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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第6章 無限時計編
  友の声が聴こえる

無限城にて・・・


『2人とも、そっちはどうなっている!?ルーシィは?』

ウォーレンさんが念話で俺とナツさんに話しかける。

「急がないといけません。」

「ルーシィが無限時計に取り込まれちまう!」

『何だてぇ!!?』

話を聞いて驚くウォーレンさん。

「(それに・・・この状況も何とかしないと・・・。)」

目の前にはイミテイシア、横にはブレイン二世とクロドア。色々と厄介である。






























一方、ウェンディ達の方では・・・


「ルーシィが無限時計と融合!?」

「念話が届かないのはそういう訳。」

先ほどの念話でラキは驚き、シャルルは念話が届かなかった事に納得する。

「何か私達にできる事は・・・」

「あんたは少し休まないと!」

「そうだよぉ~!」

ウェンディは大司教に治癒魔法を使ったため、相当な魔力が消費している。
無理をしないようにシャルルとミントはそう言ったのだった。

「皆、聞いてくれ!急いで六魔将軍(オラシオンセイス)を倒してくれ!!
 ルーシィが完全に無限時計に取り込まれたら、手遅れになっちまう!!!!」

ウォーレンは無限城にいる、及び外にいる仲間達に念話で説明をした。



































一方・・・



「聞こえる。一刻も俺を倒し、無限時計の刻印を消さねば・・・かぁ。」

エルザとコブラ、戦闘中。

「諦めな妖精女王(ティターニア)!!」

「諦める?そんな言葉、知らんな。」

コブラの言葉にエルザはそう言う。

「自分が倒れても仲間がいる、かぁ。
 そんなモノに頼っているうちは、俺には勝てん!!!!」

コブラはそう言い、腕を振って衝撃波でエルザを攻撃した。

「換装!!」

エルザは、海王の鎧を身に纏い、持っている剣でコブラを何度も攻撃するが、かわされる。

「俺達は力を得るために、かけがえのないモノを失った!!!!」


ドォン!!


