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ガンダムビルドファイターズボーイ

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第一話 ガンプラバトル再戦!!

 
前書き
名前     天地翼
年齢     10歳
使用ガンプラ 武者烈斗頑駄無
必殺技    烈火鳳凰斬
概要     ガンプラバトル全戦全敗少年。負け続けた事によりガンプラバトルに幻滅しガンプラバトルから足を洗いのらりくらりとしていたが、諸事情によりガンプラバトルに復帰、父の知り合いであるレジェンドビルダー・狂四郎のフルスクラッチプラモ武者烈斗頑駄無を手にする。その戦い方は接近戦を重視。プラモ音痴なのかリアルガンダムで戦うと勝ったためしがない。ガンプラバトル団体戦に参加するべくチームを集める為に奮闘する。更に父の謎のブレスによりある能力が・・・

名前      獅童香澄
年齢      10歳
使用ガンプラ  武者天津頑駄無
必殺技     獅子咆哮螺旋(レオハウリングスパイラル)
概要      近所に住む忍者道場の娘にして翼の幼馴染。幼い頃から忍術を仕込まれているためとても腕っぷしが強い。獅童流忍術と言う名の本物の忍者なのだが、創作物の忍者に憧れてしまった為か奇術師に弟子入りし奇術を習得し創作物の忍者のような事が出来る。ガンプラバトル未経験だが、その特殊な体術を応用して戦う為かチームの中では一番の攻撃力を誇る。

名前       龍見新之助
年齢       12歳
使用ガンプラ   武者武瑠頑駄無
必殺技      龍神鋼鉄突
概要       翼のガンプラバトルに巻き込まれてしまった近所の友達の上級生。元々は別のチームに所属し成績不振により脱退したのだが翼のガンプラバトルを見ていただけで無理矢理チームに入れられてしまった。チーム一の防御力を誇り状況判断能力に長ける為チームのブレインになっている。


 

 

「翼・・・いいか?」

「父ちゃん?」

「俺はしばらく旅に出なくちゃいけなくなった・・・皆を守るために」

「え?」

「翼・・・必ず帰るからな・・・」

「父ちゃん?・・・父ちゃん!!」


第一話 ガンプラバトル再戦!!


青果店・八百虎

「・・・ん?」

自室にて夢から覚めた少年・名は天地翼。

彼の父はある事情により旅に出ているのだがその理由はわからず1年の歳月がたっている。

「いってきま~す」

今日その父の夢を見た翼は何かを感じ取りながら学校へ向かった。

(父ちゃんが旅に出て1年・・・父ちゃんが何処に行ったか知らないけど・・・)

物思いに老けながら学校に向かう翼。

すると後ろから元気な声が響き渡った。

「翼!」

「?香澄!?」

現れたのは翼と同い年の少女・獅童香澄。近所に住む忍者道場の娘であり翼の幼馴染。

「香澄・・・相変わらず元気だね・・・」

「翼は根暗なのよ!昔の翼はもっと元気だったよ~」

「変わっとらんわ!!」

香澄の挑発に激怒する翼。すると

「ね!翼!学校終わったらガンプラバトルでも見に行かない?」

「え?」

今大人気のガンプラバトル。武術化である香澄はやったことは無いがそれを見る事が好きで観戦の出来る模型店が近所にあるのだが・・・翼は・・・

「ああ・・・俺止めとく」

「何で?」

「ガンプラバトル好きじゃないんだ・・・」

「まぁ・・・1回も勝った事ないとつまらなくなるかもね・・・」

翼の気持ちは何となくわかる香澄。実は翼もガンプラバトルのパイオニアである父の影響でガンプラバトルを始めた事があるのだがリアルガンダムを使用し全戦全敗と言う記録を持ってしまったのである。

その為かガンプラバトルを非常につまらなく感じてしまいやることを止めてしまったのである。

「せっかく作ったって壊されちゃな・・・」

「もう!見るのは好きなくせに」

香澄の言葉を否定しない翼。自分がガンプラバトルをするのは好きじゃなくても見るのは好きだった。

放課後

家にランドセルを置き近所の模型店でガンプラバトルを見に来た翼と香澄。

だがいつもと様子が違っていた。

「うわあああん!!」

さっきまでガンプラバトルをしていた小さな子が大泣きをしていた。

理由は負けたからではなかった。

それは・・・

「ひでぇ・・・」

修復不可能なまでに粉々にされていたガンプラの姿。そしてそれをやったのは常連であり翼たちとも面識のある近所の中学生・亀岡だった。

「亀岡・・・ちっちゃな子に・・・そこまでする必要ねえじゃねえか!!」

明らかに弱い者いじめの度が過ぎた行為である事に腹を立てる翼。

すると亀岡は・・・

「へへ!弱い奴が悪いんだよ!え!?ばあかばあか!!」

「貴様!」

余りの言動に怒りのスイッチが入った香澄が懐から手裏剣を取り出し亀岡に向かって投げようとしているのを翼が止めるが何か違和感を感じた。

(変だ・・・いくら中学生だって・・・亀岡はここまでひでえ事をやるような奴じゃない・・・むしろアドバイスをする大人びた奴だ)

