるから・・・・・・」
「ちゅーしていい?」
「・・・・・・いや、・・・・・・遠慮するわ」
 若干の間を置きつつ、レミリアはフランから離れる。
 今の自分は『気分』じゃあない。妹よりも公私の弁えはあるつもりだ。
 そんな姉を知ってか知らずか、拒否された妹は仏頂面を作り皮肉げに漏らす。
「たかだか『ぼんやり』の運命ごときにこんなに時間かけるなんて、お姉さまの能力って強いのか弱いのか分かんないよ」
「なぜ今それを言うの・・・・・・」
 フランの『ありとあらゆるものを破壊する能力』ほど能動的に行えず、しかもかなりアバウトな『運命を操る能力』をレミリアは実は気にしていた。
 しかし「いや、でも操るなら運命でしょ」と割り切っているのだが・・・・・・。
「一応ぼんやりだけど分かったわ。フラン、『クレイジーダイアモンド』という言葉で何が思い浮かぶ?」
「・・・・・・うーん、・・・・・・私?」
 にっこりして自分を指さすフラン。
「狂ってるっていう自覚はあるのね・・・・・・えっと、自分以外でお願い」
「『クレイジーダイアモンド』って言われてもなぁ・・・・・・。一応、まぁ心にちょっと引っかかる所があるから・・・・・・うん。思い浮かんだよ」
 フランの『心にちょっと引っかかる所』とはいうなれば『スタンド』と自分の精神の取っかかりのようなものだろう。説明が難しいが、『スタンド』は『スタンド』でしか倒せない、という法則があるように、『スタンド』に関するあらゆることは実際に『スタンド使い』になってみなければ分からないのだ。
「思い浮かんだのね。そしたら、そのスタンド像が『あって当然』と思い浮かべるのよ。右手を動かすのと同じように、左足を動かすのと同じように、『スタンド』を出すことを当然と思うの。そしたら――――」
 と、レミリアが説明すると
「『クレイジーダイアモンド』」
 バァァァーーーーーz________ン!!
 瞬時にフランドールの背後からスタンドが出現した。
「おぉー、すごいすごい! 本当に私が思った通りのヤツだよ!」
 フランは飛び上がりながらパチパチと手を鳴らして声を上げた。
「・・・・・・うわぁ・・・・・すんごぉいセンス・・・・・・」
 ちなみに、レミリアの反応は上記の通りだが、実際にフランドールが発現させた『スタンド』の様相は・・・・・・。

 かなりヒドかった。

 その容姿はかろうじて人間のソレを為していたが、とてもこの世のものとは思えないほどのグロテスクな風貌だった。
 ベースの色は白であるが、ショッキングピンクのミミズ腫れのようなラインが不規則に全身を走っている。それは血液でも運んでいるのだろうか、時々波打ちそのたびにドクン、ドクンという動悸の音が響く。スタンドの表情は虚空を見つめており口の端から赤黒い液体がボタボタと顎を伝って地面に落ちる。その液体は地面に当たると煙を上げながら蒸発している。
 また、ところどころに可愛らしいハートのモチーフが施されているが、全身の狂気じみた印象によって逆に不安さをかき立てる。子供の発想をぐちゃぐちゃにかき乱したような印象。
 見るものを不快にさせる『スタンド』だった。
「お姉さま! 見えてる、見えてる? 可愛くない、これ可愛いよね!」
「・・・・・・え、えぇ。な、なかなかのセンスをお持ちで・・・・・・」
 レミリアは改めて「自分とフランは徹底的にセンスが合わないな」と思った。
「それで、お姉さまの『スタンド』は?」
 自分の奇妙なスタンドの頭の上に乗ったり肩車したりとやりたい放題のフランは呆然としていたレミリアにそう尋ねた。ちなみにフランのスタンドは何故か微動だにしていない。ダラダラと口から唾液のような液体を流しながら虚空を見つめ続けていた。
「・・・・・・あっ、うん。そ、そうね・・・・・・一応、もう見当はつけてるから・・・・・・いいわ、お見せしましょう。出よ」
 と、レミリアは突然の振りにびくっと体を跳ねさせて、平静を取り繕いながら
「『キラークイーン』」
 その直後。
 バァァァァーーーーーーz_________ン!!
 レミリアの背後にも『スタンド』が出現した。
 ちなみに、レミリアはネーミングセンスは皆無だが彫刻愛好家でもあるので美的センスは凄まじい。こと、このようなローマ彫刻やギリシア彫刻を意識して作品を想像することは彼女にとって容易だった。
「・・・・・・私の『スタンド』にふさわしい美しさだわ」
 と、自分の背後に現れた『スタンド』を見て