「ぬぅっ!!!」

コブラの張り手をエルザは剣で防ぐ。

「エリゴールは記憶を!レーサーは心!そしてエンジェルは寿命を!
 テメエ等に足りねえのは失う覚悟!!俺達の心の重さに勝るモノはねぇ!!!!」

コブラはそう言う。




































一方、ウェンディ達の方で・・・



「ん?誰だこれは・・・」

ウォーレンが念話をしていた時、誰かの声が聞こえたのだった。
それは知っている人物であった。

「だぁっ!?ロメオ!!何でお前がいるんだよぉ!!?」

「「「「ええっ!?」」」」

ウォーレンの言った人物の名前に驚くウェンディ達。

『こっそり、クリスティーナに乗り込んでたんだ。
 こんな時に留守番なんて、冗談じゃねえ。』

ロメオは今、無限城の中にいる。

「バカ野郎!気持ちはわかるけどよ、今回は・・・」

「ロメオさん聞こえますか?」

2人の話にウェンディが入る。

『ああ。』

「とにかく、誰かと合流してください。」

「・・・どっちにしろ、時間がねぇ。残りの六魔将軍(オラシオンセイス)を倒して、
 ルーシィを助けなきゃなぁ!!」

『ああ。けどその前に、どっちに行ったらいい?』

ロメオは道を尋ねてきた。

「ナツ達が通ったルートを教えるから、そこへ向かって!」

「わかった!」

シャルルの言葉を聞き、ロメオは念話を切った。

「次は、ハッピー、リリー!」

『あい!』

『俺達もそこに向かう。』

ハッピーとリリーは、先ほどの話を念話で聞いており、すでに動いていた。

「頼むぞ。とにかく、サミエルを止めてくれ!」

『了解!』

『あいさー!』

リリーとハッピーは返事をし、念話は切れた。

「大司教様の容体は?」

「「「「「!?」」」」」

声の主にウェンディ達は驚く。バイロであった。
バイロの後ろにはゼントピアの兵がたくさんいた。

「バイロ!!?」

「あわわわわ・・・!」

「ひぇ~!?」

「ちょ、ギルダーツは!?」

「彼なら、仲間とともに落ちました。まぁ、無事でしょうが。
 それより、サミエル達がどうなったか、わかりますか?」

バイロは普通に答え、普通に尋ねてきた。

「ルーシィを狙う必要は、もうないのよ!」

「六魔を全員倒せば、刻印を解除できるの!そうすれば・・・」

「しかし、ルーシィ・ハートフィリアが無限時計と融合してしまっては、
 手遅れになる。違いますか?」

ラキとシャルルの言葉に、バイロはそう言う。

「それは・・・」

「えっとぉ・・・」

ウェンディとミントはバイロの言葉を聞いて、何も言えなかった。

「道はまだ、残されております。」

「「「「!?」」」」

「大司教様!!!」

声の主は大司教であった。バイロとゼントピアの兵達は膝をつく。

「長く、辛い悪夢でした。自分の意思とは関係なく、
 人形の様に操られ、このような事態になってしまいました。
 ですが、この方達が危険を省みずに、救い出してくれた。
 操られていたとはいえ、敵の立場にあった私を、この混乱の中で・・・」

「あの・・・」

「教えて欲しい事があるんだ!」

「大司教さんは、無限時計に詳しい・・・ですよね?」

ウェンディ達は大司教にそう尋ねる。

「囚われている星霊魔導士の事ですね?」

































一方、ナツ達は・・・



「ルーシィと・・・」

「ずっと一緒にいたい・・・?」

「ルーシィの気持ちはどうなるんだ?」

「あなたを信じて、裏切られて、それでもルーシィさんは信じ続けています。」

「お前には、その声が聞こえねえのかよぉ!」

俺とナツさんはイミテイシアに向かって、そう言う。

「・・・・・・・・・。」

イミテイシアは何も言わなかった。

「迷う事はない。お前は失ったモノを取り戻そうとしているだけだ、イミテイシア。」

「・・・っ。」

「失ったモノ・・・?」

それは一体・・・・・・?

「ミッシェル!!」


ドン!!!


「おっとっ!?」

「っ!!!」

イミテイシアは楯に茨につけて、ヨーヨーの様に使い、俺達を攻撃してきた。

「きっと姉さんだって喜んでくれる!!!」

そう言い、また俺達に攻撃をしてきた。


ドン!


「くっ!」



ドン!!


「ぬぅっ!」


俺とナツさんは攻撃をかわす。

「だって、私達は、いつも一緒だったもの!!!!」

「っ!!」

「ぬわっ!!」

イミテイシアは俺たちの背後に回り、剣で俺達に襲い掛かろうとした。


ドン!!


「!?」

突然、紫色の炎の球体がイミテイシアを直撃し、飛ばした。

「嘘つき!!」

「「ロメオ!!!!」」

さっきの攻撃をしたのはロメオだった。何故いる!!?

「何で今更そんな嘘をつくんだよ・・・お前は、本物のミッシェルじゃねえんだろ!!
 ずっと一緒だってのも、嘘なんだろ!!!!」

「違う、私は・・・」


ドン!ドン!!


ロメオは両手で作っていた炎の球体をイミテイシアに向かって投げた。
イミテイシアはそれをかわす。

「家族を亡くしたルーシィ姉が、お前に会えて、どんなに喜んだと思う!?
 どうして裏切ったんだ!!どうしてそんな嘘をついたんだ!!!!」

「・・・・・・・・。」

「仲間だって、信じてたのに・・・・・・
 俺だって、お前の事・・・・・・ちくしょぉぉぉぉっ!!!!」

「ロメオ君・・・。」

「どうようしてはいけませんですぞ、イミテイシア様。
 あなたの邪魔をする者は全て敵。」

「・・・っ。」

「何か言えよ、ミッシェル!!!!」

ロメオは炎の球体を持ったまま、攻撃をする。

「やれ。」


ドン!!!


