俺の名はシャルル・フェニックス
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友達と不死鳥
あの時から2日たった。
今すぐにでも修行をしたいが、現在悪魔の学校で授業を受けてる最中なのでイメージトレーニング程度しか出来ない。
一応、重りを両手両足につけて体に負荷をかけているが……
早く終らねぇかなぁ……
8才の頃から飛び級で1学年上に入学したが、余り収穫はない。
実技は手を抜いても上位になるし、筆記もある程度やれば上位になる。
だからぶっちゃけ、授業をしてる方が有意義な時間を過ごせる。
やべぇな。この歳で学校行きたくなくなるとは……
将来が引きこもり又はサボりにならないか心配になってきたぜ。
でも、まぁ、いい点もあった。
リアス・グレモリーとソーナ・シトリーと同級生になり、それなりに仲良く――嘘、かなり仲良くなれた。
人間界に興味があるという共通の話題があるから話しやすく、学校では基本3人でいる。
「――――これで、授業を終わります」
教師の合図で生徒達がノート等の授業に使った用具を片付け始める。
あれだな。終わりの挨拶だったか?
きりーつ、きおつけー、ありがとうございましたーって挨拶冥界にはねぇんだよな。
一々面倒くせぇって思ってたが、ねぇならねぇで不思議なもんだ。
ってと、飯の時間だぜ。
「シャルル、食事に行きましょう」
そう声をかけて来たのは紅の髪をしたリアスだった。
「おう、ソーナは?」
「先に行って席を確保しているわ」
「りょーかい。んじゃ、行こうかね」
二人で歩き出す。
そういやぁ、今日はソーナが席取る番か。
んじゃ、明日は俺かね。
一応、貴族が通う学校であるから、席は十分にある。
けれど、いい席ってのは早い者勝ちだ。
だから、俺達3人はローテーションで早く行って席を取る奴を決めてる。
まぁ、随分庶民じみてるが、まぁ、しかたねぇ。
いい席を取るためだ。
「そーいやぁさ、家の愚兄と婚約したみてぇだな」
2週間ほど前リアスと愚兄の婚約が両家の間で取り決められた。
「ええ、よくは知らないけれど写真と貴方の話から余りいい相手じゃないようね」
「そりゃあ、当然。
ま、会ってみりゃあ分かるさ」
「はぁ、一応まだ婚約でいられるのが幸いね。
そう言えば、貴方では駄目なの?
ライザーよりも歳が近いからいいと思うのだけれど……」
「そりゃあ、残念。
俺は嫌われ者で4男坊。
しかも本妻との子じゃなくて側室との子だからな。
今回の婚約からは一番始めに候補外だ」
大仰に肩を竦める。
「そう。貴方とだったらいい夫婦生活ができそうなのだけれど……」
「んなこたぁねぇよ。
俺は屑野郎だからな。
俺を好きになると火傷するぜ?」
おどけたようにそう言うとリアスはクスクスと笑った。
冗談で言ったつもりはねぇんだがな。
「それに俺よりいい奴は何処にでもいるさ」
原作のイッセーとかな。
でもまぁ、イッセーな。
何度か駒王町に通ってんだが、みつかんねぇんだよな……
紫藤イリナは見つけたんだが……
「それもそうかもしれないわね。
けれど今のとこ――」
「おぉっと、それ以上は後にしようや。
飯の時間だ」
話してるうちにカフェテリアについており、ソーナがとっている手筈となっている席へと向かう。
そこには黒髪をショートカットにしたソーナがいた。
まだ子供なので眼鏡はつけてねぇらしいが。
リアスを先に席に座らせ、俺も席に座る。
すると、待機していたウェイターが注文を聞き、未成年なのでワイン代わりの水をリアスと俺の所へと起き去っていった。
しばらくすればコース料理が運ばれてくるだろう。
「堅っ苦しいよなぁ……
マジで、ここは」
「そうかしら?そうでもないと思うけれど……
ねぇ、ソーナ」
「ええ、リアス。
シャルルがしっかりとしていないだけよ」
「そうかねぇ……
どうも俺は慣れねぇんだよなぁ……」
テーブルに肘をついて頭に手をあてて支えようとしたが、ソーナに見咎められ、断念する。
「貴方貴族らしくないもの。性格が」
「そうね。リアスの言う通りだわ」
「酷っ、そういやぁ、リアス、料理始めたんだって?」
2対1で分が悪くなったので話を変える。
口はあんま強くねぇしいつもの問答だしな。
「ええ、お嬢様だから、何もできないって言われるのは嫌いなのよ」
「へぇ、いい心構えじゃねぇか」
「そう言う、貴方はどうなの?」
「俺は駄目だな。
どう頑張っても焦がしちまう。
フェニックスの弊害なのかね。
ソーナは?」
「私はしてみたことがありませんので……」
それが普通だ。
「確か貴方、別邸で暮らしてるわよね。
眷属候補の子に作ってもらっているの?」
「あ?んや、料理人に作りに来てもらってる。
俺を含めて料理できねぇかんな。
ああ、人間界にいる奴なら出来るみたいなんだけどなぁ……」
俺は焼くと必ず焦がす。
恋は食べる専門。
白音はまだ幼い兼食べる専門。
理子は面倒くさがるし、すると遊び始めて食えなくない絶妙なラインのゲテモノができる。
黒歌は、まぁ、ドンマイとしか言いようがねぇ。
白雪は遊びに行くときに甲斐甲斐しく作ってくれる。
「そう言えば、シャルルは既に眷属を集め始めてましたね」
「おう、女王、戦車、僧侶、兵士で僧侶は2駒が確定してる」
「ああ……噂の……」
噂ねぇ……
あのあと大変だったんだよなぁ……
フェニックス家の4男と眷属を交換する契約をするとあのフェニックスの宝涙が20個も貰えるという噂が拡がったんだよなぁ……
そこら中の貴族が質の悪い眷属を売りにきた。
下は男爵家、上は公爵家まで。
最終的には俺が直に戦い、ぶちのめして退去して貰った。
訓練にしては相手が弱すぎるし、数が多いからかなり大変だった。
公爵家という貴族の格が上の相手まで同様にしたからかなり社会的に叩かれた。
当然親父様もお怒りになり、婚約という足枷や次はないとお叱りまで頂いた。
俺には他に方法は考えられなかったから、そうしたんだが、かなり失敗したな、と思った。
そう反省してるとウェイターが前菜を運びに来た。
さて、飯にしようかね。
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