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半龍神は世界を変える

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悪魔

俺は牢獄まで行って襲われたこととこいつがかなりの暗殺者と言うとこを伝えて牢獄にぶちこんで貰った。牢獄のやつらからしたら手柄だろう。あれだけの暗殺者を捉えたとあればな。都合がいい。宿へ戻った。どうやらシルヴィアは部屋にに戻ったようだ。俺は飯を食わせに行くべくシルヴィアの部屋まで言った。
ドアをノックして聞いた。
「飯は食べるか?」
と言うと疲れきった顔をしたシルヴィアが部屋のドアを開けて答えた。まあ二回も襲われれば大抵は疲れるわな。
「今日はいいですわ。」
「わかった。俺だけでも食べてくるとしよう。」
俺は飯を食べるべく食堂まで行った。
今日の飯はいつもと同じメニューだった。野菜のスープにライ麦のパンと正直飽きかけていたが我慢した。
俺は部屋に戻り、今後の事を考えながら剣を磨いた。剣は迷宮で手に入れた物だ。金貨2000は下らない。なんせこの剣は鋼鉄をいくら切っても歯こぼれせず、またこの剣を通して魔法かけるとその魔法が強化される。つまり杖に似た役目も果たす。またこの剣は悪魔に大ダメージを与えることができる剣だ。つまり聖剣だ。もしかしたら金貨では交換できないほどの額かもしれない。ようは勇者の剣って訳だ。ただ、この剣は持ち主を選ぶ。相応しくないものには鞘から抜くことが出来ない。それが俺がこの剣を売らない理由でもある。この剣の名前はエクスカリバン。そう柄に書いてある。俺は正直悪魔を殺すのにあまり使いたくはない。俺自信悪魔は嫌いではない。確かに気性は荒いが善いやつもいるからだ。だからなるべく悪魔には剣を抜かないようにしている。抜いても威嚇程度だ。悪魔からしたら俺の方がよっぽど悪魔だな。そんな事を皮肉げに思っているとドアがノックされた。
「あの、起きてますの?」
シルヴィアだと思う。何しにきたんだ。そんなことを思いながらドアを開けて入るように促した。
「起きてるが、なんか用か?」
そういうとシルヴィアは部屋に入って来てモジモジし始めた。何してんだ。こいつは。
「そ、その、わ、私と一緒に寝てくれませんか?」
シルヴィアが顔を赤くして言ってきた。は?一人で寝ればいいだろ。そう思いながら聞いてみた。
「一人で寝ればいいだろ。」
「私、奴隷になってから一人で寝るのが怖くなってしまって。寝られないんですわ。」
あーそういうことね。確かに今日寝てもらわないと体が持たないしな。恐らくトラウマになったのだろう。孤独を。孤独ってのはいつでもどこでも誰にでも残酷だ。
「まあ別にいいけど。ほらベットで寝ろよ。」
俺はベットから降りてシルヴィアに寝るように促した。
「そういうわけにはいきまさんわ。私が来たのですから私が床で寝ますわ。」
まあそりゃそうだけど。流石に女を床で寝させるのはアカンだろ。 シルヴィアはそこは譲れないって顔で言ってきた。
「いや女が床で男がベッドってのはダメだな。いいからベッドで寝ろよ。」
「なら、一緒ならいいですわよね?」
シルヴィアはまた顔を赤くして言ってきた。いや赤くすんなら言うな。
「いや、さっきまで俺の事を警戒してたくせにどういうことやねん。」
「それはさっきのでわかりましたわ。あなたが私に危害を加えないことは。」
それはありがたいんたけどな。まあいいか。
「わかった。俺は先に寝るから。」
そう言って剣を机に立て掛けてそのまま仰向けになって今日のことを振り替えって寝た。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

「おかぁさーん。お使い行ってきたよー。」
やったー。これで母さんに褒めて貰える。俺は買ってきたものを渡した。確かリンゴとオレンジだった気がした。
「偉いわね。よしよし。」
「うん。ぼく偉いよ。」
母さんは笑顔で俺の銀色の頭を撫でてくれた。
「さあ。みんなと遊んでおいで。」
俺は遊びにいく準備ををして家を出た。
「うん!行ってきます!」
「行ってらっしゃい。」
母さんは快く見送ってくれた。このときはまだは父親がいないことは気にしなかった。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

「やーい。青い髪の毛しやがって気持ち悪い。」
青い髪の毛をした女のがいじめられていた。俺も似たようなもんだし助けるか。そんなことを思った。
「う、う。」
その子は泣いていた。女の涙ほど綺麗で儚く、残酷な物はない。俺はこの歳から悟っていた。
「やめろー!」
俺はいじめていてたやつらに飛びかかった。俺は三人に飛びかかった。無論勝てるわけなくボコボコにされた。身体中が痛かった。痣が出来るかもしれない。
「だ、大丈夫?」
青い髪の毛の女の子が恐る恐る聞いてきた。
「ああ。大丈夫だよ。」
俺は強がった。本当は結構痛かった。
「あの、名前なんていうの?」
にしても気が弱そうなやつだな。そう思いながら答えた。
「俺の名前はドライグ。君は?」
そう言うと青い髪の毛の子は答えた
「私の名前は…」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

