ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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愛する人のためならば、仮面ライダー此処にあり。
前書き
はちゃめちゃ展開。
研究室
「あなたたちに用はないんですよ!!」
オークの一撃。
専用武器の手甲《破壊者》で正拳突きを放つ。
デモリッシャ―の能力は《繋》。
右腕が吹き飛べば、左腕も吹き飛ぶという効果を持つ代物だった。
「グ・・ウ・・・」
「グアアアウウウウウウウウ!!!」
真がそれをアマゾンの代わりに受け、両腕が吹き飛んだ。
しかし、咆哮した瞬間に腕は再生する。
「・・・超再生!」
アマゾンと真が同時に飛びかかり、オークの腕を抑える。
「っ、なにを」
「お前・・・なぜ本気を出さない」
「明らかに、ココにある脳を庇いながら戦っているように見える」
そう、オークは真とアマゾンの攻撃をいなさずに直接受け止め、できる限り受けていたのだ。
「お前、優しい・・・人の事、思ってる」
「さっきの外の戦闘でも、花、庇った!!」
「・・・」
オークは無言になる。
「そこまでの優しさを持ちながら、なぜショッカーに加担する!?」
「・・・そうしないと」
「「?」」
「そうしないと、私の呪いは解けないんだっ!!」
「呪い・・・?」
そう言った瞬間に、手甲からの莫大な衝撃が襲い掛かる。
吹き飛ばされ、大地に二人のライダーは倒れた。
「・・・・あなたたちには分かりませんよ。最初から完成されたあなたたちには・・・」
そう、わからない。最初から力が制御できるあなた達には。
背を向けて、部屋から出ようとする。
「最初から・・・完成している・・・だと・・・!?」
真が立ち上がる。
「じゃあ・・・本郷は、一文字達はどうなる!?」
「あいつらだって苦しんだ。脳改造を受ける直前に脱出できたからよかった?自我が保ててるからよかった?違う!!あいつらは、普通に生きていてよかった『人間』なんだ!!お前はあいつらがどれだけの苦労をしたか知っているのか!?脳改造を受ける前だったからその体に振り回され、殺したくもないのにどれだけ殺したのか知っているのか!!?」
真の圧倒的な覇気にオークは竦んだ。
「知りませんよ!!私は早くこの呪縛から解放されたい。花を握ろうとしても潰し、子供と触れ合おうものなら、この手を血に染める!!それが貴方にわかりますか!?」
彼が失敗作である理由。
力が制御できない。それ故に不器用の名が与えられた。
「ワカラナイ・・・・!」
アマゾンが立ち上がる。
「俺、そんな事なかったからワカラナイ。でも・・・それを本郷たち知ってる!!」
「俺、わからないけど・・・きっとあの二人、わかってくれる、解決してくれる!!」
「だから・・・オーク!!」
『トモダチ』のポーズをとる。
「こっち来る、トモダチになる!!」
「―――――――っ!!」
ヤメテクダサイ。帰って来れなくなる。
そんな言葉をかけてくれたのは、誰もいなかった。
「それ・・・でも!!」
「いつでも裏切っていい」
真が口を開いた。
「治らなかったら、俺たちを殺せばいい」
「本郷はお前を造ったような科学者とは違う・・・だから、来い」
その場でオークは泣き崩れた。
アマゾンが駆け寄る。
(いつだってそうだ・・・!)
(科学者の犠牲になるのは、いつだって子供たちだ・・・!)
暴走した科学者によって醜い体にされてしまった真だからこそ、わかる事だった。
(愛・・・!俺は戦う!!)
「アマゾン、後は頼んだぞ」
背を向けて歩き出す。
怒りの炎に焼かれ、哀しみの雨に打たれながら―――――――。
頂上
「ほら、立てよ。ほらほらほらアアア!!」
歪んだ笑み。大首領の力を手に入れた須郷が、キリトを傷付けていく。
「君はっ」
「リアルでもっ」
「ゲームでも力がないのに」
「何故屈しない!?」
キリトがここに来てから数十分。
大首領、否、須郷は、キリトをアスナとユイの目の前で痛めつけていく。
ペインアブソーバをじわじわと下げられ、増加していく痛み。
それでもキリトにアスナの悲鳴は届いていた。
「お願い・・・!キリト君に手を出さないで!!」
「私はどうなってもいいから・・!」
アスナはキリトの方を見た。
気丈に笑い、須郷の方へと去っていく。
・・・また守れないのか。
『そんなものだったのかね?君の覚悟は?』
仕方がないじゃないか。相手は怪人、俺は人間だ。
『それはユキ君たちを侮辱する言葉だな。今彼らは闘っているというのに』
ユキのように異形の力を持っていない。
『君は人だ。ユキ君にはなれない』
じゃあ、どうすればいい?
