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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第四十三話 限界突破 オーバードライブ

 
前書き
凄く悩みましたが、この時点で限界突破。
ちゃんとしたパワーアップイベントが主人公が最後って…(汗)
ルナモン[リリカルアドベンチャー、始まるよ] 

 
正気に戻ったレオモンは、子供達に語り始めた。
レオモン[いつの頃だったかは分からない。しかし、このデジタルワールドで囁かれ始めた噂があったのだ。この世界が暗黒の力に覆われた時、別世界から“選ばれし子供達”という存在がやってきて、この世界を救ってくれるという噂がな。]
ユーノ「噂があるということは僕達の前にも選ばれし子供がこの世界に来たんですか?」
レオモン[分からん。元々人間という存在や別世界があるなんていう事自体、こうして君達に会うまで信じているデジモンなどいなかった。私のようにな。確かにデジモン達の間ではそういう伝説があるという噂が流れ始めて随分と長いことになる。もう伝説と言ってもいいレベルでな。今まで半信半疑だったが、君達の話を聞いて、もう疑う余地はないだろうな。今のファイル島はデビモンによって、黒い歯車という驚異でもって、まさに暗黒の力に覆われようとしている。そこに君達が現れた。デジモンを進化させるという特殊で凄まじい力を持った君達がだ。そのデジヴァイス、そして心を通わせるパートナーがいることが何よりの証だ。君達がどう思おうが、これは揺り動かすことが出来ない確固とした事実だ。言うまでもないかもしれんが、改めて頼みたい。デビモンは暗黒の力を使って、このファイル島にある大地の力を吸い取り、暗黒の力に変えようとしている。選ばれし子供達よ、どうかファイル島に覆われた、この闇を打ち払ってはくれないか?]
レオモンの話に子供達は互いの顔を見合わせて頷いた。
大輔「そうだな」
フェイト「ここはチビモン達が生まれた世界だから…」
フェイトの言葉に他の子供達が頷いた。
レオモン[感謝する。私も協力しよう]
エレキモン[なあ、俺は…。]
今まで黙っていたエレキモンがレオモンに聞くと、彼は首を横に振った。
エレキモン[そりゃそうだよなあ…]
成長期のエレキモンが成熟期同士の激突に参加したところで、たかが知れている。
なのは「今すぐムゲンマウンテンに行こうよ!!」
ルカ「…でも、アリシアはどうするの?」
はやて「あ、そやった。どないしよ…」
エレキモン[何なら後から来た奴がここに来たら教えといてやるよ!!皆ムゲンマウンテンに向かったってな!!]
大輔「ああ、よろしく頼む!!」
エレキモンを残し、大輔達はレオモンに連れられてムゲンマウンテンへと急ぐ。

































分断された島にいた大輔達は、レオモンが用意した筏で向かうことに。
その頃、アリシアもまた、ムゲンマウンテンへと急いでいた。
10人と10匹が集うまで、あと少し。






























デビモン[最早、私自身が戦うしかないようだな………“奴”が来る前に]
皮肉にも神殿を模した社の中で、デビモンは無表情に魔鏡を覗き込んでいた。
オーガモン[お…俺にもう1度チャンスを…!!]
口調を改めるのも忘れ、オーガモンが必死で主張する。
デビモンの薄い唇の端が笑みに歪んだ。
デビモン[ああ……勿論、戦わせてやるさ。私の一部としてな…デスクロウ!!!]
冷たい指がオーガモンの喉元を捕らえた。
瞬間、悲鳴を上げる間もなくオーガモンの姿は掻き消え、大きな数枚の黒い歯車に変わる。
デビモン[我が元に集え、暗黒の力よ!!!]
高らかに宣言すれば、島から吸い寄せられるように歯車が飛んでくる。
デビモンはそれを飲み込むように取り込んでいく。






























