転生赤龍帝のマフィアな生活
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四十話:授業参観~その二~
前書き
守護者のアンケートします。
協力お願いしますm(__)m
それでは本文です。どうぞ。
意味の分からない英語の授業も終わり気分転換の為に校舎をブラブラと歩き回る。
そして廊下を曲がったところで見知った顔にバッタリ会う。
「姫島朱乃か……」
「あら、一誠さん。奇遇ですわね」
「この子があの時の……」
姫島朱乃の隣にはよく似た女がいた。
確かこいつの母親だったな。名前は姫島朱璃だったな。
………あの頃から変わらねえな。うちの母親と似た体質なのか?
「あの時は私と娘を助けていただきありがとうございました」
「はっ。邪魔だからドカス共を消しただけだ。勘違いするな」
深々と頭を下げる姫島朱璃。
それが気に入らなかったので顔を逸らしてそれだけ言う。
(良かった。相棒がいつものツンデレに戻った)
(ご主人様と朱乃様と朱璃様からのお仕置きイイイイイイッ!!!)
(朱乃たんもお持ち帰りイイイイイイッ!! 小猫たんもお持ち帰りイイイイイイッ!)
ああ……胃薬がうめえ。
カストカゲは後で目を抉ってやる。
「どこか具合でも悪いのですか?」
「現在進行形で胃を削られている真っ最中だ」
「………何が起きているのですか?」
そう言うと少し引き気味になる姫島母娘。
てめえらにはこの辛さが分からねえだろうな!
変態が俺の精神世界で暴れまわってるなんて夢にも思わねえだろうが!!
(黒歌様あああああああっっ!!)
(小猫たああああああんっっ!!)
(ゼノヴィアたああああああんっっ!! クロームたああああああんっっ!!)
(イリナたああああああんっっ!!)
((((ヴァーリたああああああんっっ!!))))
やばい。涙が出て来た。
速いとこ別の場所に移動するか……。
あ、カストカゲへの罰は忘れてねえからな?
「母様、父様はどうされているのですか?」
「あの人なら上司への対応が忙しくて来られないらしいですよ」
「一体何があったのでしょうか……」
移動する間際に聞こえて来た言葉に何となく身に覚えがあるのは気のせいだろうか?
「久しぶりだね。兵藤一誠君」
「あ、イッセーちんにゃ」
「サーゼクス・ルシファーとカス猫か……」
再び廊下を移動していたところで今度はサーゼクス・ルシファーとカス猫に出会う。
隣にはリアス・グレモリーと塔城小猫もいるのでこいつらも授業参観に来たんだろ。
魔王のくせに暇な奴だ。
「学校生活はどうだい? 兵藤一誠君」
「けっ、悪くはねえよ」
「私は…好きだよ」
「クローム来てたのか?」
「うん。みんなが集まってたから」
サーゼクス・ルシファーと話しているとクロームが話しかけて来た。
そういや、ふと思ったらここにいるのは全員兄妹か。
珍しいこともあるもんだな―――
「ソーナちゃあああああああんんんん!! お姉ちゃんから逃げないでえええ!!!」
突如響いてくる叫び声の方に目を向ける。
するとそこには脱兎のごとく駆けるソーナ・シトリー。
そしてそれを魔法の杖を振り回しながら同じ位の速度で追う魔法少女。
「リアス! 私を助けて!!」
「ソーナ………諦めなさい」
リアス・グレモリーの背中に隠れるソーナ・シトリー。
それに対してため息交じりの返事を返すリアス・グレモリー。
「ソーナちゃん! どうして私から逃げるの!? ………って、あ、サーゼクスちゃんも来てたんだ~☆」
「セラフォルー。妹を思う気持ちは痛い程分かるが校舎内ではあまり騒がないようにしなさい。ここは学び舎だよ」
セラフォルー………確かレヴィアタンの名前か。
そして、ソーナ・シトリーの姉だったか?
全くもって似てねえ姉妹だ。
というか、魔女っ娘コスプレを着て何がしてえんだ?