「・・・・・・うっとり」

 と呟く。
「うわぁ、きもい」
「傷つく!!」
 と、フランはレミリアのスタンド、『キラークイーン』を眺めうっとりしている姉の反応に不快感を露わにする。
 フランの感性は一般人のそれとは大きく逸脱しているため、一応擁護しておくと、レミリアのスタンドはフランのとは対照的に美しさが際だっている。
 無駄を省き引き締まった筋肉を持つ彼女の『キラークイーン』はフランの目からすれば綺麗すぎて不快に映ったかもしれない。
 だが、重ね重ね言うようだがレミリアのスタンドは美しく、また強さも兼ね備えているようだった。
「ネコミミだね、お姉さま」
「当然よ。淑女のペットはロシアンブルーと決まってるわ。説明しよう。『キラークイーン』の風貌についてよ」
「いや、いいです。興味ない」
「まずはこの首飾りのドクロが・・・・・・」
 フランはいいと言ったのに勝手に解説を始めるレミリアに厭きて、スタンドの肩に乗りながら永遠亭に一人で向かうことにした。
 ちなみに両者ともスタンドは自分の意志で動かせる近距離パワー型。フランは「こいつ動くのかな・・・・・・」と思っていたが『クレイジーダイアモンド』はフランの疑念とは裏腹にのっそりと歩き始めた。
「お姉さま先に行ってるよー」
「そしてこの背中に背負った巨大な十字架は私のスペル『不夜城レッド』を・・・・・・ってフラン!? 置いてかないで!」
 いつの間にかフランが『スタンド』を動かしながら去っていくのを見てレミリアも同じように『スタンド』にお姫様だっこをさせて、追いかけた。
 自分で歩け、と言ってはいけない。
 また、『キラークイーン(姫殺し)』なのに『お姫様だっこ』とは、こはいかに? とも言ってはいけない。

*   *   *

 永遠亭では鈴仙の一発芸のあと宴会は収束の一途をたどっていた。ジョルノやドッピオは鈴仙と美鈴などと一緒に片付けの手伝いをしていたが、てゐと永琳は輝夜を永琳の自室に連れこんでいた。
「姫様・・・・・・鈴仙の『スタンド』が見えるんですね?」
「うん」コクリ
 永琳はいつの間に・・・・・・と顔を歪めるが当の本人である輝夜は暢気そうだ。
「永琳様、姫様にも『スタンド』が発現してるって・・・・・・どうなっちゃうの?」
 てゐは深刻そうな永琳の表情を伺うように尋ねる。
「おそらく、紫の目的となっちゃうでしょうね。彼女の目的は『スタンドを回収すること』。幻想郷において異質な物を排除するためか、はたまた何か別の理由か。まだはっきりしないけど、これから紫の刺客は更に激しくなるでしょうね(てゐの挑発もあるだろうけど)」
「? 何の話をしているの永琳」
 てゐは何故永琳が永遠亭で所持しているスタンドを手放さないのかは知っていた。ジョルノの『GE』は医療面において有意義であり、またドッピオについても思惑があるからだ。
 だが、それも輝夜の絡まない場所での暇つぶしに過ぎない。主である輝夜が危険にさらされるならば、ドッピオはもちろん、ジョルノまでも排除するだろう。
 八意永琳はそんな人間――――いや、月の民なのだから。
(幸い、このことを知っているのは私とてゐだけ・・・・・・紫がここを監視していないとは限らないけど、姫様自身が能力に気付いていないならまだ安全か・・・・・・? いや、でも万が一・・・・・・)
 もちろん、永琳は輝夜が不老不死であることを知っているがだからと言ってそれで良いわけがない。
 最も忌避すべきことは輝夜が死ぬことではなく、輝夜が悲しむことなのだ。
「永琳」
 と、一人で画策しぶつぶつと呟く永琳に向かって

「私は今の永遠亭が好き。ジョジョも、新しく来たドッピオっていう青年も、その二人と会話してるイナバやてゐ達、何より永琳が楽しそうだから。私は『今』が好きなんだよ」

(来た! 姫様のスーパー名言タイム!!! これで勝つる!!)
 てゐはその言葉を聞いてガッツポーズを心内で作る。
 説明しよう! 姫様の(ryとは!!
 普段はのんきしている蓬莱山輝夜だが、たまに永琳に対してだけ名言を発するときがある!
 そうなれば、必ず『楽しいこと』が起こるのだ!
 輝夜の意に応えるために、永琳は最善を選びとるのだ!
 永琳のハートに火をつけるのだッ!!