そしてムゲンマウンテンの付近に辿り着き、一気にデビモンのいる頂上に向かう。
しかし、歯車により支配されたガードロモン、タンクモンの大群が後方から襲い掛かる。
ブイモンはフレイドラモンにアーマー進化すると同時にガードロモンとタンクモンの大群に向かう。
フェイト「大輔!?ブイモン!?」
大輔「ここは引き受けた。お前達は先に行け!!」
フェイト「でも…」
賢「ここは大輔に任せよう。殿はこの中では大輔が一番向いている」
奇跡、運命、希望が使えないが、その他のデジメンタルが使え、あらゆる戦局に対応出来る大輔が殿に向いている。
それに魔力を持つため、空中戦も出来るのも利点だ。
大輔「アーマーチェンジ!!セトモン!!」
セトモン[ヒートストーム!!]
凄まじい熱気の竜巻がガードロモン達を巻き込み、吹き飛ばしていく。
タンクモンがセトモンに砲弾を放つが、咄嗟にハニービーモンにアーマーチェンジし、砲弾を回避。
ハニービーモンの毒粉をタンクモン達にお見舞いし、動けなくなったところをライドラモンに進化すると同時に、タンクモンの群れの中を突っ切ったと同時に、タンクモンが粒子化した。
ライドラモン[大輔…]
大輔「ああ…何と言うか…脆すぎるな…ここはデビモンのアジトだ。少し、警備が薄すぎるような…」
オーガモン[警備が手薄だってえ!!?そいつはとんだ勘違いだぜ。お前ら如き俺様一人で充分だってことよ]
大輔「オーガモン?今更何しに出て来たんだ。お前が今のブイモンに勝てると思ってんのか?」
オーガモン[俺様はデビモン様と一つになったのよ!!レオモンがいないのは残念だが、お前にも煮え湯を飲まされたからなあ!!]
骨こん棒がライドラモンに迫る。
ライドラモンはそれを回避するとフレイドラモンにチェンジする。
フレイドラモン[確かに前のオーガモンより強くなってる…!!]
一気に駆け出し、オーガモンの背後に回る。
オーガモン[遅いぜ!!]
動きを見切っていたオーガモンがフレイドラモンに骨こん棒の一撃を喰らわせる。
想像以上の威力にフレイドラモンはのけ反った。
デビモンに吸収されたことで戦闘力も大幅に強化されているのだろう。
その強さは以前のオーガモンの比ではない。
フレイドラモン[(強いな…ダスクモンやクラヴィスエンジェモンよりかは遥かに弱いんだろうが…今の俺で勝てるかどうか……)]
この狭い足場でなければもう少しまともに戦えたものを。
オーガモン[覇王拳!!]
フレイドラモン[ナックルファイア!!]
オーガモンの闘気とフレイドラモンの炎がぶつかり合う。
土煙が辺りを覆う。
フレイドラモン[(酷い土煙だ…これでは奴も…)]
オーガモン[パートナーががら空きだぜえ?覇王拳!!]
フレイドラモン[何!!?]
オーガモンが狙ったのはフレイドラモンではなく、大輔である。
フレイドラモンは即座に大輔の盾となる。
フレイドラモン[ぐうっ!?]
大輔「フレイドラモン!!?」
フレイドラモン[卑怯者…!!]
オーガモン[ヒャーハハハハハ!!ほらほら頑張りな!!守らないとパートナーが死ぬぜえ!!]
覇王拳を連続で放つオーガモン。
フレイドラモンは防御を固めて必死に大輔を守ろうとする。
しかし、とうとう耐え切れなくなり、吹き飛ばされた。
このままでは地上に落下する。
いくらフレイドラモンでもムゲンマウンテンの頂上付近から落ちたら助からない。
大輔「フレイドラモーーーン!!」
大輔の叫びに呼応するかのように、D-3から強烈な光が放たれた。
フレイドラモン[うおおおおおおおお!!!!]
フレイドラモンが紅いオーラを放つと、飛行魔法で一気に戻ってきた。
オーガモン[ゲエ!!?]
まさかのパワーアップにオーガモンは焦りを感じた。
フレイドラモンは大輔に危害を加えようとしたばかりか、卑怯な戦法を取ったオーガモンに凄まじい怒りを抱いていた。
フレイドラモン[オーガモン、いくら温厚な俺でも今度ばかりは許せないぞ]
怒りがフレイドラモンの潜在能力を引き上げていく。
フレイドラモン[大輔に攻撃しようとしただけじゃなく、卑怯な戦い方をした…生きて帰れると思うなよ?]
オーガモン[ケッ!!いくらパワーアップしたと言っても俺様に勝てる訳ねえ!!覇王拳!!]
フレイドラモンに放たれたオーガモンの技は腕の一振りで弾かれた。
オーガモン[なっ!!?]
フレイドラモン[今度はこっちからだ!!覚悟しろオーガモン!!]
足に力を入れ、一気にオーガモンに迫る。
フレイドラモン[だりゃあああああ!!!!]
オーガモン[ぐへっ!!]
顔面にフレイドラモンの拳が入る。
次に蹴りがオーガモンの側頭部に炸裂し、オーガモンの顔を変形させる。
上空に蹴り上げ、飛行し、手を組むとそれをオーガモンに叩き込み、地面に減り込ませた。
フレイドラモン[とどめだ!!ナックルファイアーーーッ!!!!]
拳から今までの比ではない、まるで、ジオグレイモンのメガバースト並の規模であり、完全体にすら匹敵する威力を誇る豪火球が放たれた。
身動きが取れないオーガモンはそれを受けて消滅した。
大輔「やったのか?」
ブイモン[ハアッ!ハアッ!…多分デビモンの所に戻ったんだ。取り込まれていたよう…だし……]
大輔「大丈夫か?ブイモン?」
ブイモン[うん…でも、ごめん…凄く怠い…]
大輔「休んでから行こう。な?」
ブイモン[ああ…]
限界突破を遂げたブイモンだが、消耗が凄まじいため、しばしの休養を取ることに。

