お前らは悪を滅ぼす側じゃなくて悪だろうが。悪魔の名前が泣くぞ?
「親方様!」
「会長! レヴィアタン様!」
聞こえて来た声の主は……。
恐らくはセラフォルー・レヴィアタンを追って来たバジルと確か匙とかいう奴だ。
こいつらの顔に疲労の色が見られるのは間違いなく走ってきたからじゃねえだろうな。
「ソーナちゃん、どうして逃げるの? 酷いわ! 私はこんなにもソーナたんを愛しているのに!!」
お前はどこのヤンデレ彼女だ。
その台詞に少し聞き覚えがある俺は全く笑えねえんだよ。
「私の名前にたんを付けないでください!」
名前の部分に突っ込みを入れるソーナ・シトリー。
眼鏡が若干ずれているが気づいてねえみたいだな。
まあ、あんなのを前に冷静に対処する方がおかしいか。
((((“たん”づけは我々の間では常識なんですけどね?))))
(お前らの常識と世間の常識を一緒にするんじゃねえ!!)
お前らが普通だったらこの世界は既に終わってるよ。
というか最近はまともな人間に会えなさ過ぎだろ……。
世界がマジで終わってるような気がしてきたんだが。
そう言えば、あのセラフォルー・レヴィアタンを見ても動揺が少なかったな。
………慣れてしまったのか俺は。
「あれ? サーゼクスちゃん。もしかしてこの怖そうな子がこの前言ってたドライグくん?」
「ああ、そうだよ。彼が『今代の赤龍帝』の兵藤一誠君だ」
(ドライグ……くん? ああ……懐かしい。そう言えば俺にはドライグという名前があったな。最近はカストカゲとしか呼ばれずに忘れかけていた……)
何やら哀愁の漂う声で呟いているカストカゲ。
そう言えばこいつの名前はドライグだったな。すっかり忘れていた。
カスザメ? ………………………まあ、いいか。
因みにカス猫の名前は覚えている。
(黒歌様! さあ、思う存分一誠様を誘惑してください!! グヒヒ!)
こいつが頻繁に叫ぶせいで嫌でも覚えてしまった。
………こんな覚え方は嫌だったな。
「はじめまして☆ 私はソーナたんのお姉ちゃんのセラフォルー・レヴィアタンだよ☆ 気軽に『レヴィアたん』って呼んでね☆」
「兵藤一誠だ」
まともな自己紹介が出来た理由はただ一つ。
俺の周りにまともな人間が少ないからだ!
………言ってて悲しくなってきた。
「もう、ソーナたんがお姉ちゃんから逃げた時はショックだったんだよ! お姉ちゃん全力全開で天界に攻め込むところだったんだぞ☆」
「そんな下らないことで戦争を引き起こさないで下さい!」
「下らないなんて…! ソーナちゃんは世界一可愛い私の妹なんだよおおおお!!」
「そういった意味で言ったわけではありません!!」
涙目ながらにソーナ・シトリーに抱き着くセラフォルー・レヴィアタン。
全く持ってバカげたことを言ってやがるぜ。
「セラフォルー。今聞き捨てならない言葉が聞こえて来たのだが?」
やたら真剣な顔をして詰め寄るサーゼクス・ルシファー。
「世界一可愛いのはリアスに決まっているじゃないか!」
その言葉を聞いた瞬間リアス・グレモリーが顔を覆って崩れ落ちた。
バジルが心配そうに声をかけているが効果はなさそうだ。
「にゃ? いくらサーゼクスちんに世話になったとはいえこれだけは譲れないにゃ。
世界一可愛いのは私の白音にゃ!」
「……ね、姉様」
(私も小猫たんに一票、入れます)
自分も負けていられないとばかりに名乗りを上げるカス猫。
そして何故か割り込んでくるロリコンの変態。
隣で塔城小猫が少し引き気味にしているがそんなことには勿論気づいていない。
「一誠殿。どうにかしてこの場を納めてください!」
「バジルか……はっ、いいだろう」
バジルがこの状況を納めてくれと言って来たので前に出る。
たく、カス共がくだらねえことで言い争いしてんじゃねえよ。
「カス共が、うだうだ言ってんじゃねえよ。
世界一可愛いのは―――クロームに決まってんだろうが!!」
「「ここにはシスコンしかいないのか(ですか)!?」」
「お、お兄ちゃん…!」
(ゼノヴィアたんとクロームたん……究極の選択だな)
頬を真っ赤に染めて恥ずかしがるクローム。
見ろ、これを見てまだクロームが世界一可愛いってのが分からねえのか。
何やら、バジルが匙元士郎と一緒に叫んでいるが聞こえねえな。
(シスコンだとよ。相棒)
カストカゲは後で処刑だな。
(なぜ俺だけなのだ!?)
