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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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番外編:ダークの迷惑な一日

「翔夜さんは私のです!」
「是。ダークは私の」
「「ううー!!」」
詩乃と真夜美の目から火花の様な物が散った。
「おーおー、さっすがリア充」
「殴るぞライト」
ライト(漆黒)に言いながら、俺は溜め息を付いた。

事の起こりは朝。
俺は何時もと同じく別世界の知り合い達の世界に軽ーいハッキングを仕掛けていた時だった。
「……翔夜、ご飯持ってきた」
「あ、サンキュー真夜美」
真夜美が俺の朝飯を持ってきて、食べていると。
「えいっ」
「おわっ!」
背中から真夜美が寄りかかって来た。……背中に当たる柔らかいものも。
「真夜美!?」
「別に大丈夫。誰も見ていない」
「そういう問題じゃなくてだなぁ!」
俺が振り向くと。
「駄目……?」
涙目+上目使いをしていた真夜美が居た。……こうなったら俺も断れない。
「……好きにしろもぅ」
俺は諦めて飯を食べていると、ドアが開いた。
「翔夜さん、おはよ……」
詩乃が挨拶をしながら俺を見ると、一瞬で冷徹なスナイパー、シノンの顔になった。
「……どういうことかしら。彼女の私をさしおいて」
俺は盛大な冷や汗をかきながら、かつての戦友の言葉を借りた。
「ち、ちゃうんです……」

と、言うわけでそれと同時に遊びに来ていたライトと共に今の現状に巻き込まれている最中なのである。
「……お前さん、本当はどっちが好きよ?」
突然、ライトがツンツンと肘でつつきながら問うてくる。
俺は少し迷いながら、答える。
「……どっちも好きだよ。でも、詩乃の好きと真夜美の好きはちょっと違う……かな」
「「何で!?」」
そこに二人が俺に接近した。顔近い顔近い!
「ええと……多分、俺は最初シノンしか友達と言える奴等は居なかったからさ、依存……っうのか?多分、それに似た物で好きだと思う……けど、真夜美は真夜美で、キチンと俺と向き合ってくれてたんだよ、真夜美なりに。だから、そこに……」
と、言い掛けたその時。
「……翔夜さん」
「……な、何だよ」
俺の服を掴んだ詩乃が言う。
「……私が嫌いになったとか、そういうのじゃ無いんだよね」
「そういう訳じゃない……と思う。唯、恋愛とかってあんまりしたこと無かったからさ……」
本来の記憶を取り戻して以降、俺は詩乃に依存していた部分が多かった。だけど、真夜美と一緒に長い期間SAOの再攻略していく最中、惹かれていたのもまた事実。
「……そう」
詩乃は言うと、手を離した。
「……じゃあ、もう私は要らないよね」
「詩……」
途端、詩乃は家から出ていってしまった。
「あーあ、泣かせたなありゃ」
隣でライトが言う。
「……追い掛けたらどうだ?」
「今の俺が行ったところで、逃げられるだけだよ……」
俺は真夜美に顔を向けて言う。
「頼む、真夜美。詩乃の後を追い掛けてくれないか」
「……是」
真夜美はそう言うと、出ていき、俺のバイクを使って行った。

真夜美Said

「……ここは」
私が来たのは、翔夜が何時しか一緒に来てくれと言われた、丘の公園だった。
その公園のブランコに、シノンは座っていた。
「居た」
私は近付くと、シノンに言う。
「隣、良い?」
「……うん」
シノンの許可を得て、私は座る。
「……ねぇ、真夜美さん」
「何?」
「真夜美さんはどうして、翔夜さんに惹かれたの?」
……中々言葉で表せない質問が来た。
私は一つ一つ整理しながら言う。
「……私が初めて会ったのは、ある異世界の所。そこで、翔夜は再びSAOを攻略した。私と仲間と共に」
一つ一つ思いだしていく。
「最初は反発とか、そんな感じだったけど、途中から翔夜の事を思うようになった」
私は胸を押さえて言う。
「翔夜は何時も私の事を心配してくれて、在るときは一緒に来てくれた。それを繰り返していくうちに、ああ、これが恋か、って思うようになってきた。……彼女が居るのに、翔夜の事を好きになってた」
私はブランコをこいで言う。
「確かに、私は詩乃よりは強くないかも知れない。けど、それを乗り越えさせてくれた翔夜には感謝してもしきれない。……翔夜は、人に勇気を与えてくれる存在、そんな感じだと思う」
「……うん。私もそう思うよ」
詩乃が笑うと、私も笑った。
私はブランコを降りると、詩乃に言う。
「行こう、翔夜が心配してるよ」
「……うん」
詩乃は頷き、私達は借りたバイクを使って家に戻った。

翔夜Said

「ただいま」
真夜美の声がすると、俺は正座した。
そして、ドアを開けた瞬間。
「ごめん、詩乃!!」
見事な土下座をかました。
「えっ、ちょ、翔夜さん!?」
「詩乃の気持ちを解って無かった!!本っ当にごめん!!」
俺は顔を上げると、言う。
「詩乃、好きなだけ殴ってくれ!」
「……じゃあ」
すると、詩乃は手を拳にして、
「ハアッ!!」
足で顎にクリティカルヒットさせた。
体術スキル<幻月>。
見事な弧を描き、俺はライトに頭から突っ込んだ。
「グフォッ!」
ライトは腹を押さえて、俺を叩いた。待てライト、さっきのは不可抗力。
「……仕方ないから、それで許してあげる」
詩乃は少し不機嫌そうに言う。
「……翔夜、大丈夫?」
「……詩乃の痛みに比べれば」
「俺は無視かよ……」
ライトの呟きに、皆答えなかった。
「……まぁ、キスしたりしたし?責任はとってもらわないとね?」
突然、詩乃が言った。
「……え?」
「罰として、私達の彼氏になる。結婚も、子供を作るのも」
「ち、ちょいちょい!!マジで言ってるん!?」
俺は結構慌てた。ライトが口笛吹いていたのも気にせず、叫ぶ。
「そもそもどっちと結婚するんだよ!!」
「勿論、それは現状彼女の真夜美に譲る」
「ハァ!?」
「そして、子供は三人で作る」
「ちょ、話が……」
「「これが最大の譲歩」」
「俺の話を……」
「詩乃、少し私は不満だけど?」
「……まぁ、表面上は夫婦だから良しとしない?正妻は真夜美、私は二次妻。良いじゃない?」
「あの……ちょっと……」
「……まぁ、経歴上は夫婦だから良いか……」
「決まり!」
「「と、言うわけだからふつつか者だけど、よろしくお願いします!!」」
俺は盛大に息を吸い込み、叫んだ。

「勘弁してくれぇええええええええええええええええええええっ!!!」 
 

 
後書き
安定のキャラ崩壊ww後、ライト君ごめんなさい。
ダーク「と言うか根本的な解決じゃ無いよな!?じゃ無いよな!?」
煩い。男ならそれぐらいしてみろ。
ダーク「どう考えても理不尽だろぉおおおおおおおお!!」
それでは次回もお楽しみに♪
ダーク「オイコラ待てや駄作者ァアアアアッ!!」 
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