黒い歯車がいくつもいくつも、山の頂上へと吸い込まれていく。
ぐらり、地面が揺れた。
すずか「な、なに、地震!!?」
賢「いや…」
今までとは桁違いの障気が渦をまく。
鈍い音を立てて頂上の社が粉々に吹き飛んだ。
アリサ[な、何よあれ!?]
驚愕するアリサ。
その視線の先、砕けた社の中から現れたのは…何十倍の大きさに巨大化した、悪魔。
ルナモン[何であんなにおっきいの!!?]
レオモン[暗黒の力が凝集している…そのせいで巨大化しているのだ!!]
窮屈そうに長い手足を引きずり出し、風を纏って降りてくる。
その風圧は凄まじく、子供達は吹き飛ばされて岩壁に叩きつけられた。
デビモン[愚かな…。お前達はここで滅びる運命だ!!]
賢「ぐっ…」
血色の双貌を光らせて、デビモンは叫ぶ。
子供達は痛む身体を起こした。
賢「お前の好きになんて…させるものか!!」
ワームモン[ワームモン進化!スティングモン!!]
ワームモンが進化し、光弾を放つ。
スティングモン[ムーンシューター!!!!]
ドオオォォン!!!!
ムーンシューターがデビモンの顔面に直撃した。
はやて「今や!!」
ギルモン[ギルモン進化!グラウモン!!]
ガブモンX[ガブモン進化!ガルルモン!!]
フレイモン[フレイモン進化!アグニモン!!]
コロナモン[コロナモン進化!ファイラモン!!]
ルナモン[ルナモン進化!レキスモン!!]
ツカイモン[ツカイモン進化!ウィザーモン!!]
チビモン[チビモン進化!ブイドラモン!!]
この場にいないプロットモンとブイモン以外の全てのデジモンが進化する。
ファイラモン[ファイラボム!!]
ファイラモンの火炎爆弾がデビモンに直撃する。
他のデジモン達もデビモンに向けて必殺技を繰り出す。
デビモン[そんな攻撃が私に効くとでも思っているのか…!!!]
技は片手で打ち払われ、豪腕にデジモン達は易々と吹き飛ばされてしまう。
アリサ「ファイラモン!!」
なのは「ガルルモン、頑張って!!」
子供達は必死にパートナーに声援を送る。
彼らの勇姿に少しでも報いらんとばかりに、単身勇猛果敢に立ち向かっていくレオモン。
オーガモン[甘いぜ、レオモン!!]
レオモン[何!?]
大輔達に敗れたが、デビモンの糧となったかつての好敵手を見て絶句する。
オーガモン[俺はデビモン様と1つになったのよ!!もうてめェなんかに負ける気はしねえぜ!!]
レオモン[くっ…オーガモン…こう言った形で決着をつけたくはなかったが…!!]
レオモンはデビモンの一部となったオーガモンに獅子王丸を向けた。
スティングモン達は必死になってデビモンに攻撃するが、全く効かない。
スティングモン[スパイキングフィニッシュ!!]
スティングモンのスパイクがデビモンに直撃するが、ダメージを受けていない。
スティングモン[どうして…どうして効かない…!!?ぐっ!!]
デビモンの豪腕にスティングモンが地面に叩き付けられた。
デビモン[力が違い過ぎるのだ。お前達と私のな]
ブイドラモン[それでも…!!]
ブイドラモンがデビモンの腕に噛み付いた。
ファイラモンもグラウモン、ガルルモンも同様に。
アグニモンは拳をデビモンに叩きつける。
レキスモン、ウィザーモンは遠距離から技を何度も放つ。
デビモンを倒さねば、子供達は笑顔になれないのだ。
だからデジモン達は必死になる。
パートナーのために、命を懸けて戦うのである。
スティングモン[僕達は…負けられないんだっ!!!!!!]
スティングモンは傷ついた身体を奮い立たせ、再びデビモンに向けて突進した。
デビモン[愚か者め!!]
デビモンの身体から暗黒の波動が放たれた。
突進しようとしていたスティングモンは勿論、至近距離にいたデジモン達は吹き飛ばされてしまい、成長期に退化する。
ルカ「フレイモン…!!」
近くまで吹き飛ばされたフレイモンにルカは急いで駆け寄った。
