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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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九校戦編〈上〉
  織斑兄妹と軍関係者との会話

服部と桐原達が会話をし終えた後に、俺達だけの会話をしていた。まあ軍関係とCBの者とは裏では連携してやっているという事を知っているのは、記憶共有者としてスパイしている者たち。俺達は表では蒼い翼と連携をしていると思われるが、まあいいと思い俺達の荷物を運ぶ蒼太に結衣と沙紀。

「先ほどの事故といい、対ドウター戦に敵である金属生命体まで現れるのは予想外ではあった」

「金属生命体と言うと『トランスフォーマーですかい?』それもディセプティコンでしたか」

「目で分かったが、赤い目をしていた。それにあれは事故というよりテロだと俺は思う」

あの自動車がパンクし、スピンをしてからこちらに来るという不自然な動きを察知していたので、深雪でも分かっていた。魔法の痕跡もあったし、それに上空から見ていた沙紀でも分かるようなもんだ。それとトレミーは俺達がいる真上にいるそうだから、何かあればすぐに降下させると言っていた。

「織斑様もですが、あの時の映像を見た時は事故ではないと思いました」

「あれは小規模な魔法が最小出力で瞬間的に行使されていた。魔法式の残留サイオンも検出されない高度な技術でしたもんね」

「我々と同じく正規の軍隊が訓練した秘密工作員だと思いますね。使い捨てにするには惜しい駒何だと思いますね」

「魔法が使われたのは三回で、タイヤをパンクする魔法、車体をスピンさせる魔法、車体に斜め上方の力を加えて、ガード壁をジャンプ台代わりに跳び上がらせる魔法だったか。魔法を使ったのは運転手で自爆攻撃にも関わらずに、そのまま立ち上がり関係のない生徒たちに姿を現せた。すぐに対処したが、門が出てきた事で俺達の戦闘になった訳だ」

車内から放たれた魔法が使用されたのを隠し為であろうに、あれだけ大勢の優秀な魔法師がいたのに誰も気付かなかったのに、俺達だけしか気付かないとは盲点だ。今後はもっと正確に見えるように学校側に言わないとな。そう思いながらホテルの中に入った俺達に声をかけたのは意外な人物だった。ショートパンツに編み上げサンダルで健康的な素足を惜しみなく人目に曝し、上もタンクトップで肩を剥き出しにした少女が壁際に置かれたソファーから手を振っていた。

「一週間ぶり。元気してた?それにしても一真君も深雪も私服センスいいわね」

「ええ、まあ・・・・それよりエリカ、貴女なぜここに?」

「もちろん応援だけど」

気軽な挨拶を交わした後だったが、軍関係者達と別れた後に俺達を待っていたかのように座っていたエリカだった。その程度の回答は予想済みでもあった。

「競技は明後日のはずだが、もしかして千葉家のコネでも使ったのか?」

「あらまあ、さすが一真君は分かってしまうか」

懇親会は今晩行われる事を知っているエリカであったが、俺がコネを使ったのかと質問するとあっさりと答えたエリカだった。それも関係者以外は生徒であってもパーティーには参加できないのも。すると部屋のキーを取ってきた美月がこちらに来たのだった。

「美月もここに来ていたのか?」

「こんにちは、一真さんに深雪さん。そちらの私服も結構センスありますね」

「私達は私服センスあるけど、美月のは派手ね。ま、私達も似たような感じだけど」

俺達とエリカ達の互いのファッションを見せつけていたが、エリカも美月も似たような感じではあった。美月はキャミソールのアウターに膝より随分上のスカートと、見る人によってはエリカよりも扇情的も見られかねない。まあ深雪も似たような感じであるから、避暑地と勘違いはしていない。

「エリカちゃんに、堅苦しいのは良くないって言われたものですから」

「ま、そうだな。俺達の私服も堅苦しいのは良くないとは思うぜ、蒼太達は今回別任務でライダースーツ着ているがな」

ここに泊まるという事は千葉家のコネを使ったと見えるが、本来は一般人が泊まれる部屋は空いていないか宿泊できない。十師族の苗字に一から十までの数字が入っているように、百家の中でも本流とされている家系の苗字は千代田、五十里のように十一以上の数字が入っている。数値の大小が力の強弱を表すものではないが、苗字に数字が入っているかどうかは血筋が大きく物を言う、魔法師の力量を推測する一つの目安となる。苗字に数字が含まれる魔法師の家系は「数字付き」の隠語で呼ばれている。それは推測なので、一高の生徒会でも会長の七草しか「数字付き」には該当しない。

エリカの実家も千葉家であるから「数字付き」と呼ばれる百家本流の一つ。自己加速・自己加重魔法を用いた白兵戦技で知られている名門で、千葉家の特異な点は、魔法の行使において優れているだけでなく、それを体系化し、白兵戦を主なスタイルとする魔法師の、育成ノウハウを作り上げた事にある。今では警察及び陸軍の歩兵部隊に所属する魔法師の約半数が、直接・間接に千葉家の教えを受けているとされている。海軍や空軍でも、白兵戦が想定される部隊においては、千葉一門より教官の派遣を受けている事が多い。千葉家は、実戦部門に対するコネという面から見れば、あるいは十師族以上の権勢を有している。まあ権勢を持っているのは、百家や十師族以上に持っている零家や織斑家は国防軍とは顔パスで入れるところが結構ある。

「でも、いいの?エリカは、ご実家の後ろ盾を使うのが嫌いだと思っていたのだけど」

「嫌いなのは『千葉家の娘だから』って色眼鏡で見られる事。コネは利用する為にあるんだから、使わなきゃ損よ」

「確かにそうだな、俺達も荷物を整理しなければいけないので、あとでパーティーで会おうな。蒼太は俺とで沙紀は深雪の隣の部屋だと聞いているぞ」

俺達はそう言った後に、荷物を持っていた蒼太達を待たせたままなので俺達が行った後にレオと幹比古の姿が見えたけど。

「おい、エリカ。自分の荷物くらい自分で持ちやがれ」

「柴田さん、荷物持ってきたよ。事後承諾で悪いけど、フロントが混み合って来たから」

と文句を言ったレオに荷物持ちだと自覚していた幹比古だったが、後で会うからいいやと思い俺達は部屋に向かった。俺と蒼太は同じ部屋だが、結衣と沙紀は深雪の部屋ではなくお隣の部屋となった。まあこれに関しては、深雪も一人になりたい時もあるからである。 
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