自分の知っている亀岡とは違う事に違和感を感じる翼。

すると亀岡が叫んだ。

「おら!どうした!俺とやる奴はいねえのか!?また壊してやるよ!!お!!?」

亀岡は目についた自分より弱そうな奴を見つけると無理矢理ガンプラバトルを始めさせようとしたその時だった。

「待てよ!亀岡!!」

「あ?」

余りの横暴ぶりに激怒した翼が亀岡を止めた。

「何だ!?俺とやるって言うのか!?あ?じゃあガンプラを出せよ!!」

翼を挑発するような言動をする亀岡だが翼は自身の現状を語った。

「今は・・・無い!」

「は!?てめえ!やる気あんのか!?」

亀岡の言葉に翼は・・・

「明日・・・」

「は?」

「明日までにガンプラを用意する!オメエのような奴俺がぶっ倒してやる!!」

ガンプラバトルが大嫌いな翼・・・だが弱い者いじめをしている奴を見逃すほど人間が出来ちゃいない。

「へへ・・・望むところよ!」

亀岡に挑戦状を叩き付ける翼。亀岡は大笑いをしながら去っていくと香澄が駆け寄った。

「ちょっと!翼!あんたガンプラバトルは嫌いって言ってなかった!?それにガンプラ持ってないでしょ!」

「けど・・・あんなガンプラを粉々に叩き潰すような奴ゆるせねぇ!」

香澄の心配をよそに翼は決意を示しある場所へと向かった。

翼が向かったのは近所にある小さなプラモ屋さん。その看板にはこう書かれていた。

・・・プラモ狂四郎と

「頼もう!四郎さんいますか!?」

ドアを勢いよく開けた翼が大声で叫ぶと奥から現れる青年・京田四郎・・・通称狂四郎の姿が・・・

「ん?翼じゃないか?どうしたんだ?」

頭をかきながら現れた狂四郎に翼は跳び付いた。

「四郎さん!!実は!カクカクシカジカ!!」

いじめっ子とガンプラバトルをする旨を伝えた翼に狂四郎は・・・

「なるほどな・・・事情は分かった・・・んじゃ!どれにする?」

快く狂四郎がラインナップを見せるが翼は・・・

「これで買えるプラモ!」

といってお金を出すのだった。

出したお金は10円玉2枚に5円玉2枚・・・30円であった。それを見た狂四郎は・・・

「い・・・いや・・・流石の俺もこれじゃ売ってやれねえぞ・・・」

余りの予算に汗をかくのだった。

だが翼は・・・

「けど!みんなが一生懸命作ったプラモをあんなふうに打っ壊す奴なんて許せねえ!!四郎さん!お願いします!!」

翼の瞳に魂の炎を見た狂四郎は・・・

「(もしかしたら・・・翼ならあれを使いこなすことができるかもしれない!!)よし!来い!」

狂四郎は直ちに店じまいをすると翼を自室に招きある物を探し始めた。

「ええっと・・・あれはどこにやったっけ?・・・ここじゃないあれじゃない・・・」

机の引き出しやら押入れやらタンスやらを引っ掻き回し何かを探し当てると翼に差しだした。

中に入ってたのは3体の瞳の無いSDガンダム・・・しかも赤・青・黄色の武者頑駄無のオリジナル作品だった。

父が大の武者頑駄無好きだったのを思い出しヒーローのように思っていた翼。

「これは・・・どのキット?」

余りの完成度に何のキットを基に作ったか聞く翼だが・・・

「キットなんてないよ。これは俺のフルスクラッチなんだ。これなら30円で売ってやる!」

「四郎さんのフルスクラッチ?」

狂四郎のフルスクラッチの武者頑駄無から只ならぬ魂を感じ取る翼。中でも右拳に特殊なパーツが装着され長い刀を装備している赤い武者頑駄無から只ならぬ気配を感じた。

「四郎さん・・・俺・・・これで戦います!!」

赤い武者頑駄無をその手にする翼。すると狂四郎は再び押入れから何かを探し始めた。

「四郎さん?」