「・・・・・・そうですね。私も、この生活。『今』が一番お気に入りです。姫様のために私がこの生活を守り抜きましょう」

 一度は傍観を決め込んだ永琳。だが、今は違う。
「てゐ。夕方言ったことは前言撤回よ」
 『覚悟』を決めた目。主のために『物語』を最高の形で終わらせる、その『覚悟』を。
「あいあいさー!」
 面白くなってきたと、てゐは満面の笑みを浮かべる。
 何だって見てるだけじゃあ、つまんないでしょう? と言いたげに。

*   *   *

「・・・・・・ん~~~~、よく寝たなぁ・・・・・・ってここどこだよ」
 片付けが粗方終わった永遠亭の和室で藤原妹紅は目を覚ます。
「おはよう妹紅さん。もう宴会は終わっちゃいましたよ・・・・・・気分は大丈夫ですか?」
 最初に彼女の目覚めに気が付いた美鈴は笑って言った。
「はぁ・・・・・・? 宴会、宴会かぁ。記憶がないな・・・・・・何してたんだっけ?」
 ぼんやりと目を擦りながら妹紅は欠伸をする。
「そうか、記憶がないか・・・・・・便利だな貴様の脳味噌は。私の能力を使うまでもなく、『歴史』を改竄できるというわけか」
「あれ? けーね? ちょ、何でもうブチ切れモードなの?」
 後ろに仁王立ちして怒りを露わにするのは妹紅の保護者のような存在、上白沢慧音だった。
「ならば教えてやろう。お前はまず輝夜姫との飲み勝負で惨敗し、急性アルコール中毒で死亡。その後復活するも気が動転していてミスティアを焼き鳥一歩手前まで火炙りにし、鈴仙と美鈴に止められてついでに死亡。再び復活したお前は幻覚でも見ていたのか、急に大癇癪を起こし部屋中を燃やそうとして、全員に袋叩きにあい死亡。そして今に至るというわけだ。お前のせいでミスティアとリグルはそのまま入院したぞ」
 何回死んでるんだ・・・・・・。まるでどっかの誰かのようだ・・・・・・。
 衝撃の事実(主に自分が知らない間に三回も死んでいたこと)を知らされ一気に顔面蒼白になる妹紅。
 彼女は慧音の「『無駄死に』はやめて欲しい。お前は平気かもしれないが、親友がたった一瞬でもいなくなるのは寂しくなる」という言葉を思い出す。
「す・・・・・・すみませんでした」
「いや、いいんだ妹紅。謝らなくて。私からこれ以上言うこともない」
「け、慧音・・・・・・」
「貴様には言葉が通じないからな。『こっち』で教えるしかあるまい」
「え」
 と、泣きそうになる妹紅の頭をむんず、と掴み――――。

「悔い改めよッ!!!」

 ガスンッッ!!!

 妹紅の頭は慧音先生秘伝の頭突きにより地面に叩きつけられた。

「――――ということで、私は先に帰ることにする。そこの阿呆はそこで畳と睨み合わせながら反省でもさせて置いてくれ」
「け、けー・・・・・・ね・・・・・・待って・・・・・・」
「うるさい」
 妹紅はぷるぷると震える右手を何とか伸ばしながら訴えるが、慧音は一蹴。
「お疲れさまです。上白沢先生は学校の先生でしたよね? 今度、町に行くときがあったら顔出してみます」
 慧音が帰ると言うことなのでジョルノと鈴仙は別れの挨拶をしていた。
「あぁ、ジョルノ君は生徒の人気者になりそうだな(主に髪型的な意味で)。それと私のことは慧音と呼んでくれて構わないぞ。生徒達からも慧音先生と呼ばれてるからな。――――それと、そこの・・・・・・えっと」
「あ、ドッピオです」
 慧音は台所で片付けの残りをしていたもう一人の少年に向かって
「そう、ドッピオ君も一緒に来ても構わないからな。生徒達の遊び相手は多いに越したことはないし」
「じゃあ行ってみよっかな・・・・・・学校とか行ったことないし」
 ドッピオは少し考えてそう呟いた。
「それでは、先に失礼する。ではまた機会があれば誘っていただきたい。・・・・・・永琳によろしくと伝えといてくれ」
「分かりました。慧音先生もお仕事頑張ってくださいね」
 最後に鈴仙が言って慧音は一礼をする。
 そのやりとりの間――――。

