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オズのムシノスケ

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第九幕その六

「私達の頃はそうでもなかったのに」
「今はね」
「かなり食べる様になったわね」
「そうよね」
「この三国の人達はかなり色々食べて」 
 教授はここで少し微妙な顔になってこうも言いました。
「納豆とかもね」
「ああ、あれはね」
 ドロシーも納豆についてはです、少し苦笑いになって言いました。
「私も最初何これって思ったわ」
「ああ、納豆は」
「僕もです」
「私もでした」
 ジョージと神宝、ナターシャもです、それぞれ微妙なお顔になってドロシーに答えます。
「最初何かって思って」
「糸引いてますからね」
「腐ってるんじゃないかって」
「噂には聞いてましたけれど」
「実際にその目で見ますと」
「自分の目を疑いました」
「そうよね、私もびっくりしてね」
 そうしてとまた言うドロシーでした。
「日本人はこれを食べるのかしたってオズマとお顔を見合わせたわ」
「よく言われます」
 実際にと返す恵梨香でした。
「実は日本人の間でも」
「色々言われてるのね」
「はい、これは食べられるのかって」
「腐ってるとか言われるのね」
「よく言われます」
 日本人の間でもです、納豆はそう言われるというのです。
「関西でも」
「恵梨香は関西生まれの関西育ちよね」
「神戸ですから」
「関西では納豆を食べないの?」
「最近までそうでして」
「それでなのね」
「今でも年配の方は」 
 お歳を召されている方はというのです。
「納豆を食べないです」
「成程ね」
「ですが私は」
 恵梨香自身はといいますと。
「大好きです」
「そうそう、外見はともかくとしてね」
「食べますと」
 お口の中にです、実際に入れて味わってみますと。
「美味しいですよね」
「はい、かなり」
 そうだというのです。
「御飯に合って」
「そうなのよね、あっさりとしたお味で」
「不思議な食べものよね」
「うん、食べるとね」
「美味しいんだよね」
「意外と以上に」
 ジョージ、神宝、ナターシャの三人は納豆のお味についてはこう言うのでした。
「おうどんやお蕎麦にも合って」
「栄養もあるし」
「お腹にもたまって」
「納豆って不思議な食べものだわ」
 ドロシーはしみじみとして言うのでした。
「私も大好きよ、今ではね」
「僕あれ本当にね」
 カルロスが言うには。
「腐ってるのかって冗談抜きで思ったよ」
「それでもカルロスも今では」
「大好きだよ」
 そうだというのです、今では。
「あれ美味しいよね」
「そうでしょ」
「朝とかね」
「御飯にかけてね」
「食べると元気が出て来るよ」
「じゃあ今度ね」 
 ドロシーはカルロスの言葉も聞いて言いました。 
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