賢「ワームモン…」
フェイト「チビモン!!しっかりして!!」
チビモン[フェイト…ごめんね…元の世界に帰してあげたかったのに…!!]
コロナモン[力が…入らねえ…]
アリサ「コロナモン…!!」
デビモン[滅びよ!!]
デビモンが魔法陣を展開する。
ウィザーモン[っ!!サンダークラウ…]
デビモン[邪魔をするな!!]
技の妨害をしようとしたウィザーモンに暗黒の波動を喰らわせた。
ウィザーモン[ぐああああああっ!!!!]
ウィザーモンは岩壁に叩きつけられ、成長期に退化した。
ユーノ「ツカイモン!!」
デビモン[これで終わりだ…!!レザーウィン…]
ガーゴモン[ホワイトスタチュー!!]
ダルクモン[ラ・ピュセル!!]
光の力を宿した白い石像がデビモンの顔面に炸裂し、光を纏った剣閃がデビモンの腕を切り落とす。
デビモン[ぐっ!!何!?]
顔面に喰らい、腕を切り裂かれたデビモンは、激痛に表情を歪めたが、怨敵の姿を認識すると憤怒の表情を浮かべる。
デビモン[貴様、ダルクモン…!!ガーゴモンもか!!]
ダルクモン[デビモン…]
デビモンは憎しみを、ダルクモンは哀れみの表情を浮かべている。
すずか「天使…?」
アリシア「皆ーーーっ!!!!」
背後から聞こえたアリシアの声に振り向くと、こちらに駆け寄ってくるアリシアの姿があった。
フェイト「アリシア!!」
ユーノ「ということは、あのデジモンは…」
ユーノがダルクモンを見上げながら呟いた。
アリシア「皆、酷いよ。私を置いて先に行くなんて…!!」
息を荒くしながら言葉を紡ぐなのは。
賢「ごめん…」
賢は苦笑しながらアリシアに謝罪する。
フェイト「じゃあ、あれは?」
大輔「あれはガーゴモン。ブイモンが光のデジメンタルで進化した。デビモン相手ならガーゴモンが一番向いている」
ダルクモン[デビモン、あなたは私が倒します]
デビモン[ふん。貴様にそれが出来るのか?光の加護を失い、本来の力の半分も発揮出来なくなった貴様に?]
デビモンが光でも闇でもない中立の立場になった為に力の大半を失っているダルクモンを嘲笑う。
ダルクモン[アリシアとの誓いがある限り私は中立の道を歩みます。例え、光の加護を失い、力の大半を失おうとも]
デビモン[正気とは思えんな…!!気でも狂ったか!?]
ダルクモン[あなたには分からないでしょうね。暗黒の力に頼り、仲間との絆をゴミのように扱うあなたには]
デビモン[貴様…私を侮辱するか!!]
デビモンから凄まじい暗黒の力が吹き出るがダルクモンは微動だにしない。
アリシア「ダルクモン…」
ダルクモン[大丈夫、私は絶対に負けませんから]
ダルクモンがアリシアを安心させるように微笑む。
ダルクモン[私はアリシアと…アリシアの信じる物の為に戦います]
双剣を構えたダルクモンが、凛とした声で宣言した。
アリシア「うん!!ダルクモン頑張って!!負けないで!!」
パートナーの心からの力強い声援がD-3を通してダルクモンに力を与える。
それは中立の立場を選択したことで、失われてしまった力を補って有り余るものだった。
デビモン[馬鹿な…!?]
それを見たデビモンの顔が驚愕に染まる。
しかし黒い歯車を取り込み、強大な存在として立ちはだかるデビモンを倒すためには、まだまだ足りない。
ダルクモン[ガーゴモン]
ガーゴモン[?]
ダルクモン[少しだけ、時間を稼いで下さい]
ガーゴモン[…分かった]
ダルクモン[私の元に集え、聖なる力よ!!!!!]
ガーゴモンがデビモンに向かうと、ダルクモンが剣を天に翳し、それと同時に子供達のD-3から聖なる光が放たれた。
聖なる光は光の柱となり、より合わさって、ダルクモンの元へと迸る。
そしてデジモン達はガーゴモンを除いた全員が強制的に退化させられる。
ワームモン[何をしようとしているの!!?]
ガブモンX[そんなことをしたらどうなるか分かっているの!!?]