そんなのカストカゲだからに決まっているだろうが。
それがこの世の真理だ。
「兵藤一誠君……やはり君とは相いれない存在のようだね」
スッと構えを取り、大量の魔力をあふれさせるサーゼクス・ルシファー。
「ソーナちゃんが世界一可愛いのは絶対なんだから!☆」
ステッキを振りかざし大量の魔力を一点に収束させるセラフォルー・レヴィアタン。
「誰が相手でもこれだけは譲る気はないにゃ!」
こちらは魔力とは違う何かしらの力を出し構えるカス猫。
その過程で豊かな胸が揺れて変態が歓声を上げているが無視する。
「カス共が……身の程を知れ!」
『Boost、Boost』
『赤龍帝の二丁拳銃』を構え倍加を始める俺。
今ここで誰の妹が一番可愛いかを証明してやる。覚悟しろ!
「ルシファーの名に懸けて勝利を掴み取ろう!!」
そう高らかに宣言するサーゼクス・ルシファー。
「見ていてねソーナちゃん! これがお姉ちゃんの全力全開!! スターライト・―――」
桃色の光がステッキに宿りはじめるセラフォルー・レヴィアタン。
「愛する白音に勝利を捧げるにゃ!!」
何やら愛の告白のような宣言をするカス猫。
「何人いようが所詮はカスだ。カッ消す!! 決別の―――」
銃を構え引き金を引こうとする俺。
「「「「いい加減にしてください!!!」」」」
「リアス!?」
「ソーナちゃん!?」
「白音!? 私だけ酷くない!?」
「クローム……」
兄の頭をこれでもかとばかりに叩くリアス・グレモリー。
同じように姉の頭を叩くソーナ・シトリー。
一切の加減もなく姉を蹴り飛ばす塔城小猫。
キュッと俺の服の裾を握ってやめてとアピールするクローム。
やっぱり、俺の妹が世界で一番可愛いな。
(ここまでやっておいてシスコンでないと言い張る相棒は頭がおかしい)
(撲殺、斬殺、刺殺、焼殺、毒殺、好きなのを選べ)
((((全部でお願いします!!!))))
(てめえらには聞いてねえよ!?)
結局その後、サーゼクス・ルシファー達カラス組は正座をして妹達に絞られていた。
因みに俺は罰として今度クロームの買い物に付き合う事になった。
やはり俺の妹は可愛い。
あ? 俺がシスコンだと言う奴は出てこい。灰に変えてやる。
~おまけ~
「これはなんだ?」
この前送られてきた胃薬、頭痛薬、秘伝の薬一年セットに入っていた飴の様な謎の薬を見る。
急いで持ってきたせいで胃薬の中に混ざっていたんだが……。
なんで俺は授業参観の日に持ってきてしまったんだ?
「イッセーちゃん。 何してるの~?」
「セラフォルー・レヴィアタン……なぜまだ居る?」
「もう、『レヴィアたん』って呼んでくれないと怒っちゃうぞ★ プンプン☆」
「うぜえ!」
ダメだ。変態じゃねえが、こいつはこいつでウザすぎる。
いかにも怒ってます的なポーズをとるセラフォルー・レヴィアタンにため息が出る。
「そんなに溜息ばっかりだと幸せが逃げていっちゃうぞ☆」
「誰のせいだと思ってる?」
「あ! 何その飴? 美味しそう」
「話を変えんじゃねえ――って馬鹿が! やめろ!!」
謎の薬を飴と勘違いして口に運んでいくセラフォルー・レヴィアタン。
てめえはガキか!!