「ぐ、ぁっ!!」

「「ロメオォッ!!!!」」

イミテイシアは、ロメオを攻撃した。だがその表情は悲しそうな表情だった。


ド、ドン、ドン


ロメオは地面に3回はつき、飛ばされたんおだった。

「ちくしょう・・・・・・。」

ロメオはそのまま気絶した。

「わあったよ、ミッシェル。お前が何者なのか、そんなの後回しだ。
 とにかくぶっ倒して、ルーシィを助ける!」

「そう・・・ですね。」

ナツさんと俺の声にイミテイシアはこっちを向く。

「あらまぁ!面白い見世物ですなぁ!!」

「怯むなイミテイシア。お前は新生六魔将軍(オラシオンセイス)のナンバー2。
 お前の祈りは私が叶えてやる。忠誠を見せよ。」

イミテイシアがナンバー2だとは、思わなかった・・・!

「うおおおおっ!!!」

ナツさんは両手の炎を合わせ、巨大な炎をイミテイシアに向かって攻撃をした。

「っ!!!」


ズザァーーー!!


しかしイミテイシアは、体を曲げ、向かってきた炎を僅かな下の隙間から滑るようにかわした。

「っ!!」

「まずい!!!」

イミテイシアはそのまま剣で、ナツさんに斬りかかった。


ズバン!!


「ぐ・・・!」


ドン!


「ぐあっ!!」

「ナツさん!!!」

イミテイシアは斬った後、背後に回り、茨でナツさんを飛ばした。

「この野郎!!!」

ナツさんはイミテイシアを睨む。

「さすがでございます。あなた様は自分の望みだけを、
 ルーシィ・ハートフィリアと永遠に生きる事だけを考えていればよいのです。」

「さあ、止めをさせ。お前の祈りを叶えるためなら、私がいくらでも力を貸すぞ?」

ブレイン二世がそういうが、イミテイシアは何も言わなかった。

「我が蔓よ、この男達をからめとれ!!!!」

何本かの茨の蔓が、俺達に襲い掛かった。

「はぁっ!!やぁ!!!」

俺は闇を纏った拳で襲ってくる茨の蔓を叩く。

「っ!!!」

しかしナツさんは捕まってしまい、下に叩きつかれた。


ドン!!!


「ナツさん!くそ!!!」

他の蔓が俺に襲い掛かる。

「ダークブーメラン!!!」

俺は腕を闇で纏い、その闇をブーメランの様な形にし、
襲ってくる茨の蔓に向かって飛ばした。


ズバババババン!!!



「お願い、もう・・・」

「ルーシィさん・・・!」

ルーシィさんの声に俺は反応した。上半身以外の体がもう取り込まれていた。

「警告。」

「!?」

「急速にやってくる殺意を感知。」

「「!?」」

「殺意?」


ドーーン!


「うおおおおおおっ!!!!」

「サミエル!!」

上からサミエルが、天井を壊してやってきたのだった。そしてルーシィさんの元へ行く。
 
「あいつ、まさか!!!!」

「ルーシィ・ハートフィリア!!
 その身を持って、無限時計とともに、停止してしまえ!!!!」

コイツ、まだルーシィさんを殺すつもりか!!!!

「間に合うか!!!!」

俺は急いで走ろうとする。今の俺は闇分身、光の滅竜魔法は使えない。
間に合うとは思えないけど・・・・・・・・・!!!!


シュン!!!


「!?」

誰かが、俺の隣を横切った。


ドン!!


「「「!?」」」

俺達は驚いた。

「ココ、どいてくれ・・・!」

「どきません!!!!」

何とココさんがルーシィさんを守ってくれていた。

「言い争ってる時間はないんだ!!!」

「それなら、私を先にその爪で、貫けばいい!!!」

「ココ・・・・・・。」

さすがのサミエルも、ココさんのこの行動と言葉に、戸惑っている。

「僕は、教義の為に決めたんじゃない。自分の心に従って・・・」

「間違えていると、わかっていてもですか!!?」

「そうだ。この混沌を抑える為には、選ばがたきも、選ばざるを得ないんだ!!!!」

サミエルは、(エーラ)で上昇し、伸びた爪のまま、
ココさんとルーシィさんを貫こうとした。

だが・・・!