「ああ・・・お前が誰かの為にガンプラバトルを始めるときにってお前の父ちゃんから預かった物があるんだ。ええっと何処にやったかな・・・あ!」

押入れの箱から何やらブレスのような物を取り出す狂四郎。そのブレスはまるでヒーローがもっている変身アイテムのような物だった。

「お前の父ちゃんからだ!お守り代わりにもっとけ」

「父ちゃんから?・・・よし!!」

父からのブレスを装着し気合を入れて明日の対戦に備える翼。

翌日

模型店にて翼と亀岡が対峙しその戦いを見ようと香澄や野次馬が詰め寄っていた。

「翼!そんな奴!ギッタンギタンにしちゃれ!!・・・やんなかったらあたしが・・・」

懐から鎖鎌を取り出して香澄の応援を他所に緊張が走る翼。

するとお互いのガンプラを見せ合う事になった。

「へへ!俺のガンプラはこれだ!!」

亀岡が取り出したのはイナクト・・・なのだがカラーリングが紫になっていた。

「おめえのガンプラは?」

「これだ!武者!烈斗頑駄無!!」

狂四郎からもらったガンプラ・・・腰に大きな刀を差した武者烈斗頑駄無を見せつけた瞬間大笑いする亀岡。

「ぷ!うわああっはっはっはっはは!どんなガンプラ持ってくるかと思った!SDガンダム!しかもBB戦士でやんの!?」

あまりにも大笑いする亀岡に対し翼の怒りの炎がレッドゾーンを振り切った。

「笑うな!武者頑駄無を甘く見るんじゃねええ!!」

向かい合いガンプラをセットする翼と亀岡。システムが起動しプラフスキー粒子に満たされガンプラに命が宿った。

フィールドは森林地帯に決定し操縦桿を握ると翼が叫んだ!

「よっしゃ!行くぜえええええ!!」

カタパルトから発進する烈斗頑駄無がフィールドに舞い降りると周囲を見渡した。

「やいやいやいやい!!亀岡!何処だ!!」

翼の叫びに亀岡は・・・

「へへ・・・精々500円のキット・・・それがこのイナクトに敵うものか!!」

行き成り空中に現れ烈斗頑駄無を攻撃する。

「ぐわあああああああ!!」

突然の不意打ちに吹き飛ばされた翼は大木に叩き付けられてしまう。だが亀岡の攻撃は続いた。

「こういうのもあるんだぜ!!」

キットに附属されていない武器セットのバズーカやミサイルランチャーを装備し一斉射撃する亀岡。

全弾命中する烈斗頑駄無。並のガンプラなら敗北を免れないほどの火力を浴び吹き飛ばされるが立ち上がった。

「へぇ・・・打たれ強いんだな!けどおめえの腕前じゃ俺に敵わねえ!!」

「くそ・・・」

翼が操縦桿を使い烈斗頑駄無で攻撃をするのだが大振りで回避されてしまう。

烈斗頑駄無を上手く奴る事が出来ない翼。

狂四郎の作品の為か自分ではよくわかないぶっつけ本番で使用している。

やはり他人が作った物は何がどうなっているか熟知なければならないのだろうか。すると亀岡が空中から烈斗頑駄無をヒット&アウェイ戦法で攻撃し始めた。

飛行能力の無い烈斗頑駄無はただやられていくだけだ。

ダメージを受けるだけで受けていく翼。周囲が焼け野原となり逃げみちは無くなっていく。

(くそ・・・俺はここまでなのかよ・・・)

絶体絶命を覚悟する翼。

すると亀岡は・・・

「呆れるほどの打たれ強さだなこれでとどめだ!!」

空中から高周波ソードを抜き烈斗頑駄無に襲い掛かった。

そして自身の持つ武者頑駄無を求めた!!

(くそ・・・負けてたまるか・・・烈斗頑駄無・・・俺の魂が聴こえるか?・・・武者頑駄無はヒーローだろ・・・あんな奴負けたくない・・・だから・・・俺と一緒に戦ってくれ!!)

翼の魂の叫びと共に左腕のブレスが輝いた。

「な!なんだ!?」

余りの光に亀岡の動きが止まった瞬間。

烈斗頑駄無が立ち上がりその眼に瞳が描かれた!!

