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リメイク版FF3・短編集

作者:風亜
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貴女の胸にいだかれて・3

 
前書き
水のクリスタル編後、エリアさん生存ルートで一緒に旅を続けているという設定の、レフィア・サラ姫・エリアの女子三人が露天風呂で ───── 

 
 サロニア解放後、アルスの計らいで露天風呂を利用させて貰える事になった4人と、同行者二人のサラ姫と水の巫女エリア────


「女子達で先に入ってくれば? おれ達はそっちが上がってから入れ替わりで入るからさ!」

「 ……とか云いながら覗きに来るんじゃないわよ、あんた達っ?」

「心外だなぁレフィア、おれはともかく他の二人がそんな事するわけないだろぉ?」

「あら、その云い方だとルーネスは覗き見するつもりなのね」

「姫様……! 自分が断じてそのような事はさせませんッ」

「イングズったら……、また敬語に戻ってるわよ。私としては、貴方になら覗かれても構わないけれど?」

「何でしたら混浴しませんか? その方が楽しそうですよ!」

「おぉ!! エリアがそう云うならそーしよ……」

「ダメに決まってるでしょ!? ゆっくり入れたもんじゃないわっ。イングズにアルクゥ、ルーネスを見張ってて頂戴ね!……行きましょエリア、サラっ!」

「ちょっと、残念です……」

「そうね……、でも後で機会ならあるわ。今はレフィアに従っておきましょう」




「 ────こ、混浴って云われた時はどうしようかと思ったけど、彼女達が露天風呂に入ってる間僕は、サロニアの図書館で本読んでいようかな?」

「 ……とか云ってアルクゥ、あの三人覗き行くつもりだろ?」

「ちょっ、云い掛かりはよしてよルーネス!……そう云えばレフィアに君の見張り頼まれたんだっけ、ねぇイングズ?」

「あぁ。────ルーネス、お前の不埒な行動はアルクゥと私で阻止するッ」

「何だよ、二人して男のロマン知らない振りしちゃってさ! それにイングズ、おまえの姫さまが露天風呂入ってる時におれより質の悪い奴が襲いに行ったらどうする気だ?……おまえ、それでも姫さまのナイトかよ!!」