「ほえ?」
「何だ!?」
薬を飲み込んだ瞬間セラフォルー・レヴィアタンの体が光を放ち始める。
その眩さに思わず目を閉じてしまう。
そして光が無くなった所で目を見開いて見るとセラフォルー・レヴィアタンが消えていた。
「どこに……消えた?」
「え? レヴィアたんならここにいるよ~☆」
「下? ………………………」
声の聞こえた下を見てみると確かにセラフォルー・レヴィアタンはいた。
………ただし、三歳児サイズにまで縮んでいたが。
「あれ? そういえばどうしてイッセーちゃんがこんなにおっきいんだろ?」
「あの薬のせいか……さながら幼児化薬ってところか?」
「て! もしかしてわたしちいさくなってるの!?」
今更ながらに気づいたらしく。
自分の体を見まわしてピョンピョンと飛び跳ねるセラフォルー・レヴィアタン。
……………精神まで幼くなってるのか? いや、だがこいつだと分かり辛え。
元々がガキみたいな感じだからな。
「そういえばふくもなんでちいさくなってるの?」
「俺に聞くな」
正直、服のサイズが変わらなかったら俺がロリコンとして捕まってしまうとこだ。
おい、変態共。変な想像して興奮してんじゃねえよ!
「はっ!? これならながねんのゆめだったソーナちゃんにだっこしてもらうことができるわ!! わたしっててんさい☆」
「冥界はよくこんなのを魔王にしたもんだな………」
どうでもいいが冥界の将来が不安になるな。
「というわけで、ソーナちゃんのとこにいくよ! イッセーちゃん!!」
「一人で行け」
「………………………グス」
「ああ! 行きゃいいんだろ! 行きゃよ!! だから涙目で見上げてくんじゃねえ!!」
「やった~☆」
どうなってる? やっぱり精神も幼児化するのかあの薬は。
まるっきりガキじゃねえか今の仕草なんかよ。
くそっ! 『子作り爆弾』の一件以来ガキに甘くなった気がする。気に入らねえ。
さっさとソーナ・シトリーに押し付けてこようと思って足早に歩きだす。
その後ろをトテトテと可愛らしい音を立ててセラフォルー・レヴィアタンが追ってくる。
ちっ、すれ違う奴らが全員微笑ましい物でも見るような目で見てきやがる。
うざってえ……。
「ソーナちゃああああああん!!」
「っ! この声はお姉………様?」
生徒会室に入ると同時にソーナ・シトリーに飛びつくセラフォルー・レヴィアタン。
ソーナ・シトリーの方は訳が分からずに茫然とされるがままにされている。
「兵藤君……これは一体?」
「俺に聞くな……」
疲れた顔でそう言うと何かを察したのかそれ以上は聞いて来なかった。
「じゃあな、後は任せた」
「……………………グス」
ジーと涙目で俺の方を見つめる小さくなったセラフォルー・レヴィアタン。
たく、仕方ねえな……。
「ちっ! もう少しだけだからな。そしたら帰る」
「ありがとう!」
「ふん……」
結局その後しばらくしたらセラフォルー・レヴィアタンは元に戻った。
念願だったらしい抱っこはして貰えたようだ。
だが大人の状態でもう一度やってもらおうとしてソーナ・シトリーに怒鳴られていたな。
まあ、俺には関係ねえがな。
べ、別に少し子供状態のあいつに情が移ったとかそういうのじゃねえからな!
(よかった。相棒がいつも通りのツンデレだ)
((((お仕置きの時間だあああああああっっ!!!))))
(少しは黙れ、てめえら!!)
後書き
なぜ作者はレヴィアたんを幼児化させてしまったのだろうか?
テンションがまた変な方向に行ってしまったようです。
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