転生赤龍帝のマフィアな生活
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三十七話:戦争勃発!?
前書き
AZAZEL「さあ、戦争の始まりだ!!」
それでは本文へどうぞ。
………つけられてるな。誰かは知らねえが俺をつけてる奴らがいるのは間違いなねえ。
誰もいないであろう更地に移動しながら敵の様子を探る。
……どうやら、相手も人の居る所で俺を襲う気はねえらしいな…それならそれで好都合だ。
俺にわずかな気配しか気取らせないあたり、それなりの奴であることは間違いないからな
俺もある程度本気でいかねえとまずいかもしれねえからな。
堅気の奴らをを巻き込むわけにはいかねえ。
さてと……ここまでくれば問題ねえだろ。
そこで足を止めて待ち構える。
その瞬間―――光の槍が雨の様に俺の真上から降り注いできた。
「怒りの暴発!」
すぐさま『赤龍帝の二丁拳銃』を出し、その全てをかき消す。
………光の槍ってことは天使か堕天使で間違いねえ。
そして天使が俺を襲う事はありえねえ……そうなると敵は堕天使ってことか。
「よお、お前が今代の赤龍帝―――兵藤一誠で間違いないな?」
六対十二枚のカラスの翼をはためかせ後ろに幾人かのカラスを従える
いかにもダンディーと言った感じの男。
………まさか、こんな奴が来るとはな―――
「堕天使の総督……アザゼルか?」
「当たりだ。兵藤一誠」
殺気を隠すこともなくそう返して来るアザゼル。
そして後ろに控える奴らも殺意の籠った眼で俺を睨んでくる。
はっ、おもしれえ。
「戦争でもやろうってのか? カラス風情が」
「ああ、だが勘違いするんじゃねえぞ、俺はお前個人に戦争を売りに来たんだ」
「俺個人にだと?」
「ああ、そうだ。この戦争は娘を―――ヴァーリを賭けての戦争だああああっ!!!」
「「「「うおおおおおおっ!!!」」」」
……何言ってんだ、こいつら?
娘だ? ヴァーリだ? ……分からん、こいつらが何言ってるのかが全く分からん。
「おい……まさか、それだけの理由で俺を襲ったのか?」
「それだけだと!?ふざけんな!人が手塩にかけて育てた愛娘を傷物にしやがって!!
パパは絶対に認めないからなあああっ!!!」
「こいつの部下はなんでこのバカを止めてねえんだよ!?」
完全に個人的な恨みで戦争を引き起こそうとしてんじゃねえか、こいつ。
いくら俺個人だけを狙ったとしても普通に考えれば堕天使と天使で戦争が起きても
おかしくねえことだぞ?正気か、アザゼルは?
「安心しな。シェムハザの奴に邪魔されたが気絶させてきた」
「安心できるか!!」
真面目にこれがきっかけで戦争が起きたらどうしてくれんだよ!?
俺は一向に構わねえが地域住民やファミリーにまで被害が及んだらやべえだろ。
この状況を何とかしねえとな…っ!
「行けええっ! 野郎共おおおっ!!」
「「「「我ら、『ヴァーリたん親衛隊』の手において我らの天使をたぶらかした畜生をこの世から滅殺してくれるわああああっ!!!」」」」
「この世界にまともな奴らはいねえのか!?」
殺意の籠った怒声を上げながら俺に突撃してくるカラス共……もとい―――
頭に『I LOVE ヴァーリたん』と書かれた鉢巻きをつけた変態共……。
少しだけ、ヴァーリの身の安全が気になった。
「俺、この戦争が終わったらヴァーリたんに告白するんだ!」
「俺が知るか!」
取りあえず、一番最初に突っ込んできた奴を消し飛ばす。
本当に戦争になると厄介なので一応、死なない程度には手加減した。
「アザゼル様が出るまでもありませんよ、ここは私が!」
「誰がお義父さんだ!ヴァーリは誰にも渡さねえぞ!!」
何故か、味方であるはずのアザゼルに蹴り飛ばされる奴。
アザゼル……てめえは本当に何がしてえんだ?