「 ────! そうだ、私の役目はサラ姫様をあらゆる弊害からお守りする事……。悪漢に襲わせてなるものかッ!」

「その意気だぜ!……アルクゥ、おまえも来るんだからな? エリア達を、見守るぞ!!」

「物は云いよう、だね……」






「はぁ……、やたらと湯面に浮かんできて困るわね、この胸」

「サラ……、それあたしには嫌味にしか聞こえないわよ」

「あら、ごめんなさいレフィア。貴女もこれから大きくなれば、この感じが判るわ。大きくなれば……ね」

「胸なんて、脂肪の塊じゃない」

「それ、僻みにしか聴こえないけれど?」

「まぁまぁお二人共、胸のお話はそこまでにしておきませんか?」

「何よエリア、あなたもそこそこ大きいでしょ、あたしよりっ」

「 ……胸の大きさって、それほど重要ですか? 大切なのは、心の持ちようだと思いますよ(ニコっ)」

「そうねー、エリアの云う通りかもー(棒読み)」

「ふふ……、そんなに大きくしたいなら────揉みましょうか?」

「は? サラ、何云ってんの」

「自分でするより相手からされた方が大きくなるって聴いた事があるのだけど……、やってみる?」

「なるほど、サラさんはそうやって大きくなられたんですね?」

「エリア、素直に感心しないの!……てゆうか、今まで何に揉まれてきたんだかっ」

「ふふ、それは秘密」

「とにかく結構よ! 同性に揉まれてどうすんのよ……」

「それもそうね? 異性にされた方が大きく成り易いかもしれないし。────彼にでもして貰ったら? ルーネスに」

「はぁ?! 誰があんな奴に……っっ」

「そうですね、ルーネスはダメです。……アルクゥかイングズさんにされてみては如何です、レフィア?」

「え、エリア───あなたまさか、ルーネスにされたいんじゃ……?」

「いえ、そういう訳ではないですけど」

「あら、それならイングズも駄目よ。彼は私の───── 」

「あ~もういいわよ! あたしはアルクゥにされとけってんでしょ?……今の所させる気ないけどっ」


「それはそうと────最近あの二人、イングズとルーネス怪しくないかしら。私のあずかり知らない所で、何かしてるんじゃないでしょうね……?」

「サラってば、どこに嫉妬してるのよどこにっ」

「わたしもそれは気になります……。気がつくと、割とサラさんよりイングズさんはルーネスといつの間にか一緒に居る事が多いんですよね」

「エリアまで……。妙に気が合うってだけじゃないの? 憎まれ口叩き合ってるし」

「だから怪しいんじゃない。イングズの気持ちがルーネスに傾きつつあるとしたら、危ないわ……」

「考え過ぎよ!……けどもしそうなったとしたら、サラはどうするつもりっ?」

「 ────イングズを幽閉かしらね、私の手元で一生」

「では失意のルーネスを、わたしが慰めてあげればいいんですね?」

「 ……何の話してるのよ、あたし達。てゆうかエリアはルーネスのどこがいいってのよ、あの子供っぽさ丸出しの!」

「そうですか? わたしの前ではルーネスは男らしいですよ♪」

「そりゃそうでしょ、スキな子の前では良く見せたいもの」

「私から見るに、ルーネスは可愛い男の子よ? 黙っていれば中性的な魅力ある少年だし……、アルクゥも女の子に見え兼ねないものね」

「あの二人、ぱっと見男らしくないからねぇ? その点イングズは………常に追い風受けてるみたいな髪が、向かい風受けてもほとんど後ろに靡かないのが不思議だけど、あの二人と比べても同年代とは思えないほど男らしくて美形だし頼りになるのよねぇ……!」

「あら、駄目よレフィア。イングズは飽くまで私の───── 」

「はいはい分かってるわよ!……全く、年上のお姫さまのお気に入りでイングズも苦労性ねー? だからあんなに早めに大人びちゃったのかしらっ」

「それ、私のせいだと云いたいの? イングズだって、私からしたらまだまだ子供よ。この私を受け止めきれないようじゃあ……ね」

「その大きすぎるお胸が邪魔して、受け止めきれないんじゃないのっ?」

「 ……わたしくらいなら、ルーネスは受け止めてくれるでしょうか? でもルーネスの視線は、サラさんのお胸ばかりに行きます。やはりわたしでは、まだ足りないんでしょうか……?」

「大丈夫よエリア、貴女は将来性があるわ。この私が保証してあげる」

「あ、ありがとうございますサラさん……!」


「 ────何、この疎外感」


「レフィア、落ち込む事はないわ。貴女も努力すればきっと……!」

「何よそれ、ミルクでもいっぱい飲めっての? 一応それはしてる──── 」

「きゃあっ! あそこに、何か居るわ……?!」

「何ですって!? まさか、露天風呂覗き見変態ドスケベが……っ」

「あ、良く見て下さい? 動物おサルさんが木に登って迷い込んで来ただけで ───── 」


「サラ姫様、ご無事ですか?! 覗き見変態ドスケベは何処にッ」


「「「 ……………… 」」」


「 ──────ぁ 」






「サラ姫がちょっとした悲鳴あげたからって、真っ先に仕切り乗り越えてくとはな……。おれとアルクゥは気づかれなかったけど、結局湯煙のせいでよく見えなかったな?」

「ぼ、僕は付き合わされただけだし、ルーネスみたいな下心がイングズに無かったにしても、レフィアには云い訳にならなかったね……」

「サラとエリアは怒ってなかったのになぁ? レフィアだけキレて幻術師のハイパ使ってボコボコのガンガンにされちまったみたいで ────可哀そうになぁイングズ(なでなで)」


「うぅ、おムネ攻めはもう、勘弁して下さ……ッ」


「魘されてる、これは相当重症だね……。ご愁傷さま(合掌)」




(おわり) 
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