ドォン!!!


「このぉぉっ!!!」

「ハッピー!!!」

ハッピーが思いっきり体当たりをして、サミエルを止めた。

「リリー!」

さらに、リリーが来た。戦闘フォームの姿になっている。

「あなたは・・・。」

「ここは任せろ。」

リリーはそう言う。

「お前ら!!!」

「助かりました!!」

ナツさんと俺は喜びを感じる。

「たどり着いた答えがそれか?命を奪う選択など、お前の中から消えてやる!!!」

リリーはサミエルに向かってそう言う。

「兄さん、ハッピー!」

「サミィィィッ!!!!」

「うっ!!!!」

リリーはサミエルをタックルし、ルーシィさんから距離を遠くさせた。

「ルーシィ、起きて!ねぇ、聞こえる!?ルーシィってばぁ!!!」

ハッピーはルーシィさんを呼びかける。

「「!」」

「涙・・・。」

ちょっとして、ルーシィさんの左目から涙が流れた。

「オイラ達の声、聞こえてるんだ!」

「ルーシィだって戦ってんだ・・・!」

ナツさんの体からの炎が出てきた。

「勝負はまだ、終わってねえぞぉぉぉっ!!!!」

ナツさんは絡まっている茨の蔓を力ずくで切った。

「があもう!しつこいなぁもう!!だから始末しておけばいいと、申し上げましたのに!!!」

クロドアがそう言う。そしてイミテイシアは俺とナツさんに襲い掛かる。
ナツさんは炎を宿した拳で殴るが、イミテイシアは楯で防ぐ。
俺もブラッディクロスを作り、殴るが、剣で斬られてしまう。

「何をしようと、もう遅い。お前たちに勝ち目はない。」

「それはまだ、わからないよ!!!」

ブレイン2世の言葉に俺は大声でそう言った。


































一方、エルザの方では・・・


「何故だ?何故そこまでにして力を欲する?
 混沌と破壊をもたらし、復讐とやらのを遂げる事に、それ程までの意味はあるのか!?」

エルザは剣をコブラに向けて、そう尋ねる。

「ある。これをやり遂げる事には、キュベリオスに会わせる顔がねえ!!!!」

コブラはそう言い、音の衝撃波を出す。

「く、ぬぅ・・・!!」

エルザは衝撃波によって飛ばされた。


ドン!!


「ぐぅぅっ!!!」

エルザは壁にぶつかる。
さらに、換装は紫色の動きやすい着物、悠遠の衣という伸縮自在の鎧を纏った。

「最早俺には失うモノはねえ。
 全てを捨て、恐れるモノのない俺にお前は成す術はねえ、妖精女王(ティターニア)!!」

「・・・っ。」





































一方、ナツ達の方で・・・



『みんな、いいか!ルーシィと無限時計の融合を遅らせる方法があるんだ!!』

ウォーレンさんの念話がきた。ルーシィさんと無限時計の融合についてであった。

『大司教に説明してもらうから、聞いてくれえ!!!』

「大司教様!?」

ウォーレンさんの念話にココさんは驚く。

「(ウェンディ、やってくれたんだな。)」

俺は心の中でそう思う。

『贄となる星霊魔導士と融合する為には、
 時間をかけた精神感応とその者の持つ時間感応、つまり記憶と一体化しなければなりませぬ。
 その為に、無限城から地上に槌下された鎖がリアルナイトメアを電波させると同時に、
 地上の魔力とあらゆる記憶を取り込むのです。』

大司教さんはそう説明をした。

『つまり、コイツ断ち切れば、いくらか時間が稼げれるって訳だ!!! 
 バイロとゼントピアの僧兵達も向った。みんな、鎖をぶっ壊せ!!!!
 ナツと闇分身のコージ、そっちの方は頼む!!!!』