『答えは出ているじゃないか』
・・・そうだ。こんなもの。
アイツの痛みに比べたら。
「屁でも・・・ないっ!!」
『さぁ、剣を取れ!戦えキリト君!!』
「おおおおっ!!」
「・・・キリト君・・・!」
ただひたすらに、愛する人の為に。
我武者羅に剣を振るう。
立ち上ったキリトに向かい、須郷は触手を伸ばす。
それを弾いた男がいた。
「アンタは・・・?」
青年はキリトの言葉を無視し、集中しろと言った。
「なぁ、アンタ・・・神なんだってな」
「そうだ、神だ!!誰も触れることを許されない神だ!!戦うことは大罪に値する!!!」
「そうか・・・戦うことが罪なら―――――――」
青年は携帯を操作し、ベルトへと装着する。
「俺が背負ってやる!!」
仮面ライダーファイズ。乾巧。
「まだ・・・いるぜ?」
巧の声と共に、二つの声が響く。
『彼女を救おうとする気持ち――――かっこよかったぜ』
『そうだね・・・やはり桐ケ谷和人、君は面白い』
「だれだ!?」
須郷の叫びに、声は答えた。
『俺たちは、二人で一人の仮面ライダー!!』
『仮面ライダー・・・W』
実体を持った声は変身する。
『行くぜ・・・相棒』
『ああ、翔太郎』
《サイクロン!》《ジョーカー!》
《エクストリーム》
「「須郷伸之――――――さぁ、お前の罪を数えろ!!」」
罪を背負いし男と、守り人たちの戦いが始まった。
格納室
「っ・・・このオーズは・・・!」
ショッカーオーズを二人で相手をする。
「強すぎる・・・!!」
思わずユキは口に出した。
圧倒的なまでの力。
ライダージョーカーの力を持ってしても、元には戻らない。
「ユキなんて・・・!!」
「!!」
「わかったぞ、ユキ君!!」
「え?」
「彼女の深層意識だ!!あれは彼女の深層意識・・・君を拒絶しているから攻撃が効かないんだ」
「・・・」
「本郷さん、手、出さないでくださいね」
ユキは無言で歩み始めた。
「・・・アルゴさん」
ショッカーオーズからの光弾。
右腕が吹き飛ぶ。
「ごめんなさい」
左腕が吹き飛ぶ。
「僕は・・・あなたのことを知った気でいたんですね」
腹部が吹き飛び、地が周囲に飛び散る。
「ごめんなさい。アルゴさん」
「グギアああアア!!!」
オーズ!! SCANNING CHARGE!!
巨大な黒い爆炎が、ショッカーオーズの手に出現する。
「・・・アルゴさん――――」
閃光と共に爆発がユキを呑みこんで―――――。
深層意識
「今度こそ死にましたね・・・これは」
アルゴのことで頭がいっぱいな中、ユキは呟いた。
『君は死ぬのが好きだね』
「・・・そんなわけないでしょ、茅場さん」
『そうだね、君がここに来るのは、力を求めた時だけだ』
「そうなんですか?」
翔一と初めて会った空間のことを、ユキは知らなかった。
『君には話すことがたくさんある』
『まずは私の正体についてだ』
「それ・・・データの塊がいう事ですか?」
『なぜ君を知っていたか、ということだよ』
「それについては、俺が話しますよ。茅場博士」
暗闇から出てきたのは、五代雄介だった。
「五代さん・・・?」
何故ここに、と言う前に雄介が口を開いた。
「あなたの正体は、本郷さん達―――――俺たちがいる次元の住人ですよね。そしてユキ君を知っていた理由は――――――」
「あなたがショッカーの技術顧問だったからだ」
「そんな・・・」
「素晴らしいよ、五代雄介。さすがは2000の技を持つだけはあるな」
「それは関係ないでしょう?」
「そうだな・・・。まずは、私がこの世界に来たところから始めようか」
「私はあちらの世界でアシムレイトロイドの製造の任務があった。しかし――――――飽きてしまった」
「あ、飽きたんですか!?」
「そう、飽きた。そしてアシムレイトロイド専用の戦闘用シュミレーション、SAOを持ち出し、こちらの世界で、私が望んだ子供が来ることを待っていた」
「そして現れたのが、キリト君とユキ君」
「そうだ―――――。そして彼らに未来を託し、私は死んだ」