場面が変わった。
「かあさーん。どこにいるの」
周りは火の海だった。どこの家も壊されていた。所々人が無惨にも死んでいた。視界に一匹のドラゴンと母さんが映った。母さんが襲われているところだった。あのままでは食われる。俺はそう思いとっさに脚が動いた。
「母さんを離せー!!!」
俺はドラゴンに殴りかかった。しかし勝てるはずもなく手で払われた。俺は瓦礫の中に突っ込んだ。
「やめろ」
力を振り絞った。しかしこれだけしか声が出なかった。他の村人が俺の母さんを助けようとしてくれていた。敵うはずもなく村人は無力化されていった。俺は自分が腹立たしかった。母さんが死にそうになったのに何も出来ない自分が死ぬほどムカついて憎かった。そのとき体から憤怒が爆発した。そのあと何が起きたのかは何をしたかを覚えていない。俺が覚えているのは俺を抱き締めて泣く母さんと血まみれの俺と無惨に殺されているドラゴンだけだった。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

俺はあの日以降村では化け物扱いをされ、母さんは化け物の親だと言われ続けた。それでも母さんは俺の事を大事にしてくれた。俺が泣いて帰る時も慰めてくれた。俺は遊んでくれる友達もいなくなってしまっていた。俺はただ一人で遊んでいた。木登りをしたりなどいろいろした。
しばらくたったあと俺は男として強くなるために鍛練を始めた。帰りが遅くなる日もあったがそれでも母さんは優しかった。
ある日母さんは唐突に告げた。
「あなたが化け物扱いされている理由をしてっている?」
俺は単にドラゴンを殺したからだと思ってた。しかし違った。
「それはあなたがハーフだからよ。ハーフはこの世界では蔑まれるの。居場所が無いの。とても中途半端な存在だから。それだけならまだごまかせるわ。だけどあなたはただのハーフじゃないの」
「な、何を言ってるの?お母さんは人間でしょ」
俺は父親を知らなかった。ずっと母さんに育てられてきたからだ。父親がいなくてもいい。いなくて当然。そんな考えが芽生えていた。
「そう私は人間なの。だけどお父さんは違う。あなたのお父さんは龍人なの。だからみんなあなたが怖かったの」
そんな。ならなぜ父さんはこんなに俺と母さんが苦しんでんのに何もしないんだ。俺はこの日から父さんを憎み始めた。
「父さんはどこにいるの?」
俺は今すぐにでも連れ戻してやりたかった。
「お父さんは旅に出ているわ。いつか帰ってくるからそれまで待ってようね。」
俺は憎くて今すぐ連れ戻したかったが、母さんの言うことは聞く事にした。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

ある日、俺は鍛練を終えて家に帰った。そこには信じたくない光景が目に入った。母さんが首を吊って死んでいた。母さんの体は残酷にも冷たかった。俺は泣き続けた。何もやる気がしなかった。寝ることもせず、ずっと泣いていた。お腹が空けば母さんの料理を思い出した。俺は途方にくれているとある日、机の中には手紙が入っているのを見つけた。俺は中を確認した。そこには俺の名前の事、俺の父親の事、父親の場所などが書かれていた。俺の名前はドライグ・ウロボロス。父親の名前はサクソン・ウロボロス。父親はこの世界のどこかにある《龍の秘境》にいると書いてあった。そして最後に(愛しているわドライグ。)と書いてあった。俺はこの日から泣くのを止めた。この日からに父親を探し、龍の秘境を探すことにした。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

日差しが眩しい。どうやら長い夢を見ていた。まるで悪夢だった。体を起こそうとすると左腕が重かった。あと左手が動かなかった。よくみるとシルヴィアが俺の腕を抱き枕にしているようだった。胸を押し付け、太ももで俺の手を挟んでいた。俺はなんとも思わずただ起こさないように手を抜いた。シルヴィアはまだ寝ているようだった。流石に完璧というのは伊達では無いと思った。艶やかな金色の髪の毛、潤った唇、キメの細かい染みひとつ無い綺麗な肌、形のいい眉毛に、長いまつげ。それに豊満な体。豊かな胸、引き締まった腰、形のいい尻、ほどよく締まった太股。俺はしばらく目の保養をすると一つアクビをした。どうやら悪夢を見ていたお陰で体が肩がこっていた。俺は剣を脇に置いてシルヴィアが起きるまでひたすら待った。特にやること無いので新しい魔法を考えることにした。考えていると止まらなくなり、シルヴィアが起きるまでずっと考えていた。シルヴィアがやっと起きた。シルヴィアはあくびをしてこちらを見た。するといきなりシーツを持って身を隠すように俺から離れた。しかも顔赤い。
「どうした?」
「襲ってないですわよね?私の処女奪ってないですわよね?」
いきなりそこかよ。俺を昨日の奴等と一緒にするな。てか処女かよ。そんなことを思ってしまった俺である。
「奪ってねぇよ。自分で確認してみろ。」
「ここで裸になれっていうんですの!?」
はあ?アホか。もの凄い勘違いをしてる。シルヴィアは羞恥で顔が少し赤くなっている。
「ちげぇよ。トイレで確認するなり部屋ですればいいだろ。いい加減にボケるのはやめろよ」
「ボケてませんわよ!」
コントしている訳じゃないんだから。シルヴィアは顔を赤くしながらプンスカ怒っていた。
「まあいいや。とりあえず支度してくれ。今日にも出る。」
「今日ですの?」
長居をする理由は無いしな。
「お前も早く帰りたいだろ?」
「それはそうですけど。」
「なら早く支度してくれ。」
そう言ってシルヴィアを、追い出した。俺も町を出る支度を始めた。 
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