ウォーレンさんは念話でそう伝える。

「ナツさん!!!」

「おうよ!!!火竜の鉤爪!!!!」

ナツさんは炎を宿した足でイミテイシアを蹴る。
イミテイシアは持っていた楯で防ぐ。

「(リリーの方は、大丈夫だよな?)」

俺は心の中でそう思う。
リリーとサミエルも先ほどの念話を聞いて、鎖を壊し行ったのだった。

「何て執念・・・!!!これも、思いによる力・・・!?」

ナツさんの力に驚くイミテイシア。

「へへ、まだチャンスは残ってたみてえだな。」

「ここから、反撃をしましょうか!!!」

ナツさんと俺はそう言う。

「無粋の者が、やれるモノならやってみろ。」

「やってやりますよ!!!!」































一方、エルザの方は・・・


「一気に片を付けてやる。」

コブラがそう言うと、コブラの体から赤黒く恐ろしいオーラが出た。

「キュベリオス、お前から貰った最後の一息だ。使わせてもらうぜ。」

コブラの右腕は鱗のようなものがあり、爪が伸びていた。

「これが第二世代とかという奴か。」

エルザはそう言う。コブラの体内には、毒の滅竜魔法の魔水晶(ラクリマ)を埋め込んでおり、
毒の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なのである。

「腐れ落ちろ妖精女王(ティターニア)!!毒竜の咆哮!!!!」

コブラは口から赤黒い色の毒のブレスを放った。



ズドーーーーーーーーーーーーン!!!!































「何・・・!?」

コブラは驚いていた何故かというと・・・

「邪悪を寄せ付けぬという、古代の武器。成程、こんな使い方もできるのか。」

エルザの手には、巨大なハンマーが握られていた。
この武器は、実はギルドからクリスティーナ改に乗る前に、
ジャンリュック・ネビルから渡されたのだった。

「知らぬものは聞きようがねえ、か。この土壇場で賭けに出ようとはなぁ!」

「私の心を聞いてみろ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」

コブラはエルザの心を聞いて驚く。

「道連れだと!?鎖を切断させ・・・俺ごと落下させるつもりか!?」

コブラはそう言う。その時には、エルザはコブラの方へ飛んできた。

「まずは1つ!!!」

エルザの持っているハンマーの鎚部分が光り、そのまま鎖にぶつけた。



ドーーーーン!!!


鎖は壊れ、下に落下していく。2人も下に落ちている。

「けっ!!」

コブラは別の鎖に着地する。

「2つ!!!」

「!!!」

しかしエルザはすぐに接近し、攻撃をした。



ドォーーン!!!


「こいつ・・・!!!」

コブラは何とかかわした。



































「呼んでる・・・私を呼んでる!」

無限城のかなり下の方で、今、エルザやガジル達、
さらにレギオン隊のココ以外の人やゼントピアの僧兵が鎖を壊している今、
走る女性がいた。キナナであった。

「だんだん、近づいてくる!私に聞こえる!あの声が!!」

キナナはそう言い、走り続けていた。



























「コブラ、お前は全てを失ったからこそ強い、そう言ったな?
 だが、それは本当の強さではない!!!」

エルザとコブラは1つの鎖の上に立っていた。

「何を言いてえんだ、貴様は?」

「守るべきモノがあるからこそ、人は強くなれる。
 本当の友なら、背中を押してくれるはず!」

エルザはそう言い、構える。さらに言う。

「己の事しか考えてないお前に、友の声は本当に聞こえていたのか!?」

「・・・・・・。」

「今のお前は、その友に恥じずにいられるのか!?」

エルザはそう言い、接近して行く。
しかしコブラは、両手に赤黒いオーラを出し、エルザに向かって攻撃をする。



ドゴォー!!


エルザはハンマーで防ぐ。

「黙れぇ!!!!」

だがコブラはそれを利用し、攻撃をしてきた。


ドォン!!


「ぐぅ!!!」

「口が過ぎたようだな!だがこれまでだな、頭を砕いてやる!!」

コブラはそうしようとした。その時だった!