ルナモン[駄目だよダルクモン!!そんなことしてもアリシアは喜ばないよお!!]
ダルクモン[そうはいかないわ。]
チビモン[どうして!?]
ダルクモン[…デビモン(悪)の身体はもう限界だからよ]
ダルクモンが子供達とデジモン達にしか聞こえないくらい小さな声で言う。
フレイモン[っ!?どういうことだよ!?]
ダルクモン[デビモンは自分が許容出来る量以上の暗黒の力を取り込んでいるの。本人は気づいていないようだけど…いずれ肉体が崩壊するわ]
デビモンは気づいていないようだが、既に肉体は限界に近づいている。
このままでは、暗黒の力によってデジタルワールドの輪廻の輪からも完全に外されてしまう可能性もある。
そこにあるのは完全の死。
それだけは何としてでも避けなければならない。
デビモン[愚か者め、死なば諸とも心中する気か!!どこまでも貴様は気に入らない!!]
アリシア「そんな、嫌だよ、ダルクモン!!止めてよ!!」
ダルクモン[ごめんなさいアリシア……あなたは本当に不思議な人、きっと進化したばかりの私なら何も感じずにデビドラモンを葬ったようにデビモンを葬ったでしょうね。でもD-3から流れてくるあなたの想いは、とても暖かいもの…。心の中では敵であるはずのデビモンに対しても、傷ついて欲しくないと思ってる…。]
アリシア「ダルクモン…」
アリシアは涙を浮かべながらダルクモンを見つめる。
ダルクモン[謝って済むことじゃないかもしれない…ごめんなさいアリシア。そして…ありがとう]
私にこんなに優しい…暖かい心をくれて。
ダルクモンは翼を羽ばたかせ、飛翔する。
デビモン[潰れてしまえっ!!!!]
デビモンの魔手がダルクモンを襲う。
ガーゴモン[させるか!!ホワイトスタチュー!!]
石像をデビモンに喰らわせ、のけ反らせる。
ダルクモン[どうか安らかに…]
ダルクモンは祈りながら剣を構え、一筋の閃光となる。
閃光となったダルクモンは、一気にデビモンに駆け抜けていく。
聖なる光が…ダルクモンの命の輝きがファイル島を包み込んだ。
その光はファイル島のデジモン達を洗脳している黒い歯車すら浄化していく。
大輔「来い!!デビモンのデータ。浄化する!!」
デビモンのデータがD-3に吸収され、ディスプレイにデジタマが映る。
光が収まった時にはデビモンの姿は無かった。
そしてそこには足元から徐々に消えていくダルクモンがいた。
アリシア「ダルクモン!死んじゃ嫌だよ!!消えないで!!」
ダルクモン[ごめんなさいアリシア、でも大丈夫。きっとまた会えるわ。あなたがそれを望むなら…。]
ダルクモンはアリシアに優しく微笑みながら言う。
そして次に大輔達の方を向く。
ダルクモン[私は力を使いすぎたわ…強すぎる力は破滅を呼ぶ…皆、私は少し休ませてもらうわ…フェイト、アリシアをお願い…]
フェイト「…分かった。任せて。」
フェイトがダルクモンを見上げながら頷いた。
それを見たダルクモンは最後に再びアリシアの方を見遣ると微笑った。
ダルクモン[…アリシア……]
────またね、アリシア。大好きよ…────
ダルクモンの笑顔が見慣れたプロットモンの笑顔とダブった。
アリシア「っ…ダルクモ…」
アリシアが言い切る前にダルクモンは完全にデータの粒子となった。
アリシア「っ……!!!ダルクモーーーンっ!!!!!」
アリシアの悲しい叫びがファイル島中に響いた。
そこにアリシアの涙とダルクモンの数枚の羽根だけを残して…。
 
 

 
後書き
ブイモンが限界突破

オーバードライブ。
デジメンタルのエネルギーを限界を超えて出力して大幅なパワーアップを果たす能力。
最も相性がいい勇気、友情、奇跡のデジメンタルが適応。
運命は除外します。 
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