自分で自分の戦力減らして何になるんだよ……。
「くそっ! ここは俺に任して、お前らは先に行け!!」
「お前が先に逝けええええっ!!」
アザゼルの前に立ちはだかり仲間を先に行かそうとするが
あっけなく光の剣で薙ぎ払われて倒れ伏す奴。
……これ俺が戦わなくても終わんじゃねえのか?
「不味い!早く足止めを頼む!!」
「足止めは構わんが…別に倒してしまっても構わんのだろう?」
「俺より弱い奴にヴァーリは渡さねえぞ!!」
何やら小生意気な台詞を言った直後に先程の奴と同じように
問答無用で光の剣で斬り伏せられる奴。
「仲間殺しの総督となんか一緒に居られるか! 俺は帰る!」
「俺が逃がすと思ってんのか? カスが!」
逃げようとしていたカラスを撃ち落としてやる。
仲間が戦っている中、逃げようとするなんざふざけた真似をしやがる。
そのまま地獄まで落ちていきな。
(何と言うか……すさまじいまでの死亡フラグ回収だな)
(俺に聞いてくんじゃねえよ)
取りあえず、カス共が消えてからだな、アザゼルと戦うのは。
「兵藤一誠っ! ヴァーリは絶対にやらねえぞ!!」
「むしろ、いらねえよ!!」
「てめえ! ヴァーリは遊びだって言うのかよ!?」
「どっちがいいんだよ! てめえは!?」
カス共の掃除を終えてタイマンで戦りあう俺とアザゼル。
因みにだが、どういう原理かは知らねえが今奴は神器と思われる
黄金の鎧を身に着けてやがる。たく…どうなってやがる。
それにしても、いくら堕天使の総督と言えどもこうもやられたら
流石の俺も我慢できねえぞ。ぶっ殺す!
「決別の一撃!!」
「ぐうううっ!?」
最大の一撃をアザゼルに直撃させる。
まともに食らったんだ流石に効いてるはずだ―――
「効かんわああああっ!!!」
「何だと!?」
「娘を守るパパに不可能など存在しねえんだよ!!」
俺の攻撃を受けて崩れ落ちそうになるが、根性か何かは知らねえが踏みとどまるアザゼル。
言ってることは意味不明だが、奴の覚悟の強さだけは本物だ。
カラスのくせに何でこうも強えんだあの野郎は…っ!
「人の娘に手を出して挙句の果てには子供まで作りやがって…っ! 死んで謝れ!!
そして孫娘を早く俺に抱かせろおおおっ!!!
俺は一秒でも早くおじいちゃんって呼ばれたいんだよ!!!」
「誰が死ぬか! 後、ガキなんざ出来てねえよ!?」
「つべこべ、言ってんじゃねえよ!!」
巨大な光の槍を数えきれないほど投げつけてくるアザゼル。
俺はそれを粉砕しながら突き進み後ろに向けて銃を発射しその炎の推進力を
利用して勢いをつけた蹴りを顔面に向けて放つ。
「失せろ!」
「ぐっ! 効かねえ!!」
「ちっ!?」
鎧に罅を入れるレベルの威力があったのにも関わらず、
アザゼルはそれを根性だけで耐え抜き
そのまま、あろうことか、蹴りだした俺の足を掴み、そして―――
「くっ!?」
「ヴァーリを誑かした罪、その身で味わえや!!」
「がっ!?」
この俺を勢いよく地面に叩きつけやがった…この野郎…っ!
受け身を取った際に出来た小さな傷を見つめる……
俺に…この俺に傷を負わしやがった…許さねえ!!