「!!?」

コブラにある声が聞こえた。

『はぁ、は、はぁ・・・はぁ・・・。』

聞こえてきたのはキナナの声だった。しかしコブラは・・・

「キュベリオス・・・・・・!!?」

そう言うのだった。

「まさか!!?いやしかし、この気配・・・姿は違えど、心は聞こえる!
 間違うはずがない・・・!間違うものか・・・!!!!」

コブラは動揺し、エルザのいる方とは反対の方を見てそう言った。

「戦いの中で、心が乱れるとはな。」

「っ!?しまった!!!!」

コブラは動揺したため、エルザは助かり、攻撃をした。



ドーーーーーーーーーーーン!!!!


コブラは張り手で、エルザの攻撃を防ぐ。

「ぐ、ぅ・・・あああああっ!!!」

しかし、ハンマーの威力により、飛ばされてしまうのだった。

「(友への思いは、足を引っ張るものではない。
 お前はもう気づいているだろ・・・・・・声?)」

コブラはそのまま下の方へ飛ばされていく。何故か体が光を出してはいるが。

「(そうだろ。友の声が聞こえるのだ。そう簡単に捨てきれるモノか?)」

エルザは心の中でそう思う。




























「っ!聞こえた・・・。」

キナナはそう言い、空を見上げる。

「今、あの人の声が・・・」

キナナが空を見ていると、何か光るモノが流れてきた。

「流れ星・・・あれだ・・・やっぱりそうだ!」

キナナがそう言っていると、光っていたモノは地面に落ち、爆発する。


ドォーン


「迎えに来てくれたんだ・・・!!!!」

キナナは落ちたところの方へ走った行くのだった。
































一方・・・


「警告、刻印が1つ解放された。残るは2つ。」

「!!!」

「やったぁー!!!」

ルーシィさんの言葉に俺は驚き、ココさんは喜ぶ。

「コブラ様がぁ!!?そんなぁ・・・。」

クロドアはショックであった。

「よぉし!後はお前らをぶっ倒すだけだ!!」

「ですね。」

ナツさんの言葉に俺はそう言う。

「ホント、しぶとい男と分身。でも単なる時間稼ぎね。対局においては影響はない。」

イミテイシアはそう言う。

「父上がやり残した事・・・形あるもの全ての破壊・・・
 そして無と混乱をもたらす事。7年前のようにはいかぬ。
 今度こそ邪魔はさせんよ。貴様らは。」

「だったら俺達は止めてやる。7年前の様に。」

ブレイン二世の言葉に俺はそう言う。

「やれるものなら、やってみろ。」

ブレイン二世は、何かをしてきた。

「っ!!!」

俺は急いで距離をとるが、ナツさんは遅かった。


ドォォォォッ!!!


「ナツーーー!!!」

ブレイン二世は竜巻を起こしたのだった。


ドォーン!!!


竜巻に飲み込まれたナツさんは飛ばされ、壁にぶつかった。

「1つ教えてやろうか。
 お前たちが救おうとしている星霊魔導士の小娘、あれを救う事はもはや叶わぬ。」

「「!?」」

その言葉に驚く俺とナツさん。

「100年の眠りなど生易しいもの。
 ルーシィ・ハートフィリアは無限時計と一体化し、その際、肉体も心も失うのだ。
 完全に時計の部品として、人々の記憶から消去される。
 その存在はこの世から消滅する。」

「「ええっ!?」」

「何だとぉ・・・!!!!」

俺達は驚くが、もう1人、驚いていた人物がいた。

「消え・・・ない・・・。」

イミテイシアだった。

「だって、姉さんは私と一緒に・・・」

「お前と離れる事はない。ただの道具になるからねえ。好きなだけそばにいてやればいい。
 よかったじゃないか、お前のようなモノにも、ちょうど似つかわしい相手だろ?
 それに、無限時計の防衛システムによって、あの歯車の心配もない。よかったであろ?」

「・・・・・・。」

ブレイン二世の言葉にイミテイシアは何も言わなかった。
あの魔方陣はその為に出てきたのはわかった。けど・・・今は・・・。

「お前・・・!!!」

俺は怒り出す。許せるはずがないのだからだ。

「違う・・・。」

「!」

イミテイシアは持っていた剣を落とす。

「私の望みを・・・私の祈りを・・・そんな事じゃない!!!!!」

 
ドオォォォン!!!


