レインボークラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百九十六話
第百九十六話 ライブを決めて
路上ライブの許可は出た、そのうえで。
七人はその用意に入った、それは当然ながら華奈子と美奈子も同じだった。それで二人で自宅においてだ。
それぞれの楽器の手入れをしていた、その中で。
華奈子はサックスを磨きつつだ、フルートを手入れしている美奈子に言った。
「ねえ、最近ね」
「最近?」
「あたし達楽器をね」
それをというのだ。
「あまり手入れしてなかったわね」
「そうね」
美奈子は華奈子のその言葉に強い顔で頷いた。
「そうだったわね」
「ついついね」
「あまりよくないことだけれどね」
「最近クラウンの活動はあまり、だったから」
ライブや演奏をだ。
「だからね」
「忘れていたわね」
「よくなかったわね」
「ええ、けれどね」
それは、というのだ。
「こうしてね」
「今してるからね」
「まだいいわ」
「最良じゃなくて」
「最良はやっぱりね」
「ライブしてなくてもね」
演奏でもである。
「いつもよね」
「手入れしてこそよ」
「やっぱりそうよね」
「そう、けれどね」
「こうして手入れすることでも」
演奏、ライブ前にだ。
「いいのね」
「ずっとね」
「演奏前でも手入れしない人っているのね」
「中にはね」
そうしたいい加減な者もというのだ。
「いるのよ」
「そうなのね」
「残念なことにね」
そうだというのだ。
「そうしたことをしているとね」
「いざって時にね」
「そう、演奏に支障が出るわ」
「やっぱり手入れしてこそよね」
「いつもね」
こう話してだ、まずは手入れをする二人だった。
第百九十六話 完
2014・12・19
ページ上へ戻る