「殺す……全てを灰に変えて殺す……全て跡形もなく消してやる!!」
『相棒、あれを使うのか?』
「ああ、もう一つの禁手で全てをカッ消す!!」
普段は威力が際限なく上がり続けてコントロールし辛えから、使わねえが……
こういう場合は別だ! 辺り一帯、諸共、消し飛ばしてやる!!
『Welsh Dragon Balan―――』
「パパアアアッ! イッセー君!!」
「「ヴァーリか!?」」
突如、現れたヴァーリに目が行き戦闘の手を止める俺達。
ヴァーリは鎧を身に着けたままホッとしたような溜息を吐き、
ゆっくりとアザゼルの方に近寄って行った。
「道に迷って遅れたけど間に合って良かった……パパ、こんな戦いやめてよ。
シェムハザさんも凄く怒ってたよ?」
「やめろ、ヴァーリ。男には引いちゃならねえ戦いがあるんだ」
「もう、少しは話を聞いてよ!」
「あの野郎を倒してからな」
再び戦う構えを見せたのでこっちも改めて構えて睨みつける。
そして再び戦いの火ぶたが切って落とされようしたその時―――
「話を聞いてくれないパパなんて―――大嫌い!!」
―――バキーンッ!!
黄金の鎧があっという間に砕けていきその中から
真っ白になったアザゼルが現れヘタリと地面に崩れ落ちた。
………どれだけショック受けてんだ?
「ほら、パパがちゃんと僕のお話を聞いてくれたら許してあげるから」
「ほ、本当か!? 分かった、ちゃんと話を聞くからパパを嫌いにならないでくれ!」
「それじゃあ、一緒に帰ろ?」
「ああ、分かった」
「それじゃあ、またね、イッセー君」
そう言って、泣きつくアザゼルをなだめながらこちらを振り返ることもなく
帰っていくヴァーリとアザゼル……結局、何だったんだ?
それにガキって何のことだ―――はっ!?
……まさかあの野郎『子作り爆弾』のことを勘違いしやがったのか?
たくっ……とんだ傍迷惑だったな……くそがっ!
このイライラ誰にぶつけてやろうか……。
「私はスリーカードにゃ!」
「……ノーペアです」
「残念…私はフルハウス」
「また、クロームちゃんの勝ちですね。凄いです!」
「皆さん、クッキーを焼いたのですがいかがですか?」
家に帰るとリビングでわいわいがやがやと女性達が遊んでいた。
ポーカーに興じるクロームと塔城小猫と着物を着崩したスタイルの良い女。
その様子をちょこんと椅子に座って眺めているアーシア。
そして、クッキーを全員に配るユニ。
イリナは風紀委員の仕事でまだ家に帰っていねえんだろうな。
俺はその和やかな雰囲気を邪魔することなく自室に向かう―――あ?
………待て、居てはいけない奴がいなかったか?
再び、目を戻して確認する。
そこで、ユニに気づかれる。
「お帰りなさい、一誠さん」
「あ、お帰り、お兄ちゃん」
「お帰りなさいです、イッセーさん」
「……お帰りなさいです」
「お帰りにゃ」
やっぱり、最後の一人がいてはいけねえ奴だ……
なんでこんなとこにいんだ?
「おい、何の用だ? ……カス猫」
「にゃはははは! 私の事を覚えてて嬉しいにゃ……その呼び方はどうかと思うけど」
「答えろ!」
手の平に憤怒の炎を灯して脅すように低い声を出して以前、
カスマフィアの殲滅の時に会った、カス猫―――黒歌に向ける。
「ただ単に用事で来たついでに妹の友達の家に一緒に遊びに来ただけにゃ。だから別に危害を加える気なんかないにゃ」
「妹だ?」
特に怯える様子も無く、のほほんとした感じにそう返して来るカス猫。
妹ってことは……この中で該当する人物は塔城小猫だけだな。
ちらりと塔城小猫の方を見て確認する……するとコクンと小さく頷いたので
手を降ろして炎を消す。
どうやら、本当に塔城小猫についてきただけらしいな……。
「えっと二人は…知り合いなの?」
「そうにゃ!
