とある3人のデート・ア・ライブ
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第六章 颶風の巫女
第2話 選ばれた裁定役
前書き
どうも、ラーフィです。
これから毎週土曜か日曜に投稿したいと思いますのでよろしくお願いします!
ではでは〜
折紙「……これはどういうこと?」
クラスの元へと戻ってきた士道と上条は皆からの注目を浴びていた。
なぜなら、
士道の隣と十香をおんぶしている上条の隣には、
来禅高校の制服を来た見たことのない少女がいたからだ。
それも、腕を絡めた状態で。
耶倶矢「さあ、士道。我の方が魅力的であろう?当麻にもそう伝えれば二人揃っていいことをしてあげることを約束しよう……」
夕弦「誘惑。夕弦を選んでください、当麻。耶倶矢なんて目じゃありません。士道と一緒に、いいことをしましょう」
さて、なぜこうなったのか。
それは十数分前に遡る。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
士道と上条がクラスの皆と合流する少し前。
耶倶矢「貴様ら、名はなんと言う?」
士道「五河、士道……」
上条「上条当麻だ」
耶倶矢「ふむ……よろしい。貴様らを今、裁定役に任ずる」
士道「……は?え、いや……」
ヤバい、何言ってるか全く分からん。
その頃、上条は、
上条『なあ、凜袮』
凜袮『うん?なあに?』
上条『裁定役って何だ?』
凜袮『……え?そこなの?』
上条『………漢字力がなくてすいません』
凜袮『……えっとね?裁定役って言うのは、当否を判断して決断する人のこと。この場合、決断する人は当麻と士道なんだろうけど……何を決めるんだろ?』
上条『…………まあ、とりあえずありがとう』
凜袮『ん、どういたしまして!』
などとくだらない会話をしていた。
耶倶矢「夕弦よ、最後の決闘だ……勝負は単純明快!この男をどちらか選び、″先に落とした″方が勝ちだ!」
夕弦「承諾。受けて立ちます」
上条・士道「ちょっと待てぇぇぇ!!」
さすがの上条と士道も二人のやることを理解した。
なので、二人の制止を試みたが、
耶倶矢「夕弦、貴様が選ぶがよい。確かにこの勝負、どちらかを選ぶかによって戦況は大きく変わる……だが、どちらにせよ勝つのは我だ。ならば、最後の悪あがきぐらい見せてもらおうではないか」
手遅れだったらしい。この言葉に夕弦も、
夕弦「断定。夕弦が耶倶矢に負けるはずがありません。見た目、身体、性格、どこをとっても夕弦の方が有利です。だから選ぶのは耶倶矢の方がいいのではないですか?」
賛成したようだ。もう、この二人には何を言っても通用しない気がする。
耶倶矢「ちょっと待って、今身体ってある一部分のことしか言ってないよね!?」
耶倶矢のさっきまでのクールさとは一転して、普通の口調に戻った。
だけど、夕弦は答えない。
いや、何かに気づいたように″彼″をずっと凝視し始めた。
その″彼″は全く動いていない。状況をイマイチ把握できていないせいだろうか。
その状態で数十秒固まっていた。
夕弦「………」
耶倶矢「どうしたのだ夕弦。其方らしくないぞ?」
耶倶矢の言葉に、夕弦は重い口を開き、ゆっくりと言った。
夕弦「………訂正。やはり夕弦に選ばしてもらっても大丈夫でしょうか?」
耶倶矢「ほほう。やはりおじ気ずいたか……やはり我の魅力は貴様には遠く及ばーー」
夕弦「無視。私は彼を選びます」
耶倶矢「ーーって!何無視なんかして……ん?ほう、奴を選ぶとは……貴様は人を選ぶ目もないとは……八舞に相応しくない……この勝負、我が鮮やかに勝利に導いてみせよう……」
夕弦「承諾。異論はないので、さっそく勝負に移ります」
夕弦が指差していたのは、
ツンツン頭の彼の方だった。
ーーーー
ーーー
ーー
ー
八舞の二人は転校生ということで話がついた。
