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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-6 圏内事件
  Story6-4 調査開始

第3者side



『きゃあああああああ!!!』


まるで町中に響きわたっているかのような絶叫が響いた。

「「「!!!」」」

「外からだ!みんな、行くぞ!」

4人はその悲鳴を聞きつけ、シャオンを先頭に素早く悲鳴の元へと向かった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆














四人は目に飛び込んだ光景に目を疑った。

場所は町の広場の北側。

そこにそびえる石造りの建物の二階の中央の窓から一本のロープが垂れ、輪になった先端に重装備の男が一人ぶら下がっていた。



現実世界では、この時点で死んでいるかのような光景。

そのプレイヤーに、黒い短槍が突き刺さっていることだ。

プレイヤーたちに恐怖を与えるその武器はどうやら貫通ダメージに特化した武器のようだ。

「はやくその槍を抜けっ!!」

キリトがそう叫ぶ。

槍が刺さっている限り、HPは減り続ける。

現実と違い、剣を抜いたからといって傷口が広がり出血量が上がり……と言ったことは無い。

HPの減少を止めるのはそれしかないのだが……

「う、あっ……」

うめき声を上げ、槍を必死に抜こうとするが

「駄目だ、あいつにもう力が残っていない」

シャオンがそう言う。

根元まで突き刺さり、体を貫いているその槍を抜ききるだけの力、そしてHPがもう尽き掛けて……

「3人はあいつを受け止めろ!俺が上へ行く!」

シャオンは建物へと向かう。

「うん!」

「任せろ!」

「わかったわ!」

3人はそれぞれ返事をし、すぐさま向かったが……

遅かった。

男の体はだらりと力なくぶら下がり、次の瞬間……

パキャァァン


青い硝子片となって砕け散った。

そこに残ったのはその場の人たちの悲鳴と、彼の体を貫いていた槍だけだった。


街の中で人が一人が死んだ。

その事実にあたりは騒然とする。


――圏内で人が死ぬとしたら、それはデュエルしか!

キリトはそう考えるとすぐさま言った。

「みんな!今すぐウィナー表示を探せ!!」

プレイヤーたちはキリトの意図を悟り、視線を走らせ始めた。

しかし、見つからない。

「キリト!こっちには誰もいないし、デュエルのウィナー表示もない!」

シャオンも同じ考えにいたったのか、二階の窓からそう言った。


――なんでだよ……なんでないんだ……


――ありえない……なんでだ……


シャオンとキリトがそう思ってしまうのも無理はない。

圏内でHPを減らす事ができるのはデュエルのみ。

その内HPを0に出来るのはノーマルモードか制限時間モードだけだ。

ノーマルモードとは、別名完全決着モード。相手のHPが0になるまで戦い、相手を0にしたら勝ちというもの。
制限時間モードは互いに示し合わせて制限時間を決め、時間内にどれだけHPが残っていたかを競うもの。

もうひとつ、初撃決着モードはHPを半減させれば終了してしまう。

上記の2つはデスゲームとなってからは、PKしてしまう為殆ど使われていないのだ。

「とりあえず、シャオンの所へ行こう」

「う、うん」

「そうだね」

騒然としているプレイヤーたちを尻目に3人は建物の中へと入っていった。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















そして、4人は上で合流した。

「普通に考えたら、デュエルだよね」

「でしょう。デュエルで剣を突き刺して、ロープを首に引っ掛けてここから突き落としたんでしょうね」

確かに考えたらそれが間違いないと思える。

「なら、ウィナー表示が出るはずだろ?みんなで探したけど、何処にも表示はなかった」

そのキリトの言葉にシャオンも頷く。

「それは間違いない。あの場から下手に逃げようとしたら、逆に目立つ。スキルでも確認したけど、間違いなくあの場にはいなかった」

「でも、ありえないわ。圏内でダメージを与えるにはデュエルしかないもの」

「そうじゃないと、混乱が起きちゃうよ?他にそんな方法があるなんて知れ渡ったら……」

フローラも心配そうに言った。

4人ともしばらく沈黙。


そして、その後。

「どちらにしても、これは放置はできないわ」

アスナがそう言う。

「同感。放置するには危険すぎる」

「ああ」

シャオンもキリトも同意見だ。

「そうだよ。圏内PK技みたいなのを誰かが見つけた……なんてことあったら、外だけじゃなく、街の中だって危険ってことになる」

フローラも事の深刻さに、身震いすらしていた。


――ただでさえ、この世界に閉じ込められていると言う状況に付け加え、殺されるかもしれない……

そんなことになったら、人々の心が荒れていく。

いつかは、クリア出来ると信じて待っていてくれている人たちの為にもこれは解決しないと


「しばらく前線からは離れる事になるけど、しょうがないよね」

「うん。こっちの方が重要だって思うし、団長も解ってくれると思うよ」

フローラとアスナはそう判断。

攻略も大切なことだが、こちらも早急に取り掛からなくてはいけないことだから。

「なら、解決までちゃんと協力してもらうわよ」

アスナは、シャオンとキリトにそう言う。

「構わない。解決しないとまずいからな」

「ああ、オレもそう思う」

「言っとくけれど、昼寝の時間なんかありませんからね?」

「寝てたのはそっちの方だろ」

キリトは呆れ顔でそう言うと

「ッッッ!!!!」

アスナは一瞬で顔を赤く染め


ガツン!!


キリトに鉄拳制裁。

「シャオン君もだよ?分かってる?」

「さっきたっぷり寝たからな、そういう心配はない。

俺はフローラの方が心配だ」

「むーー!!」

「……嘘だよ。お前には絶対的な信頼があるからな。

心配なんかしてない」

「え……うん」

「さっさとこれ解決するぞ。手間かけたくないからな」

対照的な二組の探偵はどのようにして解決していくのか……
















Story6-4 END 
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