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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十七話 不思議な先輩その一

               第十七話   不思議な先輩
 裕子さんを迎えた朝にだ、僕はその裕子さんも交えた朝食の時に畑中さんにこんなことを言われた。今日のメニューはトーストとハムエッグ、それに人参のポタージュだ。
 そのポタージュを飲んでいる時にだ、畑中さんはこう言ったのだ。
「本日はもうお一人です」
「アパートに入られるんですね」
「はい」
 そうだというのだ。
「そうなっています」
「そうですか」
「オーストラリアからの方です」
「今度はあの国からの人ですか」
「左様です」 
 そうだとだ、畑中さんは僕に答えてくれた。
「夕方にです」
「来てくれるんですね」
「ですからこちらの方の入室の用意も進めていきますので」
「わかりました、それじゃあ」
「その様に」
「それにしても。何か」
 ここで僕はこうも言った。
「どんどん賑やかになってきていますね」
「そうですね、八条荘は」
「はい、本当に」
「二十四人来られます」
「二十四人ですか」
「今のところは」
 何か妙に思わせぶりな言葉だった、畑中さんの今の言葉は。
「そうなっています」
「これからもですか」
「まだ入られるかも知れません」
 その決まっている二十四人からさらにというのだ。
「これからのことはわかりません」
「まだお部屋はあるんですよね」
「はい」
 二十四室、一階の部屋はさらに多いというのだ。
「何でしたら別館もあります」
「ああ、あそこですから」
「ですからご安心を」
「二十四人入られるだけでもかなりのアパートですけれどね」
「そうですね、しかしさらにです」
 その二十四人以上にというのだ。
「入れますので」
「そうですか、じゃあそのことも畑中さんにお任せして宜しいでしょうか」
「喜んで」
 畑中さんは一も二もないといった調子で答えてくれた。
「それが私の務めですので」
「いつもすいません」
「礼には及びません」
 本当に何でもないといった調子で答えてくれた。
「また言わせて頂きますが」
「畑中さんの務めだからですか」
「ですから」
「そうですか」
「はい、お気遣いなく」
 こう僕に言ってくれた。
「何も」
「それじゃあ」
「はい、それでは」
「それではですね」
「これからもお任せ下さい」
 アパートのこともというのだ。
「是非」
「わかりました、それじゃあ」
「何か凄いアパートですね」
 裕子さんはトーストを食べつつ僕達の話を聞いてから言って来た。
「このアパートは」
「そうそう、かなりなんですよ」
 美沙さんはハムエッグを食べつつ裕子さんに言った。
「ここは実際に」
「かなり独特よね」
「そうですよ、一人一人個室ですし」
 もうお互いに自己紹介をしているので打ち解けている、美沙さんも裕子さんも砕けた調子で食べながら話をしている。 
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