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【ONEPIECE】捨てられた人魚は恋をする【七武海×海賊】

作者:NaoMi
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王女と皇帝、その仲は

ルフィ「よおおしお前ら着いて来ォォォい」


ナミ「アホかぁぁぁぁ!!!」


ゴンっという鈍い音が聞こえ、


ナミ達はクンフージュゴンに渡す食料の事で悩んでいる中


『皇帝が地上に上がっていたとは!』


『皇帝様!ご無事で何よりです!』


『皇帝!』


私も私で今にでも爆発しそうになっていた


もしかしてジジイが言ってた


力を使うと最悪な未来が私を待ってるってこのこと?!


……いやでもそれはないな


ジジイは未来を視る事は出来るけど


わざわざこんな事の為だけに急いで連絡するはずがない


さあリオ、


必死に頭を動かせどうするか


リオ「……分かったから通らせて邪魔」


『皇帝がお通りになるぞ!道を開けろ!』


『『はい!!!』』


リオ「……いや確かにさ?


邪魔とは言ったけどさ…こういうのを求めてた訳じゃないんだけど」


私の目の前に広がるのは


私が通れるぐらいの一本道。


道が出来たのはいい事だけどさ、


何でお前ら拍手してんの!?


意味分かんないんだけど!?


リオ「……もういい」


コイツらと話してると頭が痛くなる


それなら五月蝿いけどロメナと話してる方が断然いい


リオ「私先に行く」


ビビ「あっリアさん待って!」


ナミ「リアぁぁ!?」


もういい知らん


クンフージュゴンとかもう知らん


トナカイに話を聞かれてたとしても知らん


何も見なかったし何も聞かなかった!


これで全てよし!!!


………にしても、


クンフージュゴンの次は酷く荒れた町か


サンジ「ここは?」


ルフィ「ここがユバの町か?」


ユバってもう少し歩いたとこにあるんじゃなかったけか?


歩いてすぐなんかじゃなかったような


ビビ「いいえ…ここは〝エルマフ〟


かつては緑の町と呼ばれてたとこよ」


リオ「……やっぱりね」


ビビ「え?」


リオ「なんでも」


一人先に町の中へと入ると


眉間に皺を寄せて左右両方に目を向けた


ここ周辺………全部砂で埋まってる


さっきまでは微かに水を感じてたのに


もう感じなくなった


これがジジイの言ってた


ある一定の地域に雨を降らす不思議粉


―――――ダンスパウダーね


ジジイとミズミズの実がなかったら


きっと私もこの町の人たちと同じように苦しんでたのかな


………なんてね






廃墟の町エルマルを抜けて


私達は今、先が全く見えない砂漠を歩いていた


しかも麦わらが五月蝿いし、


トナカイと長鼻はバカで幼稚な喧嘩をしてるし、


ナミは……なんか私の手を握って自分の頬に当ててるし


ナミ「何でリアの身体はこんなにも冷たいの!?」


リオ「ん~…それはー」


ミズミズの実のおかげかな。


ナミ「何で何で!?すっごく暑い服着てるのに何で!?」


だからミズミズの実のおかげなんだってば。


リオ「さあね」


今のナミに何言っても面倒臭い事になりそうだしな


これは放置するのが一番かな


ルフィ「何ぃ!?ナミ本当か!?」


リオ「ちょっと!?」


私の左手を掴んだ麦わらがナミと同じように自分の頬に手を当てると


その瞬間、麦わらが少しずつ生き返ったような気がした←


ルフィ「冷てええええ!?


何でだ!?何で氷みたいに冷てえんだよ!?」


リオ「え、っと…何でって…言われても…」


力の事をこいつらに言うつもりはないし


サンジ「ぬわあああ!!!ゴラァッルフィ!!!!


リアさんから離れろォォォォォ」


ルフィ「ぐはッ」


後ろから飛んできたコックが、


私でも痛そうだと思った一発の蹴りが麦わらの頭に直撃すると


その途端に私の左手から手を離した麦わらがコックと喧嘩をしだした


ルフィ「てめぇぇぇ!!!サンジ何しやがんだよ!!」


サンジ「テメェこそ何リアさんの手に触れてんだよ!!!」


ルフィ「ナミが冷てえって言うから俺はァァァ――――」


何か後ろで喧嘩してるけど気にしない


気にしたら負けっていう言葉があった気がするけど


まさにそれ、気にしてる程私は暇じゃないんです((キリッ


ナミ「てっきり助けに行くのかと」


リオ「私そこまで優しくないから」


ナミ「へえ?」


リオ「てことで手を離すから」


ナミ「駄目よっ!!」


本当に私が手を離そうとした瞬間、


ナミがガシッと手首を掴んだ






そして夜


ナミとビビが歯をガタガタ震わせながら


寒さと戦っている中―――、


リオ「…ここでいいかな」


皆から少し離れただけ離れた大岩に座って


上着のポケットから電伝虫を取り出した


『プルプルプルプル~プルプルプルプル~』


数秒コールが鳴った後、


ようやくの事で相手が受話器を取った


『待たせた、早く出れなくて済まなかったな』


リオ『別に、いいよ』


あんたが出てくれただけでもいい方だから、


と付け足すとジジイが笑った


『酷い言われようだ(笑)


……まあいい 陸に上がってからどうだ?


何か身の回りで変化した事はあるか?』


リオ『…特にはないかな


そう言えば今日クンフージュゴン達に会った』


『ほー…あの武闘派ジュゴン達かぁ


それであいつらに弟子入りされたのか?』


リオ『座って監視してるんじゃないの?』


呆れた顔してそう言うと


ジジイが小馬鹿にしたような笑い声をあげた


『だから監視ではないと言っているだろう』


リオ『あ、間違えた


予言をしてくれる為に椅子に座って視てる、だったよね?』


『違うと言っているだろう


私は本当にお前の事を心配しているんだぞ』


リオ『…分かってる、何だかんだで一番心配してくれたの


―――――あんただもんね』


私が騙された事に気づいて心身ともに傷つきながら国へ戻った時、


あんたは国の門の前にいて


力強く思い切り私を抱きしめて言った


〝お前は一人じゃない


お前の周りには私や心強い仲間・人魚達がいる


だから泣くな!負けるな!!〟


……って言ってくれた


例えジジイが忘れたとしても


私は絶対に忘れないだろうな


『――お前が元気になってくれて本当に良かった』


リオ『ふっ何それ』


私が吹き出すと


受話器越しから聞こえるのはジジイが優しく笑う声。


『気が向いたらいつでも電話を寄越せ


つまらん話でも聞きたいなら幾らでも話すぞ!』


リオ『ありがと、また数時間後に電話をかけるかもしんないけどね』


『そうか分かった。


今回は何も伝えずに電話を切るとするか』


リオ『重要な事以外は聞く気ないからそのつもりで』


『分かっておる』


何年お前と一緒にいると思う、


とジジイが付け足す


リオ『こっちはあんたの事、信用してるんだからね』


『それも、分かっておる』


リオ『へえ?』


左眉をクィッと上に軽く上げると


『私もお前を信用しているぞ』


そう言ったジジイが静かに電話を切った


私も受話器を戻してポケットの中にしまうと


ジジイのアホ面を思い出して


吹き出した後で必死に笑いを堪えると、


夜空を見上げ―――そしていつの間にか眠りについていた 
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