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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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しばらく二人で黙っているといい


しばらく二人で黙っているといい。その沈黙に耐えられる関係かどうか。
—キルケゴール—

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しばらく二人で黙っているといい








◆◇◆コン◆◇◆






イタチに言われた思い出すべきことが思い出せないまま退院した

未だに体の調子がどことなく悪いが大分マシになった


あと、サスケを家族に勧誘したぞと話すシュロの顔が、何か吹っ切れたように見えた

中忍試験中のギスギスした空気が払拭され、以前のように会話が弾むようになった





それでは改めまして第六班、これより任務を開始します





本日の任務は———



「お見合い!?」



・・・お見合いです




次代火影が就任するまでの繋ぎとして、三代目火影が事務処理を引き受けているのだが・・・

厄介な任務が第六班に振り分けられた


Aランク任務・お見合い


ただのお見合いではない、むしろただのお見合いであってほしかった


事の起こりはシナイちゃんにある

特別上忍時代、各国へ赴任してきたシナイちゃん

そんなとき知り合ったとある国の大名のバカ息子・・・こいつがシナイちゃんに惚れたらしい

どうしてもと父親である大名に頼み込んで今回のお見合いの席を設けたのだが・・・


シナイちゃんが逃げ・・・いや、シナイちゃんを連れて逃げた奴らがいる

・・・ガイ先生とカカシ先生である

何してんだ病み上がり



ガイ先生の言い分はまだ理解出来た

結婚して料理作ったら大名子息が死ぬぞ!?・・・そう言っていた

そうか、シナイちゃん料理苦手か・・・


カカシに至っては何やらうわ言の様に呟きながら拉致して行った


お前ら何がしたい



「三代目、だからといってあの二人に拉致された先生を取り返すって無理がありますよ」


「うむ・・・じゃが前からこの見合いの件は申し込まれておっての・・・
 木の葉崩しの影響で大分待っていただいたのだ、これ以上引き延ばすことは出来ん」


「一応オレの蟲くっつけてあるから、追えるっちゃ追えるけど・・・なぁ」

「ガイ上忍は言いくるめればイケるか・・・でもカカシ上忍がな・・・」


なんで実力者に限ってあぁなのか・・・


「シナイちゃんに説得させるか?」

「ただいま」


カカシを引きずって受付まで帰ってきたシナイちゃん

・・・待って、今までの前振りは何なの?


「流石に個人の我がままで大名家の依頼を無下には出来ない
 ・・・見合いをすればいいのであって、結婚しろとは言われてませんからね」


・・・そうだね、そこらへん考えてないのが拉致った2人なんだよな


「それで、その見合い相手はどちらの国の方で?」


「・・・雷の国じゃ」


「・・・良いのですか?雲隠れは木の葉とは・・・」


あ、日向の一件か

シュロがすごい険しい顔してる


「雷、火の両大名は今回の任務で関係修復になればとお考えじゃ・・・
 やってくれるか、まじらず」


「木の葉のためなれば」


はっきりと宣言する先生

そうだよな、忍ならそうあるべきだよな


「シナイちゃん・・・だめ・・・ぜっっったいだめ・・・」「シナイ・・・料理はっ料理は絶対するなっ」


本当にこいつら忍者なんかね


「し、失礼な・・・自炊位できるんだからな・・・ただ、ちょっと焦げる・・・だけだ」


・・・焦げる?

焦げるだけでこの反応はおかしいぞ



「そ、それでは第六班!明日朝七時に門に集合だ!
 目指すは雷の国、道中木の葉との関係回復を厭う過激派の襲撃が予想される
 各自武具の点検をしっかり行い、有事に備えること!良いな?」


「先生、雷までのルートは陸路?それとも海路ですか?」


懐かしの海路・・・船酔いはきつかったな・・・


「雷の国は山脈地帯、我が班では対処が取りにくい地形と判断し、海路を取ることとする」


・・・オレの体力面もあるからかな・・・

本気で体力つけないと・・・筋トレしても中々身につかないものだな


「はーい」

「やっべ、オレ船旅初めてなんだけど」

「山脈地帯・・・何用意すればいいんだろ」


オレ兵糧丸と増血丸、非常食担当するから他頼んだ

話し合いの結果、起爆札、クナイなどの武器系統はシュロが担当

巻物、医薬品はイカリの担当となった



各々明日への準備を行うため解散する



先に木の葉病院に行って薬貰ってきて・・・商店街行って非常食を買いに行くか


























病院に行ってハヤテさんの所に顔をだし、商店街を回る

木の葉崩しの影響がまだのこり、崩されたままの瓦礫が目立つ

・・・いつ、復興できることか・・・


「コン」


「?・・・シノ」


店から出るとシノに出会った

一体どうしたんだろう


「・・・シュロが、最近おかしかった」


中忍試験から、全然話さなかったからな


「・・・そうだね」


シノは考えながら言葉を絞り出してくる


「・・・だが、なんというべきか、少し頑張り始めた
 ・・・不思議なものだ」



「うん」



そうだな、いろんなことに目を向け始めた

以前ならサスケを家族に勧誘なんかしないもんな



「・・・コンのお陰、なんだろう
 感謝する・・・」



そんなことはないけれど、シノにとってそう思うのなら・・・そうなんだろう

だけど、オレだってシュロの存在があったからこそ気づかされたこともある

・・・自分が、守られているだけの存在だということを、受け入れていた

受け入れて、それで現実から逃げていたんだ



「・・・オレこそ、油女んちには感謝してる
 シュロだけじゃない、シノにも」


「・・・オレは何もしていない」


「友達、だから
 オレとも、シュロとも」


「・・・そうか」


「そうなんだ」


「そうか」


・・・シュロやイカリ、ナルトや先生とも違う

何か別の感覚

・・・2人して黙り込んでしまったけれど、心地よかった

そのまま手を振って別れる

アパートまでの道のりが、酷く温かく感じた





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というわけでアニオリストーリー風任務編はっじまっるよー

いや普通にオリジナル編なんですがね

後始末しない後始末班のお話になるでしょう






 
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