「妹紅さん、妹紅さーん」
「・・・・・・め、美鈴? 何だよ・・・・・・」
「慧音さん帰ってるけど、いいんですか?」
「ふん、余計なお世話だよ・・・・・・私は慧音に嫌われてるんだから」
 小声で二人にしか聞こえないように会話を交わす妹紅と美鈴。
「そうでしょうか? 私にはそうは見えませんけど」
「うるさいなぁ・・・・・・ほっといてくれよ」
「いや、でも謝るなら今が一番ですよ。私ほら、一応『気が読め』たりも出来ますから、慧音さんも本当は許したがってるはずですよ」
「・・・・・・」
「今から追いかけて真面目に謝れば大丈夫ですって」
「でも・・・・・・慧音が」
「・・・・・・じれったいなぁ、あなたそういうキャラでしたっけ?」
「メタいから。止めて」
「じゃあ行きましょう。ほら、もう靴履いちゃってますよ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「ああ! もう、無言の圧力とかやめてくれよ! 分かったよ、行けばいいんだろう?」
「さすがもこたん。話が早い。死も早い」
「燃やすぞ」
「サーセン」
 そんなやりとりの後、妹紅は立ち上がった。

*   *   *

 いる。この建物の外に、すぐ近くに。
 ドッピオの深層心理にいるディアボロはその存在を感知していた。
(俺も『吐き気を催すような邪悪』と評されるほどの極悪人だが・・・・・・こんな強烈な気配は元の世界でも感じたことがないな・・・・・・。さて、おそらくは唯一のキーマンである十六夜咲夜はまだしばらくは目を覚まさない。俺が取れるアクションは無いが、ドッピオは死んだところで『レクイエムの状況下にある俺』が表に出れば復活はするだろう。――――このままドッピオがそいつらに大人しく殺されればいいが――――)
 おそらく、可能性は薄いだろうと踏んでいた。
 仮にも自分をこの状況に追いやった人間が二人、ジョルノ・ジョバーナと八意永琳がいるのだ。ドッピオが死ぬ確率は極めて低いと言える。
(ドッピオのおかげで死なずにすんではいるが、何も出来ないのではやはり死に続けているのと同じだ・・・・・・早くここから脱出して友好なままジョルノと交渉すれば・・・・・・そのあとは全員殺してしまって構わないが)
 だが、まだ足りない。ジョルノ・ジョバーナ、キング・クリムゾン、そしてもう一つのピースが足りない。
(『ゴールドエクスペリエンスレクエム』・・・・・・。今のジョルノがレクイエムでないならばもう一度あの『矢』で奴のスタンドを貫く必要があるだろう。『スタンド』がこちらに来ているのだ。『矢』が来ていても不思議ではない)
 ディアボロは既に構想を作り終えていた。
 記憶のないジョルノと友好のまま(ドッピオの状態)で、『矢』を入手し、そして『GER』の『終わりがないのを終わり』を逆転させるのだ。
(そうすれば平和的にかつ穏便に! 帝王に返り咲くことが出来るッ! そうなった後はジョルノがスタンドを出しておらず、油断しているときに殺せばいいッ! 手段はいくらでもある! だが、今はまだ・・・・・・今は息を潜めている時期だ・・・・・・)
 情報が欲しい。彼が一番必要としているのは『矢』の情報だった。
 既に永遠亭に『スタンド使い』が来ているのを彼は知っているが、『情報源』になり得るのならば願ったり叶ったりだ。
 例え、その課程で誰が死のうといとわず。
 彼はじっと待ち続ける。