本当にこれで良かったのだろうか……
でも、十香が気絶していることには変わりないので、士道一行は、令音によって事務室へと案内された。
そして、十香をソファに横たえてから令音に頭を下げた。
士道「令音さん、すいません……」
上条「すいません……」
令音「……いや、構わないよ。それより……」
令音が気にしているのは、双方にくっついている姉妹のことだろう。
令音「厄介なことになってしまったようだね……」
士道「はい……」
上条「ハハハ……」
耶倶矢「くく……むしろ役得であろう?貴様ごときの人間が、僅かな間とはいえ、この我の寵愛。受けられるのだ。幸運に噎びなきこそすれ、嘆く必要などあるまい」
夕弦「懐疑。夕弦ならまだしも、耶倶矢に言い寄られて喜ぶ男性がいるのでしょうか」
耶倶矢「そ、そんなことないし!」
夕弦「否定。妄想と現実は違います」
上条「あの〜……」
耶倶矢「へ、変なこと言わないでよ!……って何?」
上条「いや、何で争ってるのかって聞きたいんだけど……」
耶倶矢「あぁ、言ってなかったか。我らはもともと八舞という一人の整列だったのだ」
夕弦「首肯。ですが幾度の現界のときか、八舞は二つに分かれてしまったのです」
士道「二つに……?何で、そんなことに……」
耶倶矢「理由は分からぬが……真の八舞はここにあり、この世に一人のみ存在すると運命の女神に教えられた」
士道「へ?」
夕弦「要約。″知っていた″、といった方が正しいでしょう。夕弦たちは分かれた瞬間から自分たちの身体がどうなるか理解していたのです。しかし、本来の八舞の人格は失われてしまっています。つまりその際、主人格となれるのはどちらか片方なのです」
上条「それで決闘か……」
二人は同時に頷く。
上条「つまり、あの嵐も……」
耶倶矢「そうなるな。我らは現段階で99戦を終えている」
士道「そ、そんなに戦ってるのか!?」
夕弦「訂正。戦っているといっても、殴り合いばかりしているわけではありません。かけっこ、けん玉、大食い等、勝負の方法は多岐にわたります」
平和な勝負で何よりだ。
耶倶矢「ちなみに戦績は25勝25敗49分け。ちょうど100戦目にあたる決闘の勝者が、真の八舞となるはずだったのだ。それなのにーー」
耶倶矢は上条と士道を睨んだ。
確かに邪魔をしてしまったが、十香のこともあったし仕方がなかった。
と、耶倶矢は士道に、夕弦は上条に再度抱きついた。
耶倶矢「まあ、良いわ。むしろ感謝しておる。貴様らのおかげで今までに戦いをすることができるのだからな」
夕弦「肯定。この勝負であれば異存はありません」
こちらとしては困ることなんだけど。
令音「やはりダメか……」
士道「どうしたんですか?」
令音「……あぁ、〈フラクシナス〉との通信が途絶えているんだ」
上条「……」
士道「な、なんでまた……」
令音「現状では不明だ。少し調べてみるよ」
と、令音は椅子から立ち上がった。
令音「……確か、耶倶矢と夕弦といったかな。君たちに話があるのだが」
夕弦「……あなたは?」
令音「……学校の先生だ」
耶倶矢「何でもよいわ。見物は構わぬが、邪魔をするでない。我は士道から離れんぞ」
夕弦「同意。夕弦もです」
令音「……君たちは魅力的な女の子だ。それなのにシンと上条君はどちらを選ぼうとしない。その意味がわかるかい?」
『………』
二人は目を一瞬合わせた。
令音「二人は君たちが思っているよりカタブツだ。彼らの反応を見れば一目瞭然だろう?……どうするかね?私としてはどちらか片方だけでも構わないのだが」
言って事務室のドアを開ける。
二人は再び顔を見合わせると、名残惜しそうに手を離し、令音の後をついていった。
後書き
ちょっとこじつけ感がありますが、目を瞑ってください。
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