「うわっ!?」

「わあっ!?」

イミテイシアは持っていた楯に茨の蔓をつけ、
ルーシィさんを取り込んでいるオレンジの球を攻撃した。

「姉さんーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

イミテイシアはそのままルーシィさんの方へ行く。

「何をするつもりですか!!!」

「来るなぁーーーー!!!」

ココさんとハッピーはイミテイシアに接近する。


ドォン!!


「どけぇ!!!!」

「うわああっ!!」

「あああっ!!!」

イミテイシアはココさんとハッピーを飛ばす。

「姉さん、私ぃ!!!!」


ガァン!!!


「「「「!?」」」」

イミテイシアはルーシィさんを取り込んでいるオレンジの球を攻撃したのだ。

「ごめんなさい!!!!ごめ゛んな゛さ゛い゛!!!!」

そう言いながら、攻撃をする。泣いてもいた。

「ミッシェル・・・。」

ルーシィさんがイミテイシアにそう言う。

「(よく泣いて・・・よく食べて・・・ちょっと頼りなくって・・・)」

ルーシィはギルドにいた時のミッシェルの事を思い出す。
さらに、遺跡の時の事や、正体を明かした時のことも思い出し・・・。

「(ミッシェルも・・・ずっと苦しかったんだね?)」

ルーシィは心の中でそう思うのだった。


「あ~ららぁ・・・こりゃダーメだな。」

「くだらんな、イミテイシア。お前の役目は終わった。ゴミに戻れ!」

ブレイン二世は魔方陣が現れ、同時にイミテイシアの体が光り出す。

「っ!!!」

イミテイシアに一体何を・・・

「姉さん・・・ごめんなさい・・・。」

イミテイシアはそう言い、落ちていく。体がさらに光り出す。
俺達はそれをただ見ていた。いつの間にかロメオが起きていた。
さっきの事も見ていたのかもしれない。
イミテイシアは光り出したら、どんどん小さくなっていき、
階段にぶつかっていくように落ちてきた。

「ぬいぐるみ・・・!?」

イミテイシアの正体はぬいぐるみだった。青い服を着た金髪の女の子のぬいぐるみだった。

「姉さん・・・ごめんなさい・・・大好き!」

最後に、その声が聞こえたイミテイシア・・・・・・いや、ミッシェルさんの声が。


ドン!


「哀れで小汚い人形めが。」

ブレイン二世はミッシェルさんを人でそう言う。

「おやめください、靴が汚れますよ?がはははっ!」

クロドアがそう言う。

「お前らぁーーーーーーーー!!!!」

俺は怒り出す。

「ナツ兄ぃーーーーー!!!!」

ロメオは紫色の炎をナツさんに向けて投げる。ナツさんはその炎を食べる。

「うおおおおりあああああっ!!!」

「うおおおおおおおっ!!!!」

俺とナツさんは、それぞれの拳に炎と闇を宿し、接近する。

「こい!!!」


ドォン!!!


「っ!!」

「あがぁっ!!!」

ナツさんはブレイン二世を、俺はクロドアを殴る。

「人が悲しむのをそんなに笑えるか、お前らは?」

「だったら俺達は・・・」

「「笑えなくなるまで、ぶん殴る!!!!!」」

俺とナツさんは怒り、大声でそう言う。 
 

 
後書き
どうも、今更ながらあけましておめでとうございます、白鋼です。
今回も予定より長くなってしまいました。
正月早々に怪我をしてしまい、
安静していたので遅くなってしまった事をお許しください。
いずれ、コブラとキナナのカップルをいい感じにさせます。
楽しみにしててください。次回もお楽しみに!
それと、今年もよろしくお願いします。 
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