*   *   *

「では、また」
 と、慧音が玄関扉に手をかけると
「ま、待って慧音!!」
 ふらふらとした足取りで妹紅が来た。
「・・・・・・どうした、まだ頭突かれたいのか?」
 慧音はふぅ、と息を吐く。
「えっと・・・・・・ご、ごめんっ!」
「・・・・・・」
 鈴仙とジョルノは突然の展開に戸惑うが、美鈴が奥でグーサインを作っているのを見てだいたい把握する。
「慧音の約束、守れなくて・・・・・・ごめんなさい」
「・・・・・・」
 空気を読め、と美鈴に口パクされたので鈴仙とジョルノはその場をそそくさと離れる。
「えっと・・・・・・慧音、その」
 いつまでも返事がない慧音の圧力に押されて妹紅はたじろぐ。

「――――お前の『信条』にお前は含まれないんだな」

 と、慧音は小さく呟いた。その声はあまりにも小さく、妹紅の耳には聞こえなかった。
「? 慧音、今何て・・・・・・?」
 彼女の小さな小さな叫び。妹紅に伝えればそれで終わる叫び声。
「いや、何でもない。私はもう帰る」
 慧音は妹紅が悲しまないために言わなかったのだ。彼女もまた、妹紅を悲しませることはしたくなかった。
 だが、それが妹紅のためにならないことは慧音自身も知っていた。
「ま、ちょ、慧音!!」
 妹紅の制止も聞かず、慧音は自分自身の煮えきらない思いをかき消すように勢いよく扉を開ける。

 ――――待ち人は来たり――――。



「レーヴァティン」



 永い夜が始まる。


第10話へ続く・・・・・・

*   *   *

 現在の幻想郷のスタンド使い

 ジョルノ・ジョバーナ 『ゴールドエクスペリエンス』
 ディアボロ 『キング・クリムゾン』
 鈴仙・U・イナバ 『セックスピストルズ』
 十六夜咲夜 『ホワイトアルバム』
 橙 『(タスク)
 レミリア・スカーレット 『キラークイーン』
 フランドール・スカーレット 『クレイジーダイアモンド』
 蓬莱山輝夜 『???』

*   *   *

 フランドールの『スタンド』、『クレイジーダイアモンド』について。

 原作とほぼ違うじゃあないのよぉぉぉ~~~~!!
 と、思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そうです。
 違います、ぜんぜんクレイジーダイアモンドっぽくありません。
 何でかというと理由は二つあります。


1、『スタンド像』は本人の精神の具現である。

 言うなら鈴仙の『セックスピストルズ』もそうですが、『スタンド』は本人の精神に強く影響を受けます。
 と、なればスタンドの様相も使用者によって姿を変えるのでは? と思ったからです。じゃんけん小僧はヘブンズドアーを露伴の様相と同じ具現をしていたのは、ボーイ・Ⅱ・マンの能力だからです(と、勝手に解釈)。プッチ神父のディスクにスタンドの(スタープラチナ)が写っているのは『前回の使用者』の像が記憶されるからです(と勝手に解釈)。
(というか、鈴仙がちっちゃいてゐにほっぺた抓られるのとか最高じゃあないですか!!)
 そう考えると、ほかの人たちも若干違いがあります。
 咲夜は鎧がシャープになり、フリルがついたり。
 橙は(タスク)に二股の尻尾があったり。
 レミリアのキラークイーンも背中に十字架を背負ってます。
 ともすればフランの『クレD』もちょっと変更・・・・・・いや、でもフランドールだろ? もうちょっと狂ってていいよな・・・・・・と思い結果がアレだよ!パープルヘイズに近付いてますが、気にしないでください。


2、レミリアとフランがスタンドを交換しているから。

 紫はレミリアに『クレイジーダイアモンド』、フランドールに『キラークイーン』を手渡しています。
 つまり、よりがっちり適合するのはその組み合わせという訳なんですが、二人は姉妹なので波長が合ってたんでしょうね。
 ちなみに、フランがキラークイーンだったらデザインはそんなに変わってないです。レミリアも同様にデザインは原作のクレイジーダイアモンドと余り変えない予定だったんですが。
 交換したからちょっと不具合が生じたんでしょう(適当)。
 それでもキラークイーンのデザインベースを崩さないレミリアおぜうさまの美的センスは流石です。ネーミングセンスは無いけど。


 と、以上の理由によりフランドールのスタンド、『クレイジーダイアモンド』は完全にデザインのダウングレードが発生しました! おめでとうフランちゃん! 友達減るね!(元からいない)

 そんなわけで後書き(?)を終わります。物語が動き始めるので楽しみにしてください。いや、やっぱり期待しないで下さい。駄文ですので。

 ここまで読んでくださってありがとうございます。では、また10話で。 
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