ボスとジョルノの幻想訪問記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
銃弾と氷殼 後日談
ボスとジョルノの幻想訪問記 6
あらすじ
永遠亭に延びる小道を辿ると現れたのは十六夜咲夜だった!
鈴仙の『セックスピストルズ』では咲夜の『ホワイトアルバム』の装甲には傷一つ付けられなかった!
ジョルノと咲夜はラッシュで勝負するがジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス』も咲夜の装甲の前に破れ去った!
かに見えた!
ジョルノのスタンド能力のおかげで咲夜を装甲から引きずり出すことに成功した!
だが、咲夜もスペカを用いて時を止め、逆転をはかった!
しかし、ディアボロは時が止まったことによってドッピオの意識が完全に消失したため、『キング・クリムゾン』の能力によって逆に止まった時を消し飛ばし、咲夜の時止めを無効化する!
決着ゥゥーーーーーーーーッ!!
銃弾と氷殻 後日談
三人は咲夜を打ち破った後、気絶して動かない彼女を背負い永遠亭まで急いで戻った。
鈴仙の読みでは「咲夜と私たちは入れ違いになったはずよ! つまり、先に咲夜は永遠亭で何かをしたはずッ!」というものだった。
ところが、蓋を開けて永遠亭に着いてみると大した変化は見受けられなかった。
「あら、おかえり三人とも。意外と早かったわね」
永琳がにこにこ顔で出迎える始末である。
「・・・・・・? 小道はちゃんと永遠亭まで続いてたのに・・・・・・」
鈴仙は首を傾げる。
「咲夜も一緒なのね。って、ヒドい顔・・・・・・」
ドッピオにおんぶされてうなだれている咲夜の顔を見ると・・・・・・前歯が数本折れて顎はずれ、・・・・・・これ以上描写すると咲夜さんファンが可哀想になるくらい、ヒドい有様だった。
「必要なら僕が完璧に治療しますよ。折れた歯のパーツも『GE(ゴールド・エクスペリエンス)』の能力を使えば元通りですから」
「そ、そうね・・・・・・いやでも、ジョルノ君これはやりすぎ・・・・・・」
永琳は笑顔を若干ひきつらせながら笑った。
「――ところで、師匠。咲夜は一度こっちに来たんですよね?」
鈴仙は口を開く。
「ええ、来たわ」
「・・・・・・何もなかったんですか?」
鈴仙は永遠亭の方を再び見る。
すると、永琳はくすっと笑って。
「中に入れば分かるわ。さ、いらっしゃい」
一同は頭に疑問符を浮かべつつ、促されるままに永遠亭に戻った。
* * *
一同は病室に通されるとそこには美鈴が上体を起こして座っていた。
「・・・・・・美鈴? 大丈夫なの?」
鈴仙はひとまずほっとしていた。酷い凍傷だったにも関わらずたった半日で目を覚ますなんて、さすが妖怪は回復力がすごい。
「――――えっと、はい。まぁ、何とか」
美鈴はほっぺを掻きながら申し訳なさそうに頷く。
「咲夜さんは・・・・・・」
「ここにいますよ。ちょっとやりすぎちゃいましたが・・・・・・」
「よっこいしょ」
ドッピオは美鈴の横のベッドに咲夜を下ろす。その顔を見た美鈴は――――。
「・・・・・・ぷっ、あはははっ、酷い顔ですね~・・・・・・。こんなになるまで・・・・・・」
美鈴は笑っているのか泣いているのか分からなかった。
「師匠、これって・・・・・・」
「咲夜はね、あなたたちが出ていった直後にここに来て『美鈴は無事なのッ!?』って凄い形相で入ってきたのよ。その時には美鈴も意識が戻ってたから、咲夜は自分がやってしまったことを謝罪してたわ」
涙を流して。「ごめんなさい・・・・・・あなたは、関係なかったのに・・・・・・」って。
――咲夜は毎日のストレスで情緒を上手くコントロール出来なくなっていたのだ。
「『ごめんなさい・・・・・・あなたは、関係なかったのに・・・・・・』。それを聞いて私はこの人にはまだあの頃の気高く、瀟洒な咲夜さんが残っていると確信しました」
美鈴は永琳の言葉を継いだ。
「だから、ふっかけたんです。永琳さんからあなた方三人の話は聞いてたので『だったら一回根性叩き直してきて下さい』って一蹴してやりました。――あなた方の方にし向けたのは私ですよ。上手くいったようですね」
美鈴は笑っているが当の三人は複雑である。
いや、そうは言うけど自分たち相当命懸かってたよ? と。
しかし、美鈴が咲夜の顔を見て笑ったのを見てそんな気分もどうでもよくなる。事が丸く収まったのだ。ここは現実とは違う、幻想郷だ。
争いの後に後腐れは存在しないのが、ここのルールなのだから。
ボスとジョルノの幻想訪問記
第一章 銃弾と氷殻 完
* * *
「ふぅ、だからあたしゃ湿っぽいのは嫌いだって言ってるのにウサね~」
てゐはとことん感動とかそういう類は嫌いな性格のため、永遠亭の庭でウサギたちを集めて日光浴を楽しんでいた。
「あ~、気持ちいいウサ~。幸せウサ~」
ごろごろと一人呑気にウサギたちと戯れるてゐに客人が一人。
「――――およ、これは珍しいね。あんたは確か――――」
ねっころがるてゐの前に仁王立ちしててゐを見下ろしていたのは。
「『八雲』橙だ。藍様と紫様の命令でお前ら永遠亭に客として用があって来た」
爪を出して威嚇するように牙を剥く橙に対しててゐは体勢を変えずににやりと笑う。
「・・・・・・客とか、用があるとか言ってる割には敵意剥き出しだね。やる気か?」
兎と猫の仁義無き戦いが勃発するッ――――!!
to be continued・・・
ページ上へ戻る