二人で熱い夜を過ごした――「殺すぞ?」――冗談だからその銃を下ろして欲しいにゃ」
クロームの質問に対してカス猫が何やら、ふざけたことを言おうとしていたので
『赤龍帝の二丁拳銃』を突きつけてやると大人しくなったが
反省の色は全く見られない……やっぱ、こいつは気に入らねえな。
「以前、こいつの主を殺した時にあっただけだ。 それからのことは何一つ知らん」
「……姉様、どういうことですか?」
俺の言ったことだけでは理解できずにカス猫に状況説明を求める様に
上目遣いをする塔城小猫。
「うーん、白音には前の主がとんでもないゲスだったって話したよね?」
「……はい」
「その時の主がイタリアにあるマフィアと手を組んで人体実験をしてたんだけど、それがボンゴレにばれて制裁に来たイッセーちんにマフィアのボスと一緒に消されちゃったのにゃ。それでその時に会ったってわけ。イッセーちんがあの主を殺してくれたから、今は私と白音はサーゼクスちんに拾われてグレモリー家に厄介になってるってわけにゃ」
あの後、そんなことがあったのか……
ちったあ、マシなコウモリに拾われて良かったじゃねえか。
「……そうなんですか。……姉様は兵藤先輩に狙われて良く無事でしたね」
「可愛い妹を残して逝くわけにはいかないから、そこは自分の体を差し出して―――」
「今度こそ、本気で殺すぞ? てめえを殺さなかったのは殺す気が失せただけだ。
……てめえの事は今も気に入らねえよ」
「そんなに怒らないにゃ。ちゃんとお詫びはするにゃ……ベッドの上でね」
そう色っぽい声を出しながら、胸元をさらにさらけ出しながら近づいて来るカス猫。
俺はその様子を見ながら腕を伸ばし―――
「吹っ飛べ!」
「にゃあああああっ!?」
軽く死ぬ気の炎を放射してカス猫を吹き飛ばす。
加減はした、怪我の一つも負ってはねえだろ。
第一、今のはカス猫が悪い。
妹の塔城小猫ですら呆れた様子でクッキーを食べてる始末だ。
「にゃー……いきなり攻撃するなんて酷いにゃ」
「……今回は姉様がふざけすぎなのが悪いです」
「うう、白音がグレちゃったにゃ!」
吹き飛ばされた痛みか、妹に見捨てられた悲しみかは知らねえが少し涙目になりながら
倒れたまま拗ねたように叫ぶカス猫。
まあ、まだふざけてるだけ元気はあるんだろうがな。
俺が気にする必要もねえ―――
(ふおおおおおっ!!! こんなにも…こんなにも他人に向けられる誘惑を見ることが興奮することとは!? 一誠様! すいません、私は真の主を見つけてしまったようです!! 今すぐにでも外に出て黒歌様にお仕えする執事とならなければ!!!)
まずい! 新たな変態の被害者が生まれちまう!
どうする? ……取りあえず、変態に狙われた奴には優しくしてやるとしよう。
倒れているカス猫に近づき手を差し伸べてやる。
「にゃ?」
「……施しだ」
倒れているので涙目上目遣いで俺を見上げるカス猫の目が見れずにフイッと顔を逸らす。
「自分で吹き飛ばして、自分で助け起こすなんて……これがツンデレかにゃ」
「るせえっ!」
たくっ……やっぱりはこいつは気に入らねえ。
正直、放置しておきたいぐれえだが―――
(一誠様! もっと黒歌様の誘惑を受けれるように口説き落としてください!!)
変態がこうなった以上はそうも出来ねえな……はあ。
胃が痛え……。
後書き
このアザゼルが強いのはAZAZELだからです(笑)
さて、次回はプールにするか一気に授業参観にするか……。
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