「そして今、愛する人のために戦う君に、アシムレイトロイドの真の能力を託しに来た」
「真の―――――能力?」
ユキの言葉に茅場はユキの傍まで近づき、囁いた。
「アシムレイトコマンド、最大出力許可。解除パスワード、RINKO」
ピピっという音声と共に、ユキの体が青白く発行する。
しかしユキの一声は意外なものだった。
「凜子って誰ですか?」
茅場は笑った。笑って答えた。
「私が愛した人の名だ」
「さぁ、行きたまえ」
空間から無理矢理吐き出される。
意識が無理やり覚醒させられ、目が覚めた。
「ユキ君・・・!」
「だいじょぶです・・・一号さん」
ユキはゆっくり立ち上り、構えをとる。
「力を・・・貸してくれますか?」
「クウガ、一号」
暗闇からクウガが出現しコクリと頷いた。
二人はユキの肩に手を置く。
「ダイナモ起動!!」
二人からのエネルギーが、ユキの体に流れ込む。
「やり、ますっ!!」
そのモーションは、一号のモノだ。
そこにクウガの変身モーションが加わり、ユキの姿を変貌させる。
ライダージョーカーも魂共鳴も全てを超越する。
全身に金色の神経が巡り、透けるように見える。
脚には金のアンクレット。グローブは金のラインが走る。
「行くよ・・・」
一瞬。光が漏れて―――――――。
「二人で・・・話しましょ?」
来ないでくれ。孤独な世界。
「アルゴさん」
アイツは目の前にいた。
「帰りましょう?」
「いいよ・・・私はあっちには行かない」
それが私の本心だった。
「待ってる人はいないから・・・」
「いるじゃないですか、ココに」
アイツは、そう言って一歩踏み出した。
「お前・・・馬鹿か?」
「たった少しの間じゃないか・・・最後のだって冗談だったんだろ?」
アイツは哀しい顔をして、無理やり私を立たせた。
「冗談で・・・ここまで来ると思いますか!?」
「キー坊に協力してただけだろ?」
私に反しに、アイツは困った顔をして、顔を赤らめる。
「あ~~~~~もうっ!!!こうすればわかりますか!?」
「!!???」
やられた。無理やりキスされた。
「満足ですか!?ほら、行きますよ!!」
無理やり手を掴まれ、引っ張られる。
解こうとするが、力が強くて振りほどけない。
「僕はクズだ!我儘だし、あなたが欲しいんですっ!!!」
また自分をクズと言った。言うなと言ったのに。
「また自分をクズって言ったな!?」
そう言うと、ユキは微笑んだ。
「うん・・・アルゴさんだ」
「はっ・・・」
そのままずるずると引きずられていく。抵抗すると、あいつは言った。
「抵抗するの辞めないと、ずっとキ・・・あーうー・・・キスしますよ!?」
その答えにイラつき、私は言ってしまった。
「ああ、もう!帰ればいいんだろ!?わかったよ!!」
「そうです、帰りますよ!!」
暗かったのに・・・あいつのせいで全てが狂った。
設定
《SPIRITS》
クウガと一号、それぞれの初代の力を使って変身した、全形態を超越した姿。
全身に透明な金色の神経が浮き出し、グローブにも金のラインが疾る。マフラーは相手を拘束することもでき、相手に結ぶことで回復させる治癒能力を持つ。
無の欲望、再生能力、アマノ・アズサに奥の手、ソウルライザーの威力の底上げ、天候操作、融合したライダーの防御力、機動力、超感覚、パイロキネシス、威圧による意識の圧迫、武器生産能力など、さまざまな能力を持つ。さらに無の欲望と封印エネルギーの融合によって相手の能力を封じることが可能。(ただし、2時間、3つまでが限界)また、相手の意識に強制的に介入、会話するなども可。武器はクウガの物しか生成が不可。さらにこの形態はアマダムがユキの体を蝕むため、かなりの負荷がかかり、この形態はフル稼働で1日が限界。(コントロールはできる)。
後書き
あと少しで終わらせます。ユキがチートになるのも、これが最後かもしれません。
もう少しお付き合いください。
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