『はぁぁぁ・・・は!!』

凄まじい光と共に立ち上がる烈斗頑駄無。すると不思議と操縦桿の動きが軽くなった。

「これは・・・これなら・・・よし!行くぜ!烈斗頑駄無!!」

気合を入れ直した翼が腰から刀・菊一文字(ガーベラストレート)を抜刀した。

「へ!へへ!今更剣を抜いたところでオメエの負けは決定だ!!」

亀岡がソードの突きを放った瞬間。

「うおりゃああああああああああ!!」

烈斗頑駄無が菊一文字を構えるとソードを縦に切断した。

「馬鹿な・・・さっきまでニブニブの動きだったのに!どういう事だよ」

バズーカ・ミサイルランチャーを構え一斉射撃する亀岡だが烈斗頑駄無の剣技の前に全て抑え込まれてしまった。

「これは・・・この動き・・・凄い作り込んである・・・これなら!!」

SDガンダムでありながら思い通りに関節が動けるほどの作り込みに驚愕する翼。

それは亀岡も同じだった。

「なんだあれ・・・関節やつま先にしんちゅう線を入れてあらかじめ可動できるようにしてある・・・それにあの刀・・・本物の金属で作られている。とてもじゃないが扱いづらいはずなのに、その刀を自由自在に操る事の出来るあの腕・・・誰だ!?あんな凄まじいガンプラ作った奴は!!」





「へっくしょん!・・・誰か噂したかな」

お客さんが居ないので暇そうに店番している狂四郎。

すると狂四郎は・・・

「あ・・・バックパックわたすの忘れてた・・・あとでわたしとこう」

そう言って3つのバックパックの手入れを始めるのであった。





まるで人間みたいに動ける烈斗頑駄無の操縦を身体で覚えてきた翼がある画面に気付いた。

「Tension?」

Tensionと書かれたゲージが表示されその数値はMAX状態だった。

「なんだかわかんねえけど!行くぜ!!・・・俺の・・・SD魂なめんじゃねええ!!」

武者烈斗頑駄無の瞳が燃え上がると菊一文字を構え・・・その刀身から烈火のごとき炎が舞いあがりその剣を構え突撃した。

それは・・・武者頑駄無だからこそ持つ必殺技!!

「食らえ!烈火鳳凰斬!!」

鳳凰のような炎を纏った烈斗頑駄無が突撃と同時に菊一文字を振り下ろすと一刀両断されるイナクト。

「うわああああああああああああああああああ!!」

イナクトのダメージが反映するかの如く叫びを上げる亀岡。

バトルが終了する・・・と思われたその時。イナクトから邪悪な目玉が現れ烈斗頑駄無に襲い掛かった。

「な!」

突然のことに反応できない翼。

その時だった。

烈斗頑駄無の右腕に凄まじい力が宿り勝手に動き出したのだ!そして・・・

『剣勢拳!!』

何かの叫びと共に凄まじい拳が目玉に直撃し目玉は邪悪な生気を放ち消滅を始めた。

『き!・・・キサマ・・・烈光頑駄無の・・・そしてキサマはヤツノ・・・』

烈斗頑駄無と翼見つめ不気味な声を響かせながら消滅していく目玉に翼は何かを感じた。

「なんだ・・・奴は」

凄まじい不気味さを覚えバトルの終了を確かめると倒れている亀岡に駆け寄った。

「おい!亀岡!大丈夫か?」

翼の呼びかけに亀岡は目を覚まし呟いた。

「あれ・・・どうして俺此処に?・・・今まで何を?」

「亀岡?」

亀岡の様子がおかしい。まるで先程までのバトルを覚えていないような言動だった。

すると

「翼!」

翼の勝利に駆け寄る香澄。

「ガンプラバトル!初勝利おめでとう!」

「ああ・・・ありがとう」

初勝利を喜ぶ翼だが香澄は苦言を漏らした

「全く!危ない戦いをして」

『本当だぜ』

「?香澄?何か言ったか?」

「へ?別に?」

突如響き渡った謎の声に香澄ではないかと聞く翼だが自身ではないという香澄。

すると

『ここだよ!ここ!!』

「へ!?」

翼は周囲を見回すが何もいない。

『ここだって!もっと下だよ下!!』

業を煮やした声は翼と香澄に下を見るように叫んだ。

下は未だにプラフスキー粒子に満ちたフィールド。

そこにあるのは・・・

『よ!』

翼と香澄に向かって挨拶する笑顔の烈斗頑駄無の姿が・・・

翼と香澄は思わず顔を見合わせ・・・

「「ええええええええええええええええええええええええええ!!!」」

っと叫ぶのであった。
 
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